大型自動二輪免許 40代でも大丈夫! (& シルバーウィング 400 or 600 比較)

以下は、46歳の時に一念発起して大型自動二輪免許を取得したときの体験を元に書いています。  当時、不安がいっぱいで、自分もいろんなサイトを参考にして勇気をもらいました!  これから挑戦しようという方、また現在進行中の方へ、一日の長のエールを送ります。  また、蛇足になりますが、当時の愛車「シルバーウィング」についての考察もあります。  大型免許取得後の一つの選択肢として参考になれば幸いです。


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最近、責任世代の重圧に屈し、仕事のことが寝床でも頭から離れないような月日が数ヶ月以上も続いていたので、気分一新、以前より課題にしていた、このライセンスに挑戦! 苦労の末、なんとか手に入れた。 輪免許、排気量にかかわらず、市販される全てのバイクが乗れることから限定解除とも言われます。

体力はもちろん反射神経、状況判断などを、二輪の免許取得教習は四輪以上に要求してくる。 さらにこれは小型よりも中型、さらに大型と排気量に比例。 これは悲しき加齢 による衰退現象とはまさに反比例・・・ 実は実際にバイクに乗って街を走るよりも、教習所の課題は過酷に設定してある。 幅30センチ、長さ15メートルの台の上を 出来る限りゆっくり走れ! 10秒以内に通り過ぎたら あかんぞ。落ちたら失格! いわゆる一本橋などというのは、曲芸に近いのだ。途中、不慮の挫折があり、決して楽ではなかったその顛末記をボチボチ書いてみます。


前置き… 法律の改正で、二輪の免許も時代に合わせて変遷している。大きなポイントは次の2点。ひとつはクルマと同じAT専用の免許が出来たこと。 もう一つは試験場での一発合格のみという悪夢が終わって、大型二輪も教習所でとれるようになったこと。  これによってバイクの世界はグッと身近になりました。 加えて、高速道路での二人乗りの解禁も、ツーリングというバイク最大のイベントに花を添えています。

試験場で実際に免許の交付をうけたとき、部屋には十数人がいたが、最も人数の多かったのはなんと大型二輪で7人で次が普通二輪の5人。 クルマの普通免許などはたったの二人。これには驚 いた・・・ 二輪免許はいますごく人気があるのだ。

 

決意の時・・・ 30歳で普通二輪(当時は中型と呼んでいた)を取得して、できれば、その勢いで大型も!っと考えたが、上で書いたように、一発試験のみという条件ではなかなか気が進まない。 やがて教習所でとれるようになると言う情報もあったので、その時を待つことにした。  プラス、待望のバイクのAT免許も出てきて、いよいよ時期は熟した! あとは自分の状況のみ。仕事とのかねあいもあるが、一番大きいのは気分か・・・ いろんな面でかなりのプレッシャーもかかるし、相当やる気が充実しないと 達成できない課題だ。

真夏や真冬は単純に考えて避けるのが無難。気候が余計なストレスになる。 お金・・・これは8万円程度。 それほど高額ではないが、優先順位の高い他のものがあると、サラッとそっちへ流れてしまう。 取得後の行動、、自制心があればなにも問題はないけど、性急な部分があるので、異様な購買意欲の時期は避ける! 散財と散命につながる。

仕事上のことで、どうにもならない時期をいくつか過ぎて、やっとめぐってきたのは今年の春。 春休みにもろにかかると、教習所も混み合うし、それよりも早めで、寒さは少しでもスルーしたい・・・三月の初めがベストだ! 乱視 が進んでいる視力も心配。 筋力も年々落ちるぞ! 何とも言えない焦りがこみ上げてくる。 とりあえず申し込みだ!

 

最後まで迷い続けて・・・ 申し込みの電話をした。 大型自動二輪免許のAT お願いしたいんですが・・・ すると、ATは珍しいなあ、、年に一人か二人ですよ! といわれた。 さんざん迷ったあげくに、ATを選んだのに、そう言われると、、じゃあ、ミッションの方でいきますわ。 と、その場で変えてしまった。 確かに大型とはいうものの、ATは現行の最大排気量である 650CCまでという限定免許。 一方、ミッションの方は排気量に制限がない。 どうみても 値打ちが違う。 とはいえ、普段から乗っているシルバーウィングとほぼ同等の教習車で、ストレスなくノープロブレムで楽々とれるというのもまた大きな魅力だ。 

その日のうちに現金を用意して教習所へ。 さっき話した人とは別の人が対応した。 大型自動二輪お願いします。 すると経験を聞かれたので、15年間スクーターのみです。 え? 大丈夫か? と切り替えされて、思わずATでいこかな・・・ すると、さっき電話で話した人がよってきて、ATなんてめったにとるもんおらんで、、ミッションにしといたら? 頭のなかで重量級のナナハンが浮かぶ。まあ、ええわ。 安心パックでのんびりやればどないかなるやろ・・・ で、結局、ナナハンに乗ることを決意。 その後、それがどえらいことになるとは、知らずに・・・  


再び前置き…  車の免許は、自分に付加価値をつけるものと認識して、邪魔になるものでもないし、身分証明書としても便利、持っておいて誰も不思議に思うことのないもの。 一方、二輪となると、とる理由があ る。 まず、バイクに乗りたいからとる。 持っているだけではほとんど価値はなくて、実用性が極めて高いライセンス。同時にバイクの乗り方次第では趣向性も高い。

自分にバイクの免許が取れるだろうか・・・ そう悩んでる方! まあ、自転車に乗れるなら大丈夫でしょう。少々の根性があれば運動神経はカバーできる。ただし大きさにビビってはダメ。  恐怖心は暗黒面への入り口となり、邪悪なフォースに包まれたが最後、ライダーへの道は閉ざされる。 こんなに楽しいものはないよ! 待っているのは新しい世界、爆発的な機動力が自分のものに。 

