向井荒太の動物日記
愛犬ロシナンテの災難



第五話

 第五話 露天風呂温泉合宿!! 野生猿の叫び
2月にしては妙に暖かな陽気の午後、
またまた浦島と東野のゼミ合宿の賭けからドラマは始まった。

今まで一度もクジというクジは当たったことの無い荒太が、
なんと!福引で一週間温泉旅行に当たる。
一番喜んだのは賭けに負けた教授。
当たった福引の温泉旅行をゼミ合宿にしたのだった。
その旅行は定員6名の為、二人の男組みは居残り、何故か春奈は行く事になる。
これがドラマですネー!

到着後、荒太は野生の猿におにぎりを取られる。
それを見たエミリとみちる達は一緒に、猿にエサをあげてしまい、
その事によって、
その後その猿は人間の元へ来ては食べ物を荒らしてしまうようになる。
怒った地元の住民達は、その猿を捕まえ、駆除しようとする。

野生動物で保護動物であっても、
例え洗濯物を汚した程度であっても、
人間に被害を与えた時点で駆除してもいいということになっていて、
年間一万頭もの野生動物が殺されている。
まさに人間のエゴだ。と教授に聞いた荒太達、
野生の猿の面倒をみるには、指の一本や二本なくなる覚悟で、
救出し、面倒を見た。もちろん、押し付けられたのは荒太だったが。

荒太はその子猿に、「すず」という名前をつける。
たぶん、この子猿の母は、人間達に駆除されたのだろう。
愛情を一杯注いで面倒をみる荒太。

しかし地元住民達は子猿を何とかして見つけ出そうとする。
猿を山に返そうと荒太達は山へ行くが、野生へ返すためのリハビリをしなかった為に、
猿は仲間達を引き連れて人間の元へ帰ってきてしまう。

リハビリとは・・・
野生動物にとって、人間は有害である。人間にとっても野生動物は有害である。
という事を教えなければ、また猿は人間を仲間だと思って、里に降りてきてしまう。
だから、猿を山へ返す時、
人間は怖いものだ、里へ降りてきてはいけないという事を教える。

そして、地元住民達は、その子猿を銃で撃ち、殺してしまった。
何故殺されなくてはならないのか。
ちゃんと仲間の所へ帰って行ったのに!
観光客を集める為に猿にエサをあげたのは、人間だ。
山を伐採してエサ場を無くしたのも人間だ。
お腹をすかせて里を降りてきた猿が、
「山の木の実を食べてもいいが農作物は食べてはいけない」という事を理解出来るのか。
猿にも読める看板があるのか。
猿は人間に最も近いから可愛がられ、そして殺され、
だが、何一つ人間と同じ権利を与えてもらえない。
もし動物達が話せたら、何と言うだろう。

肝心なのは、
「野生動物にエサをやらない事!」「野生に返す時は、「野生」を取り戻させる事」
「人間は野生動物の領域を侵さない事!」「自立させる事」
人間は、人間の、住処・居場所へ、帰れ!!

荒太は、リハビリをせずに猿を山へ返した事を、
心の底から悲しんだ。

あ、そうそう。
動物は互いの裸に欲情する事は無い。
互いの裸を見て欲情するのは、人間だけの変わった特性だ。
よく犬に服を着せている飼い主を見るが、
背中をかきたい時、その犬はきっと苦しんでいる。
どうやって背中をかくのだろう。
ロシナンテは、その犬の服を破ってあげていた。優しい〜〜!


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