2月某日「生テント」 
 このひと月で岡山方面に2度も出張。春近い山陽路…と言えばJR西日本のCMみたいで旅情たっぷりなんだけど、実際のところ仕事ばかりでいけません。それでも瀬戸内の穏やかな風土がそう感じさせるのか、なぜかほっこりさせる場所です。そんな出張でのトピックス。通常出張と言えばいかなる場合でもシングルに泊まるのですが、今回は仕切人の手際の悪さでツインルームの宿泊が発生してしまいました。男は2人しかいなかったので、俺はそれまで話す機会も余りなかった若いスタッフと同室。
 夜。ひと回りも年上で、仕事の立場も上の俺を相手に、彼は気の毒なものでした。
「くわえろ!」と言えば、絶対にくわえただろうなってくらい俺に気を遣っちゃって(笑)。でもそんな緊張関係も最初だけ。部屋でなんだかんだとしゃべってる内に仲良くなりました。彼の「いかつい」というか「やんちゃ」そうなルックスも、シャワーを浴びて、立ってた髪が濡れてくちゃくちゃになると、まぁ可愛い!(笑)。
 朝。早朝に目覚めて隣のベッドを見ると、彼は俺の10倍寝相が悪いようで、掛布団などは全て床の上。寝顔があまりにも無邪気で可愛いかったので、落ちてる布団を彼にかけてあげたりして、俺はオカンか?! そして然るべき場所にふと目をやると、テントが…!
いいなぁ、若者の朝立ち。いい日朝立ちJR西日本。しつこい。もうエエっちゅうねん。


 ノンケであろうがゲイであろうが、一宿一飯を共にすると相手のことがよくわかって楽しいですな。出張であっても旅は楽し。朝立ちを間近で見られるのも旅の出会い。

 『あー、日本のどこかに 私を待ってる人がいる〜♪』

(注)関西圏以外の皆様へ:JR西日本のCMでは鬼束ちひろの『いい日旅立ち』が使われているので、ついつい
しつこいネタにしてしまいました。駅でもよく流れていて頭から離れんのです。わからんネタで、ごめんなさいね。


                 

2月某日「白タイツは王子の証」 
 pgをご覧の皆様はご存知かと思いますが、リンク先の『Liberty Pool』の管理人nishiくんが王子になってくれました。ご自身の写真を公開されているサイトのオーナーさんを
撮影するのは、なかなか緊張するなんてことを以前にも書きましたが、今回は今までとは勝手が違います。『Liberty Pool』は、nishiくん自身の写真がメインのサイト。しかもtailsさんという腕利きカメラマンの撮った写真の美しいこと。それらの写真を見せられた後では、俺も緊張も通り越して「さて、どうしたものか…?」。しかしハードルが高ければ高いほど燃えるのが俺のいい所(笑)。燃えすぎて仕上がりは微妙…となってしまいましたが、興味のある人はいちどご覧下さい。感想、ご意見もお待ちしております。それから『Liberty Pool』のtailsさんが撮られた写真も一度ご覧あれ。メール・ヌードのひとつの完成形だと俺は思ってます。
 そうそう、それから。今公開中のnishi王子の写真を見てさっそくメールをいただきました。「nishiさんはバレエダンサーなのですか?」。素朴な疑問を有難うございます(笑)。
メールをくれた方、ごめんなさい。ちょっとだけ可笑しかったです(笑)。あの衣装を見てのご質問かと思われますが、残念ながら違います。あれは東京のエロ・パンツ屋で2000円ほどで俺が購入した、王子衣装部の“衣装”でございます。サイトを立ち上げて4年弱、「王子と言えば、もっこり白タイツでしょう」ということにようやく気づいて手に入れた一品なのでした。ハイ。


                 

