宗教曲

§オラトリオ

オラトリオ「聖パウロ」作品36 1836 バッハやヘンデルをお手本として作られた。
オラトリオ「エリヤ」作品70 1846、
改訂1847
オペラばりの迫力。しかし「山に向かいて目を上げよ」のような静謐で美しい曲もある。
19世紀宗教音楽の最高峰のひとつ。
オラトリオ「キリスト」(未完)作品97 1847 未完のオラトリオ。作曲されたのはわずか2場面。
J.S.バッハ「マタイ受難曲」編曲版 1829〜 バッハの「マタイ」が現在これほど聴けるのも、すべてこれフェリクスのおかげ。

§宗教曲・無伴奏

《命じてください、主よ(ユーベ・ドミネ)》 1822
キリエ ハ短調 1823 ソロ、ダブル・コーラス。
14歳のときの作品。フランクフルト・聖ツェツィーリア楽友協会のために作られた。
《宗教曲》作品23より《われら人生のただ中にありて》 1830 いわゆる「グランド・ツアー」の途中、ローマで作曲。
作品23の中での唯一のアカペラ曲だが、非常に力のこもった曲。
主よ、われらを憐れみたまえ 1833 国教会サーヴィス用。
主よ、われを恥辱より護りたまえ 1839
3つの詩編 作品78(Ps2,43,22) 1843/44 フェリクスの宗教曲の中でも屈指の完成度を誇る。
詩編100《全地よ、主に向かいて歓呼せよ》 1844 混声合唱とソロ。
ハンブルクのNeuer Tempelverein(新神殿協会、でいいのか?)のために作曲。
主はその御使いに命じて 1844 詩篇91より。
のちにオラトリオ《エリヤ》に管弦楽伴奏つきのダブル・カルテット曲として採用された。
6つの箴言 作品79 1843−46 「クリスマス」「新年」「昇天祭」「受難週」「待降節」「聖金曜日」の題がついた6曲の小賛歌集。
MIDIファイル「クリスマス」(6.58kB、1分4秒)
MIDIファイル「待降節」(6.32kB、1分36秒)
2つの宗教合唱曲 作品115 1845 男声合唱のための作品。
・主にあって死ぬものは幸いなり(ベアーティ・モルトゥイ) 
MIDIファイル(5.35kB、1分57秒)
・目覚めた人々は(ペリティ・アウテム)
前者は数あるアカペラの合唱曲の中でも屈指のもので、これを知らずしてメンデルスゾーン・ファンとは呼べず、合唱をやってる甲斐も無い(ちょっと言い過ぎ)というもの。安らぎに満ちた静謐な曲で、終わり近くでベースが低音で支える上を残り3パートが次々に「Beati・・・」と跳躍していくところは美しさの極み。お気に入りはcpoレーベルのジングフォニカー盤。ディアパゾン・ドールに輝いた名盤です。
ドイツの典礼
(ミサ・ブレヴィス)
1846 8部合唱。
*キリエ・エレイソン
*天のいと高きところには神に栄光
(「グローリア」のドイツ語訳)
*聖なるかな
(「サンクトゥス」のドイツ語訳)
夕べの祈り《主よ、われらの嘆願に憐れみを》 1846 4部合唱。
3つのモテット 作品69 1847 1.主よ、今こそ御身はそのしもべを去らせてくださいます
(ヌンク・ディミッティスのドイツ語訳)
2.全地よ、主に向かいて歓呼せよ
(ユビラーテのドイツ語訳)
3.わが魂は主なる神をたたえ
(マニフィカトのドイツ語訳)