ハーレーに乗るも良し、最新のメカに浸るも良し、二人乗りを楽しむのもありだ。 私としてはバイクは、自分を遠くへ連れて行ってくれる相棒。 気が向けばあっという間に100キロ先へ、イヤになればその場でUターン、身体の一部のように動 く。 バイクと自分の一体感が行動力をどんどん増幅させる。

 

教習の始まりは予約から・・・ 入所したときにいきなり第一段階、第2段階、合計12時間のすべての予約を取 る。これはうれしいようで、実は大きなプレッシャーになりる。 その日程通りにいけばわずか10日で卒業だ! ただし上手くいかずに、一時間でもだぶれば、その後の全てがずれ込 む。 なんとかしてパーフェクトに仕上げたいっていう気持ちが否が応でも大きくなる。 卒業生と言うことで入学金は免除。21000円オフ。

 

日本の名車 CB750との対面・・・  さて、教習が始まり、クラッチをつなぐ瞬間がやってきた! この前クラッチを握ったのは、この教習所で中型の卒業検定をうけた15年前だ! 大型と言うことで、メカについてや、基本的なことはほとんど説明がない。ただ、重量とパワーがある旨の説明のみ。 いきなり乗ってみな! と言うノリである。 重量に関しては普段から乗ってるシルバーウィングとほぼ同じで、逆に車格はスリムなくらいなので 、またぐと安心感さえ漂ってくる。が、しかーし、左手に残る半クラの記憶は極めて希薄。 アクセルを必要以上に開けて怒られる。 クラッチはめちゃ重たいのに、超スローで離していくので、まるで筋トレだ。 ようやくスルスルっと動き出したCB750。 おお、ちょっと感動した。 ナナハンが動いたゾ! はい、止まって。いきなり教官の声。 外周の2周を5メートルごとのストップアンドゴーに費やす。だんだん左手がしびれてくる・・・ きつ〜 まだまだ寒いのにヘルメットの中が沸騰してきた(笑) しかしこれは今度の授業の中でも最良の教習だった。バイクにとって、発進と停止は基本。 これによって、バイクのパワー、ブレーキのきき具合、微妙なバランスを一気に身につけ、恐怖心は去った。

この20分で気分は上昇。あとは左足でのシフトアップ&ダウンを思い出し、クラッチのタイミングをつかむ。右手と右足のブレーキの配分も蘇ってきた。 ここで気づいたこと・・・ このパワーゆえに、運転がしやすい! トルクが大きいためにいい加減なクラッチのつなぎ方でもエンストしない。 セカンドでも発進できるし、規定の40キロも楽々出る。 クラッチを切り忘れてもギヤはポンと入ってくれる。 あの15年前のギヤとの格闘は一体なんだったのか・・・ 1時間乗っただけなのに、このバイクが名車だというのが分かる気がした。 一通り、クランクやスラローム、坂道発進もこなし、一本橋で撃沈した以外は 流せた。 とにかくローギヤを早めにセカンドに入れてしまえば、課題は全て右足の後輪ブレーキのみの調整でOKとみた。

中型免許の時は若いこともあって、どんどん上手くなっていった記憶がある。 卒業検定の時もエンストはしたが、乗ること自体が楽しい時期でプレッシャーはなかった。 今度の大型に際して、もっとも心配しているのは、年齢を重ねたことの大脳と五感の衰退。教習所にはいろんな儀式があって、それを完璧に覚えないと行けない。覚えることに必死になっていると、ウィンカーを消し忘れたりして小さな減点があちこちで発生してくる。ひとつのことをやっていると、ひとつ忘れたり・・・これが「トシ」なのだ。

一段階で一番印象に残ったのは、CB400に乗ったとき。これも教習の一部。 同じように運転してるのに、セカンドで加速がなくて40キロになかなか到達しないから、制動まで上手くいかなかった。 バイクはさっさと加速して、くいっと曲がり、さっと止まるのが気持ちいい。 大排気量に乗ると戻れないというのはこういうことだろうか。自分の意思の伝達がナナハンの方が直に伝わるような。 知ったような言い方になるが、大型のおもしろさというのが分かった気がした。


教官はどう変わったか・・・ 15年という月日で教習所も変わった。 インターネットでの予約が出来たり、ITも進化。「お客さん」へのサービスも向上した。 昔のような 命令口調の教官はいない。 言葉遣いも丁寧で親切。卒業時には、アンケートがあって、名指しで教官を批判もしくは、絶賛できる欄がある。 あのアンケートは当事者には影響力を与えるだろう。おそらく度重なる非礼があれば、免職もあり得る。 逆に好印象の意見が多ければ出世できるかも知れない。

二輪教習という場所は、教習所の中で離れ孤島のように、、というか中央から見た地方自治体のように独立していて、四輪とはちょっと雰囲気が異なる。 実習中、教官といえども同じ空間に居ることは出来ないし、検定であっても外から見てるだけ。緊急でブレーキを踏んだりできないから、 教習生が事故でけがをすることもバイクを壊すこともある。 そういった、どうすることもできない条件が、逆に自立心を促して、あんた、頼むからちゃんとやってくれよ?と いうような、なんというか無責任かつ希薄な関係しか教官との間に築けないのは仕方ないことだ。 逆に言うと最小限の干渉だからそれが気楽で心地いいってことになる。  だから教習中は行くのが楽しみになるのである! バイクの教官はちょっと下品な人が多いけど、今はきちんとしていました。

 

