むらさきぐま日記2005.ユース編、豊田国際&クラセンU-15の巻


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8月11日 豊田市運動公園 晴
豊田国際ユース第一日
U−16日本代表 VS U−16ロシア代表
U−16名古屋グランパスエイト・愛知県・豊田市高校選抜 VS U−16アメリカ代表

 今年の夏もJ村行くぜー!と思ったものの、それに付随して行こうと思っていたところと日程的にどうも食い違っていて、J村には一日しか滞在できない感じ。それではつまらない、ということで、豊田国際ユースに行くことにした。中野くんに兼田くん、それに皆実の加藤くんに高橋くんが選出されていることでもあるし。
 そうと決まれば、と青春18きっぷを購入、ハイパーダイヤで11〜15日までの電車移動予定を立て、荷造りして寝る。ていうかあんまり寝る時間なかった。はっと起きて急いで着替え、駅へ走っていってギリギリ間に合う。福塩線で福山に出て、6:12福山発の普通列車に乗り込みゴーイースト。
 空には雲が多いものの明るく晴れていて、いい天気になりそう。つまり暑くなりそう、というところだけど。名古屋には「蒸し暑い」というイメージがあるので、豊田のほうも暑いんじゃないか?と心配になる。7:29に岡山着、乗り換えて7:43岡山発。8:55に相生着、すぐに乗り換えて8:56発、9:16に姫路着。
 駅そばを急いでズーとすすり、9:30姫路発長浜行の新快速に乗る。途中うつらうつらしているうちに11:48、米原に着いた。
 米原は「東の玄関口」というイメージ。昔はここより西の「逢坂の関」が「関西」と「関東」の境界(のひとつ)だったが、今は米原がそれにあたる、と思う。米原発大垣行きの普通は12:09発。ホームには沢山の人間が並ぶ。大学生らしい若者がかなり多い。どっかのグリークラブかなんかじゃないだろうな。ふと見ると、変身音叉音角ならびにディスクアニマルを腰に提げた人がいた。 こんなところにも猛士が。関西支部の人か。
 車内は満員。暑苦しい。ゴトゴトと揺られつつ大垣へと向かう。車窓の外には、稲穂が垂れ下がってきて黄金色になりかけている田んぼが広がっていた。関ヶ原を過ぎ、垂井へ。駅の案内板に史跡一覧が載っていたが、えらく数が多い。聖武天皇の不破頓宮址、竹中半兵衛の墓、そして春王・安王の墓。八犬伝好きの自分は年若くして非業の死を遂げたこの二人の公子の墓に行ってみたかったが、そのような時間はない。残念・・・
 12:44大垣着。55分発の新快速で名古屋へ。ここの新快速は関西のものと違って見た目が普通車両と変わらないので、「これが新快速かよ」と関西の若い衆からは鼻で笑われていた。そして13:25、名古屋着。
 今日の宿を取ろう、と東海ツアーズに行って手続き。愛知万博パスも同じところで取り扱っており、どんどん人がやってくる。目の前の壁にはモリゾーとキッコロのぬいぐるみが架かっていた。こいつらも初めて見たときには「何だこの異形の怪物は!旧支配者かよ」と思ったが、見慣れるとずいぶんとラブリーに思えるようになった。手続き終了。チェックイン時刻前だが、荷物を預けることはできるようなので先にホテルへ行って荷物を預け、身軽にする。近くの食堂で軽くたまご丼を食べ、さて豊田へ。
 名鉄名古屋駅。これはJRではないので、18きっぷは使用できない。えーと猿投まではいくらだ・・・840円!?高っ!しかもけっこう遠いし!知立乗り換えで三河線終点か。でも仕方がない。14:29発の豊川稲荷行き急行に乗って知立に14:58着、三河線に乗り換えて15:15知立発、猿投へ。
 三河線のプラットホーム端には、危険防止用のセンサーが立ててあった。自分が乗った時はほとんど利用者もいなかったが、そんなに必要なのか。15:39、猿投着。試合開始は16:30だから、歩いていっても充分間に合うだろう。
 駅前の地図を見て、コンビニで飲み物と飲むアイスを買い、てくてくと歩いていく。猿投で降りた人も同じ方向へ歩いているので、あとをついていけばいい。空は晴れ、暑い。飲むアイスを胃に流し込み、体を冷却しつつ歩いていく。
 ほとんど車も通らない田舎道を20分あまり歩いていくと、運動公園の案内板が見えたので、そこを左折。坂を上ると、運動公園だった。球技場は右手一番奥。まだもう少しあるのか。途中にある陸上競技場ではこのあとの試合に出場するチームがアップを開始していた。
 運動公園の中を抜け、また一本道路を渡ると、そこが球技場。駐車場からやってきた人たちが次々に階段を下りていく。16時10分。ようやく着いた・・・
 チケットを買い、スタンドへ。球技場なのでピッチは近いが、傾斜がないので逆サイドのほうは見にくい。ピッチでは日本、ロシアの選手がアップを行っていた。
 場内アナウンスで両チームのスターティングイレブンが発表される。
15中野 16長谷部
11柿谷 10清武
     
8鈴木 9山本
5高橋 2堀田 4米田 3須崎
1木下
リザーブ:GK18兼田、DF6中林、MF7渡部、12加藤、13原田、FW14谷島、17大石。
ロシアは、

GK:1ニキーチン
DF:4ガグロエフ、18ウラソフ、5モロゾフ、2ロディオノフ
MF:9ベビーヒ、3カシーエフ、6シェルバック、11ゴルバテンコ
FW:13コロタエフ、7ポレウィコフ

