第二章の報告
 
宿は創業10年を機に閉め、2年程休ませてもらい再開しようと、村の外れの半島の近くに家を建てました。
もっと村の暮らしに近づいた形で、宿の施設としては上々だったのですが、本当の意味で向上させる為に
は “中身” が必要でした。
それまでも持っていたのですが、もっと強くしなければならず、休ませてもらっている間にそれを達成し
宿を始めるきっかけになった島民の優しい(強い)心の “源” を追究するつもりでした。

しかし、新たな家が建った頃、子供の病気が発覚し、文明国での治療が必要との事で、日本にも拠点を置
きました。それからこの7年程は数ヶ月単位で、キリバスでは源を追究し、日本では中身作りに精を出して
きました。

やがて中身は完成しないまま09年のキリバス滞在中”源”が体で理解できたように感じました。
すると 「宿は再開するべきではない」 と思えました。
ある意味では第一章の宿もそうだったのかも知れません。
 
第二章の真髄は “中身” にあります。それを作る事は僕の新たな目標でもありました。
 
宿を閉める頃に偶然、お客さんが置いていったジョン・マクドナルド著、人生の貴族になるために、と言う本を
読みました。そこには夢や目標を持ったならば、それを人に話してはならず、話しただけでやった気になり
立ち向かう力が軽減する、と言うような事が書かれていました。
それまでは目標を広言し、幸運にも達成してきたので、その正反対な発想を試みてしまったのです。
大変申し訳ない事にそんなことから中身についてはお伝えできず心苦しいのですが、どうか諦めるか達成
するまでもう少し見守って下さい。
達成すれば島の自然を壊さず、村の人達に影響を与えないで、宿に滞在するよりももっともっとキリバスを
お届けできるかも知れません。
その時を夢見て頑張っています。
 
尚、キリバス通信と写真のページは現地で収めてきたものを順に掲載していきます。
Mauri Paradise はこれからも島の自然とそこに暮らす村民の豊かな心をお届けしていきます。
これからもよろしくお願い致します。
 
追伸
20余年振りに日本の四季の移り変わりを通して経験させて頂き、改めて美しい国だと思いました。
                                                                                                                      2010 / 秋

                        
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