ビッグウイング


第十話(終)

 第十話 はじめて知った母の愛
敦子を動物園で見失ってしまい、
帰る所も忘れてしまったのではないかと心配する久美子。
ビッグウイングに帰ってこればアテンダントの皆から無視をされ、
挙句に久美子を辞めさせて欲しいと進言されてしまう。
「この件が片付くまで、せめてもう一日待ってやってくれ。頼む」と、
久美子の為に頭を下げる栗山だったが・・・

手がかりの手帳を見たと、警察から敦子を保護したと連絡が入る。
敦子は、行く所が解らず一人立ち尽くしていたのだった。
そして・・
「久美ちゃ〜ん!」の声。敦子は久美子を覚えていた!
すぐに久美子達は、待っている娘・妙子の所へ連れて行くのだが、
「この人は知りません。解りません」と言う敦子。

その頃、胸を押さえて苦しむ男性を見た江頭と玉子・恵達は、
久美子のおせっかいが移ったと言いながらも、
心配し診療所へ連れて行ったのだが、
男性が危険な状態である事を知り、気が気でならない。
そこへ、敦子が小泉先生を手伝い始めなんとか呼吸を戻せた。

母・敦子の働く姿が好きで、
昔を思い出した娘・妙子の気持ちを察した久美子は、
「いつか判らなくなって苦労させるぐらいなら今いなくなった方がいい、
迷惑をかけまいとわざと嘘をついたんではないかと敦子に言い、
だけど娘・妙子は全て覚えている、思い出は心の中に生き続ける。
と敦子を説得した。

人一倍、人を思いやる久美子。
サービスは、本当に賢い人にしか出来ない。

母のように思っていた敦子が帰っていってしまい、
本音は淋しい久美子を思いやる栗山は、
「お前のおせっかいは、人恋しいからだろ」
「一度も母に甘えた事がないからだろ」と、一度だけ久美子を抱きしめてくれた。

2週間後-------
久美子宛に、敦子から郵便が届く。
それは・・・たくさんの美味しそうなリンゴと、手紙、久美子の似顔絵だった。
「人の温かさは、心で感じるもの。
全て忘れてしまっても、久美子の笑顔が蘇ってくると思う。
その笑顔を、いつまでも、忘れないでネ。」

久美子の温かい笑顔は、接した誰もが忘れられない。
笑顔と、思いやりよ、永遠に!



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