国教会サーヴィス用に作られた作品のドイツ語訳・アカペラ版。もとはオルガン伴奏だった。


§宗教曲・(独奏)楽器伴奏付

サルヴェ・レジナ 1824 ソプラノ・ソロと弦楽合奏。
テ・デウム ニ長調 1826 4人のソロ、ダブルコーラス、通奏低音(チェロ)。
アンティフォナとレスポンソリウム
《時は(オーラ・エスト)》
1828 16部合唱、オルガン。
待降節用の作品。
《宗教曲》作品23より《深き淵より》《アヴェ・マリア》 1830
3つのモテット 作品39 1830/37 女声合唱、オルガン。
*ヴェニ・ドミネ
*ラウダーテ・プエリ
*スレクシット・パストール
レスポンソリウムと賛歌 作品121
(ヴェスペルゲザング、晩課の歌)
1833 三位一体節後第21主日晩課のための作品。
男声合唱、伴奏はチェロとコントラバス。
合唱は3部で始まり、ソロを挟んで4部へと展開される。
そのミステリアスな導入の響きは、暗闇迫る夕暮れに行われる晩課にふさわしい。
冒頭合唱のMIDIファイル(19.9kB、3分46秒)
宗教的歌曲 1840 メッゾ・ソプラノ、混声合唱、オルガン。
賛歌《我が祈りをききたまえ》 1844 ソプラノ、合唱、オルガン。
最初は英語テクストだった。
作詞者は、オラトリオ《エリヤ》の台本英訳を手がけたウィリアム・バーソロミュー。
1847年、管弦楽伴奏に改作。
テ・デウムとユビラーテ 1832−47 合唱、オルガン。国教会サーヴィス用。
ユビラーテはドイツ語訳で作品69−2として刊。
マニフィカトとヌンク・ディミッティス 1847 合唱、オルガン。国教会サーヴィス用。
それぞれドイツ語訳で作品69−3、1として刊。


§宗教曲・管弦楽伴奏付

マニフィカト ニ長調 1822 ソリストと合唱、オーケストラのための作品。25分を越える大曲。
ツェルター先生に手伝ってもらったのかもしれないけれど、
それにしてもこれを13歳の少年が作ったというのか・・・まさに天才。
キリエ ニ短調 1825 5部合唱。
汝はペトロ 作品111 1827 5部合唱。
キリストよ、汝は神の小羊 1827 バッハの形式を踏襲したコラール・カンタータ。
歌詞はマルティン・ルター訳のアニュス・デイに基づく。
イエス、わが喜び 1828
めでたし、海の星(アヴェ・マリス・ステッラ) 1828 聖母マリアの讃歌。
ソプラノ・ソロと小オーケストラのための作品。
愛する神の統治に任す者は ゲオルク・ノイマルクの同名コラールに基づくコラール・カンタータ。
カンタータ《おお、血傷にまみれし主の御頭》 1830 コラール・カンタータ。
詩編115《われらにではなく、主よ》作品31 1830 ヘンデルの名高い「ディクシット・ドミヌス」の影響を受け書かれた作品。
われらに平安を与えたまえ 1831 1831年2月、ローマの謝肉祭中に書かれた。
ルターの同名コラールに基づく。
高き天より 1831 ルターの同名クリスマス・カンタータを用いたコラール・カンタータ。
2人のソリストと5部合唱を用いる。
われらみな唯一の神を信ず 1831 コラール・カンタータ。
ああ神よ、天より見そなわし 1832 コラール・カンタータ。
詩編42《鹿が谷川の水を求めるごとく》作品42 1837/38 フェリクスお気に入りの一曲で、彼がセシル・ジャンルノーと結婚したころに作られた。
叙情的に始まり、最後は詩編41の最終節、
「イスラエルの主なる神をたたえよ、世々とこしえに」
を借り、力強いポリフォニーで締められる。
「なにゆえうなだれるのか、わが魂よ」の歌詞に当てられる旋律は、三つの詩篇(作品78)の詩篇43の同テクスト部分に転用。作品78では男声の支えのもと女声が静かに歌うが、ここでは男声により励ますような力強さをもって歌われる。
詩編95《主に向かいて喜び歌え》作品46 1837/38、
1841決定稿
詩編114《イスラエルはエジプトを去り》作品51 1839 あーもー美しい作品でス!
アルト、合唱と管弦楽のための讃歌
《おお主よ、わが平安を見出させたまえ》 作品96
1840−3 1841年作の、アルト、合唱とオルガンのための3つの宗教曲(作品番号なし、あるいは作品96の1,2,3)を改作。
詩編98《主に向かいて新しき歌を歌え》作品91 1843
ラウダ・シオン(シオンよ、主をたたえよ) 作品73 1845/46
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