NEO   Epipode 〜Ultima〜「完全版」

――第17話「崩壊」

 

 

 

東京――新宿

 凄惨――。ゴジラとアルティマが激突した後の新宿の光景はまさにその言葉に当てはまった。火の海と化した歌舞伎町、新宿1丁目、3丁目一帯の街並み、無数に立ち並ぶビルのガラスはそのほとんどが砕け散って地面に降り積もっており、その破片の一つ一つに地獄の断片がを映し出されている。新宿駅周辺の建物――小田急、京王、高島屋といった百貨店は既に形を留めていない。そんな炎の中に照らし出されているのは巨大なアルティマのシルエットだけだった。

 同時に、先程から鳴り響いていた上空の雷鳴は激しさを増していた。そして、轟音と共に高層ビルに幾度にわたって落雷する。

ゴロゴロゴロゴロゴロ……!!!

 アルティマが苛立たしげに雷雲を見上げる。その時――

ドガアアアァァッ!!!

 雷鳴にも負けない爆音が響き渡った。同時に、炎を纏った大量の瓦礫が辺りに飛び散る。埃と煙の中からゴジラが立ち上がった。身体中が焼け爛れ、深く抉られた胸板からは滴るように血液が流れ落ちている。満身創痍の姿でもゴジラは目の前の敵に向けて咆哮を上げた。

 アルティマも負けずに威嚇すると、体内にオレンジ色の輝きを発生させた。その輝きは咽を通り、口内に収束していくまでに白い光へと変わる。

 しかし、今度はゴジラの方が素早かった。所々がへし折れ、傷付いた背鰭を発光させるとアルティマに向けて熱線を撃つ。熱線はそのままアルティマの顔面を襲った。

 一瞬驚愕の表情を見せたアルティマの顔面にゴジラの熱線が炸裂し、次の瞬間、上半身までも爆炎が覆い尽くした。その衝撃で首が振られたのか、爆炎の中から白い一条光はゴジラから見当違いの方向、新宿の虚空へと消える。

 顔面が黒煙に包まれ苦悶の鳴き声を上げながらふらふらと後退するアルティマに、今度はゴジラが襲いかかった。自分よりも巨体を持つアルティマと組み合うと、腕に噛み付き鉤爪を身体に突き立てる。

ゴリゴリゴリ……バキンッ!!!

 ゴジラの牙と爪がアルティマの外殻を突き破り、その傷口から鮮血が吹き出させる。返り血を浴びても動じないままゴジラはアルティマの身体を力任せに押し倒す!アルティマは力無く、まるで大木が音を立てて倒れるように新宿の駅ビルごと崩れ落ちた。

 天を仰ぎ声高に咆哮するゴジラ。背鰭が蒼く燃えるような輝きを放つと、渾身の力が込められた熱線が眼下のアルティマに向けて吐き出された。大爆発――!!!その余波は地上部分に留まらず、地下街をも駆け抜け、度重なる衝撃によって生まれた亀裂から炎が噴き出し、地下街の天井を吹き飛ばす。

 

 地面に横たわるアルティマ。それを包む炎はいつまでも衰える気配を見せなかった――

 

 

防衛庁――中央司令所

 

 その瞬間、作戦司令室にはどよめきが起こった。死んだと思われたゴジラが立ち上がって逆襲し、遂にはアルティマを打ち倒した――。

「み……見たか!神崎!?」

 長瀬は神崎の肩を強く叩いた。その目は疲労と興奮の余り充血している。

「………!?」

 雨宮も目を見開き、呆然と口を開けている。

「ゴジラ――…」

 神崎は長瀬が自分に話しかけたことも気付かず、モニターに見入っていた。

「みんな落ち着くんだ!!!」

 マイクを通した木ノ下統幕議長の声で、やっとその場が静まった。

「喜ぶには早い!我々が戦うべき相手がゴジラと決まっただけだ!まだ何も終わってはいないのだ!!!」

 その場の全員がハッとなった表情で木ノ下を見ていたが――

「統幕議長……お言葉ですがまだ決まったとは言い切れないようです……」

 一人のオペレーターが声を震わせながら呟いた。

「何だと……!?」

 訝しげにモニターを見上げて絶句する木ノ下。水を打ったように静まり返った司令室で、モニターに映った映像に全員が顔色を失った。

 

