f l a t  d a y s

top トップページへ                   2001年11月へ2002.5月

のんべんだらりを夢見つつ、魂に放浪癖のある一社会人が綴る、カウントダウン的日常の身辺雑記。

  

 

最高ですかぁああああ

っちゅうかね、そら幸せは幸せですわ。

確かにね。家におって朝から晩までテレビつけて、昨日は、

アイルランドvsカメルーンにドイツvsサウジ(そのへんにしといたれよ、ゲルマン魂、え。

ぼっこぼこか。え。相手再起不能にせな気がすまんのか。それにしても、サウジ〜ィ、うう

君らはバッティングピッチャーか。ううう。え。しっかりしてくれよ〜。アジアの代表やろ。

アジア枠減らされたらどないしてくれるねん。やられっぱなしか。なんでゴール前DF何人も

棒立ちやねん。なんで一回やられたら修正でけへんねん。何回も棒立ちやん。金縛りか。

リプレイ見てるみたいやったで、んまに)

を見てスポーツニュースたちを見て、

今日は今日とて、1日に

アルゼンチンvsナイジェリア:私はオコチャやウエストやカヌー等、楽しいナイジェリアが

贔屓です。穴も多いけど。元々アルゼンチンいいイメージないし(別にイングランドの味方

ってわけでもないけど)。 しっかし、バティのシュートはすごいね。アニマルだね。

決めたシュートもそうだけど、ミドルシュートがすごいんだ。どごーーーんん!!

その力をサッカーに向けられてよかったね。普通の職場だときっとなんか問題起してる。

上司殴ったりね。知らんけど。そして今更ながら、ベロン! ゲームをコントロールできる、

うまくてタフで要所を必ず確実に押さえる選手。

楽しいのは俄然ナイジェリアなのに、アルゼンチンが1−0で勝つ。

イングランドvsスウェーデン:これまたしぶい。どっちもよくできたチームでしっかりしてて

うまくてがっぷり組み合ってソツがなくて。イングランドの攻めを端正に端正にがっちり

防ぐ組織だったスウェーデン。やっぱ派手さはないがうちの父親でさえ、

「この前の試合とパスが全然違う」(アイルランドvsカメルーンらしい)なんて言ってる。

こういう渋いも合間合間にありか。1−1で分ける。よく分けたね、スウェーデン。

スペインvsスロベニア:スペイン好きなんです。毎回、上位候補にあげられ「無敵艦隊」

といわれながら、ここ一番ずべっと負けて上にいけない。

スロベニアは一所懸命がんばりました。が、ここはスペインの勝ち。

どう。これ。お腹いっぱいや。どれもこれもまた、力と力で、おもろい!

そんな試合を立て続けに1日にこんなに見たら

なんちゅうの、そらどれもこれもご馳走でおいしいのんわかってるけど、

お腹いっぱい。勘弁して、って感じっす。

1日に、中華とイタ飯とフランス料理と全部コースでいただいたような、超満腹感。

ちゅうかね、食べすぎ。すっかり食べ疲れましたわ。しかも毎日。

1日、2試合までやね、ガチンコは。あーーーーーーしんど。

文句言うな、ぜいたくなこと言うな、とは思いつつも。言うてみたいやんか。

もうフカヒレは飽きちゃったのよねえ、とかさ、またキャビアなのぉ?とかさ。けけけ。

いやあ、時差のある国々の皆さん、眠いところご苦労である!けけけ。

また最後に見たのがスペインvsスロベニア。エンリケ。ねばい。めちゃ走りよる。

ラウル。濃い。

ああ、つら。

ほんで明日は、イタリアでっせ。かなんわ。もう。会社から帰って十分間に合う時間やし。

ご飯食べながら見れるし。

ああ、しんど。ああ、つら。

2002.6.2

 

蹴球的社会生活

久々に会社に行った。わけではないのだが、土日はさんでなんかとても久々な気がした。

久々にボールを蹴らない人々を見た。

残席チケット販売問題がいきなり課長から投げかけられる。

「販売サイト試してみた?」と聞かれるが、あんなものつながらないだろう。

「いいえ」と答えると、「やってみよ」と課長がアクセスにチャレンジし始める。

こっちはこの金曜日から歯抜け状態に取る休暇のために、来てる日くらい仕事ぶりを

アピールしなければと思っているのに、またしばらくして課長が「つながった?」

と聞いてくる。だから、会社でそんなことしてませんてば、と思いつつ、なんか

やらずにおれなくなってやってみるが、もちろん、「オーバーロードしています」の

お詫び画面でつながらない。「だめですねえ」と言いながら、ニ画面開けて、思い出すたび

更新、更新の1日となってしまった(またかよ)。課長も時折「あ、ええとこまで行ってんけどな」

と途中経過を報告してくれる。結局つながらなかったけどね。

 

ところで、うちの会社にみんなにやや敬遠されがちの一風変わったおじさんがいる。

確かにひとひねり変わった感じはするが、私には時折、サッカーの話なんかを

話しかけてきてくれる。

今日の午後、その人のいる部屋に用事で行くと帰りがけにおじさんが

「いよいよ明日ですね」と言ってきた。

もちろん、我が日本代表の試合のことである。が、トルシエに全てを任せた私としては

ここであんまり深い話をするつもりもなかった。「そうですね、楽しみですねぇ」とだけ答えて

去ろうとするとおじさんは言った。「3−0ですかね」 お、かわいいこと言うやん、

「ベルギーの勝ちで」。

はああああああああああああ?・・・・・・・ ・・・・・・・今、何言うた?

 

100%の純粋な怒りの炎が私の背中をかけぬけた。

「そんなチームじゃないでしょ」とだけ答え、私は奴の顔も見ずに部屋を後にした。

が、怒りは収まらない。収まらない収まらないったら収まらない。

何をぬかしとんねん、誰にぬかしとんねん。どういうつもりやねん。

わざわざこの私を呼びとめて。相手してほしかったんちゃうんかい。

21世紀最初のW杯主催国としてその幸せを誰かと分かち合いたくて、

この私に話しかけてきたんとちゃうんかい。

それとも喧嘩うっとんかい。お。やるんかい。

どーゆーつもりじゃ。気ィ悪いっちゅうねん。どないしてほしいねん。

もしかして、おのれはベルギー人かい。

二度と仕事中にぴこぴこ音させてパソでゲームでけへんようにしたろか。え。

後生大事に机の四方に積み重ねて要塞化させてるその書類の山、

底からぜんっぶひっくり返して火ぃつけたろか。え。殺すぞ。

というようなことを席に戻って隣のくろちゃんに一気にまくしたてた。

くろちゃんは、「人格変わってますよ」と私に言った。(なぜかうれしそうだった)

はっ。

本当だ。第二の人格が覚醒している。

そういえば、普段穏やかに人をなだめる立場の私が、その、殺すぞおっさん事件

のほかにも、今日は切れた。

昼休みの終わり、エレベーターに乗ろうとしてる時、部長に呼びとめられた。

すんんんごいつまんねええどうでもいい見た目だけのことが気になる部長に

誰もそんなこと気にしねえよというようなことをぐちぐちと、課長に言っておけと言われ、

さらに、「僕からも言うけどな」と言われ、自分で言うなら私に言うなあああああああ!!!

