f l a t d a y s
のんべんだらりを夢見つつ、魂に放浪癖のある一社会人が綴る、カウントダウン的日常の身辺雑記。
やっぱりおもしろい。このカード。ジュビロVSアントラーズ。
どっちも大人で、相手の手のうち知り尽くしてて。いつもタフなゲームになる。
ゴンと秋田のファイトも見ていて楽しい。どっちも意地があって、
こいつには負けねえって闘志むきだしで、かっこいいんだ、ゴンはゴンで。秋田は秋田で。
試合は、2−0でジュビロの楽勝、一挙に3点目もねらいにいくか、と思いきや、
後半30分あたり、小笠原のCKを秋田が炎のヘッドで1点差に詰めより、
柳沢に替わって入った平瀬が、GKがはじいたボールを蹴りこんで、同点!!
試合はそのまま引き分け。こんなこともあるのか。
だからサッカーっちゅうのはわからない。
ジュビロとやってる時のアントラーズは好きだ。他のチームとやってるときはどうしたって
悪役に見える。
そうそう、書いてなかったけど、トヨタカップもお・も・し・ろ・かったーーーーーーーー。
いろんな意味で。わらっちゃう、ボカ。ほんとに守るったら守る、攻めるっちゃ攻める。
引き分けねらいのせこせこサッカー。ひとり少ないし、なんとか引き分けでと
もくろんでたのが、最後の最後に点とられ、今までのはなんだったのかと思うほど
一転攻めあがる。わかりやすい人たちだなああ。でもそれを徹底できるのも
力のうちだ。あれだけ180度いきなり戦術を変えても、なんの混乱もない。
W杯の組み合せも決まった。
そろそろサッカーに戻ってこなくちゃな。
いやあ、ごぶさたしちゃったね。だいぶ近いとこまで戻ってきてるみたい。
2001.12.2
見ましたか、NHKの大河ドラマ「平頼綱出世物語」もとい「北条時宗」。
弘安の役ですわ。台風で蒙古はんの船団はふたばよりかんばしですわ。大破ですわ。
相変わらず史実むちゃくちゃですわ。そやから時輔は生きてたらあかん言うてんのに。
なんでとっくに討伐された兄時輔を助け起こした宗政が、蒙古兵に後ろから切り殺されな
あかんねん。どんだけこのゾンビは迷惑かけまくるねん。
だいたい宗政は病死やって、前に番組の最後にやってる「歴史の旅」みたいなコーナーで
あんたらが言うてましたがな。
しまいに北条家の呪いかかりまっせ、井上由美子はん。
確かに予告の時から今回は楽しみにしていた。
なんせ、御家人代表の安達泰盛と、わんこ代表平頼綱のついにの立ちまわりがある。
しかし。
一応、ドラマ上は、これも史実を無視して、わんこは、元フリーの殺し屋である。
泰盛に雇われて要人を暗殺したこともある。その頃の名前を
「無頼/人斬り八郎」という。みなしごはっちである。
頼綱は、烏帽子もなく髷もとり、八郎時代の黒装束の殺し屋スタイルで泰盛に対峙する。
曰く、泰盛が頼綱のことを「八郎」としてしか見ないから、「八郎」の恰好で泰盛を葬リ去る
のだと。
うーそーこーけーーーー。
それは、はっきり言って、視聴者のリクエストであろうがあああああ。
頼綱人気にあやかっての企画ものだろうがあああ。
それならそれで、はちもカメラに向かって一言挨拶せんか。
「今日はリクエストにお答えして、なつかしの、殺し屋はちの装束にてお送りいたします」
「大河をシリーズ後半からしか見ていないので以前のはちを知らないとお嘆きのみなさん、
お楽しみいただけましたでしょうか」
おかしいやん、井上はん。
そんな恰好で家出てくるわけないやん。あの鬼嫁サダコが黙ってるわけないやん。
「その恰好はなんであらしゃいますのや、みっともない」
「うるさい、今日はバイトじゃ、バイト」
おもねってるなああ、NHK。
まあそれだけ、この一年、大河を支えてきたのは、この人気を作ってきたのは誰かと
いうことはわかってるってことか。
だから、フィクションの桐子が足利のご落胤だとか、ゾンビの時輔が蒙古に行って
マルコ・ポーロと会話するとかそういうムダな話に時間とってないで、
この、泰盛VSわんこの対決をだね、「巨人の星」みたいにだね、
刀のつかに手をかけちゃストップ、アップ、独白、バックに炎、
