3月某日「目の前でヤッてるような」 
 “新生活フェア”でDVDレコーダーと液晶テレビを買いました。現実の生活は“旧生活灰色フェア”って感じなので、家電だけでも…と、そんなことで。今までパソでDVDを見ていたので何も知らなかったんだけど、DVDレコーダーって結構多機能。でも多機能だからこそ、どれを買えばいいのか基準がわからず悩みまくりました。自分なりにカタログで一晩検討して、“紀香”もしくは“サップ&ブッキー”までは絞り込んで電器屋へ。でも店員の説明と「DVDは東芝ちゃん」ってあちこちで言われていたので、“紀香”に落札。テレビは一通り説明は聞くも、目のつけどころがシャープでしょ?(古っ!)ってことで腹は決まっていたので、これはさっさと。
 DVDとテレビが届いて、触り倒すのに一日かかりました。多機能だし。でもそれ以前に、まず配線にびっくり。配線自体は得意の範疇なので悩まないんだけど、うんざりはしました。ビデオデッキやコンポのアンプやらにもつなげようとすると、背面がケーブルだらけ。付属品だけでは足らず、手持ちのケーブルは使えず、結局近所に買い足しに行く羽目になったり。なんとかしてよ、東芝ちゃん!って感じです。

 でもうんざりした甲斐もあったというもの。美しい。美しすぎる!俺は音も重要なチェックポイントなんですが、こちらも自分の部屋で聞くには充分なレベル。音楽系のDVDなどはサイコーですぞ。ゲイDVDは、さすがに映像や音のクオリティーなど追求して作られていないでしょうが、それでもハードがレベルアップすればやっぱ違う。もう、目の前でヤッてるような、そんな感じ(笑)。録画も1フレーム単位で編集出来るし素晴らしい。ま、そんな作業は最初の内しかしないと思うけど(笑)。でもこういう機器って触ってて飽きません。

 余談ですが、ビデオもDVDもどんどんディスクに取り込んで省スペース化計画を立ててたところ、市販のソフトって案外コピーガードがかかってんのね。今までダビングもしなかったので、まったく知りませんでした。映画や音楽の市販ソフトはなんとなくガードが固そうってイメージでしたが、エロ系についてはわりとナメてました。ビデオはまだそんなでもないですけど、DVDはダメ。半分くらいはコピーガードがかかってます。全所有ソフトを
ハードディスクに取り込んで、後は売り払おうと思ってたけど、全部は売れないぞ…。
ま、エロダビングばかりしてないで、もっと他の事にも時間を使えよ!ということか(笑)。

3月某日「春なのに」 
 最近ひとりでフラッと行動することが続きました。買い物したり芝居を見たり。芝居ってヤツは余程の人気公演でない限り、当日券が出ていることも多いので助かります。午後になって仕事の目処が立つと、「よし、今夜は○○を観に行こう」。
 休日も最近はひとりでフラッと派。起きてから一日どう過ごそうかと決める。ただ休日も芝居に出かけることが多く、「オマエ、それしかないんかよっ?!」って感じですが(笑)。最近の休日のゴールデン・メニューはマチネ(昼公演)を見て、終演後に60〜120分コースのマッサージをしてもらいながら芝居の余韻に浸り、早々に家に帰る…というもの。
 こんなことを友人に話すと「うら淋しいゲイライフを見ているようで、せつない…」としみじみ言われてしまいました(笑)。う〜ん、確かに。でも俺に言わせりゃ、かりそめのゲイ仲間でバカ騒ぎしているのも大して変わらない。どちらも楽しいし、どちらもせつないような空しいような、そんな気がする。そもそも充実した休日って、一体どんなもんなのでしょうね?

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 まだ時々は寒いけど暖かい日も多くて、春めいて来ました。春になったら生活が変わる人も大勢いるでしょう。入社、入学、転勤、異動…などなど。俺は何も変わらないけど周りが変わっていくから、少しだけとまどいながら生活しています。


3月某日「面接レポート」 
 今年も面接官から逃げ切れず!しかし「明日の会社のためになる仕事もしなさい」と
叱れて、俺が苦手とする就職試験の面接官を引き受ける羽目になりました。面接方法は俺より遥かにオッサン2人と組んで、俺は明らかに“若手”というポジション(笑)で、
面接官3人対学生1人のお見合。
 それにしても疲れましたぁー。だって学生さん、みんな同じアピリなんだもんな。
アピールの二大潮流は「○○を通して責任感が」とか「リーダーシップが」というもの。
アクセントに「体力には自信」又は「失敗してもへこたれない精神」を添えて…ってパターン。こちらとしても必死で受験者の素の姿を探ろうとしているのに、そんな取って付けたようなことばかり言われても…って感じです。
 と、そんなこんなで俺は90人強の受験者を担当して、頭がかなり良さげでカッコイイ男、地味だけど真面目そうな男、大いに笑わせてくれた明るい○○オタク、底抜けに明るいブス、モデルやってますという美人で気の強そうな姉ちゃん、○○の研究に学生生活のすべてを捧げたので超貧乏という女など合計10人を次の面接に送り込んだのでした。
※○○の中にはありきたりの単語が入りますが、念のために伏字です。