という怒りと、その間に私が呼んだエレベーターが空のまま上がって行ってしまった怒りを、

「行ってしまったじゃないですかぁああ!!」と、さも時間をムダにしたと言わんばかりに

部長にストレートにぶつけてしまった。

部長は「ごめん」と謝っていた。

チケットとってくれたのに、ごめんね。

 

そのほかにも、くろちゃんとの会話の中で「むかつく」という言葉を多用するなど

明かに人格の変化が認められ、1ヶ月の休養が必要。と医者は言わないか。

変わってしまったものはしょうがない。いいんだ、私の場合、怒りはエネルギーになるから。

しばらくは勢いだけで生きることになりそうだが

せいぜい敵を作らないことだね、元に戻った時ののどかな私のために。

2002.6.3

 

 

勝ち点 1

よくやった!! と思います。私たちの日本代表。対ベルギー戦。

確かに惜しかったし、勝てた試合だと言う声も多々ありましょうが。でもそれは結果論で。

よくとったよ、2点。4年前には3試合で総得点が1点だったんだぜ。がんばってがんばって

がっちがちに守って守って、たまに攻めこんでも前線までボールがわたらず、

渡ったボールは枠の中に行きやしない。どんなに気合入れてスライディングしても

取ったボールがまた簡単に取られて。

あの4年前の、力を出せない、ふがいないもどかしい押しつぶされそうな重圧の3試合を思い出してごらん。

それに比べて、今回の代表の軽やかなこと。いや、もちろん気合は入ってるんです。

が、なんというのか悲壮感はない。

あの時、背水の陣で臨みながら敗色の濃い最後のジャマイカ戦、最後の最後、残り15分ほどで

登場した、18歳の小野伸二。あんなに重苦しい空気の中で、ピッチに登場するや

相手DFの股ぬきなんてやって見せ、するするとゴール前までボールを運びいきなりフィニッシュ

までもちこんだ伸二。なんでこれが最初からできなかったのかと思ったが。

今回の代表には、あの時の伸二の持ってた軽やかさが、少なくとも後半からは見られた。

ミスも多かった。ボールもキープできなかった。トラップミスを簡単にとられたりした。

予想できたミスもあり、いい加減にしろよー、またかよー、とは思ったが。

どっちのペースでもない重苦しいいいいい息の詰まるような前半が終わり、後半10分。

ついにDFの弱点をつかれて取られた重い重い1点。うわーやられたーーーー。

しんどい前半の45分を引きずってきただけに、ここで一旦悪い意味の一息。はああああ。

このままずるずるだめなのではないかと正直一瞬思った。でも、ピッチの選手をごらん。

中田がみんなに声をかけてる。まだまだ時間はある。まだまだ取り返せる。今までにも

こんな試合はあった。大丈夫、取り返せる。

悪い意味の一息ではあったが、それは同時に、ずっと止めていた息を

やっと吐き出せた瞬間でもあった。

1点を取られ、日本は文字通り、息を吹き返した。

そうだ、今までは、守っていいのやら攻めていいのやら、なんだか相手のペースを

見るあまり、中途半端にうろうろしていたが、今からやることははっきりしている。

点を、取る。

日本はあわてなかった。きわめて冷静に、伸二のやわらかいパスが弧を描いて

前線のスペースへほうりこまれた。FWは鈴木と柳沢。

二人とも、ボールが頭上を越えてゴール方向に伸びていくのを見た。相手DFは三人。

ボールの落下点に近い位置に既にいた。柳沢はあきらめた。走らなかった。

相手DFはゆっくりと走りながらボールを見守り、出てきたGKにまかせようとした。

鈴木はあきらめなかった。ただただボールを信じボールめがけて走った。

先に落下点に入っていたDF二人の間から、落ちてきたボールに、

届け!と足を伸ばした。

鈴木の伸びきった体の一番先、ゴールに最も近い足のそのまた一番先に、ボールが触れた。

ボールは鈴木のまっすぐに伸びた体をベクトルに、伸ばした足が指し示すその方向に

まっすぐころがっていった。その先に、ゴールマウスがあった。

どぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。

スタジアムが立ちあがった。鈴木が吠える。1点!!! 

取られた1点を2分後すぐに取り返した。

取られてすぐに取り返せたことで、逆にこっちの流れになる。

スタジアムも行け行けの熱気。

でかいベルギー選手たちは足が止まってきつつあった。追いつけないのだ。もう。

日本のこまこまとよく走りこまこまと出るパスに。あの長い足の分。

伸二は、アレックスと交代。いい交代。かき回してやれ、アレックス!!

こぼれ球を柳沢が拾った。柳沢はイナの上がりをちゃんと見ていた。ヤナギからイナへのパス。

ボールをもらったイナは相手DFを軽々と交わし、ゴール向かって突き進む。

自分でシュート! 足をふりぬいた。

日本逆転。

かつてこんなことがあったでしょうか! 日本が2点! まがりなりにも勝ち越し!

オレ、俺、俺! と自分を指差しながら走るイナ! えらいぞおおおお。

何にも臆することなく果敢に攻め元気に走りまわる君の姿がうれしい。

その後、森岡が負傷。「バットマン」宮本が入るものの、相手のセットプレーから

いつもの、気をつけなければいけない、と言っていたディフェンスミスで失点。

なにやってんだよーーーーー!!!! オフサイドアピールして手なんか挙げてる場合かよーーー。

ぜんっぜんオフサイドじゃないしよおおおおお!!そんな暇あったら、最後までスライディングして

ついていけよおおおおおおお、なにやってんだあああああ!

2−2に追いつかれる。

その後、素人な私にはよくわからない稲本の幻のシュートもあったが、

最後の最後にペナルティエリア内のこっちのファウルを取らないでもらったので

とんとんってことで。

またかいなのミスやら、誰に出しとんじゃのミスやら、なんやかんやあったものの、

なにより、代表が元気なのがうれしい。イナに代表されるとおり。元気いっぱい。

何も恐れず、チャンスがあれば決めてやる、と、ゴールに向かって走ってる。

ああああ、ここまで来ました、私たちの代表は。

何もできなかった4年前。

その舞台に立つことも叶わなかった、今思えばそれが分相応だった8年前。

でも、私たちの代表は、ここまで来ました。

ピッチを元気に走ってます。高い相手に臆することなく、堂々と競り合ってます。相手に

ぶつかられても負けずに、ばてることなく走ってます。自分たちの力を出しています。

うれしいなあああ。

サッカー専門誌は、また個々の選手に「6.5」だとか「5.5」だとか点数をつけるのだろうが、

私は評論家じゃないので、みんなおっけー!!みんなよくがんばった!!