足がにじりよっちゃ、ストップ、アップ、独白、目から炎、
刀ぬいた、ふりかぶった、ストップ、「この刃、受けるものなら受けてみよ!」とか
なんとかのセリフ、体中から炎、「この時を待っていたのだ、星くん!」だのなんだの、
そして物陰から見守るねえちゃん、音楽、
ララァ割って入って「シャアをいじめる悪い人!」。
「ざれごとはやめろ」。
そこで「つづく」の文字、
と、2話くらいに分けてやらんかい。古谷徹つながりで「ガンダム」も出てきてしまいましたが。
二人を止めに入った時宗くんが倒れて、泰盛とわんこが、お部屋の外のふきっさらしの
廊下で、まんじりともせずに一晩中並んですわって控えてるところがいいね。
怒られちゃって罰受けてるみたいな。
ラストには、ひさびさの、時宗と、体を気遣うわんこのツーショットもあったし
さぞかし各サイトはにぎわっていることだろう。
気がつけば、もう来週は最終回。
どうしよう。時宗死んじゃうよ。予告でわんこが号泣してたよ。
どうしよう。これが終わったらどうしたらよいのか。何を楽しみに生きていけばいいのか。
は。もしや、これは。
そろそろサッカーに戻ってこい、という神の思し召しか。
そうか、やっぱりそうか。
そんなわけで、W杯の日程をアップしておいた。
本当に最終回か。終わっちゃうのか。ああ。こんなにあほらしいのに
なんでこんな一生懸命見ちゃうんだろうなあ。
2001.12.2
あてが作ったリースだす。
2001.12.5
普段の私は、仕事をしてるふりが得意な、始業のチャイムと共に現れ、
終業のチャイムが鳴ってもネットをチェックするためになかなか帰らない、
きわどそうな中古ビデオを注文しては会社で代引きで受け取る、上司への
ツッコミが「なんでやねん!」「やかましわ」とタメ口に固定化されつつある、
愉快な無頼派会社員にすぎない。
生来勤勉で仕事中毒とまで言われるこの私が(この場合の「中毒」はアルコール中毒・
ニコチン中毒など習慣病的な「中毒」ではなく、キノコ中毒・ふぐ中毒のような、
即効で体にダメージのくるニュアンスで考えていただきたい)、あえてそのような
お気楽な日常を送るにはわけがある。
そうやって日々出し惜しみし貯えたエネルギーを、ここ一番全開にするためである。
言うまでもない、秘書になるべくして生まれてきたこの私が、会長の来られる日、
しゃきーーーーーん! 有能秘書に変身するためである。
何もブランド物のスーツを着て人差し指でめがねのフレームを押し上げ、
黒い皮手帳を片手に「今日の午後からの予定は」なんて
白々しく言ってるプライド高そうな女ばかりが秘書というわけではない。
私のように天性の秘書というのは、心技体のバランスを保ち、
五感の全てを鋭敏にとぎすまし、そのくせほとんど第六感で危機を未然に防ぎ、
機を見るや果敢に攻め、視野を広げ、常にゴールへの意識をもって90分間プレーする。
オランダ代表ダーヴィッツも真っ青な秘書である。ワールドカップには来ないけど。
初めてのひとりだち、初めての会長お迎え、の日がきた。
新大阪へ有能秘書が迎えにいく。会長の「お泊りセット」を紙袋に入れて。
配車の仕事をしていたので会長専属運転手さんとは懇意である。
のぞみ到着の30分くらい前に新大阪駅に着く。すぐホームに上がっても
しょうがないので、駅構内のお店を見てたら、雑貨屋さんを発見。
体内もしくは脳内のどこかで危険信号が発せられたような気もしたが、
折りも折り、クリスマスツリーやキャンドル、お菓子など、私の滅法弱いものたちが
盛りだくさん。見ーてーくーのーーーー。世間を知ることも有能秘書の重要な任務ではないか。
さらに、隣の店には来年用のこぎれいなカレンダーや使い勝手のよさげな手帳などが。
見ーるーのーーーーー、ったら、見ーーーーるーーーーのーーーーーーー。
クリスマスカードの2、3枚を手にとったところで、はっと我に返る。
何しにきてんだ、私は。
誰に言われなくても気づくあたり、さすがは有能秘書である。
時計を見ると、会長が、めざましがわりに携帯に電話をくれ、と言っていた時間!
