電脳戦機 VIRTUAL−ON

Truth 〜Story of ORATORIO TANGRAM〜

 

 

第10話 『決着』

 

 

ドガアアアッ!!!

 マクレガーの乗るアファームド・ザ・バトラー、“ウォリアー”は吹き飛ばされ、壁面に激突した。Rnaの伝説的パイロット、“漆黒の魔神”ツルギの乗るライデンの放った照射レーザーは、ギリギリの間合いで回避した“ウォリアー”の至近距離に着弾し、床の一部をクレーターと化して大爆発を起こしたのだ。

『ふっふっふ、先程のまでの勢いはどうした?アファームドの息子よ!?』

 ツルギは笑みを浮かべながら、マクレガーを追い詰める。ツルギのライデンにほとんど損傷は無い。しかし“ウォリアー”は大きなダメージこそないものの、装甲のあちこちに煤がこびり付き、傷だらけだ。

「(さすが“漆黒の魔神”……強い!!!)」

 マクレガーは息を切らしながら、心の中で一人語ちる。ツルギとの戦いは、短い時間ながら彼を大きく消耗させていた。その最大の原因はライデンが誇る、VR最強の火器、レーザーの存在だ。レーザーはその威力の為、照射時に一瞬の溜めがある。そして、亜光速の速度を誇るものの、弾道は完全な直線の為、攻撃直前まで相手の動きを見ていれば回避はさほど難しいものではない。しかし、それは相手が二流のパイロットまでの話だ。一流、そしてツルギのような超一流のパイロットであれば、相手の動きを読み、予測される位置にレーザーを撃って来る。その正確さはコンピューターの照準装置を使った場合を上回る。ここまでマクレガーがかわし続けることが出来たのは、彼もまた超一流の腕を持っているからに他ならない。だが――

『逃げてばかりではこの私は倒せんぞ!!!』

 ツルギが叫ぶと、ライデンは左手から円盤状のグランドボムを投げつけてきた。グランドボムは回転し、地面との摩擦で火花を上げながら向かってくる。そして一定距離を走行すると炸裂し、辺りに無数のナパームの火柱を上げた。

「ちいっ!!!」

 マクレガーは休む間も与えられない攻撃に舌打ちすると、火柱の間をすり抜けるようにその場から飛びのいた。しかしその時、ライデンは照射レーザーの時とは違った形に両肩の砲塔を変形させていた。そして、そこから無数の極細レーザーが放たれ、まるで“ウォリアー”を檻のように取り囲む。

「何こいつは!!?」

 マクレガーが気付いた時には既に遅かった。“ウォリアー”は勢い余り、そのレーザーのネットに突っ込んでいた。

ビリビリビリ……!!!

レーザーネットから発せられる電撃は“ウォリアー”の四肢に絡みつき、さながら磔のように機体の動きを封じたのだ。

「動け!動けっ!!!」

 マクレガーは必死にレバーを動かし、ペダルを踏み込んだ。しかし、怪力を誇るアファームド・ザ・バトラーを持ってしても、その束縛から逃れる事は出来ない。

『無駄だ。このライデンの“デス・ケイジ”は高速飛行中のサイファーさえ絡め取る。』

 そう言って、ツルギはライデンのバズーカを構えた。

『……終わりだ!』

 ツルギが操縦桿のトリガーを引くと、ライデンの高出力Vコンバータから直結したバスーカはミサイルにも等しい高性能爆薬の弾頭を連射で撃ち出す。その全てが“ウォリアー”に吸い込まれていくのは明らかだった。

「うわあああぁぁぁっ!!!」

 装甲越しに感じる爆発の衝撃にマクレガーは絶叫した。コックピット内部に火花が散り、モニターにノイズが走る。爆炎に包まれた“ウォリアー”が力尽きるのを待っていたかのようにネットが消え、“ウォリアー”は地面に叩きつけられた。

『お前は才能のあるパイロットだったが、如何せん潜って来た修羅場の数が私とは違い過ぎた。許されるならもっと時間が経った後、お前と戦いたかったのだが……これが……戦争だ!』