リザーブ:GK12ポマザン、MF14モチャーリン、15ペセゴフ、16ポリャツキン、17フォーミン、FW8リズホフ、10プルドニコフ
 おお、中野くんと高橋くんが先発か。日本の背番号は、1と18がGKで、あとは若い番号からDF、MF、FWの順番に番号が振られている。
 ロシアの先発メンバーでは5モロゾフ、18ウラソフのセンターバック二人が図抜けて長身。中野くんはこれに対抗できるのか?
 両チームの選手が整列し、Gメン’75のように(たとえ古すぎ)横一列になってピッチに入場した。16時30分、まだまだ日光が容赦なく照りつける中、試合開始。
 ロシア、左CKゲット。6番シェルバックが右足でゴール前に上げるが、日本クリア。日本、右サイドから速攻。FW長谷部にボールが入り、右サイド上がっていくMF清武に出すが、タイミングが合わずタッチラインを割る。センターバック堀田からのタテパスを中野が受け柿谷に落とす。柿谷はボールを受けると右へドリブルしてボールを持ち出し前線に飛び込む長谷部へパス、は通らず。ロシアがカウンターのロングフィード、しかし米田がクリア。ロシア、左サイドミドルレンジからクロスだかシュートだかわからないボテボテのキック、GK木下キャッチ。
 高橋が負傷して外に出され、鈴木が一時的に左サイドバックに回る。鈴木のフィード、中野が走るが、ロシアDFウラソフが体を入れてボールをゴールラインに追い出す。クサビのボールが入り中野がポスト、落としたボールをクロス、ゴール前ロシアがクリアしたこぼれを中野が拾い、持ち込んでシュート!GK正面。続いて山本がミドルシュートを放つがDFブロック。清武が巧みなテクニックでキープしスルーパスを放つがGKキャッチ。
 ロシアの攻撃は日本守備陣がことごとくストップ。センターバック、特に米田がよく利いている。ロシア、右サイドバックのガグロエフがオーバーラップからクロス、これは中央に絞っていた須崎がクリア。こぼれを拾ったロシアがボールを回すが、日本がカットしてカウンター、柿谷にボールを入れる。柿谷は中央をドリブルで持ち上がるや不意にロングループシュート!ボールは前へ出ていたGKの上を越えると、ゴール左上スミのバーをかすめ、ゴールラインを割った。場内が大きくどよめく。
 日本、左CKゲット。ショートコーナー、鈴木がクロス、ニア中野飛び込む、が合わず。今度は左サイドでボールをつなぎ長谷川から柿谷へ、柿谷がファウルをもらってFKゲット。PA横、ゴールラインに近いところ。柿谷と鈴木が立つ。どっち・・・鈴木の左足、ゴール前、DFヘッドでクリア、こぼれが落ちてくるところを清武がダイレクトシュート!GKキャッチ。
 日本、選手交代。負傷した高橋に代わり、7番渡部イン。そのまま左サイドバックに入る。鈴木はセンターに戻った。高橋くん、立ち上がりはロシアの右サイド9ベビーヒを抑えていたが、ここで交代とは残念。口を切ったとのことらしく、出血が止まらなかったのだろうか。
 左サイド、綺麗なワンツーから柿谷がドリブル突破。メインスタンドの前なので、彼のテクニックにちびっ子たちが歓声を上げる。柿谷は中野にボールを入れ、中野が落としたところに走り込んで左足アウトサイドのシュート!GKセーブ、クリア。日本ペース。ロシアはどうも運動量がいまいちで、日本の動きについていけてない。来日間もなく、まだこの蒸し暑さに慣れていないのだろうか。
 ロシア、遠い位置からのFK。ボランチ3番のカシーエフがロングシュートを試みるが、DFに当たってGKキャッチ。日本、ボランチの山本から右サイドバックの須崎に展開、クロスはゴールラインを割る。再びロシアのFK。6番シェルバックがゴール前に上げるがはね返し、こぼれをDF堀田が拾って密集の中から持ち出すと、最前線に残っていた小兵・長谷部にパスを出した。長谷部はボールを受けると左に開く。そこへ猛然と柿谷が駆け上がってきてボールを受けると、一気にハーフウェイラインを越え、ルックアップしてアーリークロスを放った。誰かいるのか?と思ったその先には、これも右サイドからトップスピードで走り込んできていた清武の姿が!清武はPA内でクロスボールをトラップすると、飛び出してきたGKを切り返し一発でかわし、無人のゴールへと蹴り込んだ。
ゲット!前半15分、日本先制!素晴らしいカウンター攻撃だった。
 日本がファウルを受けFKゲット。ロシア6番のシェルバックがこのボールをちょんと蹴ってしまい、イエローカードを受ける。
 日本、また左CKゲット。柿谷セットしてショートコーナー、渡部が戻して柿谷が一人かわしクロス、DFに当たってCKに。左CK、柿谷のキックをファー堀田が折り返すが、DFクリア。右サイドバックの須崎がオーバーラップ、ボールを奪われるも取り返してクロス、ニア長谷部が合わせる!がGKがセーブ、CKに。左CK、柿谷またもショートコーナー、渡部キープからリターンし、受けた柿谷はループシュートかクロスか微妙なキック。これはゴール上に外れた。日本、CKでも徹底して早いリスタートのショートコーナー。城福監督からも「相手を休ませるな!」とさかんに指示が出ており、セットプレイでもロシアにほっとひと息すらつかせない。鬼だみゃー。
 右サイド、清武を中心にダイレクトパスを回して中野にボールが入る。中野は反転してゴール目がけ持ち込むと右へスルーパス!走り込んだ清武か長谷部(遠いのでどっちかわからんかった)がPA内ボールを受けてドリブル、シュートか、と思った瞬間ゴール前に折り返した。そこにはきっちり詰めていた完全フリーの中野、冷静にゴール左スミへと流し込む。
中野キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 前半20分、日本立て続けのゴール!完全に試合の主導権を握った。
 中野は身長に勝るロシアCBコンビにもヘッドで競り負けず、相手を背負ってのポストもノーミス。自らの突破からシュートに行く積極性もあり、スルーパスを出す冷静さもある。ロシアのコンディションがかなり悪いことを差し引いても、なかなかの出来。それでも城福監督からは彼に対してポジショニングや動き出しについてさかんに指示が出ている。監督はそのほかのメンバーにもいろいろと指示を出していたが、くるりと振り返ってベンチに戻ってくる時の顔はいずれもニコニコしていた。そりゃ、これだけ一方的に攻めてるもんなあ。
 清武から左へとパス、柿谷がシュート、DFブロック。ロシア、FW13番コロタエフが右サイドでボールカットしアーリークロスを上げるが誰もおらず、GK木下楽々キャッチ。このうだる暑さにロシアは完全に正常な思考を奪われている感じ。
 ロシア選手交代。右サイドの9番ベビーヒに代え16番ポリャツキンが入る。渡部の前に完全に抑えられていたから、仕方がない。渡部、急遽投入ながら左サイドでよく体を張っている。
 中野がキープ、清武に落として清武クロス、DFに当たってCKに。右CK、鈴木のショートコーナー、清武のクロス、ゴール前を横断、流れるところを渡部が拾いドリブル勝負!はDFがクリア。
 中盤で山本が縦横無尽の活躍。ボールを奪い、相手のチェックをものともせず持ち上がってパスを散らす。彼のところでしっかりと基点ができているので、両サイドバックもどんどん攻撃参加してくる。特に右サイドバックの須崎の上がりは超積極的。
 清武から中野にパス、中野、ドリブルで勝負に行くがDFカット。日本のカウンター、中央を長谷部がドリブルで抜けていくところ、ロシア13番コロタエフが引き倒してイエロー。続いて左サイド渡部がオーバーラップ、浮き球のボールをDFライン裏に放り込んで中野が走り込むが、わずかにタイミングが合わず。日本が文字通り一方的に攻めている。日本は徹底的に速い展開でロシアを振り回し、ロシアはゴール前でボールをはね返すのが精一杯。
 鈴木がキープ、左の柿谷へ。柿谷はトラップで一人かわしてドリブル突進、DFが何とかクリア。左スローイン、渡部が入れて鈴木が受け、山本に出して山本ミドルシュート!わずかに上!ロシア、右サイド16番ポリャツキンがクロス、しかし精度なくGKキャッチ。
 ロシアDFがボールを保持、しかしそこへ中野が猛然と圧力をかけた。フィードしようとするDF、しかし中野はその前に飛び込んでボールを足に当て、はね返す。PA方向にボールが転がっていき、中野とDFが追いかけっこ。先に中野が追いつきDFをかわそうとするが、DFも意地を見せてクリアした。ゴールには結びつかなかったが、前線からの守備意識の高さは非常に良し。
 ロシアの攻撃、PA前で13コロタエフがボールをキープ、米田と堀田がその前を固める、コロタエフは右にはたいてそこへ16ポリャツキンが走り込み、そのままタテへ突破してクロスを上げようとする・・・が、渡部がそうはさせじとぴったりとくっつき、ゴールキックにした。城福監督から渡部に賞賛のお言葉。
 右サイドでボールをつなぎ、戻したところへ須崎が上がってきてクロス、中央中野がヘッド!はGKキャッチ。惜しい。ロシアは右サイドからの攻撃が多いが、渡部が相変わらずの奮闘でそれを次々に防ぎ止めている。先日のクラセンU−18ではFWもしくはMFで出場し(彼は大宮ユース所属。大宮ユースは準決勝まで進出し大会3位の成績を挙げた)2ゴールを挙げているのでもともとは攻撃的な選手なのだろうが、この粘り強い守備は素晴らしい。
 山本が中盤でカット、取り返しに来るところを振り切って中央密集地をドリブル突破、中野にクサビを入れる。中野が右に展開し、長谷部がクロス!DFクリアでCKに。右CK、鈴木のキックに中央中野が飛び込んでヘッド――寸前、DFがクリア。ちっ。
 ロシアは前線で動き回るFW13コロタエフがひとり気を吐いている。ようやく後方から上がってきたシェルバックが左サイドとのワンツーで切り込みシュート!右に外れる。この試合初めてのまともなシュート。
 日本はカウンター時に中野・長谷部のツートップがしっかりとスペースを突く動きをしており、ロシアDFをしっかり牽制。中野にボールが入り、中野がフェイントをかけつつドリブルで仕掛ける。三人の密集の中に突っ込むやすかさずヒールで左に落とし、そこへ鈴木が走り込んできてクロス!はDFに当たってCKに。左CK、柿谷のキックにファー鈴木が競るがボールはゴールラインを割り、ここで40分ハーフの前半終了。