 

新宿――

 一際激しい雷光が二つの巨大な影を新宿に浮かび上がらせた。一つは満身創痍となったゴジラの姿、一つは全身に紅蓮の炎を纏ったアルティマだった。アルティマはさしもの外骨格も焼け爛れ、熱線の直撃を受けた顔面は外皮が捲れ上がって内部が露出し、片方の眼球が眼窩から飛び出し垂れ下がっているなど醜く潰れている。その姿で立ち上がった姿には誰もが執念という言葉を感じずにはいられなかった。

 すると、アルティマの身体がゆっくりと歪み始めた。内部が激しく蠢き、その変化が次第に外見にも反映されて行く。傷はその過程で治癒し、ただでさえ凶悪なアルティマの姿がさらに異形の物へと変化する。アルティマはゴジラの目の前で更なる進化を遂げようとしている。誰もがゴジラの命運に絶望を感じた時――

 

 

 

 新宿が闇と炎に包まれて行く……

 

 

 

 新宿周辺の全ての電気が次々と消えていった。道路の街灯、屋内の蛍光灯に到るまでが何物かにエネルギーを吸い取られたかのように消え、テレビなどのモニターもブラックアウトする。新宿を中心に、燃え上がる炎だけを残して周囲に闇が広がって行く。

 更なる進化を行おうとするアルティマと対峙しながら、ゴジラの背鰭は一際鮮やかに光りを放っていた。いつまでも続くように思われる輝き。そして、天を突くように鋭く一際高くそびえる背鰭から発せられた一筋の閃光に反応して、雲間が輝く。

 次の瞬間、上空の雷雲からゴジラの背鰭に落雷すると、雷雲からはゴジラの体内に膨大な量の電撃が注ぎ込まれていく。ゴジラの全身にスパークが走ると表皮から紫煙が上がり、大きく見開かれた眼球にも火花が散る。

 その間にもアルティマの身体は進化を続けた。逆三角形に膨れ上がった上半身、今までより遥かに太く強靭な腕と長く伸びた鉤爪。醜く裂けた口からはうねるように蠢く舌と鋭い牙が覗く。

 

 

 

 そして――膨大な量の落雷の奔流がゴジラの身体に完全に吸い込まれた時、新宿の街は音さえも失った

 

 

 

 進化を終え今まさにゴジラに襲いかかろうとしたアルティマの鳴き声もその沈黙に掻き消されたであろう。スローモーションの動きのようにゴジラの顎が大きく開かれる。そこから放たれたのは熱線ではなかった――

ゴジラ体内の核で発揮できる全電気エネルギー、さらに上空の乱雲から吸収した計り知れない雷のエネルギー、それらを一撃に込めた電撃の光球を撃ち出したのだ。

 猛烈なイオンのエネルギーで歪んだ空間を尾のように引きながら、一撃はそのままアルティマの体内に吸いこまれた。アルティマにはその時自分の身体に何が起こったのか分からなかったであろう。体内に打ちこまれた莫大な量の電子の塊はアルティマの全身を一瞬にして駆け巡ると、身体を構成する分子という分子全てに干渉し、原子レベルで細胞を破壊したのだ。

 既にアルティマの身体は外観をアルティマとして留めているだけで、原子にまで分解された塵の塊と化していた。そして体を支える均衡さえも崩れた時、その身体は文字通り跡形も無く粉砕された。細胞の遺伝子の一片も残さず、アルティマと呼ばれた個体は消失した――。