みんなそれぞれの場所でそれぞれの役割をよく果たした! ミスがあるのは当たり前。

点とりゃいいのよ、点とりゃ。え。相手より要は1点多くとりゃいいのよ。

歴戦の強豪国ベルギー相手に堂々と、一歩も引けを取らず、どころか彼らを上回る試合運びで

2点を取って、「勝てた試合だった」と言わせてくれる君たち。

勝ち点1。 4年前にどうしても取れなかった、勝ち点1。

でも、ここまでじゃないぞ。まだまだこれから。

次はロシア戦。なめんな北方領土おおおおおおおおおお。

2002.6.4

 

蹴球的私生活

毎日複数の試合みてると、おっつかなくなってくる。

日本VSベルギーの後、勝ち点1をゲットしたことだし、

次は共催の韓国を応援しなくっちゃと、引き続き、韓国VSポーランドを見た。

見たかったんだ、韓国の試合。どこがどう変わったのかすっごい期待。

が、

私の応援などいらなかった。つええええええええええええええ、韓国!

テーハンミングック!すっげええ応援。えらいよね、あそこまでできるのは。

赤一色でっせ。試合の間中ずううううっとスタジアム中のうねり鳴りやまずでっせ。

相手チームに気の毒なくらい。あれは脅威だったろう。

なんでも、応援のため、スーパーやどこの店でも格安の赤いTシャツをおいてるんだって。

胸に「REDS」の文字。やめてくれえええええええ。

っていうか、それ、終わったら、レッズサポにくれええええええええ。

 

韓国は、ずっと攻めてた。キックオフの最初10分ばかりポーランドがボールを

支配し、惜しいチャンスを二度ばかり作っていたが、そのリズムに韓国はじきに

慣れ、その後は残り80分、攻めっぱなし。80分。どっこにあるんだそんなスタミナ。

走りっぱなし、攻めっぱなし、燃えっぱなし。君ら、早死にするよ。大丈夫か、

試合終わってから誰も死なへんかったか?

それだけの勢いをパワーをスタジアム中が共有してた。もしかしたら、選手は死ななくても

サポは2、3人死んでたかもしれない。岸和田のだんじりみたいだな。

韓国、悲願の勝ち点 3。スタジアムにいるみんなであげた勝ち点だ。

六大会出て、初めての勝利なんだぜ。W杯が如何に尋常じゃない場かってわかるよね。

いやあああ、しかし。脅威である。ヒディング韓国。

元々フィジカルは強いし、DFは高いし、FWの攻撃意識は強く、チーム自体超攻撃的な感のある

韓国が、ヒディングさんとの融合で高い戦術を得、意識された中盤を作り、

こうなったら怖いもんなしちゃいますのん。え。

いやああ、恐るべし、韓国! きっと世界も驚いてる。のん気に応援してる場合じゃないか? 

(後半気の毒になって実はポーランド応援しちゃったのだが)

でも、がんばろうぜ。アジアをなめんなああああ、って世界にアピールしようぜ、一緒に

(おいてかないでね、くれぐれも)。

 

フランスVSウルグアイ。めっちゃくちゃおもしろかった。どっちかサイドだったら

心労で倒れてるかもしれない。よくあれだけ集中力が続く。極限の集中力と体力。

10人のフランスとくらいつくウルグアイ。10人とは言え、下手に防戦に回ると逆に

攻めこまれる。敢えて攻めつづけるフランス。どっちが10人だかわからない。

懸命に守りつつ、カウンターも狙うウルグアイ。一瞬一分のすきもない。

どっちも見事です。攻めて攻めて守って守って。

ああここまでかと思ったら、GKが神業的セーブを見せる。

ウルグアイは途中交代させる選手を間違えたらしい。この試合の緊迫もここで

ぷっつり切れるのかと思ったりしたのだが、そんなことでこのガチンコは揺るぎもしない。

最後の最後までどっちも走って走って守って攻めてスライディングして。死闘。

ほんっとに見ごたえのある試合だった。決勝ラウンドみたい。お疲れ様。っつうか、

こっちも疲れた。

 

今回のW杯は、初戦フランスがセネガルに負けたのがいい薬になってる。

他のいわゆる「強豪国」も、いつもなら一次リーグは適当に勝ち点稼いで無理しないで

のらくら決勝Tへ進み、決勝Tにピークをもってきたりしていたのが、

最初から格下相手でも気を引き締め、ちゃんと本気で勝負するようになってる。

逆に、弱小と思われてるチームも、自分たちも攻め方次第でセネガルみたいに金星がとれる、

と俄然はりきってる。

ポルトガルがアメリカに負けちゃうんだもんなーーーー。ショック。

サッカーはそれが面白い。強いチーム弱いチームがあっても、勝敗を決するのは

その日の流れ。選手のコンディション、メンタル、気候、芝の長さ、スタジアムの雰囲気、

当日のそれらの条件が大きく影響を及ぼす。

だから、サポも重要なんだね。

2002.6.6

 

6.7 スウェーデンVSナイジェリア: 神戸

見て見て、ほら、これ、前から5列目ですねん!すっごーーー。ありがとうM部長

試合前、子供たちの前座試合をピッチ上で見守るSWEDENイレブン

 

ウエスト。髪型がキュート                  MNさんお気に入りのスヴェンソン(右)

前から5列めはいいんだけど、思いっきりスウェーデン側にすわってしまった。

スウェーデンサポは、メインスタンドとゴール裏でしきりに応援の掛け合いやって

るんだけど何言ってるんだかわかんなくて。でも、とっても楽しそうだった。

結構、血の気多そうなんだよね。

スウェーデンの組織だったサッカーも嫌いじゃないし、どっちも応援しようと

公平な気持で行ったのだが、

気づけばナイジェリアゴールの時には思わず立ちあがって拳突き出してるのに

スウェーデンゴールの時は頭抱えてる自分がいて、

やっぱどうしても抗いがたくナイジェリア側らしかった。2−1の惜しい負け方。

ナイジェリア決勝T進出ならず。ゴールそばのめちゃめちゃ良い席だったが

アガホワの5連続バク転は残念ながら、逆側だった。

2002.6.7

 

勝ち点 3

私はなんだかもう長生きできないんじゃないかと思う。

日本VSベルギーでの勝ち点1に続き、日本VSロシアの勝ち点3。

こんなに全てがいい方に願った方に転ぶなんて。こんなありがたいこと。

これはやはり、余命いくばくもなくて、神様ややさしいご先祖様が私に最後の

プレゼントをしてくれてるんじゃないかと思う。ありがとう。

なかたこ→柳沢ポストで→走りこんだイナ の1点。

なかたこの正確なセンタリング。それを瞬時にはたいた柳沢。ちゃんとイナが見えてた。

そしてそれを確実に決めるイナ。えらい。あんな小器用な狙ったシュート。前は打たなかった。

どごおおおーーーーーん、のミドルシュートが多かった。

この試合、まず、スタメン明神で個人的には盛りあがった。私は明神が好きだ。

特にでかくもなくあんななのに、めちゃくちゃタフでけろっとしてていつも動き回ってる。

やっぱわかってるよね、トルシエは。いやあ、なかなかわかっとるよ。

今回、なぜかベルギー戦ほどの昂揚がなくて、最初から非常に冷静に見る

ことができた。ピンチはピンチで、前ほど祈るほどの思いもなく、なぜかほんとに

淡々と見守ることができた。もしかして選手とシンクロしてたのか。

しかし。チーム一丸。あのDF陣のみごとなこと。誰がどうじゃなくて、互いの

カバーやつながり具合が思いやりに満ちていて、クレバーで、システマティックで集中してて

すばらしいじゃないですか。え。伸二がカルピンを追い、なかたこが出迎えて抑える。

それがオートマティックにできてる。イナが上がっていけるのは、戸田や他のDF陣のおかげ。

鶏の神様がついている戸田。あちらと思えばまたまたこちら「献身」の明神。

守りはもちろん、ヒデに出したクロス、イナの1点につながるクロス、の見事に正確なナカタコ。

危機をすばやく察知し未然に防ぐ宮本バットマン。

君らはほんとに、えらい!  誇らしい!