 中野はポスト、長谷部は飛び出し、清武と柿谷はドリブル突破、鈴木は後方からの飛び出しで攻撃をサポート、山本は中盤で攻守の要となり、須藤はオーバーラップ、渡部は粘り強い守備、米田と堀田はゴール前にしっかり施錠と、各々の職分をしっかりとこなした。おかげでGK木下の仕事はほとんどなし。前のほうでちびっ子たちが「3−0で日本が勝つ」「いや3−1」と言っていたが、ロシアが後半バテてきたらもっと点が入りそうだ。
 ピッチでは控え選手たちがシュート練習に励んでいる。ロシアの選手たちはごっつ重い弾丸シュートをどんどんゴールに突き刺していた。これは・・・後半ちょっとわからないかもしれない。
 後半開始。まず日本、柿谷がボールカットしスルーパス、左サイドへ長谷部が飛び出して受け、ゴール前へグラウンダーのクロス、はちょっと前すぎてGKキャッチ。長谷部から清武へ戻し、清武がタテにボールを入れてオーバーラップの須崎がクロス、中央中野が受けて左足シュート!ゴール左スミを狙ったが、DFがギリギリ足に当ててコースを変え、ボールはわずか左に外れた。左CK、柿谷のキックはロシアがクリア、しかし清武が拾って長谷部に入れ、長谷部がキープからボールを浮かせてゴールを狙うが、上に外れた。
 鈴木がドリブルで持ち上がるところ、ロシア3番カシーエフが引っ張ってイエロー。
 ここでロシア選手交代。FW7ポレウィコフに代えFW8リズホフ。ノッポなのが入ってきた。
 日本のFK、中央左遠め。鈴木と柿谷が立ち、鈴木がゴール前に送ったがGKがキャッチ。ロシア、ハイボールを送って長身FWリズホフが競り落とし、PA内ゴール正面で13コロタエフがトラップするが、堀田が素早くカバーリングしてクリアする。サンキュー。ロシアはさらにコロタエフがインターセプト、スルーパスに中央リズホフが抜け出すが、オフサイド。日本、この辺りでいきなり守備の連携が悪くなり、一時的にロシアに押される展開になった。
 ロシア選手交代。6シェルバックに代えMF17フォーミンが入る。スパイクが強そうな名前だ。
 日本、柿谷が右に飛び出してきた鈴木にパス。鈴木がクロスを上げ、ニア飛び込んできた長谷部がダイビングヘッド!はバーの下ッ面を叩いてワンバウンド。入ってないかっ!?しかしその時そのボール目がけ青ユニの背番号10が飛び込んできてカンフーキック!
ゴール!
押し込んで3−0、さらに突き放した。
 ロシア選手交代、センターバックの18ウラソフに代わりMF14モチャーリン。トップ下に入り、攻撃に人数をかけてきた。ボランチのカシーエフが最終ラインに下がる。
 中野が左サイドでボールを受けシュート、GKキャッチ。中盤での接触プレイで柿谷が痛んで倒れるが、立ち上がった。
 日本、選手交代。清武と中野に代わり13原田、14谷島イン。
 ロシアもFW13コロタエフに代えFW10プルドニコフ。彼も長身なので、リズホフとツインタワーという格好になる。
 中野と同じく長身FWの谷島が早速シュート、GKセーブ。続いて長谷部のポスト、右に落としたところへ原田が素晴らしいスピードで走り込んでドリブル突破しセンタリング、はGKキャッチ。原田のスピードに、周囲から「速い!」の声が上がる。谷島にカシーエフがタックル、これがファウルで日本FKに。このタックルでカシーエフが自爆してしまい、その治療中に即席給水タイム。
 ここで日本、選手交代。FW長谷部に代えMF12加藤昂イン。加藤はボランチに入り、鈴木が左MF、柿谷が右MF、原田がFWにポジションを移す。
 カシーエフが立ち上がって日本のFKから試合再開。中央右遠めから鈴木がキック、左サイド渡部へ展開。谷島にクサビを入れその落としを受けて渡部がクロス、DFクリア。こぼれを柿谷が拾ってクサビを入れるが、DFカット。
 加藤から右サイド須崎に展開、須崎が柿谷に入れ、柿谷のクロスに中央谷島がジャンプ一番ヘッド!右に外れる。惜しい。ロシアは前線に人数をかけボールキープ率も上がっていたが、日本守備陣は後半立ち上がりの不安定さを修正し、再び日本ペースに持ち込んでいた。右スローインからボールをつないでクサビを入れ、谷島の落としに渡部が一つ持ち込んでミドルシュート!上に外れる。谷島も正確なポストプレイを持ち、身のこなしも素早い。
 ロシア、FW8リズホフが左サイドをドリブル突破しセンタリング、GK木下捕れない、しかしファーに落ちるところを鈴木がクリア。よく戻ってきていた。日本反撃、右サイドに展開してパスを回し、柿谷にボールが入る。ルックアップした柿谷がクロス、DFラインの裏を狙ったボールに中央谷島がスッと飛び出してトラップ、そしてゴール右上スミにズドンと蹴り込んだ。後半25分、4−0!GKも反応したが、谷島のキックの威力はその手をはじき飛ばしていた。
 日本の選手交代。柿谷と鈴木に代え、17大石と6中林がイン。大石は左MF、中林は左サイドバックに入り、渡部が右MFに移った。
 日本、左サイドへフィード。原田が再び圧倒的スピードを見せてロシアDFをブッちぎりセンタリング、はDFモロゾフがカット。もうちょっとクロスに精度があれば面白い。右スローイン、ボランチ山本が受けてミドルシュート、GKキャッチ。後半30分、ロシア、ここに来て足が止まり始めた。やはりこの気候はキツそうだ。
 加藤は中盤でタイトな守備を披露。ボールを持てば確実に周囲の味方につないでゆく。いい感じ。ロシアが右サイドを突破し攻め上がるが、追走する大石が迫力満点の鋭いタックルでカットした。またも大石が鋭いタックルを見せたが、これは勢い余ってファウル、FKに。ロシアFK、これにニア飛び込んだ3番カシーエフがヘッド!決定的だったが、上に外れた。反撃の日本、谷島のスルーパスに原田が抜け出しシュート!GKセーブでCKに。日本ショートコーナー、はクリアされる。ロシアのカウンター、左から8リズホフがドリブル突破するが、須崎がよく体を寄せ、リズホフのクロスはGK正面。いい守備だ。そして日本の速攻、左サイド大石がドリブル突破からクロス。右に流れるが日本が拾ってクロス、DFクリアしCKに。左CK、またもショートコーナー、大石が蹴り出して山本が受けクロス!DFクリア。続いて加藤のフィードに原田が飛び出しDFとの一対一に。勝負に行く!がDFクリア。そして左サイドへの展開から中央に折り返し、下がってきてボールを受けた原田がパシッとスルーパス、フリーでボールを受けた谷島が反転からゴール左スミに蹴り込みゲット。彼の連続ゴールで5−0とした。後半34分。
 日本、選手交代。ベンチに残っていたGK兼田が木下に交代でイン。これで18人全員が出場となる。正直出てくるとは思っていなかったので、うれしい。残り5分とロスタイムだけだが、守備機会あるかどうか。
 山本が中盤でテクニックを見せて長時間キープ。元気だな。ロシアは体力上もう攻撃を組み立てることはできないので、ボールを持ったらシンプルにフィードを入れてくる。PAに飛んでくるボールには、兼田が飛び出してしっかり対応。落ち着いている。ロシアが左サイドへ展開し突破、加藤が後ろからチェックに行くが、ファウルを取られてしまいロシアにFK。PA左角すぐ後ろ、かなりやばい位置。5点リードしているのでここで1点取られてもどうということはないが、もちろんゼロで試合を終えることも大事なこと。カベ四枚、あとはゴール前でロシアの長身選手をマークする。日本は原田まで全員戻り、何としてもゴールを許さない構え。ロシアのキッカーは11番ゴルバテンコ、左足キック、ゴール前にクロスボールを送って――兼田がキャッチ!最大の危機を脱した。よく飛び出したぜ。兼田はすかさずスローフィード、右サイドで受けた渡部がワンツーで突破しクロス、はロシアDFがカット。
 ロシア、PA外でシンプルにつないでスルーパス、しかし兼田が飛び出してがっちりキャッチ。立ち上がってキックフィードしたが、足を滑らせてミスキック。飛距離はあったので大事には至らず。ロシアの右CK、ショートコーナーからクロス、日本クリア、ロシアがこぼれをつないで14モチャーリンがミドルシュート!左に外れる。
 ここでロスタイム3分表示。
 中央から大石がミドルシュートを放ち、左に外れる。大石は血気盛んな勢いがあって面白い。ロシアも最後の力を振り絞って攻撃、中盤上がり目でFWリズホフがボールカットしFWプルドニコフへスルーパス、プルドニコフは中央左抜け出して持ち込みシュート!しかし兼田セーブ!CKに。ロシア左CK、ファーに上げて誰かがヘッド、ゴールネットを揺らす!がその前の競り合いでファウルを取られノーゴールに。
 日本が右サイド、加藤→渡部→原田とつなぎ、カットされるもここで試合終了のホイッスル。ほとんどの時間帯でロシアを圧倒した日本が快勝を飾った。 
 日本は中盤で攻守に利いていた山本くんの存在が際立っていた。ボールを奪い、キープして前に運び、パスを出す。それを80分間やり通し、日本の速い攻撃を支えた。それに反応した周囲の選手たちの働きも見事だった。中でも柿谷くんの突破にはちびっ子たち大喜びで、「11番!」「また11番!」と彼がボール持つたびに声が上がっていた。とにかくボールの受け方がうまいので、トラップしてスイッと前を向いたときにはすでに「自分の間合い」で勝負できる状態になっている。あとはキレのあるドリブルで煮るなり焼くなり。また、清武くんの滑るようになめらかなドリブルも美しかった。
 広島勢は、中野くん、兼田くんとも持ち味を発揮。兼田くんは少ない出場時間ながら、数度の危機を防ぎロシアをゼロに抑えるという仕事をやってのけた。とても落ち着いたプレイぶりで、U−15で場慣れしている、という印象。皆実の高橋くんは負傷で残念だった。加藤くんはロシアにFKを与える場面もあったが、素早いプレスと確実なつなぎ、そして機を見てのフィードと、ボランチとしての仕事をしっかりやり遂げていた。
 このチームは見ていて面白い。この世代は次の次のワールドユースを目指すことになるが、スペクタクルなサッカーを見せてくれそうだ。・・・チキンな人が監督をしない限りは。
 続いてU−16名古屋グランパスエイト・愛知県・豊田市高校選抜(以下、鯱連)とU−16アメリカ代表の試合。

