※香港大逆襲※

●今年の香港国際開催は地元勢の大活躍によって大いに盛り上がりました。
香港ジョッキークラブもこの大成功に両手をあげて大喜びのようです。
以下は、香港JCのHPに掲載された開催成功の後記であります。

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12月15日は香港157年の歴史に置いて最も偉大なる日となりました。
4つ行われた国際G1レースのうち3つを地元香港の馬が勝ったからです。
その勝利のうち2つは全くの人気薄での優勝でした。
G1香港Cは単勝67倍のプレシジョンが勝ち、G1香港マイルは単勝49倍のオリンピックエキスプレスが勝ちました。
このレースでは2着に同じ香港馬のエレクトロニックユニコーンが入りました。
G1香港スプリントも香港馬の1-2で決まりましたが、優勝した1番人気のオールスリルストゥーでした。
2着にファイヤーボルトが入り、3着にはこのレース3連覇を狙っていたオーストラリア馬のファルヴェロンが入りました。
また、外国馬も活躍し、G1香港ヴァースではフランス馬のアンジェガブリエルが優勝。
2着にもフランス馬のアクアレリストが入りました。
勝ち馬アンジェガブリエルは来年度も現役を続け、G1ドゥバイシーマクラシック、G1キングジョージを狙うそうです。

G1香港Cの優勝馬プレシジョンには非常に驚かされたが、スローペースと鞍上のM.キネーン騎手のなせる技だろう。
この4yoのアナバーの息子を管理するのはD.オートン師。ドイツ馬のパオリーニに短頭差という辛勝だった。
圧倒的な1番人気だったグランデラはスローペースに苦しみ、直線でも前が開かず馬群に沈んだ。
しかし、同馬はレース後本年度のワールドシリーズチャンピオンの表彰を受けた。
『私は他の馬達がいらだっていた時、外側でスムースにレースを進めることができました。ゴーサインを出したときも素早く反応してくれたしね。
(勝てるとは思ってなかったので)少しばかり驚きを感じているが、シーズンの終わりをこの様な結果で終えることができて嬉しいです。』

と勝利騎手のM.キネーン騎手はコメントしています。
管理するD.オートン師は次のようにコメント
これが私にとって最初の国際レースでの勝利となりました。とても厳粛に受け留めています。』
同馬は今年3月17日に行われた香港ダービーでオリンピックエキスプレスの2着に入っていました。
そして、このオリンピックエキスプレスは今日、プレシジョンが優勝する40分前にG1香港マイルに優勝していたのです。
オリンピックエキスプレスを管理するのはI.アラン師、鞍上はW.マーウィング騎手。
ゴール前200mでリードを奪い、追い込んできたエレクトロニックユニコーンを抑えきっての優勝でした。
エレクトロニックユニコーンはこのレース2度目の2着。
我が香港馬達は昨年の日本馬の大活躍に触発され彼らに負けまいとした結果がこうなったのでしょう。
G1香港スプリントでは上位4頭のうち3頭が香港馬でした。
勝ち馬オールスリルストゥーはD.ヘイズ師に初の国際レース勝利をプレゼントしたことになりました。
『素晴らしい1日だった!(What a day)今日は香港競馬にとって最高の日となったのではないでしょうか。
これ以上の成績が望めるでしょうか!我々香港の馬達の質の向上を十二分に証明できたことと思います。
火曜日(11日)には地元のD.ホワイト騎手がインターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップに優勝しましたし、これが呼び水となって皆が頑張った結果だと思います。』

と香港JC会長のL.ウォンしはコメントしました。
香港JCシニアハンディキャッパーのC.ケナリー氏は次のようにコメント。
『特にヴァースは今までにないハイレベルなレースとなりました。優勝馬のアンジェガブリエルはBC馬のハイチャパラルの次にレイティングされるでしょう。
そして来月発表されるインターナショナルクラシフィケーションではかつて無いほどの数の香港馬がレイティングされるはずです。
これは誠に素晴らしいことです。オールスリルストゥーのパフォーマンスは芝1000mの古馬部門においてどんな馬にもひけを取るものではありません。』


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いささか、勝手に盛り上がりすぎている感もあるが、4戦中3勝もしていれば口の滑りも軽くなるのは仕方ない。
確かに今回の香港勢は強かった。
中でも、スプリントのオールスリルストゥーとマイルのオリンピックエキスプレスには文句の付けようはない。
しかし、肝心の香港CはとてもG1レースとは言えないようなレースだったし、ヴァースにしてもスローペース過ぎて馬本来の力は謀りかねるモノだった。
まあ、優勝したのがG1サンクルー大賞に勝っていたアンジェガブリエルだったから一応の格好が付いたということかな。
そしてだ、会長も言っているように真に香港の馬が世界レベルとなったかどうかを確かめるためには、海外のレースで結果を出さねばならまい。
手近なところではまず日本の国際レースをターゲットにすべきであろう。
その時には我が日本が4勝1敗で勝ち越したいものである。

今回の国際開催の入場者数は8%アップの62,030人。総売上は10億7,830万香港ドル(約170億円)だった。
今や、JRAよりも面白レースを開催するまでになった香港JC。
今回のレース日にはHPの回線がパンクするほどアクセス数があり、JRAのHPとは大違いであった。
毎年毎年、変わり映えのないレースをのんべんだらりと開催していたら、馬券命の人達は関係ないだろうけど、競馬への歓心は薄れていく一方だと思う。
JCを中心とした国際開催を整理してもっと興味を引き立てるものにして貰いたいものである。
有馬記念の年末開催がどうのこうのなんて、JRAの身内だけの問題であってどうでもよろしい。
2週間くらい競馬ができなくっても死にゃしないんだから。

2002/12/17  UP