2月某日「被害妄想なバレンタイン」 
 朝から歯医者。今は知覚過敏という症状で診ていただいているのですが、先生によると原因は歯の磨き方だそう。どうやら俺は力を入れすぎているらしいです。いい年こいて歯ブラシ片手に「上手な歯の磨き方」を習う始末。トッホー。でも力の入れ具合を習うのって難しい。今も「軽く、軽〜く」と言い聞かせながら磨いていたのですが、どうしても「こんなんでええのん??」と頼りなさ100%、磨いた感ゼロの状態でなんだか落ち着きません。

 さて、歯には大敵!今日はバレンタインデーでしたね。俺が唯一ノンケに戻る(?)日。
自分でも馬鹿げているとわかっているんですが、今年も自分にくれる女性はいるのかどうかドキドキしてしまいます。そういうところは見栄っ張りなんでしょうね。隣や向かいの同僚よりはもらっておきたいなどという競争心が湧いてきてしまうのです。俺が勝ってどないすんねん?!という話ですが(笑)。

 最近は要潤によく似ているカッコイイ青年と、時々仕事を一緒させてもらってます。
いや、さすがに要ちゃんに勝ちたいとかそんなことは考えたこともありませんが、今日のお茶休憩中に「要ちゃんなんて、ごーっつい数でしょう?」と聞いてみました。
すると「いや、ボクなんてマジもらえないですよ」と来たもんだ。同席していた女性が「要さんくらいカッコイイと女は近寄りがたいわけよ。うっかり渡すところを他の子に見られたら『あの女、勘違いしてんじゃないか?』とか『無駄なことして、ハイ、ご苦労さん』って思われても癪だしねぇ」と解説。ふーん。そんなものか…。

 夕方になって席に戻ると、俺の机の上は少しだけ華やかに。『感謝の気持を込めて』とか『またご飯に連れて行ってください』などという、実に差しさわりのない、またあからさまに海老で鯛を釣るようなメッセージと共にチョコレートが置かれていました。朝までは気合充分なバレンタインデーの幕開けでしたが、お茶休憩であんな話も聞いてしまうと、ゴディバもマダム・セツコもすべて色褪せて見えるのでした。要ちゃんにチョコをあげるところを見られた場合、先ほどのような陰口を叩かれると仮定するならば、俺にチョコをあげるところを見られた女の子は何て言われるんでしょうか?
「あの子、エライよねぇー。西園寺なんかにチョコあげてさぁー。きっと心優しいんだね」
「あの子、エグイよねぇー。西園寺なんかにチョコあげて、絶対何か企んでるよねぇー」
…上等じゃねぇーかっ!

                 

2月某日「静かな夜の物語」 
 昼飯を食って席に戻って来ると、もう何年も会っていない同級生からの電話。それは観劇の誘い。何を突然に!…と思いながらも、断る理由もなく行くことにした。
 夕方の劇場前は人で溢れかえり、なかなか友人が見つからない。と、そこへ近づく男の影。「久しぶり」と声をかけてきた顔を見てビックリ!めっちゃ、老けたやん…。
そんな言葉も口に出すことを思いとどまった時、そいつが「おまえ、変わらんなぁー」。
 「俺たちいつ以来会ってない?」
 「たぶん○○の結婚式以来。10年は会ってへんやろ」
 「10年も…?」
 「10年も」

 学生時代、俺たちは本当に仲が良かった。クラブもバイトも一緒だった。美術や芝居が好きだということも共通していた。ドラムが得意な彼はジャズ・バンドも持っていて、彼の
ライブにもよく出かけた。ジャズの魅力は彼から教えてもらった。しかしひとりの人間と
共有できる楽しい時間は短い。社会に出て別々の道を歩き出し、しばらくは時々会ったりはしていたものの、やがては誰かの結婚式で再会する程度になってしまった。そしてそんな機会も10年間は何もなかった。彼は結婚しているし子供もいる。仕事は運悪くあまり就きたくない職業に就いたせいか、苦労していると風の噂で聞いた。その一方で俺は
独身のまま。既婚者と違って他に何も考えることがないから、昔から仕事には精を出している。そんな環境違いが理由なのか、いつ頃からか俺たちの間には距離が出来ていた。
 舞台がはねた後は、飯を食いながら芝居の話や思い出話に花を咲かせた。しかしこの10年間のことはお互い触れずじまいだった。一度だけ彼は「そう言えばおまえ…」と言いかけて、「いや、別にええわ」と言葉を濁した。きっと「おまえ、なんで結婚せぇへんの?」と聞きたかったのだろう。俺は俺で、彼が苦労しているという仕事のことには触れられなかった。実年齢以上に老け込んでいる彼の姿は、よほどの苦労があったことを物語っている。心配ではあるが、彼から語らない限り俺から聞くのは違うような気がした。
 若い頃は「なんで?」「どうして?」と好奇心丸出しだった俺たちが、敢えて知らないでいようとする。そんな術も身に付けてしまい、2人ともそれなりに年を重ねたなぁ…と思うと、少し笑いがこみ上げてきた。しかしそんな関係に安らぎもおぼえた。