トルトルもえらい!!!ダバディさんもえらい!!

いやあああ、勝ち点3っすよ。ほんとにとっちゃったすよ。

週明け、またW杯移動が始まるのだが、なんか日本戦見ちゃうと、なかなか他の試合に

身が入らないっすよ。

でもここで安心してはだめ。次は日本が苦手としてきた脅威のアフリカ勢。チュニジア。

最も気を引き締めて、声掛け合ってゆーこーお〜♪

幸せな日々。明日死んだらどうしよう。チュニジア戦には絶対行くからなーーー。

霊になっても行くからなーーーーーー。

2002・6・9

 

 

帰ってきました。疲れました。

今週まともに会社に行ったのは、月曜と水曜だけっす。

とりあえず、順番に。

 

6.11 ドイツVSカメルーン :静岡エコパ

もちろん私カメルーンの味方ですとも。サウジ相手に初戦いきなり8点も取っちゃう

ゲルマン魂のきまじめさというか押したら引かない引けない怒涛さっちゅうのに

アジアとしては少々反感がある。クローゼのハットトリックぅ? 荒稼ぎしやがって。ったく。

とにかく。一旦出社。一所懸命働く。

午後半休で掛川へ。掛川からはシャトルバスでスタジアム近くの専用駐車場広場へ。

あやしい天気だとは思ったが、現地につくとえらい雨。そして、風。

駐車場からスタジアムまで徒歩15分。これがまた、山の上でなーーーーーーーんにもない。

ただスタジアムに続く道がのらりくらりと続いている。そこに延々と並ぶ人、人、人・・・。

スタジアムしかないんだから、そこにいる人はみんなスタジアムに向かう人なわけで。

列は動いてなくて。吹きさらっしで。ただ、そこに立って、みんな風に吹かれ雨にぬれている。

傘だけでは横殴りの雨に対応できず、カッパも着る。

なんじゃこの風はーーーー。なんじゃこの雨はーーーー。

為す術なし。

雨風に耐えかね、私の折りたたみ傘はもろくも骨折。1箇所骨折すると、他も支え切れなくなり

さらに骨折。一応さしてはいるがすでに「傘」の態をなさず。アシンメトリーなピンクの布の

ついた棒をしばらくそれでも未練がましくもっていたが、あきらめる。

早くあけろよーーーー。気が利かないったらありゃしない。タイタニックの二等客室の客に

なった気分だ。上から下までかばんの中までびしょぬれ。いいけどさ。運は全部とっとくけどさ。

とにかく屋根のあるとこあるとこ、と、よおおおおおやく、スタジアムに入ってほっ。

今回はカテ2でカメルーン側。屋根のある席なのがありがたい。

スタジアムに入るまではさんざんだったけど、試合前には両ゴール裏にマーチングバンドが登場、

すばらしいパフォーマンスを見せてくれてお客さんも大喜び!

 

 

国際映像担当のHBSさんが、ゴール裏のクレーンカメラに小さな日の丸をつけてくれてたのがうれしくて

 

肩に手をのせカメルーンチームの入場

試合は、荒れに荒れた。というより、審判が荒れに荒れていた。試合始まってまもなくから

カードカードカードの連発。えええええ、今のがファウルですかい。えええええ??!!

ええええ、また笛ですかいいいいい???!! 選手も困惑。なんだか特にカメルーンに

やたら厳しく見えたが、後半がんばってドイツにも厳しい。だから公平といえるのか。

なんだか誰にとっても公平じゃない。

試合を通じて出たカードはなんと16枚。史上最多らしい。てめえ、歴史に名前残そうと

ねらってたな。退場者2名。

後半には、ファウルの笛を吹く審判にスタジアムからブーイング。

なんでもカード乱発で有名なスペインの審判らしい。選手も災難である。

が、守備のついでに相手選手を殴るカーンはなんとかした方がいい。

 

試合後、私とNは、掛川からの臨時の新幹線に乗り、その日の宿をとっている名古屋に

向かう。思ってたのより一本早い新幹線に悠々すわって乗れ、名古屋まで。

掛川の駅でも名古屋の駅でも取材陣がすごいぞ。名古屋駅前のホテルにチェックイン

したのが、午前1時前。シャワーを浴びて準備して就寝は2時すぎ。

 

さようなら、エコパ

 

6.12 あたたかい人々と非情な仕打ち

翌6月12日、朝いちの新幹線で大阪へ。そのまま出社。

そのままのかっこうでフロアに行くと、正面席のM部長にいきなり

「なんやそのかっこうは〜!」と叫ばれる。

だが、多少なりとも休むことで迷惑かけているはずなのに、みんなきらきらした笑顔で

どうでした、とか休めばよかったのに、とか、楽しげに迎えてくれて、

みんなが私がW杯に行くことを応援してくれている空気があって、あったかくてやさしくて

本当にありがたい。なーに浮かれてんだか、なんて人はひとりもいなくて

私はほんとうにほんとうに恵まれています。ありがとうございます。

私以上に実は熱が入っているっぽい課長には、スタジアムで買ったプログラムをお土産に。

別に全然いいのに、非常に恐縮なさってこそこそと隠したりなさって

「こんなんいいの?」とか言ってる。いいですよおお、W杯はみんなのものじゃないですかああ。

 

実は木、金とまた休むので一所懸命働く。不思議なもので全然眠くないし

疲れてもいない。すばらしい。

 

そうそう、明日の分もあさっての分もとはりきって仕事をこなす私に

クレジット会社から電話。

カードを止められる。

うう。千円か2千円足らへんかっただけやんか、長いつきあいやのにみずくさいーーー。

一度でも払えへんかったことがあるかい? んまに、また忘れてはるわ、ですめへんのかいな。

あんたと私の仲やないかいな。え。んまに。

旅の前に非情である。

 

6.13 イタリアVSメキシコ :大分ビッグアイ

朝 5:45起きで伊丹空港へ。Nとは7:35に空港ロビーで待ち合せだが、

早く着きすぎたので2階のカフェテリアで優雅に朝食。

飛行機の中には、メキシコ人と思われるサポの皆さんが。

大きなつばの黒い帽子がきらきらストーンで美しく飾られている。

それにひきかえイタリアサポは目にする限り、日本人ばっか。

大分空港では先に名古屋から入ってたFさんが待っていた。

あと、午後1時半ころには東京からMNさんが合流の予定。

ひさびさのシドニー五輪観戦メンバーである。このメンバーは強い!

