▼リーディング
タロットにはそれぞれのカードに意味がある、とされている。だが解説書などで示されている「カードの意味」が全てではない。普段「カードの意味」と解説されているものは先人達がこのカードから読み取ったイメージの例に過ぎない。タロットというものは非常に抽象的で象徴的なシロモノである。
カードに描かれた絵や名前から、カードの出てきた順番、占う相手の状況、そういったカード以外の情報からも意味を読み取る。読み取る際に重要なのはインスピレーションだ。その時、カードを見てイメージされたもの。それが本当のカードの意味となる。

▼解釈
最初から「自分の感じたように解釈しろ」といわれてもそうそう思いつかないのが人間と言うものだ。初めのうちは解説書などの示す意味どおりの解釈に従い、慣れてきたら自分なりの解釈をするというのが無難だろう。
当委員会もイメージづくりの為のアイデアの提供を旨とする為、タロットの解釈や『フェイト』の解釈の具体的な例示を幾つか挙げてみようと思う。当然「▼リーディング」にもあるように、これらの解釈が『フェイト』の全てなわけではない。

●正義　Justice
ニューロデッキの８番目のカード『フェイト』と対応するタロットは８番目の『正義　Justice』だ（ライダー版と呼ばれる種類以降では１１番目の「力　Strength」と入れ替わっているものも多い）。右手に諸刃の剣、左手に天秤をもった女神という図案が基本である。主なイメージは公平さ、正義、裁判、警察、公正な判断、高潔など。「公正な・当然の」といった意味合いが強く、日本語での『正義』のニュアンスとは微妙に異なる。人間の都合によって生じる「正義とされるもの」ではなく、正義の女神によって象徴される『天界の正義』「当然なされるべき公正な判断・措置＝正義」を象徴したカードである。

●調整　Adjustment
ニューロデッキはトートタロットを参考にしている側面も多い。実際フェイトのカードには『Justice』ではなく『Adjustment』と記されている。これはトートタロットの記し方である。
トートの特色は大アルカナのカードは地水火風のエレメントに分類されそれぞれ小アルカナと対応し統括するとされる点だろうか。Adjustmentは風のエレメントに分類され剣の小アルカナ（Ｎ◎ＶＡでいうところのスペードのスート）を統括する。風は知識や情報を扱うエレメントである。
またAdjustmentは単純に和訳すれば「調整」だが、「〜の方向へ」を意味する接頭語＝Ad と、公正な・正しい状態＝Just の合成であるAdjustの名詞型と考えれば「≪真実≫に接近すること」と言う解釈も可能ではないだろうか？

▼タロットから見るフェイト
前章「■タロット≪正義≫」での確認事項などから考えると
「快楽と破壊、利益と陰謀が『正義』となった時代で『当然なされるべき公正な判断』を望むロマンティスト」
「情報や知識を従え、見失われた『本当の真実』に近づく方法を知る者」
などを表わすスタイルだと考えられる。

▼能力から見るフェイト
理性：2/5　感情：2/5　生命：1/3　外界：2/3
能力値的には“まるい”。平均的だ。目をみはる程高い数値もなく目も当てられない程低い数値もない。達成値競争になると少し辛い。制御値に関しては理性・感情が高く、肉体・外界が低い。特に外界は能力値と制御値の差が１しかなく暴走の危険性が高い。
総じて他スタイルとの組み合せ次第だろう。

▼神業から見るフェイト：＞＞神業≪真実≫
≪真実≫：キャラ１人から本当の事を聞き出す
自分自身の身を守れるわけでもなければ、障害を排除できるわけでもない。誰に対して使用しても望みどおりの結果を得られるわけでもない。全スタイルをとおしても屈指の使いづらさを持つ神業だろう。
しかしその使いづらさがゆえに、フェイトキャラの活躍の為の強力な指針となる。「とにかく調べ、探しだす！」事件の真相を知る人物を見つけ出す事がフェイトに課せられた役割だ。

▼特技傾向から見るフェイト：＞＞特殊技能
登場判定に関してはトップクラスの性能。表舞台での情報収集をサポートする特技が多い。戦闘系技能は防御中心で障害排除能力は低い。達成値上昇系技能はシチュエーションを限定するものしかない。
以上のことからフェイトの花道はリサーチフェイズの表舞台だと言える。