 ツルギはその瞳に凶悪で、それでいてどこか悲しみを漂わせる色を浮かべた。

『せめてもの武士の情け。苦しまずにあの世に送ってやろう。冥土の土産に見るが良い!我が最強の閃光、“マキシマム−レイ”をな!!!』

 ツルギのその声を合図として、ライデンの両肩が再び展開した。同時にVコンバータが全開となり、膨大なエネルギーを集中していく。意識が朦朧とするマクレガーの目にも、広がったパラボラの周囲に青白い電撃にも似たエネルギーが溜まっているの分かった。

「(俺は……このまま死ぬのか……?親父に追いつけないまま……)」

 マクレガーは死を覚悟した。その時――

 

「どんな武器でも、防ぐ方法は必ずある」

 

 頭のどこかで、そんな声が響いた。

「親父!?」

 

 中年の男の声に、マクレガーは思わず目を見開いた。しかし、目の前に広がっていたのは“ウォリアー”のコックピットではない。また、彼に語りかけている男も彼の父、マクラーレンではなかった。場所は彼が学んだ士官学校の講義室であり、教壇に立つのは第7方面隊の隊長に転任する前のハルトマン教官だ。そして、隣の席ではエルが真剣な顔で聞き入っている。

「兵器は3種類に大別出来る。ミサイルやボムのような実弾系、ライフルやバルカンのようなビーム系、そしてレーザーに代表される光学系だ。実弾系の兵器はそのものを破壊したり、物理的に直撃を防げばよい。ビームは荷電された粒子の収束体だ。これは、逆の電荷を持つシールドなどを用いれば中和して防ぐ事が出来る。そして、現在VRに装備されている中で最強の火力を持つレーザーだが、一見無敵に見えるこの兵器にも弱点がある。それは――」

 

「忘れていたぜ!レーザーを防ぐ方法をな!!!」

 マクレガーはカッと目を見開くと、膝を突いて崩れ落ちたままの“ウォリアー”を、ツルギに分からないように操作した。補助火器であるボムをターボモードでリバースコンバートすると、通常の数倍の大きさを持つ、人間の大きさでいえばサッカーボール程のボムを作り出した。

『散って父親の元へ逝け!!!アファームドの息子!!!』

 ツルギは叫ぶとレーザーの発射トリガーを引く。パラボラに溜め込まれた莫大なエネルギーが螺旋状になって渦巻くと収束し、2本の極太のレーザーとなって放たれる。

「今だ!!!」

 その時、“ウォリアー”はボムを勢い良く前方に蹴り出した。ボムは暫く宙を舞うと、ライデンとの中間点で炸裂した。瞬間、ボムの作り出した爆炎の中にレーザーの閃光が吸い込まれていく。まさにそれは生死を分けたタイミングだった。1秒……いや、0.1秒でもマクレガーの判断が遅れれば、ライデンの放ったマキシマム−レイは“ウォリアー”を文字通り跡形も無く吹き飛ばしていただろう。だが、ボムの爆発によって生じた破片、砂塵、濃密な煙幕の中に突っ込んだレーザーは遮られ、光と熱を拡散させるだけで、“ウォリアー”まで威力は届かない。

『何!?』

「もらったぁ!!!」

 最大の火力を誇る“マキシマム−レイ”を使った反動、そしてそれを防がれて驚愕したツルギは硬直した。マクレガーもまたそれを見逃さなかった。猛スピードで飛び出すと、両腕のビームトンファーを展開させて斬りかかる。だが――

バチッ

 突然、左腕が火花を上げると、トンファーが掻き消えた。先程ネットで捕えられた時のダメージで回路がショートしたのだ。だが、マクレガーは怯まない。

「右がまだあるっ!!!」

 “ウォリアー”に迫られてやっと、ライデンは体の自由を取り戻していた。だが、ライデンの機動力で攻撃を避けられる距離ではない。

『頭に……乗るなぁ!!!』

 珍しく感情を昂ぶらせたツルギはバズーカを棍棒のように振り回し、攻撃は最大の防御とばかりに殴りかかった。2体のVRの右腕同士がぶつかり合う。だが、金属の塊に過ぎないバズーカのランチャーと、それ自体が破壊力の塊であるビームトンファーでは役者が違った。一瞬の衝突の後、トンファーが火花を上げてバズーカに食い込むと、それを持つ右腕ごと真二つに切り裂いていた。本体から離れたランチャーと右腕が宙を舞って地面に落ちた。ツルギは驚愕の表情でそれを見詰めていた。