入場券を買ってホームに上がりつつ、コール。
つながらない。留守番電話サービスにいってしまう。留守録しようかとも
思ったが、これは留守電では意味がないだろう。
くじけず、コール。留守電。みたびコール。留守電。
どうなっているのじゃあああ。寝こんでるから電話くれと言ってたじゃないかあああ。
寝過ごしたらどうするのじゃああああ。私がのぞみに乗りこんで首ねっこひっつかんで
引きずり出してくるのかあああ。起きろおおお、起きてくれえええ。
そうこうするうちに、のぞみがホームにすべりこんでくる。
そして9号車のドアからまぎれもない会長のお姿が。ああああよかったあ。
「マナーモードにしてたら振動するはずなんだけど、全然気づかなくて。
振動を大きくできるかな。ちょっと見といてくれる?」
振動を大きくする、なんて聞いたことないぞ。
会長から渡された携帯は、電源が入ってなかった。
マナーモードて電源切っとんやん、きみーー、と普段の私ならつっこむところだが、
あえてつっこまないあたりさすがTPOをわきまえた有能秘書である。
チェックインしにホテルへ向かう車中で、会長の携帯のマナーモードをとりあえず解除すべく
あちこちさわってみるが、うまくいかず、そのうち車に酔ってくる。苦いものが私の口中に。
「会社に帰ってから研究してみていいですか」
鉄壁のディフェンスである。
後半戦につづく
秘書の仕事
<前回までのあらすじ>
「黄金の皮手帳」を手にするものだけが、真の勇者秘書となり
世界を救うことができる。私は、サタンのしかけるさまざまな罠をものともせず、
フォーエバーランドを突き進んでいった。
黄金の皮手帳の秘密の鍵をにぎる、同志、平頼綱をさがして。
車は会長の常宿のホテルに着く。
チェックインは私の役目である。すばやく車を降りて、と思うのだが、
誰よりもすばやい会長と、気遣いNO.1の運転手さん、そして
気遣いのプロ、ホテルのドアマンらに遅れをとり、乗りなれない深々シートから
腰をあげ、完全に一番最後からホテルに駆け込む。待ってえーーー。
有能な人のいるところ、有能な人が集う。
ホテルはさすがである。一言も言わないのに「○○さま」と会長の名前をドアマンは
スタッフに告げ、
「一般のフロントじゃなくて、えっとプレジデンシャルの方の・・・」とマニュアルどおりに
やろうとする私に
「チェックインは済ましておきましたので」と鍵とクーポンを見せてくれる。
なかなかやるじゃないか、え。
私が欧米人なら、これでさいころキャラメルでも買いたまえとチップをはずむところだ。
会長は1階の本屋で待っていて、私が会長のお部屋に荷物をあらかたセッティングしに行く。
が、なんせ初めての豪華部屋だ。ひとりなのになんでツインとるんだろう。
逆に夜中とか怖くないか。
ウェルカムフルーツだぜ、おい。有能秘書としては食べ頃なのかどうなのか
一個くらいつまんで試しておきたいところだが、病院の見舞いのフルーツセットみたく
ラッピングされてたので、今日のところはやめておく。
どれどれトイレは。ふーーんん。有能秘書としてはちゃんと流れるのかどうか
一度くらい試しておいた方がよいのではないか、と思ったりもしたが、
「消毒済み」の封を見てこれもやめておく。
アメニティがたくさん。使い勝手など、やはり秘書としては家に持ち帰って
