MAURI PARADISE
−失ったもの−
Imatang people are very rich,they have a lot of money! Kiribati people
have a Rich Heart.
訳 : 他国の人のようにお金はありませんが、キリバス人にはリッチなハートがあります。
リッチなハートに惹かれ、それを伝えられたらと宿をはじめました。
はじめたころに訪れていただいた方は、キリバスの人たちの持つリッチなハートを、
感じていただけたのではないでしょうか。
お客様が増えるにつれ、私たちは初志がうすれ、村の人たちは少なからず、宿から影響をうけていたようです。
創業10年を機に初心にもどろうと一旦宿を閉め、気づくとリッチなハートは何処へ。
宿の再開を断念しました。
お客様、支えていただいた方々、キリバスの人たち、そして空、海、島の自然、ほんとうにありがとうございました。
MAURI PARADISEは海や島からの恵みをうけ、心豊かにくらす村人とすごす時をおとどけします。
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●宿を支えた仲間たち ●宿以外での活躍 ●永遠の番頭 ●宿の再開を断念
おわりに
長い間ありがとうございました。
おかげさまでマウリパラダイスは2003年で満10歳を迎えました。
この10年をマウリパラダイスの”第一章”とし、幕を閉じます。
そして第二章へ向けてスタートしたいと思います。
第一章ではマウリパラダイス(宿)は施設の造りを村の建物と同じようにし、滞在中の生活も
井戸水をバケツで汲み上げ、蚊帳の中で風を感じながら眠る、というようにしてきました。
皆さんと村民との隔たりをできるだけ無くし、村の人達と自然に接する事ができるようにです。
しかし、ふと気が付くと宿は”見かけ”だけが立派に村にとけ込んでいました。
宿(この敷地内)は村の中に違和感無く造られた”ただの豪邸”になっていました。
第二章では私達がキリバスの家族の一員にしてもらい、
その軒先に小さな客棟を建てさせてもらえたら、と思っています。
日本人が経営する宿で日本人が皆さんをお迎えするのではなく、
日本人がキリバスの家族の一員となり皆さんをお迎えするような宿を目指します。
今の土地は借地料を払って借りました。
今度はお金を払っても家族に成れるものではありません。
養子?結婚?兄弟の契り?どうなることやら・・・・・・・・
今までの10年を生かして宿(マウリパラダイス)の本来の意味での質の向上に望みたいと思います。
マウリパラダイスの目的は島の暮らしにとけ込む事で、心豊かに暮らす村民、
そして海や島の自然に支えられる贅沢な暮らし、
それらとごく自然にふれ合う時を澄みきった空間に提供することです。
第二章の幕開けに向けて歩んでいきます。
この小さな村の、ゆるりとしたスピードで。
そして、いつか小さな村の”本当”を、皆さんに味わっていただければと思います。
MAURI PARADISE
はじめに
“ Imatang people are very rich, they
have a lot of money! Kiribati people have a Rich Heart.”