『(確かに……爆風や煙幕でレーザーを遮ることは可能だ……。しかし、言葉では簡単だが、反撃する事を見越してそれを正面から受けるには勇気が……いや、正に死ぬ覚悟が必要だ。こいつに勝つには私にも死ぬ覚悟が必要という事か……!?)』

 今のマクレガーの一撃で確実に追い詰められつつあるにも関わらず、ツルギはコックピットの中で笑みを浮かべた。人生の半分以上を戦いの中に身を置いてきた彼にとって、将軍の地位を得た今でも、生死を賭ける緊張感はまるで麻薬のように彼の心と体を掴んで離さない。

「いける……!俺は“漆黒の魔神”と互角に戦っている!!!」

 マクレガーはツルギとは逆に会心の表情を浮かべている。

『アファームドの息子よ!!!』

 ツルギは叫んだ。

『お前は大した男だよ……今や、私の中では完全に父親に並んだと言っていいだろう。だからこそ見せてやる。お前の父も見たことの無い、今まで誰にも見せた事の無いライデンの姿をな……』

「何だと!?」

 マクレガーは身構えた。父親も、そして今まで誰にも見せた事の無いライデンの姿とは何なのか。言いようの無い緊張感がその場を支配する。

『行くぞ!!!』

 ツルギはその一言で自身の決意を固めると、今まで触れたことの無い、シート脇のパネルを跳ね上げるとその中のボタンを押した。その直後、ライデンの機体の内部から、まるで爆発したかのように閃光が発せられる。

「何をたんだっ!?」

 その閃光の凄まじさに、マクレガーは思わず目を細めた。彼の目には本当にライデンが爆発したかのように見えた。何やら破片のようなものが“ウォリアー”の装甲に当たっているのが分かる。そして、薄れ行く閃光の中から再び現れたのは、マクレガーの想像もつかない姿のライデンだった。

 ツルギのライデンからは、その全身を覆っていた分厚い装甲が全て消えていた。それだけではなく、それだけの装甲の重量を支える為のフレームも無くなり、内部が剥き出しになっている。

『私のライデンは、緊急事態用に全ての装甲と強化フレームをパージ<開放>する機能を備えている。それによって得られるのは……』

ブンッ……

 まるで羽虫が立てるような音と共に、ライデンの姿は残像を残して消える。次の瞬間には、“ウォリアー”の背後に現れていた。

『スピードだ。』

「くっ……!!!」

 マクレガーが間一髪反応し、振り向いた時には、ライデンの両肩から工具の万力のようなクローが飛び出し、“ウォリアー”を掴んでいた。

バリバリバリ!!!

「うわあああぁぁ!!!」

 マクレガーは絶叫した。“ウォリアー”を捕えたライデンのクローから、凄まじい電撃が“ウォリアー”に向かって流し込まれてくる。

『どうだ!本来レーザーの照射に使われるエネルギーを直接浴びせられる気分は!?』

 そう言うと、ツルギは“ウォリアー”をクローから開放し、ショルダータックルで突き飛ばした。力無く地面に横たわる“ウォリアー”。

『私に“アーマーブレイク”を使わせたお前の戦いは賞賛に値するよ。私は、このアーマーブレイクはライデンとして邪道の戦い方だと思っている。だが、私は勝利の為なら鬼になる。』

 ゆらりとウォリアーとの距離を詰めるツルギの姿は、正に鬼気迫っていた。

「ちくしょう!!!」

ブンッ!!!

