侵入手口と対策

泥棒は色々な方法で侵入してきます。
代表的な手口とその防御法をです。

手口その1 「ピッキング」
まず、「ピッキング」と呼ばれる手口ですが、錠前のシリンダー(鍵穴)に針金の様な工具を挿入し、中の部品を操作し錠前を開ける事です。
(よくテレビ番組で鍵屋さんが道具を鍵穴に突っ込んで「はいっ、開きました〜」って言ってる方法です。)
この方法は昔からキーを無くして家に入られない方に対して鍵屋が行っていたものです。
しかし、情報の氾濫、インターネット等で簡単に特殊工具が手に入る時代となり悪用され始めたと言っていいでしょう。
 特に狙われているのが、マンションに多く付いている「ミワディスクシリンダー」と呼ばれる物で練習さえ積めば20秒以内で開くことも珍しくありません。
             
               ディスクシリンダー
ミワディスクシリンダーかどうかの判断方法
1.鍵穴部分に「MIWA」と刻印がある
2.鍵穴は縦型(一部例外アリ)
3.鍵穴の中心が「く」の字または逆「>」の字型になっている。
4.合鍵店で作って貰った合鍵にH248など「248」という数字が入っている

1,2,3番が当てはまれば恐らく貴方の家はディスクシリンダーです。
4番も当てはまれば、まず間違いなくディスクシリンダーです。

なお、ディスクシリンダーは現在廃番となっており、後継機種として「U9シリンダー」が製造販売されています。外観上はディスクシリンダーに似ていますが、耐ピッキング性能は飛躍的に上がっております。
ディスクシリンダーとの見分け方は、基本的に鍵穴が横向きで、中心部が「」型になっています。
                     ミワユーナインシリンダー

 対策
対策としてはシリンダーをピッキングが難しいものに取り替えることです。
現在たくさんの種類のピッキング対策シリンダーが発売されています。
ただし、「ピッキング対策シリンダーへの取替」では「ピッキング」にしか対応しません。
多種多様な手口が存在する現在の状況を考えますと、「補助錠」の取付で「ワンドアツーロック」にされることをお勧めいたします。
  
ピッキング対策シリンダーについては「特殊なキー」のページをご覧下さい。
手口その2 「カム送り」
ピッキング対策として、工具で操作しても簡単に開かないシリンダーが多数出回りました。簡単に開けられてしまうシリンダーでは安心して出かけられませんから当然の事です。当店でも多数取替させていただきました。
しかし、開けられなくても開けなくてはいけない事もあります。
裁判所の強制執行等がそうです。シリンダーをピッキングしても開かないのならば他の方法を取ります。
実際の方法としては、シリンダーに付いている「カラー」と呼ばれる部品を持ち上げ、そこから特殊な形状の針金を挿入し錠前本体の「カム」と呼ばれる部品を直接操作して解錠します。
シリンダー部分を迂回して、錠前ケースを直接操作しますので「ピッキング対策シリンダーに交換済みでも安心は出来ません。

◎カム送り解錠が容易または可能になる錠前ケース
 美和ロック株式会社 「LA・MA」シリーズ 「BH」シリーズ 「LD」シリーズ
 株式会社ゴール 「AS・LX」シリーズ 「HD」シリーズ
 株式会社ショウワ 「397」シリーズのBS25,30 「535」シリーズ 「CL−30」シリーズ
 合資会社堀商店 「1311」「1110」「1210」シリーズ

以上が今回発表されたカム送り可能な錠前ケースですが、この中には「安易にカム送りできる物」と「難しいが不可能では無い物」とがあります。
また、該当機種であってもノブやレバーなどによりカム送り不可能な場合も有りますので、各メーカーのサイト等にて詳細を確認されることをお勧め致します。
(財)全国防犯協会連合会様のサイトにも説明、各メーカーへのリンクがあります。

 対策
 カム送りの対策としましては、錠前本体の「カム」に針金などが侵入できないように経路を塞ぐ方 法が取られます。
カラーにリングスペーサーを挿入して隙間をなくしたり、錠前本体に保護金具を取り付けたりします。
カム送り対策だけに鍵屋さんを呼んで作業をしてもらうのは割高と感じることが多いので、補助錠を取り付けるついでにカム送り対策をしてもらうのもよろしいかと思います。

手口その3 「サムターン回し」
扉の内側には錠を開け閉めるすためのツマミ=サムターンが付いています。このサムターンを不正な手段で操作して開けてしまうのがサムターン回しです。
シリンダーをピッキング対策シリンダーに交換していても、内側のサムターンを狙われると開いてしまうのです。
具体的にはドアの隙間から針金等を差し込んだり、ポスト穴等の開口部から道具を室内に差し込みサムターンを操作します。 ピッキングと同様に痕跡が残りにくいので被害に発覚が遅くなることもあります。(泥棒が施錠して立ち去ることも多い)

少々荒っぽい方法で、ドアの錠部分の横に穴を開け、その穴から道具を差し込むこともあります。(マンションで鉄の扉だから安心だとは思わないでください。驚くほど簡単に穴は開いてしまいます。)

 対策
1.サムターンを囲むような形のカバーを取り付ける。 
 ペットボトルの底部分を切り取って自作する方法もありますが、ホームセンターや100円ショップに  も商品があります。(簡単な作業ですので、ご自分で取付される方が多いです)
2.サムターン回し対策のサムターンに取り替える。
 針金等では引っかけにくい形状の物や、押しながら回さないと操作出来ない物、鍵穴を装備した物 など多種多様な商品が販売されています。(カバセーフティーサムターンなど)
 最近のマンションでは新築時から対応サムターンが装備されていることがあります。
 サムターンに付いている小さなボタンを押さないと回らないものなど各種あるようです。
3.補助錠を取り付ける。
 二つ錠があれば開ける時間も手間も2倍かかるものです。補助錠はこの手口にも有効です。
 尚、サムターン回しの対策の機能が付いた補助錠もございます。
※最近、サムターンを狙う手口は増加しております。ご注意下さい。
その他の手口
もちろん侵入手口はこれだけではありません。
バールでドアをこじ開ける、窓ガラスを破る(焼き破りという新しい手口もあります)、
郵便受けから手を入れる、扉の灯り取りガラスを割るなど昔から有る手口も
注意しなくてはいけません。
奇想天外とも言える手口も耳にします。どんどん新しい手口は増えています。

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