鯱連合・・・
GK:
1鈴木
DF:
18西山4三宅12広木
MF:2大岩、
8花井、6早坂、3吉田
FW:
15津田、9中村、14伊藤

リザーブ・・・GK16三浦、DF
5後藤、17三島、MF7原田10中田13角、FW11羽根田
(赤文字が名古屋グランパスエイトの選手。三浦、大岩、早坂、伊藤は中京大中京、吉田は東海学園、中村は愛知FC所属)

USA・・・
GK:18ランボ
DF:8スティーヴンス、5エックハート、2ベイツ、6カリス
MF:16マロセヴィック、7ジャロンバード、13ブラウン、3ウォレス
FW:15デイヴィス、10オルティドア

リザーブ・・・GK1バンパス、MF4ウェンゼル、11ソレンティノ、12ジェフリー、14アーソ、FW9マクローリン、17バラハス


 バックスタンドではグランパスの赤い断幕、そして三宅徹断幕がその隣に下げられる。中田は先発じゃないのか。三島、原田、花井の三人は、去年のJユース杯グループリーグで見たことがある。あのときに見た三島のクロスは素敵さを漂わせていたが、先発でなくて残念。
 USAの選手たちは陽気な掛け声を上げながらアップを行っていた。黒人選手も多く、名前からするとイタリア系、スペイン系、東欧系の選手もいるようだ。まさに人種の坩堝。本気で強化したらメチャ強くなりそうだ。もっともUSAではサッカーのような形式のスポーツはなかなか流行らないだろうが。
 そして整列入場、挨拶の後両者円陣を組む。USAの面々はひざまづいて円陣を組み、それから立ち上がると一斉に「U・S・A!」と叫んでピッチに散った。口々に「Hoooo!」とか「Go!Go!」とか言って気合を入れている。いかにもUSAという感じ。ちびっ子たちには「ひざまづいて円陣」が新鮮だったのか、「今度あれ真似しようか」と言っていた。
 試合開始。まずUSAが左CKゲット、3番ウォレスがショートコーナー、7番ジャロンバートがクロスを上げ、DFがクリアしたボールをUSAがファーで拾ってクロス―――バー直撃!こぼれをUSAが拾ってクサビを入れるが、鯱連がクリアしカウンターに。左サイドに展開してクロスを上げ、ファー津田がヘッド!はDFがブロック。USA、今度は右CK。鯱連はこれをクリアしまたもカウンターに出るが、DFがカット。続いてUSA、PA内右サイドからのループシュート、左に外れる。さらに右サイドからのクロスにただ一人走り込んだ15番デイヴィスがピンポイントでヘッド!鮮やかに合わせてゴール、と思われたがGK鈴木がファインセーブ!枠からはじき出した。右CK、ファーでデイヴィスが合わせるが左に外れる。
 名古屋、津田→花井とつないで右サイドオーバーラップしてきた大岩へ。大岩がダイレクトでクロスを上げ中村がシュート!GK正面。ダイレクトパスがつながったいい攻撃だった。名古屋は花井のパスワークから両サイドの大岩・吉田に展開し、中村、津田、伊藤の3トップ(中村を頂点とする1トップ2シャドー)に合わせる作戦。花井が大きく右に展開、オープンスペースを転がっていくボールに大岩が全力で走って追いつき、ゴールライン際からスライディングキックで折り返す。DFがクリアしたが、大岩ナイスガッツ。
 右サイドの大岩は積極的に上がっていく。またもオーバーラップ、津田とワンツーでサイドを破りCKを得る。右CK、花井のキック、ファーこぼれるところ誰かがシュート!GKセーブ!こぼれにDF4三宅飛び込む、DFクリア、鯱連が拾って右からクロス、競り合いになってファーに落ちたところを鯱連が折り返して三宅シュート!DFブロック!ゴールならず。
 鯱連12番広木がUSA15番デイヴィスに引っ掛けられる。デイヴィスにイエロー。USAは後方でしっかりつないだあと、フィジカルでゴリゴリ押していく戦法。左サイドの3番ウォレス、FWの15番デイヴィスが積極的な仕掛けを見せる。両人とも黒人選手で、身体能力が凄い。
 中盤になってくると、USAの運動量が上がってきて名古屋のサイドアタックを封じるようになってきた。名古屋守備陣も基本的に個人勝負なUSA攻撃陣をしっかりと防ぐので、戦況は膠着した。
 太陽も山陰に沈み、涼しくなってくる。照明も入ったが、ちと光量が足りない気が。ピッチが見にくい。
 じりじりした展開のまま前半30分を回った。USAの左CK、GK鈴木がパンチ、こぼれを鯱連が拾ってカウンター、左サイドからのクロスを中村が受け、三人に囲まれつつミドルシュート!上に外れる。USA13番ブラウンがドリブル突破するところ、ボランチ早坂がバックタックルでイエロー。USAはFKを右に展開し、ドリブル突破からCKを取る。右CK、ウォレスのキックをニア2番ベイツがどフリーでヘッド!完璧なヘッドだったが鈴木がスーパーセーブ!ありえないくらいの反応ではじき返した。こぼれをUSAがクロス、しかしこれも鈴木がパンチ、こぼれを鯱連が拾ってカウンター、14伊藤が左サイドへフィードするがオフサイド。
 USA、鯱連PAへのフィードに15デイヴィスが走り込む。DFとの競り合いからもつれて倒れるが、デイヴィスのファウルを取られる。続いて10オルティドアが左サイドへサイドチェンジのボールを出し、3ウォレスが受けてドリブルで切り込みパスを出すがDFがクリアしCKに。左CK、ファーで混戦になりボールがゴールラインを割る。これはゴールキックになった。
 ロスタイム、USAのフィード。これに右サイドから15デイヴィスがものすごい勢いで飛び出しシュートを放ったが、広木がブロックし、ここで前半終了。
 ちょっとラフな面もあるがすこぶるアグレッシブなUSAの前に、鯱連はなかなか形が作れない。中田健太郎を出せー。
 後半開始。鯱連は14伊藤に代え10中田イン。おお来た。
 左サイド中田から右サイド大岩へサイドチェンジ、花井へ戻して花井クロス、しかし大きすぎ。USA、左サイドを13ブラウンがドリブル突破、ゴールライン際から折り返し10オルティドアが走り込む、がその前で花井がクリア、CKに。左CK、これはGK鈴木がキャッチ。鯱連、花井が自陣からドリブルで持ち上がりスルーパスを放つが、DFカット。そしてUSA、右サイドでMF16マロセヴィックがボールを奪って突進、寄せ来るDFをものともせずに突破すると中央に折り返し、15デイヴィス(かと思っていたら公式記録では10オルティドアだった)が押し込んでゴール!後半8分、USAが先制した。だからフィジカル強すぎ。
 中田のシュート!GKセーブ、CKに。鯱連右CK、広木のヘッド!左に外れる。USA、またもマロセヴィックが強引にボールを奪い取ってドリブル持ち上がりシュート!DFブロック。さらにUSA、左サイドでキープしてファウルをもらい、FKゲット。PA左、タッチライン際からのFK、7番ジャロンバードがキック!これをファー待ち構える2番・ベイツが思いきりヘッドで叩きつけ、ボールはワンバウンドしてクロスバー下面に当たり、ゴールマウスに飛び込んだ。ゴール!後半11分、USAがすかさず追加点を挙げた。
 USA、連続ゴールで勢いに乗る。13ブラウンのフィードに15デイヴィスが走り込むが、GKキャッチ。鯱連も素早いパス回しで崩そうとするが、USAのチェックも早く、なかなかゴール前へと運べない。中田も後半の開始直後はパスをさばいたりシュートを撃ったりしていたが、次第にUSA守備陣の中に埋没していった。USAは13番ブラウンがいいボール捌きを見せている。
 USA選手交代、15デイヴィスに代え9マクローリン。
 鯱連選手交代、3吉田・9中村に代え13角、11羽根田イン。同時にUSAも13ブラウンに代え4ウェンゼルが入る。
 USA、相次いでイエローをもらう。確かにいささか激しい当たりなのだが、厳しめの判定にUSA監督も「何でだ!?」という風に両腕を広げるシーンが目立った。名古屋、右の中田から左サイドの角へ展開。角のクロスはDFに当たり、CKに。左CK、ショートーコーナーからのクロスはニアのゴールラインを割ってしまった。もったいない。
 後半20分、USA選手交代。10オルティドア→11ソレンティノ。
 USAのカウンター、8スティーヴンスがドリブルで切り込みシュート、右に外れる。広木へのファウルでUSA9マクローリンにイエロー。USA、これがチーム五枚目。
 左サイドの角がドリブルで仕掛け、こぼれをシュート!GKキャッチ。さらに角から花井→早坂→津田とつなぎ、シュートはGKセーブ、CKに。左CK、クリアするところを拾ってクロス入れまくり、クリアをカットして花井にパスを入れ、花井がドリブル勝負から相手を抜ききらずにゴールスミを狙ったコントロールシュート!しかしGKランボが宙を舞ってキャッチ!ゴールを許さない。
 USAはもうカウンター一本になっている。鯱連はボールを拾って攻めまくるようになった。左サイドへ展開、羽根田が受けて勝負しセンタリングを上げる、GKキャッチ。
 鯱連選手交代、12広木に代え17三島イン。右サイドに入り、4バック、というより2バックになった。そしてロスタイム3分の表示。
 鯱連は中盤でのパスはつながるが、ゴール前のラストパスが通らない。このままゼロで終わってしまうのか、右サイドから左サイドに展開し、角が花井に戻して花井がクロス、DFクリア、しかし小さい、競り合いになる、GK飛び出してパンチ、しかしこれも小さい、ボールが落ちる、ところへ背番号11羽根田!
ゴール!!
ロスタイム、鯱連意地の一発で1点差に迫る。
 残り時間、鯱連はボールを支配して攻め立てたが、USA守備陣はゴール前を固めて決定的なパスを出させず。そのまま試合終了の笛が鳴った。 
 USAは、洗練されてはいないが個人能力を活かしたパワフルなサッカーをする。ツボにはまったら止められない。押せ押せで来られたらやっかいだ。とりあえずこちらのグループ(鯱連、USA、韓国)では1位を取りそうな感じ。鯱連は、今日はUSAのフィジカルにやられたという感じだったが、その中でも鋭い中盤のパス回しをたびたび見せていた。
 暗い夜道を歩いて猿投駅へと引き返す。広島勢の活躍が見られたのであまり疲れは気にならない(二試合目の途中はうつらうつらしていたけど)。電車を待ち、また一時間あまりゴトゴトと揺られて名古屋駅まで戻り、晩飯・・・と、どこも閉まっている。開いてる所(ラーメン屋)には長蛇の列。仕方ないのでマクドに入り、てりやきバリューセットをテイクアウトでホテルに戻り、食べた。
 明日は6時に名古屋発。シャワーを浴びて、適当に世界陸上見ながら寝る。

8月12日 晴
移動日

 5時過ぎに起き、寝ぼけながらも支度をしてチェックアウト、名古屋駅へ。6時発の豊橋行き普通に乗り、7:07豊橋着。すぐに乗り換え、7:10豊橋発浜松行きの列車に。7:45浜松着。ここでちょっと予定変更。当初は8:17浜松発10:19熱海着の列車に乗る予定だったが、熱海までこだまで行くことにする。そうすれば、それだけ上野で動ける時間が多くなるので。
 こだま利用者は多く、けっこう席が埋まっている。山陽新幹線ではなかなか見られない光景だ。それでも東へ行くにつれどんどん人が降りていき、熱海に着く頃にはかなり空いていた。熱海着、ここで朝食を食べ、東京行きの列車を待つ。空は曇り、じわじわと蒸すものの、海が近いこともあって気持ちいい風が吹いている。9:40発の普通で東京へ。
 うとうとしているうちに東京に着いた。いったん改札を出て、13・14日の宿を取る。馬喰町のホテルになった。最寄が総武線の浅草橋駅なので、Jヴィレッジから常磐線で戻ってきたら秋葉原で乗り換えて一駅。宿代もそこそこだし、まあ、いいところだ。
 宿を取ったらすぐに上野・・・と思ったが、時間もできたので秋葉原で降り、マンガ喫茶に入ってインターネット使用、このサイトの日記に昨日のU-16日本代表戦の内容について簡単に記入し、そこを出ると本を二冊買ってから上野へ行き、ATMでお金を下ろしてから国立西洋美術館へ。
 国立西洋美術館では、「ドレスデン国立美術館展」が開催されている。絵画だけではなくいろいろな工芸品や装飾品が陳列されており、ぜひとも見ておきたかった。帰省シーズンだしそんなに人いないだろ、と思っていたら・・・

