●10月6日にフランスのロンシャン競馬場で行われる第81回凱旋門賞の出走馬がだいたいわかりました。
注目されるのは英・愛ダービーを制覇したハイチャパラル(3yo・牡)と仏ダービー馬スラマニ(牡・3yo)の対決。
G1キングジョージSに優勝したゴーラン(牡・4yo)はここを回避してオーストラリアのG1コックスプレートに進む。
管理するM.スタウト師らしい選択だと思う。10月のロンシャンは雨が多くて馬場が悪化するし、元々2400mは少し長い馬なので2040mのコックスプレートへの参戦はうなずける。
また昨年の優勝馬サキー(5yo・牡)もここを回避する模様だ。
まあ今年は精彩を欠いているし、G1英チャンピオンSに行くことを私は止めないよ(笑)。
ネイエフ(4yo・牡)も同レースに進む予定。どうも馬場悪化を敬遠する傾向が強いみたい。
そして、絶好調のグランデラ(4yo・牡)も2400mでは長すぎるのでG1コックスプレートに進む予定らしい。
まあしかし、これだけの有力馬が抜けてしまっては、欧州ナンバー1決定戦の名が廃るのではないかな!?
と危惧しながら今年の参戦馬をみていこう。

トライアル戦・・・G1ヴェルメイユ賞・G2ニエル賞・G2フォア賞の結果はこちら

<スラマニ> 牡・3yo 父:エルナンド 母父:アレジド P.バリー厩舎
今季デビューで通算成績は5戦4勝。仏ダービー馬。前走のトライアル戦ニエル賞を怪勝(笑)。
たった3頭立ての2400mのレースを3分12秒8というすばらしーーいタイムで勝った。
観客からのブーイングに耐えながらも走る姿はしぶとさを感じる。
仏ダービーの勝ちタイムが史上3番目なのでおそらく堅い馬場の方が得意なのだろう。
馬場が悪化すれば惨敗する可能性がある。尚、英国のオッズでは1番人気になっている。

<ハイチャパラル> 牡・3yo 父サドラーズウェルズ 母父:ダルシャーン A.オブライエン厩舎
通算成績7戦6勝。今季4戦4勝で英・愛ダービーを制した。重馬場得意の重戦車タイプ。
G1愛ダービー以来の鉄砲となる。
英・愛ダービー馬の凱旋門賞制覇と言えば2000年のシンダールがいるが、彼とは対極に位置する馬だ。
馬場が悪化すれば勝算大ありであるが、4ヶ月ぶりのレースというのが気に掛かる。

<マリエンバード> 牡・5yo 父:カーリアン 母父:ダルシャーン S。ビン・スルール厩舎
通算成績16戦7勝。今季5戦3勝で、只今G1レース2連勝中。
G1ドイツ賞、G1バーデン大賞を連勝し、ドイツを制圧。勢いに乗ってフランスも制圧できるかどうか。
チーム・ゴドルフィンが大将格のグランデラ、ネイエフ、サキーらを回避させたため、同馬がゴドルフィンの期待を背負って出走する。
たぶん、力不足だろうな・・・。

<アクアレリスト> 牝・4yo 父:デインヒル 母父:マニラ E.ルルーシュ厩舎
通算成績9戦6勝。今季4戦2勝。昨年度の最優秀3yo牝馬。凱旋門賞はサキーの2着だった。
前走のG2フォア賞は貫禄で快勝し、ここに臨む。
馬場が無茶苦茶悪化しなければ好走を期待できる。エアグルーヴ級である。

<イズリングトン> 牝・3yo 父:サドラーズウェルズ 母父:ダルシャーン M.スタウト厩舎
通算成績:7戦4勝。今季5戦4勝。前走はG1ヨークシャーオークスに優勝し、英国ナンバーワン牝馬となった。
陣営としては、ゴーランの代役を務めさせたいところだが、同日に行われるG1オペラ賞に回る可能性もある。
血統構成がハイチャパラルとよく似ているので、馬場が悪化した方が有利であろうと思うが、前走の芝12Fの勝ちタイムが2分26秒74なので時計勝負にも強いのかな!?
尚、全兄にグリークダンスがいる。

<エイジアンハイツ> 牡・4yo 父:エルナンド 母父:シャーリーハイツ G.ラッグ厩舎
通算成績5戦4勝。今季2戦2勝。オープン平場のレースを勝ち上がり、やっとこさG3セプテンバーSに優勝した。
いわゆる上がり馬である。英国が送る秘密兵器ですな。好走できればよいね〜。

<ファルブラヴ> 牡・4yo 父:フェアリーキング 母父:スルーピー L.ダウリア厩舎
通算成績14戦7勝。今季4戦3勝。イタリアが誇るカッ飛び小僧!
とにかくスピードがある馬で、G1共和国大統領賞では芝2000mを1分57秒8で走破した。
前走のG2フォア賞はアクアレリストの3着に甘んじたが、馬場が奇跡的にパンパンの良馬場になれば優勝の可能性はある。
というか・・・JCに来いっちゅーねん!(水爆)

