向井荒太の動物日記
愛犬ロシナンテの災難



第十話(終)

 第十話 車イスの獣医? 愛犬よ永遠に・・・!
事故で脊髄を痛めた荒太は、足が動かなくなってしまい
車椅子の生活をし始めた。

ある日、ロシナンテをバスに乗せようとしたした荒太達だったが、
盲導犬は乗車出来るが、
介助犬はバス会社のテストを受けなければ乗車出来ないという事で、
ロシナンテにテストを受けさせた。

・平静をずっと保つ事が出来るか。
・食べ物の誘惑に対応できるか。(食べてはならない)
・体の一部を触られても対応できるか。

ロシナンテは、足を思いっきり男性に革靴で踏まれてしまう。
もちろん美味しそうなパンを目の前に出されてしまっては、
食べてしまった。

ロシナンンテ : 「訓練、まだやるの?! 何で我慢するの?!」

・・・・・。

車椅子のままで獣医を目指そうとしていた荒太だったが、
獣医は体力が第一であり、全く無理だと気づき始めていた頃、
ある少女と出会う。そのバス亭で佇む少女は、車椅子に乗っていた。
バスに乗って学校へ行きたい少女。

リハビリ次第で歩けるようになると診断結果が出た荒太は、
このままロシナンテに甘えていてはいけないと思い、
少女にロシナンテをプレゼントした。

介助犬として訓練されるロシナンテ。
はっきりいって介助犬は簡単になれるものではない。
かなり厳しい訓練が必要であるが、
乗車テストに合格したロシナンテ、
人間にとっては「おりこうさん」な事をしたのだが・・・。

荒太はロシナンテと最後の散歩をした。
そして、少女のものとなったロシナンテは、
少女と散歩している時に荒太とすれ違う。
荒太は、見向きもせず、笑顔も見せずに、全く他人のふりして通りすがった。

しかし・・・
荒太が獣医になった頃、ある一匹の犬が血だらけで運ばれてきた。
それは、ロシナンテだった。
ロシナンテは襲われても、少女をかばって何一つ抵抗しなかったと言う。
そして・・・
少女には、病気になったロシナンテはもう必要なくなり、
「幸せだった」と荒太に伝えてくれと、ロシナンテを手放した。

そして荒太は「おかえり、ロシナンテ」と言った。

ロシナンテは確か、
線路の近くで、ダンボールの中に捨てられていた。
飼い主の死によって、別れを知った。
荒太が実家に帰った時に、置き去りにされてしまった。
介助犬として訓練され、手放されてしまった。
介助犬として、利用できなくなり、手放されてしまった。

5回の「捨てられた」別れを経験した事になるのだろうか。

「共存の意味を考え続けながら、獣医になりたい」と誓った荒太。
人間の為に犬や自然は存在するわけではないのだが・・。
名獣医の荒太には、ずっとずっと獣医の道を歩んで欲しいと思う。
って、あぁぁ、ドラマ終わっちゃったッスねー!
はぁぁ、胸が一杯で、涙が止まらないッス!!


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