ま、面接ってされるのもするのもかなり疲れますね。しばらくやりたくない。


3月某日「養殖モノで悪かったな!」 
何者なんですか?…“天然系”。

打ち合わせで、今日も俺がスタートダッシュでスタッフのお姉ちゃんをドッカンドッカンと笑わせていた。自分で言うのも厚かましいが、いつになく笑いのスイートスポットに当たったと言うか、チェリーが三つ並んだと言うか、とにかくドッカンドッカン笑いが起きる起きる。
女1「西園寺さん、超おかしい〜!」
女2「お腹痛い〜」
(なんや笑いの緩いヤツらやなぁ、こんなん楽勝やがな。今日はもうたでぇ)
と、ここまでは良かった。気持ちのいい一日になるはずであった。
そう、そいつさえいなければ…。
そいつ、ポォ〜っとした山田(♂)。コイツが、三歩ズレて
山田「ぼく今やっと皆さんが笑ってた理由がわかりました」。
一同「はい〜〜っ??」
山田「アレがこうでコレがこうで、だからおかしかったんや〜」
西園寺「(他人の笑いを解説すんじゃねーよっ!このタコ!!)はいはい、そうですよそうですね。但し、それ三つ前のネタね」
山田「え、そうなんですか?この後に二つも面白いこと言ってたんや…。もう一回言ってくださいよー」
西園寺「(ぶっ殺す!)ごめーん、もう忘れた」
山田「えっ、ウソ??もう忘れたんですか?西園寺さんって、天然ボケ入ってる?みたいな」
女1&2「(爆笑)」
女1「おもしろいっ!山田君って、めっちゃおもろいわ」
女2「なんか癒されるって感じ?」

はぁ〜〜〜っっ???どこがおもろいねん!どこが癒されんねん!
俺は怒りの余り、気ぃ失いそうになった上に呼吸困難になったわ。

女1「山田君ってさぁ、この間ご飯に行った時もあーでこーで…(略)…結局、山田君こそが天然系やねんよ」
女2「そうそう。やっぱり天然にはかなえへんよねぇ。そうだ!西園寺さん、今度山田君も誘って一緒にご飯行きましょうよ」
女1「めっちゃ笑わせてもらえますよぉ」
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こんなことがあっていいのでしょうか?さんざん人に笑いを提供した挙句、その笑いを他人に分析され、聞いてなかったからもう一度言えと言われ、最後はボケ扱い。トドメは
あろうことか、演者をつかまえて「笑わせてもらえるから一緒にご飯を」とまるで客扱い。
これ以上に不幸な出来事がこの世にあるのなら、どうぞ私に教えてください。

“天然系”と呼ばれる殺人鬼。最後に美味しいところを根こそぎ持っていく大悪党。
皆さんの周りに“天然系”がいたら、くれぐれもご用心。
もしもアナタが“天然系”と言われているなら、今すぐ自首を! 以上。


3月某日「さようならではない」 
 長らく俺と仲良くしてくれてた男が、遠くへ転勤することになった。発令された本人もショックだろうが、それを聞かされた俺もショック。何かと薄っぺらなつき合いになりがちなゲイの世界で、彼とは何の秘密も持たない間柄であった。2人は時間の大半をくだらないゲイ話に費やしてきたが、時には仕事のことや家族のこと、そしてゲイとしての今後の人生についても語り合った。そんな彼が大阪を離れて行くのはたまらなく淋しい。
 今月はもうひとり仲良くしてくれてた坊ちゃんが大阪を離れる。つき合いはそれほど長くはないが、ミュージカルを通して親しくなった男。彼に関しては出会った時から3月には
大阪を離れることを聞いていたのだが、いざその時が近づくと何とも言えず淋しい。

 淋しいという感情はやっかいである。その言葉を一旦口に出すと恐ろしいほど深みに
はまってしまう。自分の生活を根こそぎ腐食させる勢いだ。俺は長い間、淋しいという
感情にフタをしてきたように思う。『自分はいつも独りぼっちだ』という気持ちと、『どこに
いても自分は独りじゃない』という気持ちを上手く使い分けて。
 今月ふたりの男が大阪を離れる。どちらともしばらくしたら会う約束をしているにも関わらず、淋しい感情は俺がギュッと閉めたフタを押し上げんばかりの勢いで溢れ出そうとしている。しかし俺は押さえつけてでもそのフタが開かないようにしなければならない。
門出には違いない。ふたりの若者が次なる土地で笑顔で暮らせることを願い、何事も
なかったような顔をして見送ってやろう。

 いくつになっても、春は穏やかに過ぎてはくれない。

先月のsugar days

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