船酔いでフラフラになりながら上海に着いた。行き先をウルムチに決めた。そして電車に乗り込む。3泊4日4000キロを移動。ひとりぼっちの日本人。ここまでの行程でもさまざまな人との出会いがあった。もう書き出すときりがないので割愛して、国境へと急ぐことにする。
ウルムチはウイグル語で「美しい牧場」という意味だ。テンシャン山脈の麓、シルクロードの要所。見渡しても漢民族などいない。ここは完全にウイグル族の町。
さて私の目的はさらに西方の国境カシュガル。ここから長距離バスで3泊4日かかる。この国の大きさを肌で感じるには地面でいく。自分の足跡を残すのはこの方法しかない。カシュガルの開放は84年。だから私が訪れたときはまだ間もない頃と言うことになる。