 だが、アルティマの全身を侵食した電子の猛威はそこに留まらなかった。喰らい尽くすものが無くなると、その触手を大気中まで伸ばし、アルティマが存在していたその場所に光の塊を発生させる。原子崩壊のエネルギーは膨張し、辺りを閃光で満たす。

 

 

「うわ……うわー―っ!!!」

 新宿上空を旋回していたOH−1偵察ヘリがその光に飲み込まれると、司令室のモニターがブラックアウトし、砂嵐のようなノイズに切り替わっていた。

 

 

 それは核爆発にも等しい光景だった。事前の戦いによって燃え盛っていた炎は白い閃光に呑み込まれて存在を失い、その上で更なる高熱は瓦礫を灰塵と化した。爆発の中心からそそり立った津波のような衝撃波が都庁をはじめ、新宿新都心の高層ビル群を軒並み打ち倒す。破壊の嵐の中でただ唯一生命を維持していた存在――ゴジラの姿と咆哮は、白い閃光と爆音の中にゆっくりと消えていく。

 そして――地上から新宿は消滅した――

 

 

東京上空――自衛隊ヘリ機内

 佐々木達の乗るヘリからもその瞬間は見て取れた。炎を上げる新宿が突如白い光に包まれ、次の瞬間、巨大な火球が炸裂したのだ。爆発を中心に周辺の街並みが衝撃波によって薙ぎ倒され、やや遅れて火の手が上がるのが分かる。

「ぐっ……!」

 不意にヘリの機体が大きく振られ、二人はシートにしがみついた。現場からまだ離れていると言うのに、ここまで余波が伝わってくることでよっぽどの事態が起きたことは想像に難くない。

「桑原!もっと急げないのか!!?」

 斎藤は揺れが収まるのを待ってパイロットを務める後輩を急かすように声を上げた。

「分かってますよ!!正直、あまり近づきたくないですけどね……!」

 パイロットの桑原伍長は背中に冷たいものを感じつつも操縦桿をさらに押しこんだ。

 

 

防衛庁――作戦司令部

 監視ヘリからの画像が途切れて数秒後、防衛庁の地下にある中央指揮所も地震のような揺れに見舞われた。天井の明かりが瞬き、数台のモニターが消えた他は特に異常は無く揺れは収まった。地上で核爆発が起きてもその機能を保持できる防衛庁の地下施設はその耐震構造をいかんなく発揮したようだった。

「何が起きたんだ!監視ヘリからの連絡は!?」

 木ノ下統幕議長は声を上げた。

「ダメです!ラインが完全に切断されました……!!」

 状況と先程司令室をも襲った揺れから推測すればただならぬ事態が起きたことは、そして監視ヘリの無事が絶望的なのは明らかだった。

「……」

 長瀬は目を伏せたまま首を横に振る。

「待ってください!!!」

 突然オペレーターが声を上げると、彼はヘッドフォンを耳に押し当て無線周波数のチューナーを操作し始めた。

「通信です!これは……化学科部隊所属3番機です!」

「音声をスピーカーに回せ!!!」

 木ノ下議長が言うと、ノイズ混じりながらも声が入ってきた。

『――こちら化学科…隊佐々木三佐――…令室応答せ…よ―。』

 佐々木の名を聞いて、長瀬がマイクを取った。

「こちら、幕僚長の長瀬だ!現在位置を報告せよ!!!」

『現在――ン宿上空1000ふぃート…――で視界が…詳しい状況―明――』

「もう少し降下は出来ないか!?現場の様子が知りたい!」

 苛立つように長瀬が続ける。

『―かりました。桑原曹…、―――』

『了解…』

 機内のやり取りのようなものが聞こえた後、ノイズはだんだんクリアになって行く――

 

 

