向井荒太の動物日記
愛犬ロシナンテの災難



第八話

 第八話 さよならロシナンテ死にゆく運命
何が何でも頑張らねば!最後の難関を乗り越えねば!
この実習が合格の鍵を握っていると気合いを入れる荒太・エミリ・みちるの三人組は、
キツイ動物とは何だろうと思いながらも
「回復室」にいたビーグルス犬達に名前の代わりに数字を首輪に付けてあるのを見るが、
気にせず可愛がっていた。
中でも一番小さな犬を、荒太は「ちび」と名づけて呼ぶ。

臨床実習が始まり、エコーをとったりする実習生達。
彼らの運命を知らない荒太達は、麻酔科であれ「脾臓の摘出」と聞き猛反対し、
採血がきちんと出来たらこの実習は無しと言う浦島を見返そうと採血を試みるが、
毛が覆っていて血管が見えず、全く手も足も出ない状態であった。
荒太達の採血練習でも内出血させ、そして実習は行われた。
一匹の犬を実験の為に苦しませるのは、「未熟」のせいだ。
この犬の回復に全力を尽くせという浦島の言葉に、
荒太は一時間置きにほとんど眠らず看病し、彼にぬくもりを与えた。

動物実験。昔は今よりももっとひどかったらしく、
死に至るまで実験をしていた。今は研究目的だけだというが・・・(本当の所はどうなのだろうか)
そして、脾臓の摘出が終わり、
犬達は皆自分の運命を知ったかのように泣き叫ぶ。
が、犬達は決して噛まない。
人間が好きで、そのぬくもりが好きで、彼らはたった一度の優しさを決して忘れない。
人間がとっくの昔に無くしてしまったものを、
彼らは今でも心の中で持ちつづけているのである。

実験のためだけに繁殖され、利用され、それでも人を信じている犬達。
何の為に生まれてきたのか。
実験というものは、本当に正しいのか。皆命は一つなのに、たった一つなのにという荒太に、
浦島教授は、「逃げずに考えろ、考えつづけろ」と言う。

そんな時、荒太達は彼らを「安楽死」させる事を聞く。
ショックを隠せない荒太は、チビをロシナンテと共に「散歩」に連れていったのだが、
まだ体力が回復していない状態のチビ、心音がおかしい事に気づく。

そしてそのまま「安楽死」は決行された。
決行を自ら買って出た荒太は、その夜、
雨の降る中、「ごめんね」と一言、ロシナンテを外へ置き去りにして姿を消した!

今回は、胸が痛んで痛んでキツかったっス。マジで。


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