ストロベリー・
オンザ・ショートケーキ



第七話

 第七話 嘘とジェラシー
興奮して気がつかぬ間に万理子を殴った唯。
そんな傷ついたお姫様を背負って自分たちの家へ帰るまなと。

その後もどことなくしょんぼりしている唯だったが、
突然「先輩に会いたくなった」と言い、音楽室へ行く。
いつものようにピアノを弾いていた哲也は、健気で明るい唯にはっきり気持ちを言えず、
「一番ではなく二番なら、一番になれるかもしれないから頑張る」の唯の言葉にも
おされ気味で否定出来ずにいた。

そんな頃、先日唯と一緒に書いた手紙が、なんと遥の所に届く。
驚いた遥はまなとに事情を聞くが納得できず、
慣れない化粧をし、家庭教師と一夜を共にしたが・・・。
暫くしてまなとに「平瀬愛」の名前で返事を書いた。
「文通しよう」と書いたのは、まなとの為でもあったのだが、
まなとは浮かない感じであった。

そして唯は、
どうしても哲也の一番になりたくて、万理子の家へ行き、
自分の気持ちを真っ直ぐにぶつけるかのように万理子の顔を見つめる。
唯の真っ直ぐで純粋なハートを知った万理子は、
彼女より自分の愛の方が負けたと自信を失い、
「ついて行かない。実家に帰る」と言い出すが、
とうとう哲也は熱く真っ直ぐに受け答えた。
「オレは変わらない。愛してる。」

まなとにも「気を持たせずはっきりと嫌いだと言ってくれ」と言われた哲也は、
公園で唯に「初めから好きでも嫌いでもない。」と冷たく言い放ち去って行った。
それを影から見ていたまなと、
足は一歩も動けずにいた。




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