娯楽みたいに・・・ 一段階でおもしろかったのはAT体験。 スカイウェブ650に乗った。世界最大のスクーター。うれしくてルンルンしてしまった。でかい車体を大きな力でぐいぐい動かしているって感じ。USJでアトラクションに乗るような気分だ。 教習中、前を教習生が走ってたが、 後ろから見ているとフラフラして転けそうだった。 彼はスクーターが初めてとのこと、怖かった〜と漏らしていました。  オートマだから簡単?ってことも一概には言えない。 なれてしまえばラクチンにはちがいないが、大型の世界では、パワーのあるマシンはいつでも凶器になりうる。一ひねりで50馬力の鉄の馬。

 

技術的なことをちょっと・・・ ネットは広いから、大型自動二輪をとろうと思って、学ぶつもりで読む人もいるかも知れないので 自分なりに学んだことを書いておくことにします。

 クランク・・・ 苦手な人が意外と多い。 どれもそうだが、苦手意識がまた失敗を生む。 是非クランクのコースを歩いてみて欲しい。なんや、こんなに幅広かったのか、難しいことないやんか! そう思うはず。 いつもタンクを股に挟んで腕は緊張、ウィンカー消したかな・・・ なんて考えてばかりいるから、どんどん視野が狭くなって、真下のパイロンを見てしまう。えー、パイロンってこんなに大きかったか?なんて感じたときはぶつかってる! このクランク、実は中で停止しても良い。一度は止まって見るのも良いでしょう。 ゆっくりハンドル操作でローでちんたらころがしても失格にはならない。

 坂道発進・・・ これほど大型の恩恵を受けるものはない。リアブレーキを離すタイミングなどまったく考える必要なし! クラッチをつなげばブレーキなんて無視して走り出す。走り出してからフットブレーキ解除すれば失敗は絶対なし。踏切も一緒、ブレーキなんて無視して走り抜ける。 これでエンストとは無縁だ! ワンポイント→動き出したらアクセルは維持して戻さない!

 スラローム・・・ 失敗したことがないので、苦手な人の感覚が分からなくて。。バンクさせるのが怖いのかな? バンクして曲がる→曲がりきったらアクセルで傾いた車体を起こす→反対側にバンクさせる このリズムを一度つかんだらOK。

 一本橋・・・ こんなことできんでもバイクには乗れるぞー! 落ちてしまうのはまっすぐ走ってるから。 一本橋はまっすぐに走るのが目的ではない! 30センチの幅を生かして、ジグザグに走るくらいに思えば7秒台でまず落ちなくなる。それでも落ちるなら5秒台で突っ走れ! 落ちるのを修正するのではなくて、落ちないスピードを確保してからスピードを調整する方が近道。 ただし最初のころは「一気橋」になってしまってめちゃ恥ずかしい。

 8の字・・・ これは視線につきる。 出口を見るってことをやれば、バイクは一番良いラインを自然に走る。 気持ちよく飛ばしすぎてバンク角をつけすぎ、車体のガードなどにパイロンを引っかけてしまうことに気をつけたい。止まりそうなスピードでハンドル操作でやってる人を見かけるけど、たぶんその方が難しいことやってると思う。

  一時停止・・・ 停止線で止めるのはバカ。 発進でエンストしたら線を越えてしまい、一発検定中止につながる。1メートル手前で悠々と停車。 深呼吸。

 急制動・・・ 加速で勝負! ドラッグレースのつもりでぶっとばせ。早々に40キロに達したら、アクセルを戻して休憩。 制動地点が来るまで何もしない。 うまくいくと35キロくらいまでスピードは落ちる。 ポイントまで来たらクラッチ、右ブレーキ、右足ブレーキ、全て同時に。 エンスとしてもかまわない。

 波状路・・・ よくわからん。立ち上がって前傾姿勢、ローギアでまっすぐ走ればそれでいいのでは?

 その他の儀式・・・ 狭い小さな仮想交差点は教習所独特の世界。 待機している右折車の左側の通行可能など、二輪独特のルールは必ず覚えて、教官をいらつかせないように! 右折同士の左方優先や、一時停止の時の無条件相手優先ルール、その他、近くにいる4輪の教習車の助手席に座っている教官の指示は神の声なので、決して見逃さないこと。 譲ってもらったら頭を下げる、これは礼儀。

 転倒・・・ 転倒するのが大好き!そんな人はまずいない。 一度こかすとバイクの引き起こしはもちろんのこと、恥ずかしいし、精神的にもダメージが大きく、すごく疲れてしまう。 転倒は教習所で経験しておけ!って言う言葉があるが、、、 倒れてゆくそのスローな絵はバイクがすすり泣いているようにみえる。 心の中でバイクに「ゴメン!」と謝っておこう。教官には何も気をつかうことはない。どこか痛いフリをして起こすのを手伝ってもらおう。 


後半の教習開始・・・ 第一段階は規定通りにすすんだ。合計5時間を三日で終了。最終の一時間は「みきわめ」と言われる。全ての課題が出来ているかの最終CHECK。とはいうものの、教官は大して見ていない! 他の教習生を掛け持ちで見たりしてる。ときどきバックミラーには現れるが、すぐにまた消えていなくなる。まあ、よほど目立つチョンボを連発しない限り大丈夫って感じだった。 一応、みきわめ不成功に備えて三日の余裕をはじめからとってあるので、その日数は休憩となった。

第2段階に入ったからと言って、内容は変わらない。 卒業検定に向けてより確実に走り込むだけ。ただ、いくつかのイベントは用意してある。その最初がシミュレーター。 目の前のスクリーンに道路が出てくる。 作り物のバイクにまたがり、エンジン始動からはじめる。 コンピューターと連動した最新式が置いてあった。 ハンドル操作はもちろん、体重移動で曲がることも出来る上に、速度を上げると風まで当たる懲りようだ! 車の陰から子供が出てきたり、マナーの悪い車が割り込んでくる。 事故になるかどうかは厳密に計算されている。 いかにも何かありそうな場所では意識してスピードダウンしておかないと、人身事故が待っている。 結果は1人ひき殺してしまった・・・