試合は夜8時半から。どっか観光でもすればよさそうなもんだが、とりあえずホーバーで

大分市内に入り、ひとまずPARCO内のカンピオーネへ。

わざわざ大分まで行ってカンピオーネもないだろう、と思うなかれ。

これが。なかなかのレア物ぞろいで。めっちゃくちゃはまる。

大阪あたりではすっかり品薄になっていて、なんもかも種類が限られているのだが

ここには初めて目にする物も多い。え、こんなのあったんですかい。

それに味をしめ、ずっと駅周辺のオフィシャルショップやらなんやらばっか見てまわる。

ほんっとにレアですぜ。

なんせ、前回大会のピンバッジやら、ドーハの頃の大漁旗ユニとかまでおいてる。

大分、恐るべし。

午後になってMNさんも合流。宿に荷物を置き、スタジアムへ。

シャトルバスを降りたところが、イベント広場になっていて、沖縄の歌や踊りを舞台でやりつつ、

シュート大会やらのスポンサーイベントもあり、また氷やら焼鳥やら

縁日みたいにたくさんのお店が出ている。

村ごとに名産品の店もあって、そこでまぐろのコロッケだの高菜のだんごだの買い食い。

お祭りみたいでこういいうのはいいね。

スタジアムまでは公園をてくてくと歩いていく。こういうのも好き。

のんびり公園の中を歩いていくのは多少距離があっても気にならない。

 

ビッグアイ。開閉式全天候型ドーム

 

   スタジアムはメヒコサポの応援で圧倒。イタリアは、選手個人のファンが多いのでまとまりがない

私たちの席は、カテ2 メヒコン側。

前から2列め!! すごいでしょお。これが神戸だったらピッチが目の前なんだけど。

 

私としては、トッティならカメルーンを応援する、デルピエロならイタリアを応援する、というスタンス。

イタリアはやはりトッティ先発。が、インザーギも先発で、びみょおおにイタリア寄りになってしまう。

  フィリッポ かっちょいいーーー!

試合は多分蒸し暑さにイタリアは(っていうかトッティは)やる気をなくしていたのであろう。

楽しくないだらだらとした膠着状態が続き、審判はイタリアに厳しく、みんながいらいらと

つまらないまま終わるのかと思ったらば、後半、ついにデルピエロ登場。根性がちがう。

出るなり得点。最後は、他会場の試合結果で、どちらも決勝T当確となり

なあなあの引き分け試合。

 

宿に帰りつき、宿泊先の「健康ランド」でお風呂に。

宿泊客の多くは日本人サポやら外国のサポ。

日本人の私でもいまいちシステムがわからないのだが、外国の女性にお風呂の入り方を聞かれ

教えてあげるが、やっぱり抵抗あるみたいで、入り口のところのシャワーですまそうとしていた。

シャンプーやらボディソープの説明と温度調節等はだかのまま説明させていただく。

お風呂の後、Fさんの撮ったアルゼンチンVSイングランドの写真や

MNさんのスウェーデンVSナイジェリアの写真など見せてもらい、翌朝5時起きのため

2時すぎに解散。

 

 

6.14 ついにきた、日本VSチュニジ :大阪長居

安さゆえに選んだ健康ランドの「簡易個室」だが、簡易個室というのはトイレの個室のように

天井はいけいけになっている。3時すぎに到着して離れた場所でしゃべりあうご一行さまや

どなたかのめざましの非常識な時間になりつづける電子音や、どこかからのいびき、

ドアの開閉音、等々で眠れず。5時半まで寝るつもりが我慢できず5時には起きる。

6:45のホーバーに乗って、空港へ。ホーバーもなんもかんもとにかくサポだらけ。

空港の登場口は長蛇の列。私らの前に青いポロシャツの外人団体がいて、青だからイタリア

サポかと思ってたら、HBSという国際映像を送っているスタッフであることが後で判明。

飛行機の中もずっと一緒だった。私らでも狭い機内。彼らはどんなに窮屈だったろうか。

伊丹で、Nとは別れ、MNさんと私は、日本戦へ出陣。

(の前にこっそり会社に寄って、更衣室で青服モードに着替える)

 

HBSさん: こういう方々です。ここにもまた日の丸が。(後に自主的に撤去された)

 

 

アップする青組 上からヤナギ、シンジ、戸田、なかたこ     あれに見えるは日本の至宝、しんじ おの!!

 

もうひとつの日本の宝 12番目の選手たち

 

試合前、上写真の如く、ゴール裏にでか日の丸と、巨大青ユニがひろげられる。

これはね、大変なことなのよ。いつもの国立の試合とかと違って、自由席なんてない。

早く行けば好きな席が取れるわけじゃない。サポ同士固まってすわれない。

また、どんなにサッカーが好きで代表を愛してきて今まで必ず応援してきたからといって

そもそもチケットが取れるわけもない。

スタンドには、今日初めて日本代表の試合を見ようかというおじちゃんおばちゃんもたくさん

いる。なぜみんな青いのかさえわかってない節がある。日本だから日の丸の赤白カラー

だろうと余計なかっこうしてきて完全にチュニジサポになってるおっさんもいる。

いつもの、わかってやる応援ができないのだ。大分でも経験したが、ウェーブを回すの

さえ実は容易ではない。

それが、見たってくれ。この日の丸。撮り損ねたけど、巨大ユニ。

これをやるために、どんだけ人の間を説明して説得して回ったんだろう。

ひとりでも、ピッチが見えなくなるからいやだ、と言う人がいるとできないことだ。

タイミングもむずかしい。なのにこんなにきれいに日の丸が広げられている。

頭が下がる。

それだけの願いがこめられている。これからの試合に。

代表の試合で、開始前に久々に泣けてきそうになる。

笑って帰りたい。

 

そして、試合は始まった。

 

前半はパス回しで終わる。チュニジはがつがつにはこない。中盤では結構好きにもつ

ことができる。が、だからと言って特に攻め手もない。無理をすることもない。

だが実は、パスを回してサイドチェンジ等繰り返し無理をしないで相手を消耗させ、

後半相手が疲れたところをねらう、ピッチ上の選手たちの作戦であったらしい。

試合に「緩急」を自分らでつけているのがなんともたのもしい。

試合の流れを見ながら、自分たちでゲームのペースを作っている。

来たボールにおろおろと応対し、えいやで蹴りこむサッカーとは違う。

いつのまに、我が日本代表はこんな大人になったのか。

後半、モリシ、市川、登場。長居は森島のホームである。俄然スタンドは沸きかえる。

市川がいきなり右サイドを駆け上がる。

なんかトルトルのこのW杯での采配はふるってる。だから信頼しろと言ったでしょうがああ!

彼の采配に問題があるだのなんだの今まで言ってた解説者たちはどう思ってるのか。

今回もぴたり。あんまりほめたらいかんけども。

後半3分、替わったばかりの森島がこぼれ球をどんぴしゃゴール!

スタジアムが狂喜に包まれる。もりしいいいいいいいいいいい!!!!!

こんなことがあっていいのか、こんな幸せに恵まれていいのか。

こんなありがたいことに値する私たちなのか??