入場待ち時間10分

 何ィ―――――!何でそんなに人がいる。なぜ帰省しないおまえら!
 中へ入ったが、右手の入場口には長蛇の列が。ドレスデンものでよくここまで人が集まるな。カルロス・クライバー(故人)&ドレスデン国立管というわけでもないのに。それだと逆にこの程度ではすまないが。昨年NHKでドレスデン聖母教会再建のドキュメント番組やってたけど、まさかその影響か。ていうか単純に「日本人はなぜかドイツが好き」ということなんだろうけど。
 列に並んでいるうちに14時を回ってしまった。いかん、上野発いわき行きの普通が15:16発なのに。これではゆっくりと見て回れない。第一室入り口にデカい鏡が置いてあるのが見えるが、チケットをもぎってもらって階下に降りても折り返しの列で、さらにしばらく待たなければならなかった。
 やっと中へ。巨大な凹面鏡は鉱物溶解用の集光鏡だった。コンディションによってはものの数秒で鉱物を溶解させたという。第一室は「ドレスデンの美術収集室〜王が愛した学問の場」。デューラー挿絵の「測定法教則」、デューラー作の星図、ブラウ親子作の地球儀、天球儀。この地球儀には日本が北海道や北方の島々が抜けているものの“IAPAN(ヤパン)”として記入されており、これが製作された(1643-48)後に発見された北海道、千島列島南西部、サハリンについては新たに作図され貼り付けられたとのこと。天球儀(1640-48作)にも、ほうおう座やインディアン座など、当時新しく制定された南天の星座が描かれていた。わし座の南に、現存しない「アンティヌース座」が描かれていたのも面白かった。プレトリウス作の地球儀もあったが、こちらは1568年製作ということで、太平洋上に日本の姿はなかった。
 それから四分儀や卓上用日時計、天体観測器、渾天儀などの計測器に反射望遠鏡、比例尺、分度器、コンパス、いずれも真鍮に鍍金などされた美しいものだった。
 第二室は「オスマン帝国〜恐怖と魅惑」。欧州キリスト教圏とたびたび争ったオスマン・トルコに関する美術品を集める。ハンス・フォン・アーヘンの工房による『トルコ戦争のアレゴリー(寓意画)』そしてトルコ軍の使った短剣や剣、兜、武具一式、そして対トルコ戦勝を記念したメダルの数々。そしてトルコ風装飾が施された武器や笏・・・きれいだ。
 第三室は「イタリア〜芸術の理想像」。ドレスデンとイタリアの密接な結びつきを美術品から追う。絵画ではヴェネツィア派のものが多い。ティツィアーノの『白いドレスの女性の肖像』、マルコ・リッチの風景画、カナレットのヴェネツィア風景画。そしてカナレットの甥でドレスデンに移住したベルナルド・ベロットの作品が続く。べロットの画は晴れやかで細やか、自分好み。そしてミラノやフィレンツェ製の宝石細工品。
 第四室は「フランス〜国家の表象と宮廷文化」。ドレスデン宮廷におけるフランス文化について、主にアウグスト強王とルイ14世に関わる物品から見ていく。ルイ・ド・シルヴェストルの『馬に乗るアウグスト強王』(原題は『馬に乗るポーランド王アウグスト二世』)、眉太すぎ!漢らしくて、いかにも「強王(デア・シュタルケ)」。ブロンズ像、そして何と言ってもアウグスト強王のローズカット・ダイヤモンド装身具一式。これは美しいものなので、ぜひ見ておくべき。特に柄の一面にダイヤモンドが輝くレイピア、そしてポーランド白鷲騎士団の星形胸章が凄い。それから礼服、フリントロック式ピストルの数々。メダルや学術論文など。
 第五室は「東アジア〜驚嘆すべき別世界」。アジアの磁器を手本にして作られたマイセン磁器、それを元ネタ(清朝磁器や有田焼)・マイセンと並べて展示してあり、両者を見比べることができるのが面白い。やはりここでは足を止めて見る人が多く、大混雑となっていた。
 第六室は「オランダ〜作られた現実」。アウグスト強王の時代になると各地でレンブラントの再評価がなされ、彼やその工房の作品が競って収集されるようになった。ここではそういったオランダ画家たちの作品を展示している。まずはヨハネス・フェルメールの『窓辺で手紙を読む若い女』。とりあえず圧倒的な美しさ。輝いてる。その質感は神の領域。あとでカタログを買ったけど、写真では本物の魅力をほとんど伝えていない。これは絶対に生で見るべき。そしてレンブラントの『ガニュメデスの誘拐』。トロイア王家の祖であるトロースの息子ガニュメデスが、ゼウスの変身した鷲に連れ去られるシーンを描いている。通常、美少年として描かれるガニュメデスはここでは幼児として描かれ、恐怖のあまりおもらししちゃってるのが面白い。それからレンブラント門下による宗教画や人物画。レンブラントやその他の画家による「ラザロの復活」競演は、その構図の取り方の類似など見比べるのが楽しかった。
 さて最後の第七室は「ロマン主義的世界観」。ロマン主義芸術の中心地ドレスデンに関わりの深い画家による風景画の数々。以前から好きだったカスパー・ダーヴィット・フリードリヒの作品を初めて生で見る。幻想的で、しかもその中に凛とした空気が漂っている感じがたまらない。他の作品も傑作揃いだが、ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダール画『満月のドレスデン』の月夜の美しさ、エルンスト・フェルディナント・ベーメ画『霧中の行列』の霧に消える修道士たちのミステリアスな行列が心に残った。
 最後は駆け足になってしまってちょっと残念だったが、15時が近づいてきたので外に出てカタログを買い、「メガネ展」も見たかったなあと思いつつ上野駅へと戻る。常磐線ホームに行くとすでに列車は停まっており、空席もまだあったので荷物を棚に上げて腰を下ろした。15:16、上野駅発。
 取手までは快速、それからは各駅停車に。外は一面の曇天。携帯で調べてみると、明日の福島県の天気は雨のち曇らしい。うげ、雨はいやだ。水戸駅直前で携帯に電話がかかってきたので、水戸駅停車中に外に出て通話、発車前に戻る。17:40、水戸駅発。本を読んでみたり音楽聴いたりうつらうつらしたりしているうちに、18:27高萩駅発。あと少し。そして19:12、いわき駅着。
 ここ二年間宿にしている駅前のホテルにチェックインし、晩飯を食べに出かける。そういえば昼飯食べてなかった。中華料理屋に入って腹いっぱい食べ、コンビニでデザートと飲み物を買ってホテルに戻る。TVを見ながら、寝る。

8月13日 Jヴィレッジ 曇のち晴
日本クラブユースサッカー選手権U−15・グループリーグ第一日
大阪セントラルVSサンフレッチェびんごジュニアユースFC
サンフレッチェ広島F.CジュニアユースVS山形FC

 起きた。しかしひどく体がだるい。やはり鈍行での長距離移動は体にくる・・・前日いわき駅から取ってきた簡易時刻表を見る。9:20いわき発の普通で出ることにしよう。疲れてるから、広野からタクシーにするか・・・とぐったりしているうちに9時前になってしまった。おっとマズい!朝食を食べに下り(朝食はサービス)、部屋に戻って荷物をまとめてフロントに下りチェックアウト、走っていわき駅へ。何とか間に合う。しかし列車は満員状態。おそらく大多数はJ村行きだろう。
 満員電車の中で揺られて9:45、広野駅着。下りる。他にもそこそこの人数が下りた。残りは木戸駅から徒歩で行くんだろう。
 タクシー乗り場に行くと、行列になっていた。最初の人が一人で乗って出て行く。右折していった。J村行くのなら相乗りにしてほしいぞ。次の人が、「Jヴィレッジ行く人は相乗りにしませんか」とおっしゃったので、その方とその後ろに並んでいた計四人で相乗りすることになった。タクシーが来て、Jヴィレッジへ。タクシーを降りるとき、相乗りした方のうちの一人が「私が領収書で落としますので、結構ですよ」と仰ったので、実質タダ乗りになった。ありがとうございます。
 曇天だが空は明るく、雨は降りそうにない。昨晩ちょっと雨が降っており、そのせいでかなり蒸し暑い。ロビーに入ると知った人にお会いしたのでしばらく話をする。そのうち試合開始時間が近づいたので、おいとまして外へ。第2ピッチは一番右奥。プログラムを買い、駆け足で第1ピッチの前を過ぎる時、J村スタジアムの方角、広野火力発電所の煙突の上に号砲数発、花火が打ち上がった。同時に開幕戦のキックオフ。急いで第2ピッチへ。 
9植木 20吉川
8谷本 11小西
     