 「じゃあ」と別れたあと何気に振り返って目に映ったのは、コートの前を手繰り寄せて
背中を丸め、横断歩道を小走りに渡る彼の姿。その姿をぼんやり眺めながら、『彼はなぜ今日突然に俺を誘ったのか?』を考えた。考えたけれど答えは見つからなかった。誘った理由はあったのかもしれないが、なかったのかもしれない。でもいずれにしても、それについて俺が知る必要はない。…そう結論づけて時計を見ると、すっかりいい時間。終電に遅れそうな俺は、コートの前を手繰り寄せて背中を丸め、小走りで駅に向かった。

                      

2月某日「言い返すチカラ」 
 地下鉄で気持ちよく寝ていたら、隣に座っていた女性Aの声で起こされた。そいつは俺と反対側の女性Bに何やら文句を言っている。聞いていると、Bが膝の上に載せていた大きな紙袋が膝に当たって痛い、と。しかもさきほどからそう言ってるのに何度も当たっている、紙袋を網棚に乗せるなりしろ、というのである。なるほど。ごもっとも。しかしBは天下無敵の女子高生。しかもかな〜り悪そうで、おまけに二人組。Aは30半ばから40くらいのOL…といったところ。但し、半端じゃなくブサイク。これはおもしろくなってきた!居眠りなどしている場合ではない。

さて、無視し続けてたBはついに切れたか、
「うっさいんじゃ(うるさいの意)、ばばぁ」
(キミたち女子高生だもの、そう来なくっちゃ)
「あのね、うるさいとかそういうことじゃなくてね、人に迷惑がかかってんの」
(あのー、もうそれくらいにしておいた方が…。そいつら相当ワルですよ)

そのとき電車は到着駅をアナウンス。
降りる準備をするBたち。そしてAにひとこと。
「おまえのブッサイクな顔の方が周りに迷惑や!っちゅーねん!」
(あーーっ、言っちゃった!そこに行ってもうたか〜)
女子高生の会心の一撃で、Aは呆然。さっさと降りるBたち。
しかし2秒後。ダッシュでAは地下鉄を降りた。
そしてBの手首を掴み…と、残念ながらそこで電車は動き出したので、
続きはわかりません。

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それにしてもAさん、立派でした。相手が誰であろうと言われたら言い返すパワーはかなりのレベルとお見受けいたしました。そんな「返しのパワー」はオカマの皆さんもなかなりのレベルですが、ブサイク系婦女子の皆さんにはかないません。このやぶれかぶれな「返しのパワー」は、どれだけ“負のエナジー”を溜めているかによって、その迫力に差が出るものと思われます。オカマもブサイク系婦女子も、普段から溜めている“負のエナジー”は天文学的数値。しかしオカマが負のエナジーを溜めるのは成人してからが多いのに対して、ブサイク系婦女子の皆さんはすでに子供のころからコツコツとお溜めでいらっしゃいます。つまり年季が違うってわけです。それゆえ皆さんも何を言われようが、何が起ころうが、その類の婦女子にはゆめゆめ口ごたえなどいたしませぬよう。