 煙で視界が悪い中、ヘリは慎重に降下していった。黒煙と炎を避け、開けた場所を探す。そして、不意に煙が途切れ目の前が開けた時、斎藤は思わず声を上げた。

「すげぇ……」

 佐々木も同じ光景を息を飲んで見守っていた。そして、おもむろにマイクを取ると口を開いた。

「こちら佐々木三佐。新宿は……消えています!!!」

 

 

『新宿は……消えています!!!』

 固唾を飲んで報告を待っていた司令室にその声は響き渡った。しかし、その言葉はあまりにも抽象的で想像もつかない物だった。

「どういうことなんだ!?もう少し具体的に報告してくれ!」

 長瀬は興奮気味に声を上げる――

 

 

 佐々木は我ながら失言だったと後悔していた。その光景を目の当たりにしたら思わずその言葉が出てきてしまったのだ。今度は周囲の状況をよく観察し、言葉を選ぼうとする。しかし、語るべきことは多くなかった。

「何が起こったのかは予想もつきません!ほとんどの建物は基礎を残して全て薙ぎ倒され、一面は焼け野原です!これはまるで新宿で核爆発が起こったような――」

 そこまで言った時、佐々木に聞き覚えのある声がインカムに入ってきた。

『ゴジラは?ゴジラはどうなった!?』

 神崎の声だった。神崎は立ちあがり、接続の切れたモニターを見詰めたままの姿勢でいた。

「確認します!桑原曹長、このまま上昇し周辺を旋回してくれるか?」

「了解!」

 佐々木の指示を受けて彼は操縦桿を引き上げるとヘリを上昇させた。佐々木と斎藤は黒煙の間に見える地上に目を凝らす、その時――

 大気の振動と大地の鳴動が重なり合ったような響きを二人は耳にした。地球上でこのような音を発する存在は一つしかいない。その音が聞こえた方向に目を向けると、二人は同時に叫んだ。

「「ゴジラ――!!!」」

 

 

 二人の声はそのままマイクに拾われ、司令室に伝わった。炎に照らし出された巨大な影、岩山のようなゴツゴツした表皮に鋭くそびえる背鰭、強靭でしなやかな尾を振るう姿は紛れもなくゴジラのものだった。

「本当にゴジラなのか!?間違い無いんだな!!?」

 長瀬は興奮の余り机から身を乗り出させ、叫ぶたびに唾を飛ばした。

『間違いありません!ゴジラです!!!我々からはアルティマは確認できません!!!』

「つまり……ゴジラはアルティマに勝利したと言うことか……!?」

 佐々木の言葉から新宿の惨状を聞いて、藤田長官は呟いていた。

『待ってください!ゴジラに動きがあります――』

 

 

 重々しい足音を響かせなからゴジラはクレーター状に地面が抉れた部分――アルティマが消滅した爆心地――の手前まで歩を進め、ゆっくりを辺りを見回す。そして何かを確信したかのように咆哮を上げる、長く力強く。勝利の咆哮終えたゴジラは振り向き、傷付いた身体を引きずるように新宿だった街並みに背を向けた。

 

 

『ゴジラが新宿を離れます!これは……四ツ谷方面に進行する模様!!』

 佐々木の叫ぶ声が司令室に木霊する。雨宮は思わず隣を振り返った。

「神崎さん……!?神崎さん?」

 横にいたはずの神崎は何時の間にか姿を消していた。回りを見渡しても視界には入らない。ヘリの佐々木からの報告に耳を傾けている長瀬や木ノ下は彼が狼狽する理由に気付いていなかった。