 マクレガーの叫びと共に“ウォリアー”の右腕にトンファーの輝きが灯り、起き上がりざまにライデンへ向けて斬りつけた。だが、アーマーブレイクしたライデンはその一撃を風に靡く羽のような軽やかな動きでかわす。

『無駄だ!私はバーチャロイドの出来るあらゆる攻撃を知り尽くしている!20年以上に渡って私の体に蓄積されてきた経験が、レーザーでもシールドでもない、私にとっての最大の武器であり防具なのだ!!!』

 再びショルダータックル。トンファーを繰り出した事で無防備になっていた“ウォリアー”は激しく弾き飛ばされる。

「……つまり……誰も見せた事の無い攻撃でなければあんたを倒せないってことかよ……」

『そうだ。それが可能なら。……かなり苦しそうだ。そろそろ楽にしてやろう。』

ブンッ

 再び、ライデンが残像を残して姿を消した。瞬発力でスペシネフ以上、スピードの持続力もサイファーを上回っている。

「この世に無敵なんてあるはずが無い……。ヤツは防御力を捨ててあのスピードを手に入れているだ。一撃……ヤツの想像を上回る動きで一撃加える事が出来れば……勝てる!」

 一筋の光明を見出し、マクレガーは立ち上がった。これが最後の一撃になる。これが成功すれば自分の勝ち。外せば死に等しい敗北――。

「感じろ……ヤツの動きを感じるだ……。エルのように!!!」

 目を閉じ、センサーやレーダーに頼ることなく全神経を集中させる。“ウォリアー”と自分を一体化させるように――

「(左後方!?)」

 一瞬、ウォリアーの機体が自分の肌の一部であるかのように反応した。次の瞬間には、頭よりも早く体が“ウォリアー”を突き動かしていた。ぶれる視界の中に、ライデンの姿が見える。

「まだ……遅い!?」

 “ウォリアー”の反応速度と限りなく一体化したこの操縦を以ってしても、アーマーブレイクしたツルギのライデンを上回る事は出来ない。

「うおおおおぉぉぉ!!!」

 その時、マクレガーは吼えた。もはや、操縦などという理性的な行為ではない。目の前にいる敵を倒すという闘争本能のままに襲い掛かる。次の瞬間には“ウォリアー”は地を蹴っていた。

「だああああぁぁっ!!!」

 “ウォリアー”はジャンプしながら、背中のブースターが全開となる。それと同時に右足を突き出すと、跳び蹴りのような体勢のまま、ツルギのライデンへと突き進んでいく。

『何だと!?』

 今度はツルギが驚愕する番だった。“ウォリアー”はエネルギフィールドを発生させた右足の先端が空気との摩擦で赤く燃え、機体はフィールドの遮った真空の中でスピードを上げ、音速を超えていた。ツルギの操縦とアーマーブレイクしたライデンをもってしても、初めて目の当たりにするアファームドのこの攻撃を避けることは出来なかった。

「いけええぇぇぇ!!!」

 マクレガーが絶叫した次の瞬間、“ウォリアー”の右足はライデンの胸板を捉えていた。

『ぐはああぁぁぁ!!!』

 一撃でライデンのコックピットは全てのモニターがブラックアウトし、ツルギは平衡感覚を失っていた。ライデンは胸板に“ウォリアー”の足跡をしっかりと刻まれながら、もんどり打ちながら地面を何回転もしながらようやく止まった。“ウォリアー”もまた今の攻撃で全ての力を使い果たしたかのように空中でバランスを崩し、倒れ込んだ。

「やったか?」

 マクレガーはそう言って機体を立て直し、ライデンの姿を確認しようとした。インパクトの瞬間、マクレガーには確かな手応えあった。

『……見事だ……。アファームドの息子よ……』

 スピーカーから、ツルギの力の無い声が聞こえてきた。ライデンの機体はいまだに仰向けのまま動かない。

「ツルギさん、あんたも……」

 マクレガーは何とか“ウォリアー”を立ち上がらせると、ライデンの傍らに寄った。

『もう、あの男の息子というのは失礼だな。最後に……名前を教えてくれるか?』

「マクレガーだ。マクレガー中尉。」

『マクレガー……。今、どんな気分だ?父の仇を取った気分は……』

「……分からない。」

 マクレガーはかぶりを振った。

「少なくとも、あんたを倒したからといって達成感は無いよ。逆に……何だか寂しい。」

『……寂しい?』

「ああ、あんたからはもっと父の話を聞きたかった。父はあんたと戦いの中でどんな言葉を交わし、どんな戦いをしたのか……。父を知る人間が一人居なくなるのが……寂しい……」

『それは、お前が知るべきことではない。お前は今日この時、自分が私と何を話し、どう戦ったのか、それだけを覚えていればいいのだ。大切なのは……自分自身を見失わない事だ。』

「自分自身を見失わない事……」

『そうだ。お前はこの戦いで、自分を見失わなかった。父を超える事よりも、私に勝つことに全ての力を集中させたはずだ。そうでなければ最後のあの攻撃は生まれない……』

 ツルギの言葉が次第に力を失っていく、その時――

ズズー――ン!!!