 

大事な回避・・・ 検定には含まれていないのに大事な課題がひとつだけある。それは障害物をみつけてとっさによけることの練習。急制動の要領で突進し、赤ランプがつけば左、青なら右に瞬間的に判断して急ブレーキで止まる。 やってみると難しい。 自分が思っている以上にランプがついてからブレーキ操作までに時間がかかっていることに驚く。これがたかが40キロだ。日常的な60キロ以上の走行ならばどうなるか、それを考えてぞ〜っと怖くなるのが勉強。結論はゆっくり走ること。車間距離をあけること。なにも自分がジェダイのように反応出来る必要はない。

 

鬼教官登場・・・ そしてついに運命の日はやってきた。 第2段階の4日目その日は2時間の連続教習。これが終われば明日のみきわめで終了だ! 最初の一時間目、マンツーマンでの教習で、課題は低速でのバランス、小回り。これまで、スピードを出すことには自信があったし、メリハリのあるアクセル操作とブレーキングも身につけた。 苦手は低速走行。このウィークポイントがもろに出ることになった。 一車線分の幅でUターンしないといけない。とこ ろが、、これが簡単にはできない。

何度失敗しても許してくれない。 コツを教えてくれるがこっちはもう体力の限界が来て、何か学ぶというレベルではなかった。 どこかに腰をかけて休憩したかった・・・ 授業の最後に、まあこういう運転は実際にはしないけどね・・・ その言葉を聞くまでの50分間、路肩に乗り上げ、パイロンを倒し、転倒数度、、、 理由は分からないが、低速走行の合間にびっくりするほどスピードを出して、俺についてこいと言う! それまた交差点を縦横無尽に走り回る。 明らかにハーハーと息切れして肩で息をしていた。 寒さに備えてはいていたオーバーズボンは実はレインウェアだったが、水蒸気で内側がずぶ濡れ。ヘルメットを脱ぐと沸騰した頭から蒸気が出て滝のように汗が流れる。 この瞬間、身体がバラバラになったように感じた。これは完全なオーバーワークだ。

2時間目は検定コースを自分のペースで走るだけの放し飼い教習。 さっきかいた汗で身体が冷たくなってきた。自分の身体のことはよくわかる。 これはやばい。そのときウチでは家族がひどい風邪を引いていた。 布団にはいるとき、頼む!後二日で終わる。風邪をうつさんとってくれ! だが、そんなこと人間に言っても仕方ない。翌日、全身の筋肉痛の予兆を感じて、ジワジワと背中に何とも言えない違和感がある。 午後、喉の痛みがひどくなり、39度の熱が出た。予定通り?立っていられないほどの腰痛と全身の倦怠が現れた。あごの下のリンパがパンパンに腫れて、喉の痛みは激烈になってきた。 もうどうにもならない・・・その日のみきわめの教習は当日キャンセルした。罰金3150円也。 同時にその翌日の卒業検定もキャンセル。 最短での卒業の計画は砕け散った。


それでもあきらめられない・・・ 昨夜はほとんど眠れず。相変わらず全身の筋肉痛と喉の激痛がのこっている。体温は38度。かろうじて鎮痛消炎剤が効いている間だけは横にならないでおれるので、土曜日で少しヒマだったこともあり、なんとか仕事はしていた。 少しじっとしていたり、昼頃までだらだらしていたが、どうにかバイクに乗れそうな気がする。電話で問い合わせると、受付の女性は 事務的に空きがないという。 ええい、こうなれば直談判だ! 教習所まで走り、キャリアのありそうな職員をつかまえて、事情を話し、なんとか本日中に「みきわめ」して、明日の卒業検定を受けさせてくれ〜!と頼み込んだ。  すぐにPCとにらみ合い、随分と時間がかかったが、ねじ込んでくれた。 仕事に戻り、夕方、もう一度教習所に繰り出して 1時間の講習を受けた。みきわめ成功。翌日の検定の予約は一杯だったが、これも強引にねじ込んでもらった。

体調は決して良くなっていない。 無理したせいで逆に悪化している。 一晩中のたうち回って悪夢にうなされた。 あまりにも激しい喉の痛みで食事を摂るのがおっくうになってしまった。薬を飲むために苦行のすえに少し食べては、鎮痛消炎剤の効く時間を計算して飲み、14時の集合時間に遅れないように教習所へいった。  教室に入って注意事項を聞く。 どんどん緊張感が高まってくる・・・ 少し寒気がするが、この程度なら大丈夫だ。 

コースは1コースに決定。 大型は4人で、順番は4人目。待っている時間はいやなもので、検定は最初に走るのに限る。 いつも通りの教習中なので、たくさんの二輪や四輪がコースを「邪魔」している。  あと10分ずれればちょうど休憩時間なのに、それよりも少し早いのでどうしてもこの混雑にぶつかる。

 

さていよいよ検定だ!・・・  走り終えた前の3人は全て完走。おそらく合格だろう。  よっしゃ、一発できめるぞ。 バイクの前に立ち、後方確認してまたぐ。チョットからだがふらつくのは昨夜寝ていないからだろう。フワフワする。 早く走っていつ ものようにサラッと終わればいい。 エンジン始動、ウィンカーを出して滑らかに発進。 さっそく右折して交差点で赤信号停止。 障害物の後は左折でクランク。 あとすこしだ、あとすこし。なぬ? クランクのすぐ手前で教官に止められる! 二輪の教習車がクランクの出口でまごついていた。 おっとー、こんなところで停まったことないぞ。やばい。発進して1メートルでクランクに入らなければならないし、曲がりながらセカンドに入れなければならない。いっそ直進して外周まわって、いつも通りクランクに入りたいぞ! しばらくして教官のゴーサイン。 イヤな予感が焦りを生む。 クランクには無事に入れたが、シフトアップがクランクの最初の角になってしまった。 うう、手足がバラバラに、、、大回りになってパイロンに接触。 検定中止。

