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2008-04-01公開,2009-04-06最終更新

【終了】 2008年度「刑事訴訟法 I・II」<法曹コース>(講義,3年以上,2+2単位)前期集中・月曜4限+5限

  1. シラバス
  2. 小テスト
  3. 期末テスト

シラバス (授業計画)

<参照> Oh-o!Meiji System

授業の概要・目的

 憲法31条は,「何人も,法律の定める手続によらなければ,その生命若しくは自由を奪はれ,又はその他の刑罰を科せられない」と規定しています。これを受けて,刑事訴訟法1条は,「この法律は,刑事事件につき,公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ,事案の真相を明らかにし,刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする」と規定しています。本授業では,この理念が刑事手続の各場面(捜査,公訴提起,公判等)でどのように実現されているのか,あるいはどのように実現されるべきなのか,を講義します。刑事手続を実際のシステムとして理解するためには,判例・実務の運用を把握することが必須です。したがって,それらにとくに留意して講義を進めます。また,重要な争点については,判例・学説やその対立の説明にとどまらず,そうした対立がどうして生じてくるのか,それぞれどのような考え方に基づくのか,といったところまで踏み込んで解説します。その際,解釈論の限界を踏まえたうえで,立法政策論にも触れます。なお,日常の社会現象を法的に分析する力を身につけてもらうため,適宜,報道で取り上げられた事件等を題材にして,刑事訴訟法に関する問題点について説明を行う予定です。
 受講生の皆さんが本授業を通して到達すべき目標は,(1)刑事訴訟法の基本理念と刑事手続の全体像を把握し,(2)刑事手続の各段階に関する法規定とそれらをめぐる判例・実務および学説についての基礎的知識を身につけ,(3)刑事手続をめぐる基本的な争点および課題を法的に考察できるようになることです。法学既習者試験や法学検定2級を念頭におきつつも,より学問的な問題提起もしますので,ともに考えていきましょう。

授業内容

前期集中(I・II)
(1)刑事訴訟法学の基礎
 刑事手続の流れ,刑事訴訟法の意義・目的,刑事手続の関与者 等
(2)起訴前手続
 捜査の端緒(職務質問,所持品検査等),強制処分と任意処分,逮捕と勾留,証拠の収集・保全(捜索・差押,検証等),被疑者等の取調べ,被疑者等の防御(黙秘権,接見交通権等) 等
 <前半部分小テスト>
(3)公訴提起から公判手続
 公訴提起の諸原則(国家訴追主義,起訴独占主義,起訴便宜主義,起訴状一本主義等),審判対象論(訴因と公訴事実),訴因の特定,訴因の変更,訴訟条件,公判の諸原則,公判の準備(公判前整理手続,証拠開示等),公判期日の手続,簡易な手続 等
(4)証拠法
 証拠法総説(証拠裁判主義,自由心証主義,証拠能力と証明力等),違法収集証拠排除法則,自白法則,伝聞法則 等
(5)裁判と救済手続
 裁判,上訴,再審 等
 <後半部分小テスト>

履修の注意点

 本授業は,法曹コース所属学生を対象に前期集中で開講されます。
 本科目を履修するにあたって,「憲法(人権)」,「刑法(総論)」および「刑法(各論)」を単位修得済であることが強く望まれます。また,本科目の合計4単位を修得するためには,授業にすべて出席する(60時間相当)ほか,標準120時間の学修(予習・復習等)が必要になることを肝に銘じておいて下さい。

教科書

 福井厚『刑事訴訟法講義(第3版)』(法律文化社,2007年)
※ 冊子体シラバスで教科書に指定した上記の書籍は改版予定で品切れのため,下記の書籍を教科書とします。
※ 上記の書籍を購入した人はそれをそのまま利用して構いません。
 福井厚『刑事訴訟法(有斐閣双書プリマ・シリーズ)』(有斐閣,第5版・2006年)
 ISBN 978-4-641-05843-9,4-641-05843-1
 上記の教科書に代えて第1回講義で紹介する文献を利用しても構いません。

参考書

 井上正仁編『刑事訴訟法判例百選(第8版)』(有斐閣,2005年)

成績評価方法

 小テスト2回(各約20%)と期末試験(約60%)とを総合して判定します。

追加の連絡事項など

小テスト

小テスト(第1回)

【日時】2008年6月2日(月)4時限目授業時間内(60分程度)
【場所】1001教室(授業で利用している教室)
【範囲】教科書170頁まで。ただし,教科書内の情報に限定されない。
【形式】択一,語句説明,論述(簡潔なもの)など
【難易度】法学検定3級〜法学検定2級・既修者試験のレベル
【持込】すべて許可(通信機器を除く)

小テスト(第2回)

【日時】2008年7月14日(月)4時限目授業時間内(60分程度)
【場所】1001教室(授業で利用している教室)
【範囲】教科書171〜333頁。ただし,教科書内の情報に限定されない。
【形式】択一,語句説明,論述(簡潔なもの)など
【難易度】法学検定3級〜法学検定2級・既修者試験のレベル
【持込】すべて許可(通信機器を除く)
【返却】7月24日(木)11:40〜12:00,7月25日(金)15:40〜15:50
   リバティタワー1階図書館入口前

期末テストの返却

【返却】下記の日時に明治大学中央図書館の入口前にて答案返却を行います。
 12月9日,11日,12日,15日の 12:40〜12:50


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