ビッグウイング


第三話

 第三話 (戸田恵子)
今日は大切な日。
なのに遅刻。されど笑顔。
ビッグウイングに特別なお客様、大賀真紀子という評論家が来るという。
彼女は、14:00発札幌行きに搭乗予定、
その前に、ギャラクシーホールで雑誌の取材を受ける、
そしてもう一つの目的は!
このビッグウイングの特集を組むための取材でもあった。

何かが心配な、いや久美子がとても心配な責任者の栗山。
久美子を休ませればよかったと後悔?し始めた。

大賀の顔を知らない久美子は、帽子の女性という手がかりのみを
気にして勤務につくが、色々と勘違いをしてしまう。
気をひきしめて歩いていると・・・
子供と大人がぶつかったらしく、大人の方が大声を張り上げていた。
まず子供を心配する久美子。
怒鳴り声の主を見ると・・スカートにアイスクリームがついてしまっている。
運悪いことに、その女性こそが大賀であった。

とにかく控え室へ案内した大賀に、
着替えの服を何着も何着も用意するが、なかなか気に入ってもらえない。
しかも時間は刻々と過ぎている。
時間を気にする久美子と冴子に、
「私を早く追い出そうとしている!」と激しく怒りをぶつける大賀。
と、突然、大賀は心臓に痛みが走り、苦しみ出す。

突然で慌てながらも診療所に運ぶが・・
診断は、仮病だった。
しかし久美子は、本当に疲れていたのだと、
最初から最後まで熱心にお客様をいたわる。
大賀は打ち明けた。
取材も受けたくないし、札幌の講演も誰一人本心で聞いていない。
行きたくなかったのだと。

一方、
沖縄行きを北海道行きに変更して欲しいと訪れた女性がいた。
ここではチケットが購入できない為お断りした久美子は、
彼女の表情や何かが気になっていた。
廊下の隅でその女性の涙している姿を見つける。
そんな時、
「ある女性を呼び出して欲しい」との依頼をしにきた男性がいた。
その女性を探していたのだった。
女性は、自分一人でも生きて、自立がしたかった為、
マンションを購入したが、頑張って続けた仕事を無くし、
借金だけ残ってしまった。
しかし、そんな時だけ、男性に頼れないと言う。
そして、自殺を考えていたのだった。

走り回り、一つ一つを大切に行動する久美子。
全てがお客様とビッグウイングの為に動き、
心の声を素直に伝える久美子。
そんな時は、男性に素直に頼れば良い。
自分の弱さを認め、
ほんのほんの小さな勇気を大切にした方が良い
ビッグウイングのメンバー達は今日も熱く優しく前向きだった。

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