怒りの復活編
のんべんだらりを夢見つつ、魂に放浪癖のある一社会人が綴る、カウントダウン的日常の身辺雑記。
ゲットゴール、福田!
「レッズ福田戦力外通告」。文字が目に飛び込んできた。思わず新聞を閉じてしまった。
ついに来てしまった。こんな日が。いつかはこんな日が来るとは思っていた。先に井原が戦力外通告を受けて、不安にはなっていたのだが。
だが、試合にもろくに出してももらえなかったここ数年のシーズンとちがい、オフトさんが来て、まあ本来のFWではないながらも、ほとんどの試合に出ることもでき、ようやく故障とも縁が切れ、やっとこれから切れも戻ってこようかという矢先。
それにしても。「戦力外」という言い方は。失礼ではないか。誰が戦力外だ。ついこの前の試合でも使っておいて。あんな汚れ役でさんざ使いやがって。誰だと思ってんだ。え。福田だぞ。三菱時代から、日本リーグの時代からチームを支え、ずっとずっとチームをひっぱってきた福田だぞ。誰がどの口でぬかしているのか。本来のポジションも与えず、慣れない中盤(それも守備的MF!!)をやらせて、なにが戦力外か。最近のあの行き当たりばったりのおたおたしたチームに最低限の品位を与えていたのは彼ではなかったのか。
ミスターレッズと呼ばれチームの代名詞ともなっていた生えぬきの選手に、もう少しの敬意、もう少しの礼節を尽くせないものか。
レッズがJ2に落ちた時、私は、福田がすっかりレッズに愛想をつかしどこか他のチームに行ってしまうのではないかと案じた。だが福田は言った。ほかのチームへ行ってまでサッカーを続けようとは思わない。チームが必要だと言ってくれるなら喜んでこのシーズンをがんばる、そう言ってくれたのだ。その福田が、今回は、選手を続けるためなら他のチームに行くこともやむをえないと言う。誰がそんなことを言わせたのか。あの福田が、レッズの9番の福田が、ちがう色のユニフォームを着るのか。おいたわしい。
いや。おいたわしくなどあるものか。福田がそう言うなら、私は福田を永遠に応援する。どんな色のユニでも、彼がピッチを駆け抜けるその姿を見られる以上の幸せがあろうか。彼が決めたことなら、なにもおいたわしくなどない。なにも切なくなどない。福田よ、どこへ行っても、君の仕事はゴールを決めること。相手がレッズであっても、そのゴールマウスにボールをたたっこんでやること。かつて、福田こそが世界に通用する選手と言ってくれたジーコが代表監督になって、何を期待するって、ずばり、福田を代表に呼ばないかとそればかり思っているのは私だけではあるまい。え、私だけ?
そしてその私だが、福田が抜けた後、あの品のない攻撃をするチームを、いつまでも好きでいられるかどうかはわからない。
2002.11.19
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