 轟音と共に、彼等のいる場所が大きく揺れた。

「何だ!?」

 マクレガーは思わず声を上げたが、すぐに察した。

「エルが……やったのか!?」

 だが、振動は収まる気配は無い。次第にその大きさを増して行き、壁面から天井から鉄骨やパイプが彼等の頭上に落下し始める。

『これは……只事ではないな……。マクレガーよ、早くこの場から逃げるのだ!』

「ダメだ!エルを助けに行かなくては……!勝っても負けても、この様子だと無事で済むとは思えない!」

『何を言っているのだ!お前は仲間を信じて……仲間が必ずオラトリオ−タングラムを終結させてくれると信じて私と戦ったのではないのか!!?私を倒した、お前と仲間の信頼関係はそんなに脆いものだったのか!?』

 ツルギの一喝にマクレガーは言葉を失った。

「――それなら、あんただけで一緒に……。ここから脱出すればまだ助かる希望はある!」

『……私はもう助からない。それに……一人の戦士として、死に場所ぐらい自分で決めさせてくれ。ベッドや揺り椅子の上で生き長らえるよりも、コックピットの中で朽ち果てる方が私には相応しい……。数十年間、戦場に身を置いてきた私にとっては……な……』

「ツルギさん……」

 自然と、マクレガーの頬を涙が伝った。

「あんたと……戦えて良かった……」

『私も。最期の相手があのアファームドの息子であった事を誇りに思う……。行け!父の仇を乗り越えて……全ての終わりを見届けるのだ!!!』

「分かった――」

 マクレガーは力強く頷くと、“ウォリアー”を立ち上がらせる。そして、出口へと機体を躍らせて行った。

 

『……私は、戦い続けるには歳をとり過ぎたのかも知れんな――』

 ツルギは既に視力を失い始めた目を開いたまま、そう呟いた。次の瞬間、大量の瓦礫がライデンの上に降り注いできた。“漆黒の魔神”と言われたその姿は、一瞬にして砂埃の中に消えていった――

 

 迫り来る破片をかわしながら、マクレガーは思った。

「エル……無事で……無事でいてくれよ!!!」

 ツルギの予感は当たっていた。彼等の戦いの終結と時を同じくして、エルとタングラムの戦いも決着を迎えようとしていたのだ――

 

To be Continued

Written by GTS

 

 

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<これが後書きなのか……>

「GTSです。最近の後書きの第一声と言えばいつも『お待たせして申し訳ありません!』でしたが、今回もご多分に漏れず、そうなりました。もはやネタもゲストキャラも尽きたので、次回完結記念という事で真面目に後書き行きたいと思います。

思い出してみれば、私がバーチャロンに出会ったのはかれこれ5年以上前。OMGといわれる初代バーチャロンの時だった。3D空間で性能の違うロボット同士が戦うという、当時では画期的なゲーム設定に惹き込まれました。中でも、私の仲間たちはライフルやミサイルで撃ち合うよりもサーベルで斬り合う接近戦闘の緊張感を楽しんだものです。そして、バーチャロンは第2弾「オラトリオ-タングラム」にバージョンアップ。この通称「オラタン」がこの小説のものになったものです。

オラタンのゲーム展開にストーリー性を持たせ、自分達がゲーム内で感じている緊張感をテキストでも感じられるもの、としてこの小説を書き始めました。時同じくして私はインターネットを開始し、北は北海道から南は長崎まで、日本各地のオラタンファンと交流する事が出来、インターネットとオラタンは私の電脳空間上のコミニュケーションツールとして今でも大きな位置を占めています。

このオラタン小説は執筆開始から既に4年を経過。私の就職活動や卒論執筆、社会人となり初めての転勤など幾多の休止期間を乗り越えてここまで来ました。次回は遂に最終回、エピローグです。はたしてどんな結末を迎えるのか……!?

果たして、掲載はいつになるのか……(爆)

<完>