レ・ミゼラブル イン コンサート名古屋公演(中日劇場) 「ファンティーヌの味くらべ?」 【観劇記】 追いかけてしまいました…名古屋まで。夏に見たこのコンサートの素晴らしさを体が覚えていて、序幕の演奏が始まるだけで既に目頭が熱くなり…(笑)。名古屋公演は 大阪公演のように100名のコーラス隊が入ったりせず、シンプルな演出でした。恐らく コーラス隊を入れた『レ・ミゼラブル イン “大”コンサート』は、派手好きな大阪だけの特別演出だったのでしょうか。ま、会場がひときわ大きかったですからね、大阪は。 さて今回の名古屋公演の俺的みどころは、ファンティーヌ役のマルシア。2月に『ユーリン・タウン』で初めて見て「上手いなぁー」とは思っていましたが、『レミゼ』では初めて見ました。演歌畑の歌手にして変な日本語使いのタレントってイメージがまだまだ拭えない彼女なんですが、ミュージカル女優としての実力はかなりのもの。もう、なんと言っても彼女は歌が上手いし声もいい。 マルシアのファンティーヌは、井料瑠美や岩崎宏美とは明らかに歌の味わいが違います。歌の中にこってりとした芝居味が入ってる…と、そんな感じ。ちなみに井料瑠美さんは、声そのものが透明感がありつつもウエッティなので、悲惨さが出まくり。か弱い、泣きのファンティーヌです。岩崎さんは洗練されたイメージのファンティーヌ。ドロドロ感がないと言うか。家に帰って会場で購入したCDを聞いたところ、もうひとりの高橋由美子ファンティーヌもまた違った味わいがありました。CDで声だけ聞いていると、アバズレ感がもっとも高いような印象。それはそれでドラマチックな雰囲気を醸し出していて、この人のファンティーヌも見たいなぁーと思わせる魅力が溢れていました。 話を名古屋公演に戻しましょう。その他のキャストも全体的に素晴らしかったです。しかしケチをつけるとすれば、何年来の大復活を果たした村井国夫さん。往年のファンは大歓迎なんでしょうが、俺は単純に「ジャベールだけが年寄りでバランスが悪い」としか思えず。村井さん自身はお上手なんですけどね。芝居はバランスも重要ですから。 あと、何でも無難にこなす戸井さん、今さんは安心して見られるキャストでありますが、どんな役でもこなす反面、個性がない。コンサートとは言え、もう少し役になりきって 欲しいように思えました。 【観劇時の主なキャスト】 ジャン・バルジャン=今井清隆、ジャベール=村井国夫、エポニーヌ=ANZA、ファンティーヌ=マルシア、コゼット=剣持たまき、マリウス=戸井勝海、テナルディエ=三遊亭亜郎、テナルディエの妻=瀬戸内美八、アンジョルラス=今拓哉 ![]() ↑先日ようやく発売となった『レ・ミゼラブル2003年バージョン』のCD。2003年バージョンはジャン・バルジャンの役違いで4種類発売。俺は山口祐一郎版を除く3枚を買いました。別に山口さんの歌が聞きたくなかった…ということではなく、バルジャン役以外の役者を吟味していたら山口版を買う必要がなかった、ということであります。 |