まあ本来なら布団で寝ているのがスジの状態。2日間、みきわめと卒業検定を強行したが粉砕。 悔しいよりも情けない。どっと倦怠感が来た。 次の補習は金曜日まであけ、日曜に検定をおさえて帰宅。 真面目に?病人になって寝た。


しばしの休息・・・ 特等少年院で力石とジョーがはじめて戦ったとき、力石は人差し指で天をさして、一分でのダウンを宣言。 倒したはずのジョーは何度も立ち上がり、しまいには猿回しの猿のようにふざけて逃げた。ジョーはメンツだけを潰すという作戦に出た。その後は、それを後悔させるほど力石はジョーをズタズタに料理した。 さてこの大型二輪も10日での最速取得という目標を掲げて格好良く決めようと思ったが、ずっこけた(笑) この上は、安心パックの強みを見せて、最長、3ヶ月というロングランの気持ちで楽しもうと考えた。

喉の痛みが尋常ではないので耳鼻科を受診。そこで検尿すると血尿が出ていた。 扁桃炎がこじれると急性腎炎を併発するらしい。 最悪の予後は、腎不全から透析となるから恐ろしい・・・ 詰めて抗生剤で抑えるしかない。外科処置が効いたのか、耳鼻科の後は急速に痛みも治まり切迫した状況は和らいだ。

鬼教官の残したもの・・・ 当初はあまりにもスパルタだったので恨みもしたが、今では感謝している。大型バイクが 身体の一部になるまで乗りこなすというのは、精鋭の白バイ隊員ならできることだが、それに近づく努力もしなければならない。 実際に事故などに遭うと、頼りになるのは自分しか居ない。バイクは転倒するもの、自分に何が足らないとそうなるのか、とことん思い知らされた。

また、この教官は見ていないようで、一本橋での欠点を鋭く指摘してくれた。 上に書いたコツはそのままこの教官ことば。それで苦手意識は一気になくなり、落ちる気がしなくなった。 タンデムで後ろに乗って最小小回りを経験したが、ホントに上手い運転だ。この教習所でもおそらく一番のライダーだろう!敬服に値する。

バイクのことは忘れて数日。体調の回復を待つ。 金曜日の一時間の補習は、自分の苦手なところを自由に練習せよという自習。 ここまでくるとみきわめとかはない。もうすでに教習は完了。 数日のブランクで頭を冷やしたことで、極めて冷静になり、普通に走れば、まず完走できる。 一発検定中止だけを避けることに集中する。さて、2度目の検定は2日後。コースは完璧に覚えた。血尿もマイナスになり準備OK! 落ちれば落ちるほど運転は上手くなりそう・・・ でもなあ、日曜のたびに半日つぶして検定っちゅうのもいただけない。 次はうかりたいなあ・・・

 

2度目の検定・・・ 検定前の講義は、同じ教官によるものだった。 今回は大型4人で3番目。 前回ほどの緊張はない。中型の検定を受けるひとりの女性は先週も見た。クランクが苦手だと言っていたが、今回は何度目の検定なのかな・・・ 早めにスタート地点近くで待機した。 検定生は完走するとは限らない。突然検定中止で帰ってくることもある。 そのとき慌てないように、肘、膝のパッドもつけていつでも走れるようにしておいた。

さて名前が呼ばれて教官はファイルをチェックしている。 顔をしかめて、とにかく完走しなさい。一本橋やスラロームは時間なんか一切気にせんでいい!? 頼むから早く卒業しくれ、、というようなニュアンスがひしひしと感じられる。 こちらもそれを聞いてホッとする。 さて出発。 信号やら、一時停止、停まるたびに後ろから、落ち着いて!と声をかけてくれる。 なんて優しい人だろう。 前回失敗のクランクも通過、教習車に邪魔されることもなかった。最後の最後に一本橋が待っている。 ふーー、これをクリアすれば終わりだ!

クラッチをつないで発進。 うまく乗れた。 左手でクラッチをきり、おもむろに右足のブレーキを使って減速、、、とやるところだがやめた。 クラッチは握らず、そのままアクセルチョイ握りで走り抜けた(笑) 絶対落ちるわけにはいかない。 タイムは見なかったが、5秒台くらいだろう。 

スタート地点に戻り、教官の総括。 すいません、一本橋ぶっ飛ばしてしまいました・・ 教官はそれを無視して話し出した。 もうあなたは無理な運転をするトシでもないでしょう。 でも大型はパワーがあるからスピードを出したくなるときもある。カーブの前では必ず減速してください。はい、それでは二階の待合室で待機してください。 検定は完走できればほぼ合格だ。 正式な発表はそれから30分後、教室の中で行われた。やったー! 卒業できたぞ。 しみじみと卒業証明書を見る。 免許の交付のための説明があった。三日後、試験場にて交付を受けた。

そして若葉マークに・・・  大型二輪免許をとって、該当車両に乗ると一年間は初心者扱いになる。詳しいことはその筋で調べて頂くとして、その間の減点は厳しい。 3点以上で講習を受けないとその免許は取り消しになるらしい。二人乗りとか、高速道路の走行に関しては、普通二輪のキャリアで可能(なはず)。ともあれ、フレッシュな気持ちで、模範となる運転を心がけよということである。

以上、大型自動二輪免許取得記は終わりたいと思います。 ではでは! がんばって下さい!

