7月某日「ザ・あきんど(商人)」 
 どうしようもなく暇をつぶす必要が出て、先日は珍しく、セール真っ盛りのデパートなどを覗いてみた。『何かエエもんがあれば買おかいなぁ〜』くらいのノリで。そして何も考えずよく行くショップへと向かった。なんとなくスーツを見ていたら、背後から「こんにちは〜。先日はありがとうございましたぁっ」の声。振り向くと、そこには1万ワットの笑顔が。
『しまった!コイツがいたか…』。春にスーツを買ったときに接客してくれた店員で、顔は江口洋介風。いや、顔はさしてタイプでもないのだが、その笑顔はオジサンのハートを鷲掴みにする恐ろしいボクちゃんなのである。このホームページでも何度となく話題にしているが、俺はボクちゃんの笑顔にかなり弱い。しかもボクちゃんは何気に浅黒くなっていて、これも俺的にはかなりのダメージを受けるのである。『ヤッバ〜』と思ったところで
時すでに遅し。“手ぶらでは帰らせねーぞ”の術にまんまとかかってしまった。
 「今日はどのようなスーツをお探しですかぁ?」の一声で、俺とボクちゃんのバトルは始まったのだが、俺はすでにヘロヘロ。ほとんど流血状態で「ええっと、グレーのストライプを…」と言うが早いか、一応(?)セールの棚を探すボクちゃん。「お客様のサイズではもう品切れで」とかなんとか言いながら、「こういった感じはいかがでしょう?」と颯爽と商品を持って来た。『おいおい、今、セール除外の棚から持って来なかったか?それにグレーだけどストライプじゃねーしよっ!』と、俺が一瞬のためらい攻撃を仕掛けると「このスーツはシルエットがきれいでして、いちど着てみていただくとよくわかるんです〜」とAクイックで返してきやがった。その後、俺は3分ほど記憶が飛んで、気がつけばそのスーツを着て鏡の前に立っていた。
「あー、やっぱりお客様のようなスリムで落ち着いた感じの方が着られると、このスーツはいちばん映えるなぁ…」。露骨に「お似合いですよー」と言わない、“ひとり納得”攻撃。
また体型だけで似合うと言わず、「落ち着いた感じ」というプラスアルファの表現も入れてみました攻撃も鮮やか。これで勝敗は決まった。『俺は痩せてるだけだし、性格はガサツなんですけど』という反撃も空しいので止めた。そして俺は力尽きて倒れた。

 戦い済んで日が暮れて−。「今日はシャツとネクタイだけお持ち帰りということで、スーツの方は今週金曜日に…」。なぜか俺はシャツとネクタイ、そしてスーツのお預かり伝票を持って店を後にしていた。「こちらはセール対象外ですが、セールのお値段と大きくは変わりませんので」なんてことを言ったボクちゃんだが、俺の見間違いでなければ3,4万は違った気がする上に、シャツもセール対象外。かろうじてネクタイだけがセールの恩恵に授かったというわけか。とんだ散財である。暇をつぶすはずが、俺がつぶされた。



ボクちゃんはプリケツ(桃尻)でもある。


7月某日「手土産のススメ〜大阪・神戸編」 
 人に何かちょっとしたものを差し上げたり、逆に頂いたりするのは楽しい。“プレゼント”というニュアンスのものではなく、手土産程度のものであったり何かのちょっとしたお礼であったりと、気軽に差し上げたり頂いたりする物がいい。値段にして1000円程度、どれだけ高くても3000円までのものなら差し上げても気を使わせず、またいただいても有難く頂戴できる範囲だと思う。

 手土産として関西圏以外の方に差し上げる場合は土着の品がいい。幸いにも関西は大阪のみならず、京都や神戸という手土産天国の土地がある。大阪でお勧めするのは、俺が子供の頃から我が家の定番だった「堺名産・小島屋のけし餅」。差し上げて喜ばれないことはまずない。日持ちはしないが「出入橋のきんつば」も喜ばれる。入手するのがやっかいなので、俺がいただきたいくらいの逸品。甘い物が苦手な人や日持ちを考えるなら、「神宗」の塩昆布や鰹昆布も喜ばれる。
 さて、神戸は洋菓子の宝庫。ユーハイム、ゴンチャロフ、コスモポリタンといった老舗をはじめ、ケーニヒス・クローネやアンテノール、芦屋ブランドのアンリシャルパンティエなど有名どころがズラリ。しかし俺はこれらのブランドも好きなのだが、小島屋同様、昔から知っているという点でドイツパン(や菓子)の老舗「フロインドリーブ」をお勧めしたい。ドイツパンは神戸に住んでいたおばさんがよく提げてきてくれた思い出の品だったりするが、手土産にはクッキーが適当であろう。ちなみに創業者フロインドリーブさんはNHK朝の連続ドラマ「風見鶏」のモデルとなった方で、異人館の象徴でもある“風見鶏の館”は彼の実家。残念なのはここの商品は本当に神戸でしか買えないというところ(ネット販売はあるらしいが)。そこで大阪市内で買えるという点では、「御影高杉」の洋菓子も俺のオススメとしておこう。

