星座の探し方(初歩編)

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 夜空でいろいろな天体を見つけるには星座を覚えておくと便利です。細かいところは星図を見ればいいのですが、主立った星の並びを覚えていないと、自分が星図のどこに相当するところを見ているのかさえわかりません。
 町の景色がわからないと、地図を見ていてどこにいるのかわからないようなもんです。
 以前は小学校の理科で、星座の探し方を習ったものですが、今は指導要綱が変わって星座関係ははぶかれてしまいました。というわけで、星座をみつける基本をここに紹介します。


製図の例
天体の位置の詳細はこれで調べる。


星座早見
日付と時刻を合わせると、空にどんな星座が出てるかの概要がわかる。言ってみれば平面プラネタリウムだ。

北極星を見つけよう

春の北の空

 春の宵の頃に北の方を見ると上の方にひしゃくの形に並んだ7個の星が見えます。これが北斗七星です。北斗七星はおおぐま座の一部です。この北斗七星を基準にいくつかの星をみつけることができます。
 このひしゃくの先の2個の星を結んだ線を約5倍のばしたところにあるやや明るい星(2等星)が北極星です。
 この北極星の近くに天の北極があり、空はここを中心に左回り(反時計回り)に1日に約1回転します。これを日周運動と言います。また、同じ時刻に空を観察すると、やはり天の北極を中心に左回りに1年で1回転します。これを年周運動と言います。
 天の北極はちょうど地球の自転軸を北側に延長した方向に相当します。そのため、緯度が高くなるほど北極星は高くなり、北極では天頂(真上)に来ます。また、赤道ではちょうど水平位置にあることになります。
夏の北の空

 夏の宵の頃に北の空を見ると年周運動の関係で北斗七星が西の方に傾きます。そして、北東の方角にW字形に並んだ星の列が見えます。これがカシオペア座です。
 実は北極星はこのカシオペア座を目印に探すこともできます。カシオペア座のWの両側の2本の棒に相当する線をそれぞれ延ばして交わる位置から中心の星を結ぶ線をやはり約5倍延ばすと北極星に至ります。

秋の北の空

 秋の宵には、今度はカシオペア座が高く昇り、北斗七星は見えなくなります。

冬の北の空

 冬になると、カシオペア座が西の方に傾き東から北斗七星が見えるようになります。
 北海道程度に緯度が高くなると、北斗七星とカシオペア座はずっと沈みません。この沈まない星を周極星と言います。


夏の大三角形

 夏の天の川の辺りで明るい星(1等星)が大きな三角形を形成しています。これが夏の大三角形です。
 天の川の中にあるのがデネブ
(はくちょう座α星)で、白鳥座のお尻の部分に相当します。そして、天の川をはさんでベガ(こと座α星)とアルタイル(わし座α星)があるわけですが、これらは、七夕の織女星と牽牛星です。ベガの方は近くにある星と小さな三角形を形作っています。七夕伝説ではこの2個の星は侍女ということになっています。一方のアルタイルは近くにある2個の星と直線を形成しています。七夕伝説ではこの両側の2個の星は牛です。

さそり座

 夏の宵の南の空、天の川の一番明るいところのやや西よりにあるのがさそり座です。
 さそり座で一番明るい赤い星がアンタレス(さそり座α星)です。アンタレスを頂点にへの字型に星が並び、さらに西側に縦に3個星がならんでいます。ここのあたりが、蠍の胴体とハサミに相当するところで、アンタレスの南東方向(左下)にJ字形に並んだ星の列があって、そこが蠍のお尻ということになっています。
 さそり座は黄道十二星座の中で一番南に位置します。さそり座を目印に別の星座がさがせます。

オリオン座

 冬の星座の中で、と言うより、全天の星座の中で一番目立って形の美しいのがオリオン座です。3個の2等星が並んだオリオンの三ツ星を中心に、さらに回りを明るい4個の星が取り囲んでいます。日本では古くは鼓星と呼ばれていました。
 オリオン座は2個の1等星があり、北東(左上)の赤い星がベテルギウス(オリオン座α星)で、南西(右下)の青い星がリゲル(オリオン座β星)です。ベテルギウスは、太陽の直径の1000倍近くある巨大な星です。  三ツ星の南に縦に3個星が並んでいて、そのうちの真ん中がM42(オリオンの大星雲)です。

冬の大三角形

 オリオン座の東側に、ベテルギウスを含む3個の星が巨大な三角形を形作っています。これが冬の大三角形です。南東(左下)の明るい星がシリウス(おおいぬ座α星)で、全天の恒星で一番明るく輝いています。上(北)の星がプロキオン(こいぬ座α星)です。

アンドロメダ銀河をさがす(ペガサスの四辺形)

 実は私は、M31(アンドロメダ銀河)を、カシオペア座を目印に探しています。カシオペア座のWの下の方に何個かの星が曲線に並んでるのがアンドロメダ座で、カシオペアの右下の星とだいたい二等辺三角形を形成する星のうちの右下の星を見つけ、その星のカシオペア座側の小さな二等辺三角形を見つけます。その小さい二等辺三角形の底辺付近にM31は有ります。空が暗いところなら、肉眼でその姿を確認できます。
 アンドロメダ座の南側に大きな四角形の並びをみつけることができますが、これがペガサスの四辺形です。実はこの4個の星のうち、アンドロメダ座の方の1個はペガサス座の星ではなく、アンドロメダ座α星だったりします。 


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