 

無事故のススメ・・・ これを読んでいる人の中には、これからのバイクライフに不安を抱いてる人もいるかも知れない。自慢ではないが、、といっても自慢になってしまうが、、約30年の間、毎日のようにバイクに乗りながら、無事故、原付での違反以外はナシできました。 無傷でのバイクライフをエンジョイするためにちょっと老婆心ながらひとこと。

バイクは決して危ない乗り物ではない。包丁が危ないかどうか、、それに似ている。バイクが危ないのではなく、危ない運転をする「人間」が危険かつ愚かなのである。事故をしないにはコツがある。それは・・・

 他人と関わるな・・・ スタートダッシュで引き離して、1人で走る。 タクシーの後ろを走ったり、トラックの横についたりは極力避ける。 追いついた車は先に行かせる。突っかかってくる原付坊やも先に行かせる。 孤独を愛すること。

 誰も信用するな・・・ 交差点の信号なんて誰も守らない。 後ろの車は次の赤信号で自分につっこんで来るに違いない。前のトラックの運転手はきっと寝ている。 自分以外はまともな奴は1人もいないという気持ちで運転すること。人間不信に満ちていること。

 車間距離をとれ・・・ ほとんどの事故はこれで防げる。 全体の中で普通に流していれば、法定速度など気にしなくても良いが、どのスピードでも車間距離は必ず確保。 その距離と自分の寿命は比例する。

 小事には負けよ・・・ 普段は、抜かされても熱くなるな。抜けなくてもイライラするな。割り込まれても深呼吸。 中村主水、必殺仕掛け人のごとく、昼行灯を演じるべし。フォースとともにあれ。


〜 ここからは愛車、シルバーウィングについての記述です 〜

さっそく身近なプチ課題であった、シルバーウィングをボアアップ。400→600。ちょうど車検時期であり、中古から中古への変更なので経費は最低限で・・・

暗峠の奈良側

雨模様の中、大阪のひそかなツーリングスポットである暗峠に行ってきた。なんどかここには訪れているが、最近125CCでこの峠に行ったとき、タンデム走行で、アクセル一杯、最高のトルクを使ってようやくジワジワと登れた。 バイクが壊れるかと思った! さすがにこの排気量になると、苦もなく登坂。峠を越えてすぐの地点で奈良平野をバックに初写真。 いい顔してるなあ! しばらくコイツと遊んでもらうことにします。

ついでにインプレ・・・ BS(ビッグスクーター)のインプレッションのページはたくさんあるが、他車種の比較は多いものの、同車種の排気量の比較は意外とない。 普通二輪免許で乗れるシルバーウィング400と大型のシルバーウィング600もそう。 特のこの二つは外観も同じで重さまで同一。まるで一卵性双生児。 オーナー的な感覚で言えば、仲間同士、お気に入りで同じものを選んだと言えるので、排気量で比較云々はある意味でタブーの面もあると思う。 だから弟分の400に気をつかって書かないと言うこともあるかも知れない。

自分の場合は自己完結なので、比較も良いでしょう。400にまる二年乗って、600に乗ってみた感想。たぶん今の感覚は少しの間で、やがて前の記憶はなくなってしまう。だから書いて残しておくことにします。素人の感覚だから、バイクの個体差とかは とりあえず無視します。

結論を先に言うと、400と600に優劣はない。自分の目的に応じて選ぶモノ。 パワーを求めるなら大きく、快適性を求めるなら小さく。 発進から街乗り、スムーズな加速、ジェントルな音と振動、ストレスのないのは400だ。これまで走り出した途端の静粛性、信号待ちでの落ち着き、そういったものに非常に満足していた私としては、失ったものは大きいと感じる。 高速道路も追い越し車線を走れるし、シルバーウィングは400で完成している。後から出てきたとはいえ、スクーターとしてのチューンナップはこっちのほうが間違いなく最高レベル。

では600をなぜ選ぶの? 800がでれば800を選ぶ! バイクの世界は排気量がステータス。発想自体はでかければでかい方がうれしいという、大して意味のないものだと考えられる。 で、そこから何が得られるのかと言えば、まずはパワー!次にパワー!そして入院への切符(笑) 

1.5倍にもなったピストンは、快適なスクーターには似合わない加速力を提供。攻撃的な運転を可能にする。いつでも牙をむくことができる戦闘機。 とにかく信号待ちからの発進も、全てのスピードで馬力が違う。100キロからでも急加速しながら車線変更可能。 実際の都会の道路の状況は混沌としていてイライラする。うまくこのパワーを安全に生かすにはクレバーな運転ができないといけない。しかもイライラを少しは解消して発散もしたい。横にジレラ、ランナーが来たときくらいは、多少熱くなってもかまわんかな・・・・ でも、ダッシュで勝ったら戦いはそこまで、後は負けておこう・・・ 法規を 遵守。

とくに低速での運転でのグリップへの振動は正直疲れる。 おとなしく走るだけなのに、このバイクはいつも戦闘態勢だ(笑) 血気に走る荒馬をいつもドードーしながら乗る感じ・・・ 一緒になってつき合っていたら命が持たない。 まだ、長距離の高速走行をしてない。 このパワーがそう言う振動なんかを差し引いても、さらに快適性を引き出すのか楽しみだ。自分の1日走行限界は300キロだが、それを更新できるのか・・ それと、エンジンブレーキだが、効きが悪いように思える。 赤信号ではほとんどブレーキングなしでエンブレのみで停まることが多かったのに、このバイクではそれが出来ない。詳しいことは分からないが、前の方が運転しやすい。またいだままでの取り回しは、なぜかこのバイクの方が軽い。スルスルっと滑る感じ。キーを回したときとエンジンかけたときのWELCOMEメーターは爽やかでGOOD。夜間のホワイト照明もSMART。