19瀧田 10岡本
14谷中 3藤木 4井林 12元田
16今村
 びんごのメンバーは、中国地区予選からはボランチ中司くんが不在で岡本くんがそこへ下がり、攻撃的MFに小西くんが入っている形。U−15日本代表で、中3ながら飛び級でユースの練習に参加している岡本くんは、攻撃的センスが抜群なので前のほうで使ってほしいところだが。卓越した個人技を持つFW植木くんのゴールにも期待したいところ。
 対する大阪セントラルのメンバーは以下の通り。
GK:1増池
DF:2鵜崎、4鈴木、5山内、3濱田
MF:11伊藤、10兒玉、13山崎、9原田
FW:7金子、8松田力
ともに4−4−2。
 びんご、岡本のスルーパスに左サイド谷中と植木が反応して走り植木が岡本にリターン、岡本がアウトサイドで浮かせたシュートを放つがGKキャッチ。さらに岡本の展開から左サイドに開き、折り返しを瀧田が受け右にいた吉川(公式記録では谷本だった)とワンツー、リターンをダイレクトでシュート!
ゴール!鮮やかな崩しから前半5分、びんごが先制した。
 先制された大阪、びんごのDFライン裏へのフィード。井林がクリアしてCKゲット、右CKはびんごがクリア。びんご、中盤左サイドでボールを奪ってダイレクトパスをつなぐ。中央植木→右サイド小西→折り返して瀧田シュート!左に外れる。びんご、DFラインは少し不安定だが、持ち味のダイレクトパスをつなぐサッカーにより中盤で主導権を握っている。両サイドバックの上がりも積極的。大阪、右サイドからのスルーパスにFW松田が抜け出しクロス、はDFブロック。びんご、左サイドを吉川がドリブルで突破し中央谷本に折り返し、落としたボールを元田?がミドルシュート!GKキャッチ。さらに小西のカットから植木へつなぎ吉川へスルーパス、はDFカット。
 びんごが流動的な動きと融通無碍なパスワークでペースをつかみ、大阪は防戦一方。前半20分大阪選手交代、11伊藤に代え6松田陸。8番の松田力くんと生年月日が一緒。双子なのか。DF登録の選手を右サイドに入れ、まず守備を立て直しにきた。
 中盤のルーズボールに岡本と兒玉、両チームの10番が競り合って勝負!フィジカルで勝る岡本がボールを奪ってスルーパス、植木が走るがGKキャッチ。大阪の左FK、ゴール前に上げて右から交代出場の松田が走り込むがわずかに合わず。大阪のバックパスに谷本が反応しボールを奪ってシュート、はGK横っ飛びでキャッチ!ゴールならず。この辺りから大阪が盛り返し始める。
 びんご、右サイドでボールをつなぎ、オーバーラップの元田が絡んで谷本から中央走り込む植木へスルーパス、はGK飛び出してキャッチ。大阪、左サイドへ展開しキャプテンマークを巻く9番・原田が受ける。足を滑らせるが立ち上がってクロス、はゴールラインを割る。フリーだったので、足を滑らせなかったら決定的な場面になっていたかもしれない。びんご、中央谷中→吉川→植木とつないで植木がドリブル突破、PA内で二人を振り切りGKと一対一、シュート!は何とループ、しかしゴールの上へ。確かに中央から左へ流れていく途中だったのでシュートコースはそう広くはなかったが、左スミは狙えなかったか・・・
 大阪、右サイドから中央へ折り返す。FW8松田力がトラップで裏に抜け出し疾走するが、DFも必死でそれに追走してシュートを撃たせず、ゴールラインを割らせてゴールキックに。さらに大阪、ボールをつないで右サイドに展開、6松田陸が受けてクロス、DFに当たってCKに。右CK、兒玉のキック!ボールはゴール前を横断、ファー一人飛び込むがDFがクリア、危機を脱する。
 ロスタイムは1分。びんごは吉川、植木が相手の裏を狙うが大阪も彼らの突破を許さず、そのまま35分ハーフの前半終了。
 大阪は選手交代以降、持ち直した。ハーフタイムには、とにかくしっかり守って1点を返そう、勝点1が取れればそれでいい、との監督からの指示。大阪は中盤で10番兒玉がよく頑張っている。左サイド9番の原田は、前半は中盤を支配されていたためなかなかいい形でボールが回ってはこなかったが、タテへの突破力があるプレイヤー。びんごは持ち味のダイレクトパスがよくできていたが、前半終了が近づくにつれそれがかげり気味になっていた。もう一度やり直せるか。
 後半開始。びんごは左サイドバックの14谷中に代え、5番・関が入る。この辺りから空が晴れてきた。びんごのキックオフ。
 びんご、中盤でボールをつなぐ。小西→植木→岡本、右に展開し元田がキープ、戻したボールを岡本がクロス、はゴールラインを割る。うまくつないだだけに、ちょっともったいない。大阪、右サイドに展開。松田陸が粘って粘ってタテへ突破しクロス、はゴールラインを割る。しかし右サイドでの松田陸の奮闘が光る。
 後半2分、大阪、DFがGKへバックパス。しかしこれが弱く、植木が飛び出してこれをカットしドリブル、一人かわしてシュート!決定的だったがゴール前に飛び込んだDFがこれをブロック!しかしこぼれが再び植木の前へ。今度こそ、と植木は思い切りシュート、しかしボールは今しがたシュートブロックしたDFにもう一度当たってしまった。大きく跳ね返るボール、これを吉川がカットする。吉川シュート、しかしもう一人戻ってきた別のDFがゴール前に飛び込んできてこれもブロック!大阪、超決定的シュート三連発を奇跡的な三連続ブロックで防いでしまった。うあああー。植木、二本目のシュートは思い切り撃たずに冷静にコースさえ狙っていれば・・・さっきのループ失敗の反動がそうさせてしまったのか。
 大阪、原田がボールカットし左に開く7番金子へ、クロスはDFクリアするも兒玉が拾い勝負、はDFがストップ。びんご、岡本→谷本→吉川とダイレクトパス、しかし吉川のパスはDFがカット。井林のフィードに左サイド関が飛び出しクロス、しかし大阪DF陣が中央で植木をしっかりとブロックしシュートを撃たせない。さらに岡本→吉川→谷本→岡本とつなぎ岡本がドリブル勝負を挑むが、DFがカット。大阪のクリアを瀧田がカットしミドルシュート!はGKキャッチ。瀧田から左サイド関へスルーパス、タテに突破しクロスを上げるがDFがブロック。
 大阪の気迫が前面に出てきた。びんごはその前にやや押され気味。パスはつなげているのだが、ゴール前の壁を崩せない。大阪に比べ、醒めた印象。
 岡本から左サイド関へフィード、DFがクリアしスローイン。関が入れて吉川がキープ、CKを取る。左CK、谷本のキック、ファー瀧田が受けて中へ切り込もうとするが大阪がカットしクリア。撃っていいところだ!左スローイン、関が入れてボールをつなぎクロス、大阪クリア。それからも岡本を中心に攻めるが、どうにも最後のカベを破れない。中盤のこぼれ球に走り込んだ岡本がロングシュート!強烈な一撃が唸りを上げて飛び、グンと伸びてクロスバー直撃!そのまま上に外れた。
 粘り強い守備で大阪にリズムが生まれ、7・8番の前線二人にボールが集まり始めた。びんごのセンターバックがこれに対応するが、藤木はちょっと手を使いすぎで、ファウルを取られてもおかしくないプレイが多かった。
 びんご、選手交代。11小西に代え17星野。
 大阪、左FK。ゴール前に上げ、混戦になるがDFクリア。びんご、岡本から右にフィード、植木と元田が走るがDFがクリア。中盤上がり目のこぼれ球を瀧田がカット、スルーパスを送り吉川が走り込むがDFがスクリーンでGKに捕らせる。植木がドリブル突破、三人の囲みを破りさらに一人をかわしてPAに迫るが、五人目が寄せてコントロールさせず、こぼれ球をGKキャッチ。びんごのフィード、植木が走るがGKが飛び出してきてキャッチ。しかし植木は充分止まれるタイミングだったにもかかわらずそのままGKにぶつかる。ホイッスルが鳴り、当然のイエロー。かなりイライラしているようだ。
 後半23分、大阪選手交代。10番兒玉に代えて15番下平。左の攻撃的MFに入り、9番原田が右MFに回る。点を取りにきた。
 びんご、岡本→星野→元田と右サイドに展開し、元田が一人かわしてクロス、しかし大きすぎ。びんごは攻撃が淡白になり、どうにも得点の匂いがしなくなってきた。このまま1−0で逃げ切れるかどうかの勝負に。植木が出血し、いったん外に出て止血治療。
 大阪の右FK、瀧田がボールの前に立っていたので遅延行為のイエロー。大阪FK、右サイドでボールを回して7番・金子がクロス、これにゴール正面15番、途中出場の下平がヘッド!
ゴール!!
 後半26分、大阪ついに追いつく!
 大阪の監督は、「勝てるぞ!」と選手たちに檄を飛ばす。この勢いで勝ちにきた!この監督さん、試合中にもさかんに選手たちを鼓舞していて、非常に熱いお方。
 びんご、植木が復帰。そして岡本を前線に上げ、点を取りにきた。中央植木から岡本へ、岡本ミドルシュート、GKセーブ!CKに。右CK、キックはファーに抜けるも星野が拾ってクロス、これは大阪DF4鈴木がクリア。さらに岡本、中盤密集の中凄まじいドリブル、キープで六人くらい抜き去ってPAに迫るも、DFも気迫の寄せでクリアする。びんご右サイドへ展開、植木が一人抜いて突破しシュート性のクロス、DFクリア。
 同点で目が覚めたびんご、岡本を中心に怒涛の攻めを見せるが、大阪DFも一歩も引かない守備でこれをはね返す。そして前がかりのびんごの裏を突いて反撃に出た。左サイドに展開し、クロスから8松田力のヘッド!GKキャッチ。今度は9原田がボールカット、7金子→15下平とつないでクロス、DFに当たってCK。左CK、下平のキック、ファーで大阪の選手が二人競り勝ちヘッド!叩きつけてワンバウンドしたボール、GK今村が横っ飛びでスーパーセーブ!はじき出した。危なかった。今度は右CK、これも下平がキック!中央でびんごクリア、ボールが右にこぼれる、これを大阪9番原田がトラップして、シュート!
ゲット!!
 ボールはゴール左スミに突き刺さった。キャプテン原田が歓喜のポーズ、チームメイトたちがわっと群がる。ロスタイム突入直前の後半34分、大阪セントラル逆転!
 ロスタイム3分の表示。びんご選手交代、吉川に代えFW24天野。
 びんご、岡本にボールを集め攻める、しかし大阪も守ってカウンターに徹する。大阪のカット、右のスペースに出して原田がキープしロングシュート、右に外れる。今度は松田陸がボールカットしミドルシュート、GKキャッチ。びんご、岡本へのフィード、しかし大阪DFクリア、スローインに。右スローイン、びんごキープしようとするが大阪DFがこれに食らいついてクリアし、ここで試合終了のホイッスル!大阪セントラルが見事な気迫と粘りで劣勢をひっくり返し、逆転勝利を飾った。
 びんごは、技術や戦術では上回りながらも本来のパフォーマンスを維持することができず、一度失った流れを再び呼び戻せずに逆転を許してしまった。これは県大会〜中国地区大会でも見られたことだけど、そこでは何とかなっても、全国大会となると流れを失えば一気に持っていかれてしまう。そのパスワークは充分全国でも通用するので、集中力と忍耐力を高めて、自分たちのサッカーを少しでも長い時間表現できるようになれば。今日決定機を外してしまった植木くんはグループリーグ残り二試合で取り返してほしいと思った。(←彼は残り2試合のチームの総得点3点を一人でたたき出した。ちなみにそのうちの1点は直接FK。この大会での悔しさと、この大会で得たことを高円宮杯にぶつけてほしい)
 セントラル大阪は序盤びんごに中盤をズタズタにされ、前半わずか5分に先制を許したが、選手交代から粘り強い守備を見せて徐々にペースをつかみ、相手の息切れに乗じて見事に逆転した。お見事というほかない。全員が最後まで体を張って頑張った。たくましい選手たちだった。
 びんごが負けたのは悔しいが、大阪セントラルの戦いぶりも素晴らしかったので悲喜こもごもという感じ。と、ゴリさんキテル━━━━(゚∀゚)━━━━!!大阪セントラルの監督さんとお話を始められた。ユースのほうは沢田さんに任せてるのか。
 とりあえず昼食にする。しかし戻る途中に通路でメール打ったりしていたので、やや遅れて戻ってきた時、レストラン(アルパインローズ)は45分待ちになっていた。しかし昼食抜きはいやなので、名簿に名前を書き、前に並べられている椅子に座って順番待ち。隣にどこかの家族連れご一行様が座っていたが、そこの息子さんが、
「飲ま飲まイェイ、飲ま飲まイェイ〜」
とほぼエンドレスで歌っていた。マイヤヒー一家か。
 ほけーとしていると、やがて名前が呼ばれたので中に入る。待っていた!昼間はバイキング形式になる。トレイと皿を取って、料理を取っていく。来年がドイツW杯ということで、ドイツ料理コーナーもあった。適当に盛って席に戻り、食べる。

