3000年の歴史をもつ古都 西安

かろうじて列車に間に合う。当時の時刻表によるとウルムチを午後10時42分に発車している。とてつもなく大きいウルムチ駅。硬臥車という3段ベッドの寝台車。気むずかしいお婆ちゃんと、孝行息子という二人連れがミカンをくれたり随分親切にしてくれた。3泊4日走り続けて翌々々日の昼過ぎに西安に到着。重いリュックを担いで今日のねぐらを探す。お決まりのパターンも板に付いてきた。ここは数日前に通り過ぎた駅だ。

華清池や大雁塔、始皇帝陵などはよく写真で見るので見飽きているでしょう(笑)

心に残った二つのお寺を訪ねたことを書いてみます。

香積寺

  香積寺を過う    王維

知らず香積寺

数里 雲峰に入る

古木 人径無く

深山 何処の鐘ぞ

香積寺 善導古塔     塔の上からの眺め

終南山の山すそにある名刹、香積寺。王維のこの詩でも知られている。このために西安に来たと入っても過言ではない。さてここへ行きたいが困ったことにバスがない!西安の南20キロにあるので一人タクシーを借り切った。実に贅沢だ。もちろん値切り倒して。ちょうど塔の入り口に管理人らしき人がいたので日本から来たと頼んで登らせてもらった。思った通りの趣のあるいい場所だった。

興教寺

西安の東南20キロ、バスで行ける。ここには西遊記で有名な玄奘三蔵のお墓がある。この偉人の墓参をしておきたいと思った。

玄奘三蔵の舎利塔      玄奘三蔵ここに眠る

本や文献はいいかげんだ。興教寺の裏山に登れば終南山が見えるなどと簡単に書いてある。それを信じて道無き斜面を四つん這いで登った。しかしながら目の前にありそうな稜線にはいっこうに出ない。なんとしても終南山を見てやると意地になって泥まみれ。くそーー、もうだめだ、結局終南山は見ることが出来なかった。

西安番外編 5番バスの恐怖

中国というのは治安が良いときいていたし、実際そうだった。例外はこの西安だけ。大雁塔と駅を結ぶ5番バスは特にひどかった。リュックをナイフで切られて中身をとられると言うのは当たり前、まともにポケットに手をつっこんでくる。事前に情報を得ていた私は被害には遭わなかったが、バスの中であっと言う間に子供達に取り囲まれた。公安局に行くと顔面蒼白の人、泣きじゃくる日本人の女の子など被害にあった日本人が溢れていた。パスポートも財布もとられた人たちはあれからどうしたのだろうか。

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