もしかして、勝つかもしれない。もしかして、決勝Tに行けるかもしれない。

四年前に一勝もできなかった私たちが。

また、DF陣がかっこいい。宮本!! めちゃくちゃかっこいい!!

彼がスライディングするたびに、飛び出して相手のボールをカットするたびに、

ベルギー戦で彼を不安に思った自分が申し訳ない。かっこよすぎ。

スタンドには彼のバットマンマスクを真似するサポもいる。

そして、千載一遇、あろうことか、なんと中央でフリーになっているヒデのところへ

市川の何度めかの正確なセンタリングが。

ヒデのヘッドで2点目!!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

みんな跳んでる。みんな飛び跳ねてる。みんな声をあげてる。

それでも、気をひきしめて。退場者を出さないように。怪我人を出さないように。

油断しないように。サッカーは何が起こるかわからない。

伸二もすげえええ。派手じゃないけど、堅実でまじめな守備に、ゴールに向かおうとする

貪欲な姿勢に、「イナがうらやましい」と言ってた彼を動かしている熱いものを感じる。

実は、ロシア戦といい、伸二とヒデが交代で蹴るセットプレーで、ひとつもゴールを割れなくて、

わかってない奴が見ると、だから俊輔を呼べって、とか、俊輔なら決めるのに、とか

思われてるんじゃないかと思ってた。

でも、後ろの席の兄ちゃんが、「すげえ、伸二。やっぱこれは俊輔には無理だわ」といってくれる

のを聞いて、報われた思いがした。ありがとう、わかってくれて。

サッカーは90分戦わないといけないんだもんね。

ロスタイム1分。スタジアムがみんなの手拍子に包まれる。試合終了の笛。

日本2−0でチュニジアを下す。

決勝トーナメント進出。ベスト16。

 

でも、次がある。幸せなことに、次がある。

だから喜んでばかりいられない。もう次へ向かって気を引き締めないと。

と思ってたら、いつ爆発的に喜んでいいんだろうか。

って、都度爆発してるんですけどね、結構。

決勝T。未知の領分。

ばか喜びもせず、大騒ぎもせず、一つの試合を終え、

淡々とピッチを引き上げていく日本選手たちが心底たのもしく思える。

 

中田は、大人になった。本当に見事に、ピッチ上で大人役を演じつづけてくれてる。

必要とされる役割を自ら背負い、ピッチ上での監督となって、

実際には相手のマークがきつく、本来のトップ下での活躍はきびしいが

ある時はおとりとなり、ある時は引いて、決して本来の調子ではなさそうなのに

ゲームの流れを読み、緩急を操り、それを、ピッチ上のイレブンに伝える。

皆が、統一した意識でプレーできるように。

これを「司令塔」と呼ぶのだ。これがゲームメイクをする人、これがリーダー。

ただ、ラストパスを出したりFWに指示したり超技巧派だったりするのではない。

ゲームを操り、チームを操る。彼こそ本当の、本来の意味での(守備的MFという

意味でなく)「ボランチ」であり、このチームの中心だ。

ヒデ。立派になったね。君のおかげで今の代表は2倍強いと私は思う。

 

そしてチュニジ。これだけのアウェーの大歓声の中、途中投げ出すこともなく

最後まで果敢にゴールに迫りよく闘った。

試合後、歓喜に包まれるスタンドの中、ほんの一角のチュニジサポの席へ

挨拶に行っていた選手たち。君たちも立派です。

 

次は6/18。会社は休めないなああ。22日、準々決勝。長居。

チケットがほしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!

と、危ない人になりつつある自分を内包しつつ。

2002.6.15

 

号 外

試合後、地下鉄の駅に降りる手前の長居公園の中で大渋滞。

地下鉄内で事故があり電車が動いてないとかで

暑い暑い中、人同士密着し、どっちに動くこともできず立たされっぱなしで

3、40分の足止め。前のおっちゃんは狭いとこで煙草吸うし、ツレのMNさんとは

微妙に離れて話ができないし、なによりMNさんが帰り関空から乗る飛行機の時間が

迫ってくる。

MNさんとはそこではぐれやっと動き出した電車に乗り、この寝てない疲れた体で

大分からの荷物も持ったまま天王寺まで、号外を取りに行く。階段を上り上り、

JRの駅構内へ。既に6時半。

どこにも号外を配る姿はない。が、手に持つ人はちらほら。終わったかーーー。

近鉄の方ものぞいてみるがなし。歩道橋の上もなし。うう。くたくた。

スタンドの花屋のおねえさんに「号外はもう終わりましたか」と聞いてみる。

「そうですねえ、さっきまでそのへんで配ってたんですけど」。

そうですかああああ。どっぷりと疲れて肩を落として帰ろうとする私におねえさんが

「これでよければいいですよ」と、スタンドに貼ってた号外をはがしてくれる。

ええええええええええええええ、お美しいお嬢さん、いいんですかいいいいい??!!

なんて心の美しい人なんだ。なんてすばらしい日本人なんだ。

何度も何度もお礼を言って大事にもらって帰る。あなたの未来がばら色でありますように。

2002.6.14

 

地下潜伏 日本vsトルコ

6.18。トルコ戦当日。午後半休をとった。迷いに迷って。

課長も部長もフロア内の会議室のテレビで見ればいいと言ってくれる。

チュニジ戦もみんなそうしてたしわざわざ休み取らなくても、とみんな言ってくれる。

でも、やっぱり気を使う。テレビで試合の途中経過を見たいわけじゃない。

最初から最後までべったりと一分の隙もなく応援したいのだ。ずっと魂送りながら

私たちの代表と一緒に闘いたいのだ。

途中で電話がかかってきたり誰かが来たりして中断されるのはまっぴらなのだ。

んなわけで、せっかくのご親切な申し出を

「でも、気が散るので」とにべもない断り方をして当初予定どおり半休ゲット。

会社の近所の、大型画面で観戦できるカフェなど下調べしていたのだが

結局、会社の地下の和室へ。茶道部や華道部が使う和室で時間中は空いている。

そこに古い写らないテレビがある。アンテナ線をつないでないのだ。

昼休みの間に忍び込み、アンテナ線の先をつまみだし、落ちてた部品にねじこみ、

ガムテでくっつけ、つないで修理。

ちょっと画質は粗いが見えるようになる。

前半は和室で観戦。だが人気のない和室は冷房が効きすぎて寒い。

雨の仙台スタジアムとシンクロしているのかも、なんて思う。

寒さで集中できない間に先制される。これも代表とシンクロしてないか?