「(まさか!?)」

 嫌な予感を感じた雨宮は廊下に飛び出した。そこにもやはり神崎はいなかった。彼は闇雲に走り始めた。廊下を駆け、階段を上り、神崎を探す。

「いったい……どこへ……」

 雨宮は息をつきながら一人語ちた。虫の報せのような物が彼を、神崎を探すように駆り立てていた。そこへ、防衛庁の職員と思しき制服の隊員がやってきた。

「どうかされましたか?」

 口調は礼儀正しく、雨宮に敬意を払っているようだった。雨宮は息を整えると駄目で元々の気持ちでその隊員に聞いた。

「神崎三佐を見かけませんでしたか……?」

「神崎三佐……?」

 一瞬考えこんだ隊員だったが、すぐに口を開いた。

「ああ、背が高く厳しい顔をした、こちらでは見かけないあの方ですね?」

 漠然とした特徴だったが、雨宮は言葉の人物が神崎であると確信した。

「その人は今どこに!?」

「シャツを着替えたいとかで控え室の方に向かいましたが……」

「ありがとう!」

 隊員の言葉も終わらないうちに雨宮は再び駆け出した。

 

「神崎さん!!!」

 自分達の控え室の扉を勢い良く開くと雨宮は叫んだ。しかし、室内は暗く人の気配はしない。雨宮が電灯のスイッチにを入れると、ハンガーには神崎の制服が整然と架けられ、中央のテーブルの上に1通の封筒が置かれているのが見えた。彼は封筒に近づくとそれを掴み上げる。封筒には自分宛ての名前があった。間違い無く神崎の筆跡である。彼は嫌な予感が確信に変わるのを感じたまま立ち尽くした――

 

 その頃神崎は裏口を出、中庭に向かっていた。そのいだたちは制服から野戦服へと変わっている。彼がそのまま歩を進めると、待機中のUH−60ヘリの駆動音が聞こえてきた。機体の回りには数人の隊員がいたが、近くに貼り付いているのはコックピット付近の一人だけである。神崎は足音を消して彼に近づき、腰のホルスターからシグサワーP220自動拳銃を抜くと彼の後頭部へ押し当てた。

「――な……何を……!?」

 自分の頭に感じる冷たい銃口の感触に、隊員は混乱しながら答えた。

「陸上自衛隊の神崎三佐だ。しばらくこのヘリを貸して欲しい。」

「三佐!?彼方は自分が何をやっているのかお分かりですか!!?」

 少し自分を取り戻したのか、隊員の口調は強く神崎を突き放していた。

「自分が何をやろうとしているかは十分承知だ。できれば君を傷付けたくは無い。私は行かなければならないのだ……!」

「そんな命令は受けていません!誰か――!!!」

 隊員の叫びに周りも気付いたのか、数人が64式自動小銃を片手に集まってくる。

「すまない――!!!」

 神崎は銃のグリップを隊員の延髄に撃ち付けると彼を気絶させた。崩れ落ちる隊員の体を受け止めた時、15年前自分を止める為に殴って気絶させた長瀬の顔が脳裏に浮かんだが、拳銃を周りの衛兵に牽制するように向ける。

「動くな!!!」

 冷たく言い放ちながら、神崎はヘリに乗りこんだ。そして、ドアを閉める直前に一言言い残す。

「彼を介抱してやってくれ……」

 そして、ヘリの操縦が久々とは思えないほどの動きで素早く操縦桿を引き上げるとヘリを上昇させる。すると、自分と雨宮の控え室に電気が灯っているのが目に入った。

「(後は頼んだぞ、雨宮一尉……。私はこうすることでしか決着が付けられないんだ!!)」

 心の中で呟いた神崎は機を四ツ谷方面に向けた――

 

 雨宮は茫然自失な表情で中央指揮所に戻ってきた。神崎が彼に残した手紙の内容が全て嘘であるように祈ったが、突きつけられたのはそれを裏付ける現実だった。

「何が……あったんですか?」

 先程までとは雰囲気の異なった慌ただしさに、雨宮は違和感を覚えた。

「大変なことになった。つい先程、神崎が中庭で待機中のヘリを強奪して飛び去ったのだ!」

 長瀬は信じられないと言った様子でかぶりを振った。それを聞いて、手紙を持つ雨宮の手は自然と震えていた。

「(やはり――神崎さんは――!!!)」

 雨宮は全身から血の気が引くのを感じた……

 


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