純正品の移行・・・ グリップヒーターは成功。当初は配線が切れたりして無理かも知れないと言うことだったが、うまく剥がして?つけてくれた。だいたいが付け替えを前提にしたものではないらしい。 いまのところ全く問題なく保温できている。 イモビアラームは規格が違うと言うことで移行不可。新品をつけた。性能そのものも新しくなっており、使いやすくわかりやすくなっていた。 前のはシートを上げるときダンパーがかなり緩んでいたので、今回スパッと保持してくれるのは毎回気持ちいい。

 

 

高速走行を体験・・・ 往復300キロのツーリングに行ってきた。 往路は八日市まで名神高速。三角点には立ったが、ご存じここにはロープウェイがあって、登る必要はない。帰りは四日市から東名阪。途中パーキングエリアで二輪に乗るわんちゃんを発見! 戻ってきた飼い主はわんちゃんにゴーグルをつけてタンクの上に固定。タンデムで去って行った・・・。    スクーターというのはホントにずるいのだが、激しい風と格闘しているアメリカンやネイキッドたちを、追い越し車線で鼻歌で抜かして行ける。 この日は最高速で150キロまで出したが、まだまだ余力を残している。 景色を見ながらルンルンで走れるのは100キロくらい。 走行に集中すれば120キロぐらいが一番楽しく走れる。 140を超えるとさすがに視野も狭くなるし長時間は疲れる。 再び400との比較だが、120くらいまでで走るのなら、振動も少ないので肩に力の入らない400の方がずっと快適。 時折加速しながら追い越し車線に入る瞬間などは600のパワーは底なしの力強さを体感できる。 まあ、安全を自負する自分の運転では、400で十分。 パワーを見せつけようとしてがんばるとその快感を超えて疲れるだけ(笑)

 

 

このあたりで総合的な比較の結論・・・ これから買おうとする賢明なあなたは600はやめて迷わず400にせよ! インラインスケートが滑るような、無重力的な気持ちの良い加速を約束します。 結果的に疲れずに遠くに行ける。 600CCは常に目の上のたんこぶのようなうっとうしい存在ではあるが、プラスアルファのパワーは快適性には役立たず、逆に疲労と違反減点にのみ活かさる。 それでも600に乗りたいというあなたは、、、しばしの間、このスーパースクーターにつき合うも佳し。そして800がでたら、シルバーウィングなど振り返りもせずにそっちに飛びつくはずだ。 しかし、疲れ果てて戻りたくなる安住の場所は250でも600でもなく、きっと400CCだ!

御在所の草原にて

シルバーウィング考・・・ このバイクについてはネット上でも多くのオーソリティがいるが、フリーウェイ以降、ビッグスクーター歴の長さでは他人に譲らないので、勇気を出して書くことにします。 このバイクの欠点もしくはマイナス点として「重さ」をあげるひとがいるが、それは愚かと言うほかない。 一度でも高速を走れば歴然、果たしてこのトンネルを抜けたときに横風が吹いて事故らないだろうか・・・その不安を消してくれるのはこの重量があるから。 400であっても快適な120キロ巡航が可能なシルバーウィングなら230キロの重さがないと怖くて走れない。 橋の上や、尾根道など横風のせいで止まっているようなスピードしか出せない原付を横目に、セダンと同じ感覚で走れるのもこの「長所」のおかげ。

では600になると、さらに重さが必要なのか・・・ 結論は必要ない。 まあ、普通に考えて常識のある人が出すスピードは150まで。 120で走っているときに何か目的があってやむなく何秒かアクセルをあけた・・そういうときに出てしまうスピードは140プラスアルファ。 それ以上出すのは安全運転とは無関係な意思によるもので、メーカーの保証外となる。シルバーウィングにおいては400と600ではそのスピード域ではともに大差なく安全運転が出来る。あえて言えば600の方が加速力が大きいだけ瞬時の判断力も必要でやはり危険。その分は大型免許を持っているということで自己の責任の範疇といえる。400CCは普通安全基準車、600CCは大型安全基準車。

400CCを超える純粋な「スクーター」はシルバーウィングだけだ。あとの二種はモータースポーツやツアラーに近い。大きなトランク、気軽に乗れて、カッコイイ。この先、どんな大きなATバイクが出てきても、スクーターからは離れて行くに違いない。シルバーウィングはたぶんスクーターとしての最終型。もしもシルバーウィングのあとにもスクーターがでてきてくれたなら余生が楽しい! シニア志向・・・たとえば速度に合わせて車高が自動的に変化! 信号待ちでは足べったり、高速時は遠くまで見える・・なんてありがたい。同時にスクリーンのアップ、雨を感知してルーフが起動なんて仕様なら言うことない。排気量のアップよりも、航続距離の延長を。大人が選ぶスクーターとしてのステータスを不動のものにして欲しい!

自分のプチツーリングの定番である、犬の墓参りに行ってきた。 季候も良く、天気も良かったのでたくさんの人が参りに来ていた。 亀岡に近いこの霊園に行く途中には、大阪府とは思えない林道がある。 この季節には藤がキレイ。 

写真で分かるかな・・・、シルバーウィングは左だけでなく、右にハンドルを切ってもロック可能。 これが駐車時に時々重宝する。

林道なので当然クネクネしているが、このバイクがどれくらい曲がれているか? 自分では判断できない。 ただ、これまでいろんなところにツーリングにいった感じでは、もろに攻めている?人にしか抜かされたことがないので、決して遅いスピードではないと思う。

 

新車か中古車か・・・ シルバーウィングに乗るまで、中古車に乗ったことはなかった。二輪というものは丸裸で乗るようなもの、中古車なんて恐ろしくて乗れるかいな!と考えていたからだ。 この考えを変えたのが台湾車。 新車で買ったのに、エンジントラブルばかり・・・。 バイクは年式よりも大事な要素がある・・・ それはメーカー。 車ならトヨタ、バイクはホンダ、時計はセイコー(^-^; メイドイントップジャパン。HINSHITU。 また、ショップ選びも命運を分ける。やはりディーラーが佳い。新車かメーカーが保証する認定中古車。決して安くは買えない。あくまで相場。

