ストロベリー・
オンザ・ショートケーキ
第四話
第四話 好きな人は誰ですか? |
遥と同じ学校へ行きたいからなのか、 受験勉強に打ち込もうとするまなとだったが、 好きな人が出来たと涙した唯が気がかりで仕方なかった。 「好きな人」とは、誰なんだろう。 しかしまなとは、 「兄弟」という壁、真っ直ぐにその「好きな人」を見つめる唯、 遥への気遣いから、この微妙な気持ちは隠しとおしていた。 ある日の体育の時間、 心臓の悪い哲也も皆と一緒に走る。「心臓が悪いから無理をするな」という声も聞かず、 トップに立って走る!走る!走る! 途中で心臓を抑えながら倒れてしまう・・・ そして哲也が保健室に居る事を聞いた唯は、 眠っている哲也に「眠ってるからいいでしょ」と言ってこっそりキスをした。 この決定的瞬間を見てしまったのが遥。 この時点から、皆の思いが交差していく。 「好きな人は誰ですか?」 〜遥〜 昔から一緒にいる「まなと」が好きで仕方ない。 しかし彼の心の中に別の人がいる事を感づき始めているのか。 まなとの家で料理を作ったり、まなとにお弁当を作ったりして頑張っているが、 張り裂けそうな気持ちは、抑えきれない。 〜唯〜 哲也が他の人を好きな事は知っているが、 自分の哲也への気持ちは諦めきれない。 そのうち自分の方へ振り向いてくれると信じている。 哲也の恋の相手が先生だと知り、 先生に「先輩のところへ絶対に帰らないで」と約束、 その事も正直に哲也に伝える。 〜哲也〜 寂しさに崩れそうな先生を忘れられない。 自分にとって不利な約束を先生と交わしたという唯の、 正直で真っ直ぐに自分を想ってくれる心にも惹かれ始めているのか。 唯の兄が入江まなとである事、遥がまなとを好きな事も知る。 〜まなと〜 哲也に、彼女は遥なのかと聞かれたが、 違う。片思いしている人は他にいるかもしれないと打ち明ける。 切ない切ない、片思いをしている事に気づいているのか。 ある時、唯と歩いていたまなと、 バイクを倒したと因縁をつけられてしまう。 唯に暴力を振るおうとした連中に、まなとは、 ナイフ・・・ではなく!「ボールペン」を向け、 「これは学問の騎士だ。僕は君達の顔を全て記憶した。 この先、君達にどんな未来があるのか知らない。 就職しようとも結婚してささやかな幸せがあろうが僕には構わない。 君達がいつ何処にいても必ず復讐する。 これ以上唯に何かしようとしたら、承知しないぞ!」と 大切な唯を守ったのだった。 そしてある夜、 遥に「好きな人は誰ですか?」と聞かれたまなとは、 「君に決まってるじゃないか。 じゃなかったら映画行ったりキスしたり出来ないよ」 と、言った・・ 切なく切なく揺れていく恋。 女心、男心、其々の「本心」はどうなのだろうか。 そして、切ない本心はいつか実るのか。 |