レ・ミゼラブル・イン・コンサート


ルビ吉観劇記録=2004年(大阪、名古屋)

名古屋公演のレビュー「ファンティーヌの味比べ?」は
こちらからどうぞ!→★★★

『レ・ミゼラブル』本公演のレビューはこちら→★★★

【このミュージカルについて】
※ミュージカルそのものについてはこちらをご参照下さい。

1987年の日本初演以来、大勢のミュージカルファンの心を惹きつけて止まない『レ・ミゼラブル』。海外では既に開催されている、このミュージカルのコンサート版が日本でも初めて開かれることになった。
キャストは最新版『レミゼ』に出演していた役者が中心だが、岩崎宏美、本田美奈子、鹿賀丈史といったかつてのバージョンに出演していた役者も加わって華を添えた。
【観劇記】
『レミゼ』は暗すぎて避けていた時期もあったのですが、そんな俺でも音楽の素晴らしさだけは初演から変わらず魅力に思っていました。そんな演目のコンサートですから、上演を発表して以来、期待しまくりだったのです。結果は期待以上の素晴らしさ!1週間の公演期間中に2日も足を運んだんですが、もっと行っても良かったくらい。早くも名古屋公演、福岡公演、神戸公演などに思いを馳せています(笑)。

舞台の様子を説明しておくと、キャストは全員舞台上に座っています。そして自分が歌う場面が来ると、前に出てきて歌うといったあんばい。オーケストラはピットではなく、舞台上のキャストの後ろに配置。また大型スクリーンが後方にあって、歌だけではわかりづらいストーリーを字幕で補ったり、ミュージカルのシーンを映し出したり、舞台上のライブ映像を映し出したり。スタンドマイクで歌うため動きは少ないけれど、衣装やメイクも大方はそのままだし芝居をしながら進行していくしで、コンサートといっても半分ミュージカルを見ているようなものです。客席からはミュージカル本編同様に、すすり泣く声なども聞こえてきたり。俺もかなり感情移入して見入ってました。ハイ。

嬉しかったのは、東京公演にはなかった40人のコーラス隊が大阪公演から加わったこと。一幕最後の「ワン・デイ・モア(One day more)」、エンディングの「民衆の歌(The People's Song)」などの出番になるとオーケストラの後ろの幕が開いてコーラス隊が現れるといった趣向。コーラス40人にキャストも同数くらいいますから、凄い迫力でした。コマ劇場全体に反響して、正に音のシャワー。


【プリンシパル感想】
下の皆さん以外にも大勢の役者がキャスティングされていますが、自分の見た公演回のキャストについて感想など。

ジャン・バルジャン
石井一孝…昔、マリウス役で見たことがありましたが、彼がバルジャンをねぇ…。随分と若いバルジャンでやや違和感もアリ。
別所哲也…別所だと教えてもらわないと、彼ってわからないほどの変貌ぶり。歌はバルジャン役の他の俳優と比較したら、ハズレでしょう。決してヘタではありませんが。

ジャベール
今 拓哉…2日間ともコイツでした。歌は上手いですよ。

エポニーヌ
本田美奈子…見逃してもう見られないと思っていた本田エポを見られたのは儲けモン。天井が割れるかと思うほどの声量で「オン・マイ・オウン」を歌い上げ、ショー・ストップの拍手でした。延々続く拍手に指揮者も困惑気味(?)といった感じ。やっぱり彼女は、ミュージカル界のディーヴァですね。
笹本玲奈…凄く端整な歌い方とでも言えばいいのか、とりあえずそんな感じ。上手いんだけど、エポのような個性的な役で歌うのならもう少し“味わい”が欲しかったぞ。

ファンテーヌ
岩崎宏美…かつて『レミゼ』を見たときは、いつ見てもファンテは宏美さん。昔の印象は余り覚えていないのだけれど、声がやはり年を取ったかな…と。宏美さんは歌手が本業であり歌に特徴のある人ですが、『レミゼ』では歌い方を変えて、芝居として歌ってました。プロの仕事だなぁーと感心。
井料瑠美…俺の大好きなルミルミなんですが、今回はイマイチ…。東京公演では体調を崩して休演したと聞いていたし、まだ体調が本調子じゃないんかな。時々声が小さくなってしまい、かなり前方席にいた俺でも「はぁーっ?ナンですか〜??」状態。ルミルミ、お大事に☆

コゼット
剣持たまき…2日間とも剣持さん。この子はとにかく可愛い!俺にもこんな娘がいたら欲しいものは何でも買ってやるってくらい可愛い。歌は美しいソプラノ。少し線は細いけど、それはまぁ彼女の味ってことで。←可愛いってだけで甘い(笑)。

マリウス
泉見洋平…初めて見ましたが、歌がいい。歌詞をちゃんと明確に歌う姿勢に好感を持ちました。また若々しい男前ぶりも役にピッタリ。
岡田浩暉…博多座で『レミゼ』本編を見たときより、歌が成長していた。芝居もすごく真面目な感じのするマリウスを演じていて好感度高し。で、顔は相変わらずオトコマエ。ていうか俺の好きな顔。

テナルディエ
駒田 一…『レミゼ』では初めて見ましたが、ハマリ役なんでしょうか?最高のテナルディエですよ。もう際立ってる感じ。

テナルディエの妻
瀬戸内美八…瀬戸内さん、おもしろい。ひとりアドリブ満載で、夫のテナルディエが歌う時などは、ここぞとばかり前に出てきて客席を煽って「皆様、お手を拝借〜」状態(笑)。
森公美子…もうコメントのしようもない。存在感、歌唱力、演技力ともに素晴らしい。

アンジョルラス
留守 晃…初めて見ましたが、なんだか俺のイメージしていたアンジョルラスを裏切ってくれました。華がなかったり、声も微妙に渋いし。でもキャスト替わりで見るステージでは、こういう裏切りって新鮮で楽しい。
坂元健児…圧倒的な歌唱力。歌を惚れ惚れと聞かせてもらった。ただ革命のリーダーとしては小柄で、子供が勇ましく頑張ってる感じがしちゃったんですが…(笑)。




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