この4月からは、新車の車検が2年から3年へ。これはなかなか大きなことだ。立ちゴケしない自信があって、しっかりとガレージに入れておける人は迷わず新車にすべきだ。いつもピカピカに磨いてあげてください。 自分はどちらの要素も満たせなかったので中古車を選んだ。 とはいうものの、人が見ても新車か中古車かはまず見分けがつかない。いまどきの上質の中古はピカピカだ。

で、肝心の内容は・・・ はじめて買ってみた中古車だったが、安心の一言。走行15000キロ。セルも一発、冬場に一ヶ月のブランクをおいても大丈夫だった。01年式初期型の400CCで40万円。2年乗って走行25000キロ、売るときには20万円の査定がついた。ちなみに事故なし、またいだままのやんわり立ちゴケ1回。前部のみ雨の当たらない屋外保存。 2代目は4年式、走行400キロ、60万円。メーカーが試乗車として使用していたバイクだった。

新車から乗らないと愛着がわかない?ってこともないですね。 数あるバイクの中から選んだ一台。一生に乗れる台数も少ないので、乗り始めたその日からかけがいのない相棒です。 上の写真を見て↑ こっちを見て微笑んでる!メカには詳しくないのでHONDAにおまかせ。定期点検は欠かさずに行きます。

 

若狭湾。 能勢から周山街道に入り、名田庄村へ。 そこまでいけば日本海もすぐ。写真は海岸線の162号線。

それにしても、これほど過酷なツーリングははじめてだ! 快晴だと思ってでかけたのに・・・ なんと曇り空は雨に。しかもこの時期にしては低温で極寒を味わいました(-_-)

どんなときでも雨と寒さの対策はしてありますが、晴れだと信じ切っていたので完全ではありませんでした。 7時半に大阪出発、名田庄の道の駅着は10時。引き返そうかとさんざん迷ったあげく、プラン遂行を決意、悲惨なツーリングに花を添えた! 

400に2年乗ったが、立ちゴケは手放す三日前にはじめて経験。ところが、この600はなんとこの日、一ヶ月もたたないのに早くもやってしまった・・・ つきあたりの小さなT字路、道路標識を見ながら、行く方向の左右を決めかねて、停まろうかどうしようか迷ったとき、足をついたり、また少し前進したり、、、それがダメだった。400の時は多少の雑なアクセルワークは吸収してくれたが、600になるとトルクが太いので、バランスが乱れる。結果、右に傾いてそのままオネンネ・・ 雨で路面が濡れていたし、寒さで疲れ切っていたこともあるが、、400なら転けなかったと思う。 どうも、この600、ケチばかりつけて悪いが、扱いが難しい。 行きは下道で信号のストップアンドゴーをとことん経験。そのあたりはオートマはラクチン。帰りは367号線、いわゆるサバ街道から、京都南で名神高速。 今回のコース、晴れていれば抜群の海と山のコースだったのに・・・

桂のパーキングエリアで休憩。後方には2007年式の600が。 ヘッドライトがブルーコーティングしてあるので今度の600はすごくわかりやすい。同じブラックに見えるが、手前はパールサイバーブラックで、光が当たると紫色に見える。後方はピュアブラックで真っ黒。 タイヤのホイールは黒からシルバーに戻っている。このあたりの配色は好みが分かれるが、一般的には退化したように思える。燃料計がブルーに光るのはうれしい進化。

 

メガスクーターの孤独・・・ 一般に、125CCクラスから250CCのスクーターをビッグスクーターと呼ぶ。それ以上の排気量もカテゴリー的には同じだが、ちょっと親切に、400 以上のスクーターをメガスクーターと名付ける。 街乗りでは、250以下のスクーターの多さに圧倒され、ツーリングに出るとリッターバイクに圧倒されて、疎外感を持たざるを得ない。 あくまでも少数派であって、それ故に個性的もしくは変わり者であると言えるかも知れない。

スクーターというカテゴリーのなかでは、最強のアーバンアイテムは原付二種。文句なしでコイツが小さくてもっとも速い。 これが50キロくらいの中距離的な通勤になると直線のスピードに差が出て、250CCの方が優位になってくる。 さらにそれ以上のツーリングの距離になって、高速道路の利用も必須となり、 二人乗りもしたいなあ・・・となって、やっとメガスクーターの出番となる。 ということは、遠出をしない限り、乗る意味がない。さらに言えば、是非二人乗りもしたい。 疲れを残さず次の日の仕事をちゃんとする オトナ・・・ 二輪から4輪に近づいていく感覚。

実際にメガスクーターはバイクと車の中間くらいの存在といえる。走る距離が短ければバイクに近く、長くなれば車に近づく。車に乗る人から見ればまるでバイクであり、スポーツバイクに乗る人から見れば、全くバイクではない。こう考えると、ある時はバイクのように風を楽しむこともでき、逆に風雨にさらされるが、車のようにラクチン。これがメガスクーターといえる。車検があるのも車と同じ。 この車検、、、確かにお金がかかるが非常に良い制度であると思う。 いや2年という期間は長すぎる。 自分はディーラーから半年ごとに案内が来るたびにきちんと整備に通っている。タイヤの空気圧はじめ、オイルのチェックとかブレーキパッドの消耗、これらをやってもらわないと安心して高速道路で追い越し車線を走れない。

 

その後、シルバーウィングはモデルチェンジされてGTになったようですね。 ETC、NAVI等最新のメカを積んでツーリングもますます快適に出来そうです! これからも皆様のスクーターライフが楽しく安全で充実したものであるようお祈りいたしております!  2011/09/20 


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