でも、ふと、私はこれまでひとりで見てるという状況はなかったことに気づく。

いかんいかん、ジンクスは守らねば。やはり誰かと見たほうがいいのだ。

ハーフタイムの間に組合室に移動。同じく半休をゲットしている先客がいた。

後半は組合室で見る。

他の人と見ると見解が違っておもしろい。

ジンクスはジンクスで届かなかったが。試合後そのままフロアに戻ると

部長が本気で心配して「顔色が悪い」とか「元気がない」とか。

挙句は、隣の席のくろちゃんに私のことを頼んだりしていたらしい。

会社帰り、くろちゃんとなんばまで歩く。あちこちに青いTシャツ、ユニ姿のサポ残党が

力なく歩いている。

なんばに近づくにつれ、交通規制が激しくなってくる。

御堂筋からでも、道頓堀に次々飛び込むおばかちゃんたちの姿が見えた。

勝っても負けても飛び込むんだ。あおられて。まあ、けじめってことですか。

阪神ファンが、道頓堀に飛び込むのはわしらの特権じゃ、と怒っているという話もある。

くろちゃんがハーゲンダッツでアイスクリームをおごってくれる。ありがとう。

全然年下なんですけど、気持がうれしくてお言葉に甘える。

はーー。納得できない闘い方だったような。でもよくやったよとねぎらって

やりたいような。複雑さ。でも、これで終わりじゃない。納得できないことは

また次に持ち越せばよい。そうやって進化していくんだ。

また、次の四年がはじまる。

2002.6.18

 

日本vsトルコ

私は元気です。

そんな歌あったな。わたしは元気。パンダ子パンダか? カタクリ家だっけ?

いやあああ。負けちゃいました。

日本。トルコに1−0。

トルコなんて国をベスト8にしてしまった責任は日本にある。すみません。

この試合、スタメンを見て、は?と思った人は多いと思う。

西沢のワントップ。アレックスがいわゆるシャドウ(?)でヒデと共に一応トップ下、

左に小野、右に明神。

勝ち進んできた、鈴木・柳沢のツートップではなく。

それを敗因に挙げる人も多い。なんでコンビネーションの合ってるいつものスタメンを

やめたのとか、アレックスはやっぱスペースができてからの後半に入れてかき回した

方がいいんじゃないのとか、なんでずっと実戦離れてる西沢なの、とか。

私も思うことはある。

けど。

フィリップ・トルシエは代表を四年間率いてきた男だ。現場で選手のコンディションも

間近に見ている。日本代表の監督なのだ。

彼がそれがいいというのなら、それでいい。

 

試合はあっけなかった。もう終わり?って感じだった。あと10分か15分あれば

日本は得点していたのではないか。延長となればさらに有利だったろう。

前半、なんか体が重そうに見えた。雨のせいかと思ってた。

気をつけなければならない始まって15分までの時間帯に

つまらない自陣での油断だらけのパスミスから相手にCKを与え、

それをノーマークの相手にたたきこまれ、あとの80分、たった1点を取ることが

できないまま終わった。

日本は負けてなかったのに、結果は負けた。

選手たちはよくがんばった。よくがんばったと思った。同じ日の、韓国×イタリー戦を

見るまでは。

韓国選手のあのなりふりかまわぬ死闘。狂気のようなガッツ。負けない心。

トーナメントは生きるか死ぬかだ。日本にあの気迫があったろうか。

リーグ戦の空気を引きずってはいなかったろうか。相手がブラジルでなくてよかった

という油断も少なくともサポの間にはあった。

韓国は、リーグ戦でポルトガルとの死闘も制している。引き分けでよい試合を

理不尽なほどがむしゃらに押して押して打ち負かし、熱いまんまトーナメントに乗りこんだ。

日本は、なんかリーグ戦でずっと「ゲーム」をやってきた気がする。

闘いはあったが、生きるか死ぬかの死闘ではなかった気がする。

そのへんの熱さがまだまだちがったかな、と。そして、ごめんね、フィリップ、

やはり、トーナメント歴戦のヒディングさんとの経験の差もあったかな、とも少し思う。

強いチームと当たってどんどん力と自信をつけていく韓国がちょっとうらやましい。

それでも。ベスト16。よくやった。勝てない相手ではなかっただけに悔いは残るが。

 

まずは勝ち点を、そしてベスト16を、といってた日本が、ここまで来て

敗退して、それでこんなに悔しいのに、優勝候補と言われながら

一次リーグで敗退していったフランスやアルゼンチンはどんなに無念だったろうか。

その気持がやっとわかった。

また会おうね。今度はドイツで。

2002.6.19

 

そうだ、生意気なようですが、見てて実感したことがあるので。

やっぱトラップ。ボールを受けて最初のボールコントロール。

それがトルコに比べてぜんっぜんできてないじゃんーーーーーーーーー!

と思った。あとボール受けて最初のトラップでちゃんと足元に吸いつけて

その後のパス出しなりなんなりの早さ。せっかくいいとこにボール出ても

それが足につかなくて奪われて、またボール追っかけなきゃならない。

今までの試合であんまり思わなかったんだけど、雨のせいか、トルコ戦では

しばしばそういうのが全然だめじゃんと思った。基礎って大事なんだ。

えらそうなこと言ってごめんなさい。

 

 

 

日本のサポ

韓国はサポもすごい。日本のサポも私はすばらしいと思う。が、

韓国サポのあのスタジアムでの熱気はすごすぎ。国立でやるレッズvsアントラーズも

かくやという赤さ。(レッズサポはあれくらいの赤さには驚かない)

そしてあの声。一丸となって闘うとはあのことか。

トルコ戦の後、あの韓国vsイタリー戦を見て、自分たちサポの力が足りなかったのだ、

と反省する真摯な日本サポもいる。

まあスタジアムの構造もあったかも。イタリー戦のあのやたら声の反響するスタジアムと、

屋根の少ないしかも雨の宮城スタジアムでは。

思うに、日本で、日本VSイタリーの試合があれば、日本人なんだけどイタリアを応援するサポって

結構いるんじゃないかと思う。そういうある種お気楽さというか、これとサッカーは別なのよ、という

空気が日本サポの中にはあると思う。

そういうのがあの赤一色のスタジアムには微塵もない。韓国のやる試合なんだから、韓国を

応援する。一貫性がある。

それが確実に選手の力になってる。のだからすばらしい。にはちがいない。んだけど。

うーん、むずかしいけど、

日本サポがそうなってほしいか、と言うと、私は考えてしまう。

私は、そういう日本サポのお気楽さみたいのも好きなんだ。

別に無理からの一国一村運動とかじゃなく、自分で試合見てるうちに勝手に

アイルランドにほれこんじゃってユニ買って、アイルランド人と肩組んで応援しちゃったり。

他方では日本も勝ち進んでるけど、それはそれ、これはこれ。

そのへんがハングリーでなくて真剣さが足りなくてよくない部分と言われるかもしれないけど、

そんな鷹揚な日本人サポ気質って、宗教に対する鷹揚さなんかにも通じてるよね。

トルシエさんが就任後まもなく、目指すサッカーとして

リアリズムの備わったエレガントなサッカーを、というようなことを言ってた。

(日本選手は世界レベルのずるさとか現実的な駆け引きとか知らなすぎるので、リアリズム

っていうのはそういう意味です)

結構、言い得て妙だと思う。

日本が韓国と同じようなパワフルで速くて超攻撃的サッカーをできるとは思えない。

気質的にも。それに、いつもそんなサッカーをしてくれても多分楽しくない。

サポも、何も韓国の真似することないと思う。

韓国の人は韓国のサポを誇りに思っていいと思う。が、日本の12番目の選手の皆さん、

あなたたちだって、今のままでとってもエレガントで、私は好きです。

 