ウマー

 ここの料理は美味しい。一皿平らげ、もう一皿取りに行く。1500円だし、そのぶん食べないと。
 その皿も平らげ、デザートに。ケーキを三つ取ってきて食べる。

ウマー

 もう三つ。オレンジジュースも飲みながら幸せな気分に。外ではすでに第二試合が始まり、前半が終わっていたが、サンフレッチェ広島の試合は15時からの第三試合だし、もう少しゆっくりしてもいいだろう。冷房効いてて気持ちいいし。外で後半が始まってしばらくしたところでようやく席を立ち、ピッチ2に行く。
 ピッチ2では名古屋グランパスエイトとF.C.CEDAC(セダック)の試合が行われていた。後ろのピッチ1では、ヴィッセル神戸VS横浜F・マリノス追浜が行われている。ピッチ2の試合は、まず名古屋がゴールを決めるも、セダックも意地を見せてCKからゴールを奪い食い下がる。しかし総合力で上回る名古屋が試合のペースを握りそのまま試合終了。4−1(前半3−0)でグランパスが勝利した。後ろのピッチ1では追いつ追われつの試合展開。追浜が点を入れるとすぐさま神戸が追いつくという緊迫した試合は、後半29分に追浜が勝ち越しゴールを挙げて試合を決めた。
 次の試合はピッチ3にて。空は快晴になり陽射しが強くなってきたので、とりあえず試合開始まで木陰で涼むことにする。両チームのアップが終わると、ピッチが見えるところへ移動。
 広島のスタメンは、
11宮原 9玉田
7沖田
12宮本       5村田
6浜田 19森保
2崎原 3山崎 4松岡
1田村
 対する山形FCのメンバーは、