 長くなったので、京都編とそのほか編は後日また。本当はこの手土産の話題は、例の企画の第二弾として考えていたもの。しかしあれこれ頭で整理している内にゴチャゴチャになってしまい、また夏休みに関西に来られる方もいらっしゃるのでは?と思い、その時何かお役に立てればと考えてストレートに書き綴ってみました。




小島屋のけし餅


7月某日「ヤリ・ノート」 
 死神が落とした一冊のノートを青年が拾ってしまう。ノートの名前はデス・ノート。ここに名前を書かれたら最後、その人は必ず死ぬ。正義感の強い青年は、重罪を犯しながらものうのうと生きている人間の名前を次々にノートに書いていき…。

 久しぶりに劇場で見た映画が『デス・ノート』。ヒットしているというだけあって面白い。
開始20分くらいですっかり『デス・ノート』の世界に引き込まれていました。
 それにしてもデスノート。こんなところに名前を書かれるのも堪りませんが、拾ってしまうのもやっかいです。そこでふと思いついたのが、“ヤリ・ノート”。名前を書いただけで、
確実にそのオトコとヤれるなんてどうでしょう。死に方を記入すれば、その通りの死に方をさせられるのがデス・ノート。ならばヤリ・ノートもエッチの方法を記入すれば、その通りにヤれる。嗚呼!そんなステキなノートがどこかに落ちていないものか☆
…すみません。毎日暑くて、頭が溶け始めてます。皆様はくれぐれもご自愛のほどを。






7月某日「今さらハウル」 
 まもなく『ゲド戦記』が公開されようかというタイミングで『ハウルの動く城』を見ました。自分にとっては『千と千尋の神隠し』『風の谷のナウシカ』に続いて3本目の宮崎アニメ。俺的にはまったく食指の動かなかった映画なのに、なぜに今ごろ見たのか?それは今回も周りから無理やり勧められたからなのでありました。
 同僚と『ゲド』の話になった時に前作の『ハウル』の話になり、俺が「見ていない」と言うとひとりの女子から「なんでー?!」と驚嘆とも叱責とも取れる疑問詞が投げかけられたのであります。まったく、言われた俺が「なんでー?!」デス。皆さんは見はったんですか?と聞くまでもなく、居合わせた人たちは見ている様子で、あーでもないこーでもないと楽しそうに話は弾み、俺だけが蚊帳の外。翌日先輩が「娘のだけど」と言って、DVDを貸してくれたのでした。

 しかしいきさつはどうであれ、見出すと楽しいのはヒット作の常。約2時間、すっかり見入ってしまいました。呪いにより90歳の老婆にさせられてしまった少女ソフィーは、もう捨てるものは何もないという状態で生き生きとしていく。逃げることしか考えなかった弱虫の魔法使いハウルは、守る者が出来て強くなる。そしてその2人が深く愛することであり得ない奇跡が起きる。後ろ向きだった者が前向きに生きるようになるとか、弱い者が強くなっていくとか、そういう筋書きは俺の好みです。主題がどこにあるのかイマイチ釈然としない気がしないでもないですが、エンターテイメントとしては見ごたえのある作品だと思いました。これでまた食わず嫌いがひとつ克服できたというものです。…と、こんなことを言いながら『ゲド戦記』、見る気はありません。しかしまた一年半後くらいに誰かから強制観賞させられて「感動した〜」くらいのことを俺は言ってるんでしょうねぇ(笑)。

 そうそう、まったくの余談ですが、俺は日ごろから「本当は20歳やねんけど、呪いをかけられてこんなオッサンのルックスになってしもてん」と言ってるんですね。もちろん『ハウル』が公開されるよりずっと前から。俺のネタ、パクられましたわ。
チキショー!訴えてやる!

※訂正=『火垂るの墓』はジブリ作品ですが宮崎アニメではない…と指摘を受け、一部内容を訂正しましたことをお知らせいたします。





7月某日「ホテルの窓から」 
 出張で東京に行くことはままあるが、最近は泊まらずに帰ることを優先していた。稀に泊まることになっても仕事を詰めてしまい、ホテルは寝るだけの場所と化していた。しかし先日は急遽時間が空いてしまい、ホテルの部屋でのんびり過ごしてみた。
 部屋でのんびりと言ってもこれといってすることもない。音楽を聴き、コーヒーを飲みながら外の景色をぼーっと眺めるだけ。定宿になりつつあるホテルの窓からは、変わり映えもしない都会の景色が広がっている。しかし…ひたすら眺めていたら、ビルとビルの間に
国会議事堂を発見!もっとよく見てみると武道館も発見!!頻繁に通っている帝劇のビルなんかも見える。いつも見ている景色なのにそれまで全然気づかなかった。気持に余裕があると色んなものが目に飛び込んでくる。こういう発見は楽しく心地よく、刺激的だ。






6月にモドル
9月にススム

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