NEO G Episode 3rd〜Versus〜 前書き
〜INTRODUCTION〜
『ゴジラよ、お前は何処から来たのか、何物なのか、そして何処へ行くのか――?』
この作品、「NEO G Episode 3rd〜Versus〜」は私、GTSのオリジナルゴジラ小説の第3弾となります。しかし前作、前々作とは独立した世界として展開されているため、旧作を読んでいない方にも問題無く楽しんでいただけると思います。今回の作品はサブタイトルに”Versus”<対決>とありますが、敵怪獣は登場しません。この”Versus”には、ゴジラの出現によって巻き起こる個人の対立、国家的対立、そしてゴジラ対人類の対決と様々な意味を盛り込んでいます。
ゴジラと人類が正面から戦った場合、その向こうに待ち構えている結末とは果たしてどのようなものなのか?過去のシリーズを凌駕するスケール、ドラマ、それらを支える圧倒的ディテール。小説にしか出来ないクオリティにこだわり、現時点で作者の出せる全ての力を結集して〜Ultima〜、〜EDEN〜から続くこのテーマを完結させます。
〜STORY〜
ゴジラは1954年に東京に姿を現して以来、人類の前から姿を消した。だが50年後の2004年、人々の記憶からその存在が忘れ去られようとしたその時、アメリカ海軍第3艦隊が突如太平洋上で消息を絶つ事件が起きる。その後の調査結果から恐るべき推測が導き出される――こんなことが出来るのは怪獣、ゴジラしかいない。ゴジラは生きている。こうして日米両国を巻き込んで、人類史上に残る大事件が幕を開けた・・・・・・
〜MAIN CAST〜
片山俊樹(かたやま としき)
アメリカ帰りの生物学者。向こうの大学に保管されていた1954年襲来時のゴジラ細胞の驚異的な力を目の当たりにし、その力の謎を解き明かそうとするため、今回の事態に巻き込まれていく。
堤清十郎(つつみ せいじゅうろう)
元帝国陸軍将校の老人。戦後はその能力を買われて自衛隊の情報部や防衛大学校の教授などを歴任した。自衛隊の裏も表も知り尽くす人物であり、1954年のゴジラ襲来も現場で経験している。
石原一真(いしはら かずま)
陸上自衛隊第一師団団長。1954年のゴジラ襲来で自衛官だった父親を失い、父の顔も温もりも知らないまま育った。彼が自衛隊に入隊した理由がゴジラへの復讐であることを知る人間は少ない。
小林武明(こばやし たけあき)
内閣総理大臣。50年ぶりのゴジラ出現に苦悩し、日本の被害を最小限に食い止めようと、外交・内政のあらゆる面で厳しい局面に必死で対応を図ろうとする。
ジェームズ・D・アンダーソン
アメリカ合衆国大統領。再選を目前にして経済政策の失敗で低下した支持を取り戻そうと、ゴジラ掃討に意欲を燃やし、小林首相と激しい外交交渉を繰り広げることとなる。