GK:1相羽
DF:4安部、2伊藤、3小池、12二階堂
MF:8升川、7栗原、10村山、6平川
FW:11関口、9石谷
 JFAエリートプログラムの常連である2年生の玉田くん(183cm)と山崎くん(176cm)は堂々のスタメン。でかい。同じくエリプロ常連の浅田くんはベンチスタート。でもしかるべきところで投入されれば効くだろう。19番の森保翔平くんは、元日本代表MFで、現在はサンフレッチェ広島の普及育成コーチならびにU−18日本代表のコーチを務める森保一さんの長男。お父さんと同じボランチのポジションにつく。ちなみに次男の圭吾くんはもう一つ下のカテゴリーであるサンフレッチェ広島ジュニア(小学生年代)所属で、バリバリの攻撃的MF。
 山形FCは、東北大会でFCみやぎバルセロナを4−1で破り優勝したチーム。あなどると痛い目に遭いそう。 
 試合開始早々、広島がDFラインでのパスミスから危機に陥る。DF4松岡が追いついて何とか切った。いきなり危ない。反撃、山形クリアのこぼれをFW11宮原が拾って持ち込みシュート、GKキャッチ。ファーストシュートは広島。続いてFW9玉田のポスト、裏に落として右から宮原が走り込むが、DFクリア。今度は山形、広島DFラインからのパスをカットして右へスルーパス、トップ下のMF10村山が抜け出してシュート!わずかに左へ外れる。決定的だった。次いで左サイドからのFK、DF2伊藤のキックはGK田村がキャッチも、いいクロスボール。
 広島、ボランチ19森保からトップ下の7沖田に入れ、右に開いて宮原がドリブルで仕掛ける、DFクリア。玉田が左サイドでキープしファウルをもらってFKゲット。長身選手がいるので広島にとってセットプレイは大きな武器。沖田のキック、DFクリア、これを沖田が拾ってミドルシュート!はGKがセーブ、キャッチする。今度は左サイドを小兵・MF12宮本が突破、CKを取る。左CK沖田のキック、低い、山形ニアでクリア、こぼれを広島が拾ってゴール前に入れるがカットされカウンターを食らう。しかし山形のフィードはGKがキャッチ。
 左サイドのルーズボールを玉田が奪い前線へパス。宮原が走り込むがトラップが大きく、DFが寄せてクリア。中盤でボランチ6番浜田がカット、宮原にボールを入れて果敢にオーバーラップ、リターンパスに走り込むが、DFがクリアし左スローイン。宮本が入れ、ボールをつないで沖田のクロス、右からMF5村田が走り込むがラインを割る。玉田のポスト、浜田が受けて左に出し宮本とワンツー、浜田クロスに玉田が競る!がGKパンチ。広島がドイスボランチ浜田・森保のボール奪取と展開力でペースを握った。玉田の長身を活かしたポストも効いている。
 15分経過。玉田のポスト、沖田がフィードして宮原が走る。飛び出すGKとクロスプレイになったが、GKがクリアした。DF3山崎のフィード、宮原が受けて左へ、積極的に攻め上がる宮本が受けてこれもオーバーラップの浜田とワンツー、そしてDFを切り返しでかわしシュート!は左サイドネット外側!惜しい。森保がボールカットしすかさず右へ、玉田が受けてクロスはGKキャッチ。山形の反撃、右サイドからのクロスをFW9石谷がニアで受けてシュートはバー直撃!はね返りに石谷が食らいついてトラップするが、村田がカバーリングしてクリア。スリーバックなんだから真ん中は空けちゃダメ!広島、森保→浜田→玉田→宮本とダイレクトで左サイドに展開、宮本はDFに寄せられクリアされるも、美しい攻撃。今ボールをつないだ四人の働きが際立っている。それに、鋭い飛び出しで裏を狙う宮原と惜しみない運動量でボールを引き出す沖田もチーム戦術を支えていた。
 山形のフィード。中盤右サイドから左サイドへ斜めに出されたグラウンダーのボール、センターバック中央の山崎が自分の前を横切るボールをカットせんとスライディングにいったが、とどかずにボールはラインの裏へ抜ける。これに山形FW9石谷が反応、完全に抜け出して独走しGKと一対一、シュート!やられた!と思ったがこれをGK田村がスーパーセーブ、そしてキャッチ!ビッグプレイキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!サンキュー田村!よく止めた!山崎くんは後でお礼を言うとかんと。あそこで不用意にスライディングはいかん。最後の砦なんだし、無理せずカバーに回らなければ。確実なプレイを。駿足なんだから、それで充分間に合うはず。
 広島、右サイドへの展開、村田がドリブル突破するところへDFがタックルしクリア。しかし二人が交錯して倒れ、立ち上がれないために主審がプレイを切る。両チームの選手が給水。二人とも立ち上がり、試合再開。
 25分経過。雲が太陽を隠し、涼しくなる。中盤のハイボールに森保が飛び出して相手と競り合い、カットして収めるとすかさず玉田にクサビを入れた。玉田が右に落として宮原ダイレクトシュート!は右に外れる。しかし森保、いいプレイだった。
 山形の右FK、GKキャッチ。キックフィード、玉田が競り、ゴール方向へこぼれたボールに宮原が走り込む。併走するDFと競り合いになるが、宮原のファウルを取られる。その直後、ボールをキャッチしたGKに宮原がぶつかってしまい、GKが痛んでプレイが切れる。山形の選手が宮原の行為へのカードをアピールするが、これは不可抗力ということで主審はカードを提示せず。GKの治療ということでしばらく時間が空いたが、GKは無事に復帰し試合は再開された。
 山形、中央やや遠めでFKを得る。MF8升川が狙うが、GK田村が正面でキャッチ。
 概ね広島ペースだが、山形も時折決定的に近いチャンスを作り出すので気の抜けない展開。無得点のまま前半が終わろうとしていた。広島が右CKを得る。沖田のキック、村田がヘッド!しかし決まらず、クリアボールがこぼれる。これを拾って右に出し、戻ってきた沖田が受けてタテに勝負しクロス!は曲がりきらずにGKへ、しかし何かその上越えそう、ファーに飛ぶ、GK飛びつく、手を伸ばすがパンチしきれない、GKの手をはじいたボールは後ろへそれ―――左サイドネットの内側に納まった。
 ゴール!
 前半34分、広島先制!クロスボールが入ってしまった、いわゆるシュータリング。ラッキーだが、試合は広島が押していたし、運命の女神からちょっとご褒美が出たというところか。すぐにロスタイム表示が出た。ちょっと見えなかったが、けっこうプレイが切れていたからそこそこの時間があった。
 広島、左サイドから攻める。宮本に玉田、宮原、浜田が絡んで速い攻め。左サイドへの展開、宮原がPA近くでボールを受け、そこへGKが果敢に(ていうかちょっと無謀気味に)飛び出してくる。ゴールが空いた、宮原シュート!しかしボールは左サイドネット外側。決定機だった。浜田がボールカットし右へドリブルで持ち出すが、ドリブルをミスって外に蹴り出してしまう。山形、左サイドでFW9石谷→FW11関口をつなぎクロスを上げるがGKキャッチ、そして前半終了。
 広島は個々の選手がその持ち味を発揮、それらがうまく組み合わされ、美しい攻撃を繰り出していた。両ボランチがいい具合にボールを奪って攻撃の起点となり、速い攻撃ができている。その後ろではスリーバックが高いラインを敷いてボランチの負担を軽減、前への強い守備で相手ボールを奪っていた。しかしDFラインは裏へのボールにかなりもろく、単純なフィードにあっさり裏を取られそうになることが多い。まだラインの上げ下げやラインブレイクのタイミングなど、微妙なところの経験や熟成が足りないといったところ。ここが整備できれば、もっと強いチームになるはず。
 試合は広島ペース、しかし鮮やかな攻撃と表裏一体、諸刃の剣であるDFラインの不安定さがあるので、まだまだ予断を許さない展開。島監督から選手たちへは、相手GKがどんどん飛び出してくることを指摘しその破り方伝授、芝が粘っこくパススピードが殺されるのでもっと強めにパスを出すこと、そしてオフサイドやイエローカード基準に対する新ルールを忘れないこと、などの指示があった。
 後半開始。まず山形、左スローインから石谷がドリブル突破しCKを得る。左CKは広島クリア。さらに山形、中盤上がり目のこぼれを石谷が拾うと強引にキープして反転しシュート、はDFがブロック。石谷、力強いプレイヤーだ。山形の攻撃が続く。右に開くMF7栗原へフィード、栗原が受けてクロス、をDFがクリアしてCKに。右CK、升川がキック!はラインを割る。
 ようやく広島の攻撃、左サイドに流れてボールを受けた沖田が玉田へパス。ボールを呼び込んだ玉田がうまく反転してタテに抜け出しクロスかシュートか微妙な浮き球のキック、わずか右に外れる。中盤高い位置で沖田がボールカット、右に開いてオーバーラップ村田がクロス、DFに当たってGKキャッチ。広島が中盤でボールカットできるようになり、再び攻勢に立った。と思いきや山形自陣からのFK、単純に前線へ蹴り出したボールに完全に裏を取られ、急いでカバーリングしタッチラインに逃れる。危ない。山形右スローイン、これをつないで中央石谷にボールが入る。石谷はキープから反転シュート(かスルーパスかちょっと微妙)、これはゴールラインを割った。
 広島のフィード、玉田がポストで落とし沖田が受けてドリブル突破から右へ展開、はDFカット。山形、右サイド升川へ開く。升川はドリブルからタテへ抜けクロスを放つが、ゴールラインを割る。反撃、玉田がマーカーに引っ張られながらも右サイドを突破、折り返す。ゴール前合わないが左サイドで宮本が受けてクロス、はGKキャッチ。
 後半13分、山形選手交代。右サイドバックのDF4安部に代え、MF登録の5番・矢作が入る。そのまま右サイドへ入った。
 中盤でのボール争奪戦、森保がカットしスルーパス、は沖田に通らず。広島の左FK、パスをつないで右に展開しクロス、ニアで玉田が受け、ゴールライン際粘ってCKを得る。右CK、沖田のキックはクリアされる。
 浜田から玉田へクサビ、沖田に落として左に展開、宮本のクロスはDFクリア。左スローイン、宮本が入れて玉田がPA内キープし折り返すが、DFクリア。このこぼれを拾って放り込むが、これもDFクリア。山形のカウンター、抜け出すが右WBの村田が戻ってきてカバー、しかし後ろからのファウルでイエローをもらう。山形のFK、ゴール前に上げて競り合いになり、ボールはゴールラインを割ってCKの判定。左CK、ショートコーナーからクロス、低いボールがゴール前を横断!肝を冷やした。ボールはゴールラインを割ってゴールキックに。さわっていれば1点ものだった。
 ここで広島、選手交代。右サイドの村田に代わり、8番茶島イン。156cmと小柄だが高い技術を持っているプレイヤーで、愛称は「チャジーニョ」。そのまま右サイドに入った。後半21分。後半もペースは握っているもののシュートらしいシュートがないので、打開したいところ。
 左からのサイドチェンジ、右サイド飛び出した茶島がトラップするや一人かわして突破しそのままシュート!はDFがブロック。茶島、いきなりキレのあるプレイを披露。次いで沖田から左に開き宮本がキープからクロス、DFがクリアしようとするがサイクロンで上に飛ばしてしまう、しかしGKがしっかりキャッチ。今度は右サイドへのフィード、玉田が走り勝ってボールを拾い、タッチライン際粘ってマイボールのスローインに。このスローインはキープできず、広島のファウルで山形ボールに。
 後半24分、広島選手交代。FW玉田に代え、FW10田中貴政。玉田くんは身体を活かしたポストは素晴らしかったが、ちょっと前線に張りすぎで中盤のハイボールに競りに行かない場面が見られたので(後半、体力的にきつかったから?)、そこで頑張れれば。
 インターセプトから速攻、田中から左オーバーラップしてきた浜田にパス。浜田はそのままドリブルで持ち込んでセンタリング、ニア田中が受けてシュート!左に外れる。
 山形は右サイドにボールを集めてきた。山形右サイド升川(175cm)と広島の左サイド宮本(162cm)のミスマッチを徹底的に突いてくる。山形右サイドからのクロス、中央競り合い、その中広島の選手の手にボールが当たるが主審は故意ではないとしてこれを流す。さらに山形、右サイド升川へ展開。一人かわしてクロスを上げるがDFクリア。
 後半28分、広島三人目の選手交代。沖田に代え14番・蔵本イン。そのままトップ下に入る。そしてすぐに15番・浅田がスタンバイした。相手の左サイドを抑えるよう指示が出されている。
 山形の右CK、広島クリア。
 そして後半30分、広島四人目の選手交代。宮本に代え浅田イン、そのまま左サイドに入った。彼は屈強のフィジカルを持っており、サイドをきっちりと抑えてくれるだろう。もちろん彼は優れたアタッカーなので、攻撃でも期待できる。
 と、中盤で森保がボールカットしそのままスルーパス。これに反応した宮原がスッと裏に抜け出し、飛び出してきたGKをかわす。DFが二枚カバーにきたが、宮原はこれもドリブルでかわすと無人のゴールにボールを流し込んだ。
ゲット!!
 後半31分に大きな追加点、2−0!
 山形、キックオフシュート!はGK田村キャッチ。
「ゆっくりでええぞー!」
と島監督が叫ぶ。選手たちも無理な攻撃はせず、きっちりボールをつなぐ。
 右サイドでボールを回し、CKゲット。プレイスキッカーの沖田が交代しているので、
「貴政蹴れ!」
と島監督。右CK、田中のキックは山形クリア。こぼれを田中がキープするが、DFがカット。
 山形、左FK。升川のキック、ファー長身のMF7栗原を狙うがボールはその上を越えゴールラインを割った。そしてロスタイム2分の表示。
 広島は中盤でボールをしっかりとつなぎ、FWが裏を狙う。左サイド浅田が田中へフィード、田中はドリブルで切り込みシュートを放つがGKキャッチ。広島は相手ボールを奪うと左サイドでパスを回す。ボールがタッチラインを割ったところで長いホイッスルが鳴り、試合終了。広島が2−0で山形を振り切り、初戦を飾った。
 時々危なっかしいところはあったけど、試合自体は支配してまずは快勝だった。個々の選手を見ていても楽しいし、戦術的にも面白いサッカー。ただ、個々でも戦術でもまだまだ伸びしろがある印象。たとえるなら、まだ磨かれていない宝石の原石がごろごろ不規則に転がりながらサッカーしている感じ。時間をかければもっと素晴らしいサッカーができると思う。この大会で可能な限り成長してほしいもの。山形では、9番のFW石谷くんのパワー、ボランチ7番栗原くんのプレイぶりが印象に残った。
 同組の鹿島VS大分は大分が1−0で勝ったとのこと。ペンタくんユニなどを着た大分応援団の方々が組み合わせ表の前で改めて喜び合っておられた。遠方からはるばるお疲れさまです。ていうか大分、鹿島に勝ったのか。広島は明日対戦だけど、大丈夫だろうか(と思っていたら、0−2で見事にやられてしまった)。びんごも残り二試合連勝すれば2位突破は充分可能、今日の負けの悔しさを明日の試合にぶつけてほしいと思った。びんごの場合、自分たちのサッカーを最後まで貫けば勝てるはず。
 売店に戻って買い物をし、さて帰ろうかと木戸駅へと歩いていく。
 坂を下り、右手に海の見える道へと出てくると、Jヴィレッジサッカースクールの子だろうか、サッカーボールを携えた二人の少年が歩いてきて、すれ違う時に「こんにちは」と挨拶してきた。海のほうに気を取られており、荷物もそこそこ重かったのでとっさに声が出ず、会釈だけになってしまってちょっと申し訳ない気がした。
 それからまた歩いていくと、17時のサイレンとともに「小学生は早くおうちに帰りましょう」との町内アナウンスが。続いてスピーカーから聞こえる笛太鼓の音。そういえば前に来たとき木戸駅前に櫓組んであったし、お祭りか。木戸駅前に出てくると、櫓と露店の設営が始まっていた。駅に入ってひと息つくが、風が入ってこなくてちょっと蒸すのでホームに出た。太陽がしばらく出ていたがやがて雲に隠れたので助かった。電車が来るのを待つ。そのうち、朝にタクシーを相乗りした方もやってこられた。
 17:44木戸発の列車でいわきへ。18:12にいわき着、簡単に食事をとって18:37いわき発上野行きの普通に乗る。概ねMDを聴きつつうつらうつら、時々本を読んでまた寝て、やがて日暮里に22:22着。ここで山手線に乗り換えて秋葉原へ行き、そして総武線に乗り換えて浅草橋駅で降りた。
 外は真暗、小雨も降っている。道を間違えてはいけないので念には念を入れて駅員さんにホテルまでの道を確認し、少しばかり濡れながら無事に到着(そんなに遠くないし)、チェックイン。疲れたー、とTVをつけてみるとマラソンで尾方剛3位キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!そして団体は金。メダル二枚獲得だよおい。熊野高校じゃ24時間耐久マラソンやってるし。リプレイ。尾方、白い帽子がチャーミング。よく走った。素晴らしい。
 余韻に浸りつつ、寝る。14日は東京都内を回って買い物し、15日に帰った。