 

ベッカム君に功労賞を

すごかったすね、準々決勝。

スペインvs韓国も大変だったけど、いやほんま毎回あんなことやってたら

死ぬで、スペイン。韓国は大丈夫な気がするけど。ちょっとスペインはジャッジが

かわいそうだったよね。しょうがないか。勢いのあるチームには運も味方する。

セネガルvsトルコ! めっちゃおもしろい!!見に行けばよかった。

日本が長居に来ないとわかって、正直、トルコvsセネガルゥウウ??!!と

テンション落ちてしまってた。地味ぃいいと思ってしまった。

実際はあんな派手だったのに。

トルコ大使館員がドルの定価でチケットをさばいているという情報は入ってたんだけど。

ドルに替えに行く手間を惜しんでしまった。あんなおもしろい試合なら

めっちゃお得ですやん。っていうか、トルコ。

悪かった、トルコ。君らのことをなめてた。

あんなとこに負けてしまった、とか、あんたらみたいなとこをベスト8に出した罪が

自分らにはある、とか、ずいぶん傲慢なこと思ってた。

あんたらは強い。そして、おもろい!!

ほんま悪かった。水に流してくれ。セネガル応援するつもりだったけど、見てるうちに

どっちも好きになった。

それと。

今回のW杯、ちょっとベッカム君に功労賞でもあげたほうがいいんではないか。

それだけ彼の功績は大です。

なんも今までサッカー知らなかった人、見なかった人も、ベッカム君にくぎづけです。

すごい! 男前の威力! それで男前だからって試合見てつまんなかったら

それまでだけど、その男前に見合うだけの技、実力、

エキサイトする仲間を抱きかかえてなだめるキャプテンシー、やさしさ、冷静さ。

過去の苦い経験が彼を成長させ、ひとまわり大きくし、この渋み。

うちのフロアでも、日本人のタイプだと全く合うことのなかったくろちゃんとつむさんが、

ベッカムはかっこいい、ということで一致している。くろちゃんの壁紙も今やベッカムだ。

これはすごいことだと思います。それでイングランドの試合を見てくれる。

イングランドを応援してくれる。イングランドが勝ち進むとさらに次も見てくれる。

ベッカム、えらい!!!

まあ、私のタイプじゃないけど、ごほうびにキスしてやってもいいぞ。

ほんっとに。こういうことから始まっても全然いい。それだけみんなの目を集めてくれて

本当に感謝してる。

でも、イングランドvsブラジル戦。私はブラジル応援してたんだ。ごめん。

いや、正直、フロアでも、まあベッカム人気で6:4くらいでイングランド派が多いかな

と思ってたら、なんと、ブラジル応援してたのは、私ひとりだ、私ひとり!!

えええーーーーーーー。ブラジルやでーーーーーー。ちょっとおおおおおおーーー。

ロベルト・カルロス見てしびれないのか、君たちは。

ロナウジーニョの突破に鳥肌立たないのか、ええーーーーーーーー。

なんか、ちょっとベッカムすごすぎ。

しかも試合終わって、みなさん、日本vsトルコ戦の後のようにがっかりなさってる。

えええーーーーーーーーー。

「さびしいーー、ベッカムが帰っちゃうーー」。

ベッカム、君はすごい!!

そうなのか。そんなにもそうなのか。そこまでそうなのか。ほんとにそうなのか。

私はブラジルが勝っても肩身がせまくてあんまり喜べなくて、

「ごめんね」とか言ってる自分が不思議だった。なんでだーーーー???!!

ちがうんです、私、ベッカム人気にあやかったにわかファンとはちがうのよ、

てな気持、全くないんです。どころか、ブラジルに肩入れしてるってだけで

十分、私自身ミーハーだと思うんです。イングランドvsブラジルだったら

イングランドって言う方が、シブそうに聞こえるじゃないですか、普通。

なのに。えええーーーーーー。どういうこっちゃあああああ。

ブラジルだぞーーーーーー。

2002.6.23

 

 

きれいな心

ブラジル、トルコ、ドイツ、韓国。

韓国、ベスト4に残っちゃいましたねー、すごいっすよねー。

日本が負けて、日本の分も韓国にがんばってもらいたい、

日本の分も韓国を応援するぞーー! 

世間では素直にそう思える心のきれいな人が多いようです。

実際、イタリー戦解説の堀池さんとか本気で韓国に入れこんでた。

が、この私はそうはなれないんだ。ごめんなさい。共催国だし、同じアジアだし、

韓国を応援しなきゃ、と思うんだけど、やっぱ韓国とイタリアだったら

イタリアに勝ち進んでもらってこの先すげえ相手との楽しい試合をみたい、と思うじゃ

ないですか、え。人情として。もっとデル・ピエロを、もっとビエリを、もっとインザーギを

マルディーニを見たいと思うじゃないですか。トッティはともかく。

ほんとごめんなさい。

だって、ポルトガルも見たかったし。あれで終わりか、フィーゴ。

なんで見たいチームとばっか当たるんだ、韓国は。

スペインも好きなんだよねー、私は。ああ。エンリケやゴンザレスももっと見たかった。

韓国が嫌いなんじゃないからね。ミョンボ兄さんとか、ユ・サンチョルとか

コ・ジョンスとか(出てないって)、好きな選手はいるんだけど、

それは、ロベルト・カルロスが好きな気持や切れてるフィーゴを見たかった気持

にはだいぶ及ばない。

つまり、韓国を応援しないんじゃなくって、好きなチーム・見たいチームが、

日本を応援する気持とも別枠にあって、韓国はそれ以外の他の国と同じく、

まったく贔屓のない公平な目で見ちゃってるってことです。

相手がアメリカでも同じです。きっかけがあれば応援するし、好きなチームと

当たってくれたら応援できない。

 

でも、このたびのベスト4をかけたスペインとの試合で、韓国の強さは本物だ

というのはわかった。勢いだけじゃない。強い!ヒディングさんはすごいね。

我がフィリップとは経験がちがうよね。でも、私はフィリップは好きだからね。

日本とトルシエさんはいい出会いをしたと思ってるからね。

 

見下されてきたアジアのレベルを、勝ち進むことで世界に思い知らせてやってほしい。

そのためにも韓国はがんばってくれたまえ。

だからって、応援するのかなあ、私は。試合が始まってみないとわからないけど、

ドイツとだったら、ドイツにも思い入れないし、韓国を純粋に応援できるかなぁ。

と今度はちょっと思える。

すんません。なんかもうちょっと思い入れあってもいいだろうに。公平に、ない。

こういうゆるゆるな日本人って結構いるんじゃないかなあ。

ごめんね。

特に贔屓の国のない皆さん、ベッカム君が帰ってどうしようと思ってる皆さん、

サッカーノンポリの皆さんは、同じアジアであり共催国である韓国を

応援してあげるのも、なかなか時流に乗っててこの2002年の思い出になるのでは

ないかと思います。

2002.6.23

関係ないけど、韓国のGKは、テツあんどトモのギターの方に似ている。

 

 

なんか6月はページボリュームオーバーで動かなくなってしまったので

不本意ながら、6月その2へつづく