BOOKレビュー 2009


2009.11.25「はるさきのへび」椎名 誠(著)
以前読んだ「岳物語」「続 岳物語」は大変面白く、女房と二人で喜んで読んだ。 岳にお姉ちゃんがいる事を知ったのはそのずいぶん後で、 そう聞いた時にはご他聞にもれず目が飛び出るほど驚いたものであった。 そのお姉ちゃんが、本書のもっぱらの…

2009.11.09「バ・イ・ク」柳家 小三治(著)
古本屋でタイトルに惹かれて手に取った一冊。 口述筆記で書かれたらしいエッセイは充分に整理されているし、 口語の文体も噺家という意識があるから受け入れやすい。 内容としてはバイク好きのおとっつぁんのよもやま話、といったところで、 なかなか楽しい…

2009.11.08「蟹工船・党生活者」小林 多喜二(著)
この本がブームになったのは、調べてみると 2008 年つまり去年の事らしい。 折りから注目されだした「ワーキングプア」という概念にマッチする小説として再度脚光を浴び、 2008 年の流行語大賞のノミネートの中にも名を連ねている。 僕が巡回するインターネット…

2009.11.05
「あやしい探検隊 海で笑う」椎名 誠(著)「インドでわしも考えた」椎名 誠(著)
「地球どこでも不思議旅」椎名 誠(著)「日本細末端真実紀行」椎名 誠(著)

椎名 誠のエッセイはちょっと鼻に付く所があり、 僕はあまり好きではない。 週刊誌への連載ゆえの時事性の強さなどもあり 特に単行本化されて時間が経った物などは…

2009.10.01「どくとるマンボウ航海記」北 杜夫(著)
僕がこの本を最初に読んだのは小学生の頃だから、もう2〜30年前の事である。 ちょっとふざけたタイトルが気を惹いて、親父の本棚から手に取ったのだろう。 読みやすい文体の旅行記は子供には理解しづらい部分もあったけれど、 旅というものに対する…

2009.08.30「あやしい探検隊アフリカ乱入」椎名 誠(著)
ずいぶん前に読了していたのに、なぜかレビューを書く腰が上がらなくてここまで来てしまった。 と言ってもこの本がつまらなかったという事ではない。 むしろ、いやはや隊編(?)の中ではかなり面白かったと言ってもいい。 なぜ面白かったのかを考えると…

2009.06.23「セイシュンの食卓1 勇気編」たけだみりこ と 東京ブリタニアン(著)
以前のレビューで「セイシュンの食卓」を引き合いに出した事があるのだが、 その事がきっかけでもう一度読んでみたくなり、古本屋で見つけて購入した一冊。 「セイシュンの食卓」自体は全 4 巻構成となるが、これはそのうちの第 1 巻目である。 昔の…

2009.06.03「恐るべきさぬきうどん 麺地創造の巻」麺通団(著)
僕は讃岐うどんがちょっと好きである。 「ちょっと」というのはマニアの人に気を使って「ちょっと」と言っているだけで、 自分では「結構好きなほう」だと思っているのだが、 僕程度が「結構」というのがはばかられるような奥深さ(?)が讃岐うどんにはある。 その…

2009.05.05「魚でごちそう」本山 賢司(著)
この本はもう絶版なのだが、 ネット上でちょっと見かけたコンセプトに惹かれてネットストアの古本で購入した。 出かけた現地で魚介類を購入・その近所で調理して食べる、というテーマで 一回につき見開きの魚のイラストレーションと見開きの顛末記の…

2009.04.21「素人庖丁記」「素人庖丁記・ごはんの力」嵐山 光三郎(著)
「文人悪食」にいたく感動し、 氏の著作を読んでみたくなり購入した二冊。 「ごはんの力」を先に買ったのだが、 読み終わらないうちに古本屋で「素人庖丁記」を発見、 ならば、と初代の方から読んでいってみた…

2009.04.15「美味放浪記」壇 一雄(著)
嵐山光三郎氏の著作を読んで檀氏を気に留めていたところ、 古本屋のワゴンセールで背表紙が目に飛び込んできて購入。 氏の代表作「リツコ その愛」「火宅の人」は未読なので順序が逆であるが。 「檀流クッキング」というレシピ本(?)も書いた氏が…

2009.04.06「あやしい探検隊 バリ島横恋慕」椎名 誠(著)
あやしい探検隊シリーズという事で、中も見ずに買った一冊。 シリーズに惚れ抜いている、というわけでもないのだけれど 暇つぶしとしては僕的に安全パイであるし、 古本屋の格安コーナーでの買い物であるから 楽しめる一節があったらラッキー、程度の気楽な…

2009.03.27「文人悪食」嵐山 光三郎(著)
お金を使わないで恐縮ではあるが、 またまたこれも図書館から借りてきて読んだ本である。 きっかけはまたも、とある本の巻末の刊行物紹介頁。 僕は嵐山光三郎氏についてほとんど知らず、 テレビタレント業を主体とする文化人か、ぐらいに思っていた…

2009.02.04「面白南極料理人」西村 淳(著)
とある本の巻末の、 「弊社刊行物紹介」みたいな欄で興味を持ったので 図書館から借りてきて読んでみた。 南極での調理が話のメインなのかと思ったが 意外にもそうではなかった。 調理に関するエピソードもあるにはあったがどちらかというと…

2009.01.28「不味い!」小泉 武夫(著)
最初は、結構読めると思った。 大胆で力強い文章には説得力があり、 「あぁ、そりゃ不味いだろうね」 「あぁ、そういう不味いものってあるよね」、と。 しかし途中から、ある事に気付いて楽しめなくなってきた。 実は氏は、その異名に反して…

2009.01.27「図解 さかな料理指南」本山 賢司(著)
少し前にレビューを書いた「図解 焚火料理大全」と一緒に購入したもの。 「さかな料理〜」はレシピページの文章に脱線が少ないので変化に乏しいかと思ったが、 数ページに渡る文章はむしろ「焚火〜」よりもこちらの方が多いので、 なかなかに満足できる…

2009.01.25「トコロテンの夏」沢野 ひとし(著)
沢野氏は椎名 誠氏の著作の挿し絵で結構前から知っていたけれど、 氏の文章を読んだのは昨年末に読んだ「少年少女絵物語」が初めてだった (いやもしかしたら誰かの本の解説とかで読んだかもしれないが)。 その「少年少女…」はややノスタルジー的な…

2009.01.21「図解 焚火料理大全」本山 賢司(著)
図書館で借りた「旅のむし・腹のむし―アウトドアフィールドノート」のイラストが とても温かみのある素敵な水彩イラストレーションだったので、 著者を調べて購入した一冊。 なんだか懐かしいような気がするのは、 子供の頃に親しんだ野外入門書や動植物図鑑などの…

2009.01.20「あやしい探検隊不思議島へ行く」椎名 誠(著)
「わしらは」「北へ」と読み、 一つ飛ばして「焚火酔虎伝」と読んだ後に後戻りしてきて読んだ一冊。 探検隊シリーズは、僕の目指す旅行とスタイルのかぶる所もあり なかなか面白く読んでいる。 「ヘボい」「ユルい」「むさ苦しい」のが妙に魅力的なのだが…

2009.01.18「見よ 月が後を追う」丸山 健二(著)
ネット上の書評を読んで気になり、図書館から借りてきて読んでみた一冊。 僕は丸山健二の著書を読んだ事はなく、 したがってこの本の文体、それに調子が氏の特有の物なのかどうかはわからない。 だからこのレビューはこの本一冊に対する物であり…