※香港国際開催2002※
●さて、ワールドシリーズ最終戦のG1香港Cだが、全くの大荒れのレースとなってしまった。
とにかくペースが遅すぎ。
1200m通過が1分20秒9という超スローペースであった。
これでは、真の力比べはできない。
優勝したプレシジョンを悪く言うつもりはないけど、今季4戦0勝で2着もなかった馬が優勝してしまうとは・・・。
期待されたエイシンプレストンは超スローペースで馬群の中に入れられ、外に出すこともできず、直線では前に壁、トモを滑らすと言うアクシデントもあって5着に敗れた。
残り100mでやっと追い出せたがすでに遅かった。最後は素晴らしい脚を使っていただけに残念だ。
そのプレストンをマークするように進めたグランデラはペースが遅すぎたことで終始馬が外に顔を向けてかかりまくっていた。
直線で追い出したが、エイシンプレストンに寄られて前が開かず、やる気もなくして7着。
G1JCの2着馬サラファンは、最後方から外に振って直線勝負に賭け4着に入った。
先行したダノマストを見るようにレースしていたパオリーニが直線で先頭に立ったのだが、直後にいたM.キネーン鞍上のプレシジョンが死んだふりから再び二の脚を使ってゴール前で抜き返して優勝した。
ダノマストは3着に残った。
香港馬にとってこの日3勝目。
こうして、幕を閉じた香港国際開催だが、消化不良感が漂う。
とにかく、地元香港のチームワークに敗れてしまったという感じがする。
2000mの勝ちタイムは2分7秒10であった。
次回からはペースメーカー的な馬の参加も許して欲しいモノだ。このままではレースのレベルが下がる恐れがある。
とは言え、香港勢の巻き返しには頭が下がる思いである。
これで、今季のワールドシリーズの全日程が終了したが、ワールドチャンピオンはチーム・ゴドルフィンのグランデラに決定。
アーリントンミリオン2着、JC2着でここで4着に入ったサラファンが総合で4位。
エイシンプレストンは総合5位だった。
【関係者コメントなどは漸次更新します】
国際開催後記(2002/12/17 UP)
Hong Kong Cup (Group 1) | ||||||||
2002/12/15 香港シャティン競馬場 芝2000m 3yo以上 馬場:良固 12頭立て | ||||||||
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まんまと優勝をかっさらったM.キネーン鞍上のプレシジョン | ||||||||
着順 | 着差 | 馬名 | 枠番 | 調教師 | 馬齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 |
1 |
2分7秒10 |
Precision (FR) |
(13) |
D Oughton |
4 |
9-0 |
M J Kinane |
65/1 |
2 |
shd |
Paolini (GER) |
(1) |
A Wohler |
5 |
9-0 |
A Suborics |
20/1 |
3 |
1/2 |
Dano-Mast (GB) |
(3) |
F Poulsen |
6 |
9-0 |
G Mosse |
30/1 |
4 |
nk |
Sarafan (USA) |
(6) |
N Drysdale |
5 |
9-0 |
C Nakatani |
62/10 |
5 |
shd |
エイシンプレストン (USA) |
(9) |
S Kitahashi |
5 |
9-0 |
Y Fukunaga |
28/10 |
6 |
1/2 |
Housemaster (IRE) |
(2) |
I W Allan |
6 |
9-0 |
W Mawing |
23/1 |
7 |
3/4 |
Grandera (IRE) |
(8) |
Saeed Bin Suroor |
4 |
9-0 |
L Dettori |
7/10F |
8 |
nk |
Indian Creek (GB) |
(11) |
D R C Elsworth |
4 |
9-0 |
T Quinn |
71/1 |
9 |
nk |
Come See You (IRE) |
(5) |
I W Allan |
4 |
9-0 |
E Saint-Martin |
81/1 |
10 |
1 1/4 |
Dr More (AUS) |
(7) |
J Size |
5 |
9-0 |
