君はツインターボか!?
 
5月5日にケンタッキー州、チャーチルダウンズ競馬場で行われた第138回G1ケンタッキーダービー(ダート10F・19頭立て)。
ダービー史上最高の16万人以上の観客が見守る中バラの戴冠を戴いたのはアイルハヴアナザー(I'll have another)3yo・牡。
 この馬、 2010年、キーンランドセプテンバー1yoセールにて1万1千ドルで買われ、その後、2011年のオカラブリーダーズセール2yo馬トレーニングセールにて3万5千ドルにて現オーナーに買われたという”安馬”。
父のフラワーアリーは人気のフォーティナイナー系ディストーテッドユーモアーの仔ではあるが、さしたる活躍馬も出して居らず高馬となる要素は無い。
母アーチズギャルエディスは父系にロベルト、ダンチヒ。母系にはプレザントコロニー、ニジンスキー、シーバードが入り底力をアップさせている。などどダビスタファンには興味深い血統かもしれないが、これと言った特質があるというものではない。
ただ、父のフラワーアリーはミスタープロスペクターの3x3のクロスを持っており”万が一”の希望が託せないわけでもない。
まあ、ミスプロの濃いクロスじゃ10Fの距離は怪しいし、底力の面でもすっごく怪しいと言うのが私の予想ではあった。

 しかし、オーナーはそう感じては居なかった様だ。
当馬のデビューは2011年8月8日に行われたG2 ベストパル(Best Pal)ステークス。
デビュー戦で未勝利戦を使わずいきなりG2 を使うのは日本ではあり得ないが、調教段階で非凡な能力を感じ取って居た事と、もし好走したら次戦にG1を使うと確定していたからかもしれない。距離はダート6.5F。6頭立て。
B.バファート厩舎から2頭出し。1番人気はM.ハリントン厩舎のクリエイティヴコーズが1.8倍。
2番人気はB. バファートの1頭ブリガンドで4.5倍。
ここが緒戦のアイルハヴアナザーは7.8倍の4番人気。
結果は、1番人気のクリエイティヴコーズが1分15秒62で優勝し、1馬身3/4差でアイルハヴアナザーが2着に好走してしまった。
 その結果、1ヶ月後の9月5日、G1 スリーチムニーズホープフルS(7F)に挑戦。
しかし、ぬかるんだ馬場が合わなかったのか優勝した1番人気の(単勝2.9倍)カレンシースワップから20馬身近く離された6着に惨敗する。
ここで優勝或いは好走していたら次走はG1BCジュヴェナイルだったかもしれない。
ここで、陣営はこの馬に足りないところを冬の間に補うとして、2011年はこの2戦に留め2012年を迎えた。
 今年の緒戦に選んだのは2月4日サンタアニタ競馬場で行われたG2ロバート・BルイスS(1マイル1/2F・7頭立て)。
レース名から想像できるが、ロバート・BってB・バファート調教師の名を冠したモノなんだろうか!?
B.バファート師は当初2頭出しの予定だったが、人気となる1頭リアイソンは直前にレース回避。
アイルハヴアナザーは前走の惨敗のせいで最低人気の44倍であったが、2着馬エンパイヤーウェイに2馬身3/4差を付けて完勝してしまった。
勝ちタイムは1分40秒84。速い馬場が合ったのか、乗り換わったM.グティエレス騎手の腕のせいなのか判らないが。
因みにB.バファート師のもう1頭スカイキングダムは5着だった。
 G2快勝後、ケンタッキーDへの試金石とすべくG1サンタアニタダービー(1マイル1F・9頭立て)に出走する。
4月7日、馬場はFast。
ここにはデビュー戦で負けたクリエイティヴコーズや前走回避したリアイソン(7.4倍3番人気)も出走してきた。
特にジモティのB.バファート師は3頭出しで勝負を賭ける。
特に、ここまで7戦してきて4勝(うちG2に2勝、G1ノーフォークSに優勝)、G1BCジュヴェナイル3着の実績があるクリエイティヴコーズは1.9倍のド1番人気。
ところがどっこい2番人気のアイルハヴアナザー(5.1倍)がなんと1分47秒88で優勝。2着のクリエイティヴコーズとの着差はハナ差だった。
 こうして、有力馬の1頭としてケンタッキーDに出走したアイルハヴアナザーではあったが、たった3戦しかしていないボードマイスターが1番人気(5.2倍)に支持された。
前走のG1アーカンソーダービーの勝ちっぷり(9馬身半差で逃げ切った)と父エンパイヤーメーカー、母父ストームキャットという良血が買われた事と、この馬は2yo時に出走して居らず、そう言う馬がダービーに勝つのは1882年のアポロ以来となる事が要因だろう。
(日本のホースプレーヤーはこういうジンクスがあれば、消す理由にするが、アメリカ人は夢を買う)
 レースは予想通りスタートから飛び出したボードマイスターが逃げる流れ。
最初のコーナーに到達した時には馬群はかなり縦長になっていた。
手綱を取るM.スミス騎手は最初の2Fを22秒32、4F通過が45秒39、6Fを1分9秒80というかなり速い流れでリードして、(前走G1アーカンソーDの時の4F通過約46秒5、6Fを約1分11秒というLapに比べこれは速すぎる。サイレンススズカ並の逃げだと言っても過言ではない)この6F通過時タイムは史上4番目タイの走破時計。
お陰で、競り掛けていたライバル馬達は全て潰れてしまった。これぞ、アメリカン競馬。
1マイル通過時には後続と3馬身の差があり、通貨タイム1分35秒19は已然とハイペースだった。
ダービー史上、このタイムより速かったのはスペンドアバック(1985)、カウアイキング(1966)、アンブライドルソング(1996)、コンガリー(2001)しかいない。
このペースで最後まで逃げ切れたらこれは本物のスズカ!
しかし、ホームストレートに先頭で入ってきたが、見た目にもバテてるのが明か。そりゃ、バテるだろう。
上がりの2Fが27秒近くも要してしまっては差されてしまったのも仕方がない。
しかし、きっちりと2着に粘って見せ非凡な能力を示した。この点がアメリカのマスコミでは大きく評価されている。
おそらく、種牡馬としての価値は大幅に上がったと思う。
最後に差し切ったアイルハヴアナザーの勝ちタイムは2分1秒83。
馬名の由来は、オーナーの普段の受け答え(奥さんがクッキーを出した時の)『もう1個くれ』からだそうです。
尚、
2着馬ボードマイスターはキーンランドセプテンバー1yo馬セールにて26万ドル。
3着馬デュラハンはキーンランドセプテンバー1yo馬セールにて25万ドル。
と言う高馬であった。
 
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