“日本人はたくさんお金があってリッチな人たち。 私達には
リッチなハートがあります。”
これはキリバスを初めて訪れた時に村のおばさんから何気なく聞いた言葉です。
マウリパラダイス第一章(1993〜2003)の宿には、多くの方に訪れていただきました。
わずかながらも、キリバスの人たちの
リッチなハート
を感じていただき、
それをエネルギーに変え日々ご活躍していただけたのではないかと、とても嬉しい気持ちです。
一章では宿の見かけや設備にこだわってしまい、施設はいつしか村の中の豪邸になっていました。
その豪邸を造ること、そしてコンディションを維持する為にどれだけ多く木を切り、自然を破壊してきたことか。
それらの建物や設備は第二章に使う最小限を残して、島の人達に還元させて頂きました。
もう、施設や設備にたよったり、そのため自然破壊をしてしまったり、という事は無いようにしたいと思います。
島の生活は元々物が無いのです。でも、なぜか快適なのです。 それは無いから快適なのだと思います。
そしてそんな暮らしだからこそ
リッチなハート
が生まれるのでしょう。
そんな島の生活をしながら、光と風、 島の恵み、匂い、色、笑顔、歌声、子供を叱る怒鳴り声、
そして
リッチなハート
を感じていただければと思います。
一章では居候のように村に居させてもらっている日本人が経営する宿で皆さんをお迎えしてきました。
二章では私達もキリバスの家族の一員になって、キリバスの家族として皆さんをお迎えしたいと思います。
一章の宿の土地は借地料を払って借りました。
今度は家族として受け入れてもらう。それはお金を払って出来ることではないでしょう。
( pure human being )
挑んでみたいと思います。
少しでも南の島の本当を、皆さんにお伝えできるように・・・・・・
そして南の島の本当に近づいて、皆さんをお迎えできるように・・・・・・・
MAURI PARADISE
第二章の報告
宿は創業10年を機に閉め、2年程休ませてもらい再開しようと、村の外れの半島の近くに家を建てました。
もっと村の暮らしに近づいた形で、宿の施設としては上々だったのですが、本当の意味で向上させる為に
は “中身” が必要でした。
それまでも持っていたのですが、もっと強くしなければならず、休ませてもらっている間にそれを達成し
宿を始めるきっかけになった島民の優しい(強い)心の “源” を追究するつもりでした。
しかし、新たな家が建った頃、子供の病気が発覚し、文明国での治療が必要との事で、日本にも拠点を置
きました。それからこの7年程は数ヶ月単位で、キリバスでは源を追究し、日本では中身作りに精を出して
きました。
やがて中身は完成しないまま09年のキリバス滞在中”源”が体で理解できたように感じました。
すると 「宿は再開するべきではない」 と思えました。
ある意味では第一章の宿もそうだったのかも知れません。
第二章の真髄は “中身” にあります。それを作る事は僕の新たな目標でもありました。
宿を閉める頃に偶然、お客さんが置いていったジョン・マクドナルド著、人生の貴族になるために、と言う本を
読みました。そこには夢や目標を持ったならば、それを人に話してはならず、話しただけでやった気になり
立ち向かう力が軽減する、と言うような事が書かれていました。
それまでは目標を広言し、幸運にも達成してきたので、その正反対な発想を試みてしまったのです。
大変申し訳ない事にそんなことから中身についてはお伝えできず心苦しいのですが、どうか諦めるか達成
するまでもう少し見守って下さい。
達成すれば島の自然を壊さず、村の人達に影響を与えないで、宿に滞在するよりももっともっとキリバスを
お届けできるかも知れません。
その時を夢見て頑張っています。
尚、キリバス通信と写真のページは現地で収めてきたものを順に掲載していきます。
Mauri Paradise はこれからも島の自然とそこに暮らす村民の豊かな心をお届けしていきます。
これからもよろしくお願い致します。
追伸
20余年振りに日本の四季の移り変わりを通して経験させて頂き、改めて美しい国だと思いました。
2010 / 秋
< そして はじまり ます >
マウリパラダイスでは、村の豪邸のようになってしまったために閉めた宿を第一章とし、原点にもどろうとした宿を第二章としてきました。
第二章は、宿の魂であるキリバス人の持つリッチなハートが、薄らいでしまいスタートに至りませんでした。
そして―― 第三章 が幕を開けます。
故人である相棒の中村と中村の愛したキリバスが物語の中で蘇ります。
まずは、日本を背景に少年を主人公にした小説が出版されます。
キリバスが舞台ではありませんが登場人物に、中村の愛したキリバス人や中村本人の強く優しい心が、感じられるかもしれません。
題名“ぶるぶるブルー 青が僕にくれたもの” 著者名“Yasさん”
の予定ですが、詳細は追ってお知らせします。
中村と中村の愛したキリバスは大切にしたいので、何作か経験を積んでから、お届けさせて下さい。
宿の魂を失い再開を断念してから9年。ようやく僕らのキリバスを、みなさんにお届けできます。
マウリパラダイスは、海や島からの恵みを受け、心豊かに暮らす村民と過ごす時を提供しています。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
Mauri Paradise