S Dye |
23/1 |
11 |
2 1/2 |
Cellini (GB) |
(12) |
P W Chapple-Hyam |
4 |
9-0 |
D Whyte |
31/1 |
12 |
1 3/4 |
Royal Treasure (AUS) |
(10) |
M C Tam |
5 |
9-0 |
C Soumillon |
100/1 |
<プレシジョン> 4yo・セン馬 フランス生まれ 父:アナバー 母:ストップフィドリング(ウエルシュターム) 通算成績:17戦4勝 主な勝ち鞍:G1香港C、G1香港ダービー2着 オーナー:Wu Sai Wing 生産者: Mme H Devin 調教師: D Oughton |
※関係者コメント※
プレシジョン(優勝)
D.オートン師:
『これは私にとって最初の国際レースの勝利です。とても厳粛に受け留めています。
馬は4月のG1クイーンエリザベス2世C以来、成長を遂げてくれました。調教でもより力強くなってきていました。
この勝利は香港競馬界にとっても素晴らしい事であると言えます。』
M.キネーン騎手:
『他馬がいらついた走りをしていたとき、私は外側でスムースにレースを進めることができました。
ゴーサインを出した時も、良く反応してくれました。優勝したことには少し驚きを隠せませんが、この様な結果でシーズンを終えることができて嬉しいです。
ウー・サイウイン:オーナー:
『この様な香港競馬界の偉大なる1日に貢献できたことをとても光栄に思っています。
調教師、スタッフ、騎手にお礼を言いたいと思います。私の馬は今やスターになりました。』
パオリーニ(2着)
A.シュボリクス騎手:
『思っていたとおりの力を発揮できて嬉しいです。言い訳するわけではないですが、この様な僅差で負けてしまったことは残念ではあります。』
A.ヴェラー師:
『とても誇りに感じています。いつも言っていることですが、この馬には運が必要だったのです。
今日は運があったと思います。来年も現役を続行させますし、国際舞台に立たせるつもりです。
ドイツではこの様な速い馬場は望めないですからね。』
ダノマスト(3着)
G.モッセ騎手:
『良いレースをしたと思う。ペースが遅かったので早めに前に行きました。終始戦い通しで良い走りをしてましたが、今日は彼より強い馬が2頭居たと言うことですね。
綺麗な走りをする馬ですし、私は誇りに思ってますよ。』
サラファン(4着)
C.ナカタニ騎手:
『良く走ってくれたと思う。ペースが遅くて、デットーリ騎手の馬と一緒に後ろから行きました。
素晴らしい末脚を発揮してくれたし、このメンバーの中ではベストな馬だったけど、いかんせんペースが遅すぎました。』
エイシンプレストン(5着)
福永騎手:
『ペースが遅すぎて、馬に折り合いを付けるのに苦労しました。馬自体の状態はとても良かっただけに、この結果は少し残念です。』
ハウスマスター(6着)
W.マーウィング騎手:
『レースの折り返し地点で思った通りの位置取りができなかった。
とにかくペースが遅すぎたことが全て。でも、最後は良く伸びていたし頑張ってくれたと思う。』
グランデラ(7着)
L.デットーリ騎手:
『ペースが遅すぎた。それが全てを台無しにしてくれた。彼には普通か速いくらいのペースが必要だった。
直線で前に出ることもできなかった。1番強い馬に乗っていたのに・・・こんな事になってしまってとても恥ずかしいよ。』
※エイシンプレストンの斜行により進路が狭められたことで、福永騎手は香港JCから4日間の騎乗停止処分を受けました。
効力は日本での騎乗にも影響するため、有馬記念の週と年始の週は乗れなくなるかもしれません。
インディアンクリーク(8着)
R.クイン騎手:
『掛かりまくってしまった。ペースは遅いし、荒れたレースになったし。
スタートも出遅れたしね。まあ、いつものことなんだけどこの馬は飛び出しができないんだ。それが奴なのさ。』
カムシーユー(9着)
E.サンマルタン騎手:
『走りは良かったが、ペースが遅すぎた。』
ドクターモアー(10着)
S.ダイ騎手:
『全くあきれたレースだったよ。前の馬と離れすぎてたし、直線では僕の前でアクシデントが連発していたしね。』
チェリーニ(11着)
D.ホワイト騎手:
『遅すぎた!』
ロイヤルトレジャー(12着)
C.スミヨン騎手:
『直線入り口では勝てるかもしれないと思ったけど、直線が長すぎました。この馬にはレースが厳しすぎました。』
2002/12/17 UP