<マンハッタンカフェ> 牡・4yo 父:サンデーサイレンス 母父:ローソサエティー 小島厩舎
通算成績:11戦6勝。今季2戦1勝で春の天皇賞に優勝している。
スローからの上がり勝負に滅法強く、時計が掛かる馬場の方が得意。
今回、期待していたのだがトライアル戦のフォア賞を回避したことは不利である。
凱旋門賞は鉄砲で勝てるほど甘いレースでないし、同馬も鉄砲での成績は良くない。
しかし、鞍上が凱旋門賞を経験しているエビショーなので少しだけ希望もある。
亡き父サンデーサイレンスの名を知らしめて欲しいものである。

2002/9/30 UP  

●10月3日にG1凱旋門賞の正式な出走馬が決まりました。
出走するのは16頭。上記の馬以外の紹介を簡単にしたいと思います。
尚、馬場悪化による回避はあると思います。

No.

戦績

馬名

調教師

馬齢 斤量

騎手

1

117131

Fair Mix

M Rolland

4

9-5

S Pasquier

2

114424

Califet

G Cherel

4

9-5

T Jarnet

3

F-3176

Boreal

P Schiergen

4

9-5

A Suborics

4

-41411

Marienbard

Saeed Bin Suroor

5

9-5

L Dettori

5

9-5152

Anabaa Blue

C Lerner

4

9-5

C Soumillon

6

769732

Foundation Spirit

F Doumen

4

9-5

G Mosse

7

-43424

Sensible

P Bary

4

9-5

8

411-61

マンハッタンカフェ

F Kojima

4

9-5

エビショー

9

/21-11

Asian Heights

G Wragg

4

9-5

D Holland

10

1-1113

Falbrav

L D´Auria

4

9-5

O Peslier

11

2-1341

Aquarelliste

E Lellouche

4

9-2

D Boeuf

12

3-1255

Black Sam Bellamy

A P O´Brien

3

8-11

13

1-1111

High Chaparral

A P O´Brien

3

8-11

M J Kinane

14

71111

Sulamani

P Bary

3

8-11

T Thulliez

15

414322

Ana Marie

P Demercastel

3

8-8

D Bonilla

16

-11811

Islington

Sir Michael Stoute

3

8-8

K Fallon


<フェアーミックス> 牡・4yo 鹿毛 父:リナミックス 母:フェアリーワイルド(ワイルドアゲン)
前走のG3メゾンラフェット杯(2000m)では老雄ジムアンドトニックに快勝している。
リナミックス産駒ではサガミックスが凱旋門賞に優勝しており、ダークホース的存在。

<キャリフェット> 牡・4yo 鹿毛 父:フリーダムクライ 母:サリーズルーム(ケンドール)
前走のG1バーデン大賞ではマリエンバードの4着。

<ボレアル> 牡・4yo 鹿毛 父:ジャヴァゴールド 母:ブリタニア(タリム)
G1レースの常連であるボレアルがやはりここに駒を進めてきた。
3走前のG1コロネーションC(12F)に優勝し、G1キングジョージに進むも惨敗。
前走のG1バーデン大賞も力を発揮できず6着に敗れた。今回は奇跡の一発勝負に賭ける。

<アナバーブルー> 牡・4yo 鹿毛 父:アナバー 母:アレルトロワ(リヴァーマン)
昨年のG1仏ダービー馬なのだが、天敵アクアレリストには歯が立たない。
前走のG2フォア賞も彼女の1馬身差の2着に終わった。まるでタヤスツヨシ状態(笑)。
昨年の凱旋門賞はサキーの9着。

<ファウンデーションスピリット> 牡・4yo 鹿毛 父:エルナンド 母:ファニーズコーヴ(ミルリーフ)
仏のハンデクラスの馬。G2レースで7〜9着程度の力なのだが、鞍上は一流所が任されている。
今回はG.モッセ騎手が手綱を取る。

<センシブル> 牡・4yo 鹿毛 父:サドラーズウェルズ 母:レイズナブル(コモングラウンズ)
P.バリー師がおそらくスラマニのペースメーカーとして出走させる同馬だが、春のG1ガネー賞ではアクアレリストの3着に入っている。

<ブラックサムベラミー> 牡・3yo 父:サドラーズウェルズ 母:アーバンシー(ミスワキ)
天才ガリレオの全弟。未勝利戦を勝つも格上のレースでは通用せず。
G1仏ダービーに挑戦したがスラマニの5着に終わった。
今回は僚馬ハイチャパラルのペースメーカーで出走なのかも。

<アナマリー> 牝・3yo 鹿毛 父:アナバー 母:マリードケン(ケンドール)
前走のG1ヴェルメイユ賞は3ヶ月の休養明けながら2着に好走。
凱旋門賞同日に行われるG1オペラ賞に出走するかもしれない。

2002/10/4  UP