 余談ですが、ブサイク系婦女子でも負のエナジーを稀に正のエナジーに変換してしまう方もいらっしゃいます。そのような方は、例えば姉妹でファッション・デザイナーとして成功を収める場合もあるでしょうし、女流作家として成功を収める場合も多いように思われます。しかしどちらも共通して言えるのは、成功したあかつきには「ブサイク系婦女子」という凡庸なフィールドにはもはやおらず、「ええっと…人間すか?」くらいのエクセレントな世界観を身にまとっていらっしゃるのが特徴です。

                      

2月某日「義経とチャングム」 
 昨年の2月に自分は何をしていたんだろう?と、この「Sugar Days」を振り返れば、そうでした。やたらと本を読んでいたのでした。そして今年。なんと今年の2月も俺は読書中毒の真っ只中。なんだろう、寒くなるとやたらと本を読みたくなるのか??
 先日読み終えたのは、宮尾登美子氏の『義経』。言うまでもなくNHK大河の原作(のひとつ)です。「これまたブームに乗っちゃって」と揶揄されたらそれまでなんですが、でもまぁ、面白いのなんのって。歴史にあまり明るくない俺には、点でしか捉えられていなかった史実がなんとか線になりかけているのも収穫。『義経』はテレビドラマの方もかなりハマっていて、タッキーがかなり魅力的。これまでタッキーなんて“屁”とも思っていなかったんだけど(←何て大上段な物言い!)。
 そして今読み耽ってる本は、『チャングム』。16世紀の朝鮮に実在した女性医師チャングムをモデルに描かれた、宮廷女官のサクセスストーリーです。物語のテンポがよいし、宮廷内のエグさ加減がいい塩梅で、読み出したら止まらない。

 ところで歴史小説などを読んでいて思うのは、日本も韓国も貴族っちゅうのはえげつなくエロいでんなぁ。何でもアリかよ?!小説では男同士の密戯がつぶさに描かれることなど少ないと思いますが、ふと疑問に思うのは、いわゆる「やり方」などは今も昔も同じなんでしょうか?ま、基本は同じとしても、応用編は…?例えば「三連結」とか「駅弁ファック」とか「センズリ見せ合いプレー」とか、あまり文字にするのも憚れますが「フィスト」なんて極技なども宮中では行われていたのでしょうか?例えば「ケツ堀ブランコ」てな遊具は?
…すみません。読書の話から大きく軌道が逸れたうえに、不毛な疑問でした。

                      

2月某日「頑張れ!な男たち」 
 今朝のスポーツ紙一面を見て、「コイツ、誰?」。坊主でいかついその男は清原でした。びっくり。微妙に太ってるし。昨年のクビ騒動を受け、今年は引退をかけてのキャンプ入り。坊主は並々ならぬ意気込みの表れに違いないわけですが、どうなるんだろ…番長。この人が引退する時って、別にファンじゃなくてもなんだか寂しい。日本のプロ野球の顔だと思うし、俺個人的には彼のキャラが好きだしな。…って、まだ開幕もしていないのに引退の話もひどいか(笑)。でも頑張ってほしい選手のひとりです。
 頑張ってほしいと言えば、楽天イーグルス。キャンプ・イン報道ばかりの昨日と今日は、田尾監督の顔を見まくりでした。実は田尾さんって、俺が好きな数少ない年上のひとりなんです。でもテレビを見ていてつくづく思ったのは「老けたよなぁ」。いつの間にか(?)51歳にもなってるし。それでも田尾監督はステキ☆ですが。そうそう、楽天は一場投手も頑張って欲しいですね。俺はそれほど野球をわかってるワケじゃないから彼の実力のほどは解説でしか知り得ないんだけど、しょっぱなから評価も上々で、ま、よく見れば顔も
かわいいしで、今年は注目しときましょ。

 と、そんなこんなでキャンプ報道が賑わい出すと、大寒気団もなんのその。冬の終わりを感じさせるのでありました。

                      


1月にモドル
3月にススム

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