研究したりするのがよいのではないかとも思ったりしたが、会長はもう何度も
使っていることを思いだし、これもやめておく。
ホテルの部屋のスリッパにちゃんと会長の名前が入っている。
さすがである。前は泊まるたびに、会長の名前入りの便箋封筒なども用意されて
いたらしいが、ストックが切れたのかそれはなくなった。
部屋を堪能していて、ふと会長を待たせていることに誰に言われなくても
気づくあたり、有能秘書である。
1階に下りると、会長は、じれて本屋から出て廊下で猛獣のようにうろうろしていた。
関西弁でいうところの「いらち」らしい。せっかちというのか気短というのか
じっとしていられないタイプの人だ。
そこからまた車で会社に向かう。
会社まであと100mくらいのところで、車が混んできた。
「降りて会社まで歩こう」と会長は言った。
いや、もう会社は目と鼻の先ですやん、と思う暇もなく、会長はドアを開けて車を降りていた。
あわてて続く有能秘書。
しかし、会長は「歩こう」と言った舌の根も、糖尿でない限り乾かぬうちに
点滅する信号の横断歩道めがけて走っていった。
歩くんちゃいますのん、ちょっと、待ってーーーーってば。
秘書は体力勝負である。
いよいよ、最終回につづく
秘書の条件
<前回までのあらすじ>
2度にわたり蒙古の襲撃を受けたフォーエバーランドだが、
敵王クビライは妻の脱税疑惑により、その地位を追われようとしていた。
そして「黄金の皮手帳」の二次販売の優先申込番号下二桁が発表となる。
ところが、私が自分の番号を控えた紙は、何者かによって奪われていたのだった。
果たして、私は頼綱と手をたずさえて、真の勇者秘書となれるのか。
有能秘書の主な仕事は、会長のお散歩の有能なお伴である。
差し障りがあってあまり詳しく書けないが、その仕事についてはたくさんの伝説がある。
曰く、雨がふろうが風がふこうが雪がふろうが、お散歩は敢行される。
曰く、歴代秘書は、会長の歩くスピードについていけず、スニーカーを散歩用に
備え置き、散歩が始まると、まじ勝負した。
私は、お散歩は好きだけど、競歩みたいになるのは遠慮したい。貧血なんだよね。
お散歩は大きな矛盾から始まった。
会社から歩くと10分強のところに大きな公園がある。
そこまで、車に乗っていくのだ。
おかしいやん。それ歩いていったらええんちゃうん。
なんてもっともなつっこみをしてはいけない。
公園の入り口で車を降り、運転手さんには公園の反対側の出口のところで
待っててもらう。
東西に長くひろがった公園の一方から一方へ、歩いていく。楽勝じゃん。
しばらく歩くと、反対側の出口が見えてきた、なんだ、大した散歩じゃないじゃん、
と思ったら、会長は出口に向かわず、Uターン。
え? 今来た道の一本内側の道をまた入り口の方へ向かって歩く。
そしてやはり入り口の手前でUターン。
結局、公園内の全ての道を伊能忠敬のように制覇した私たちは、公園を3周したことになる。
これで有能秘書は、この公園の地図まで書けるようにパワーアップした。
確かに、会長の足は遅くはないが、アリスのうさぎほどでもない。
ジョニー・ウォーカーくらいの前傾姿勢ではある。
お天気もよく、道に枯れ散った落ち葉がきれいで、私は結構楽しんだ。
真下から木々を見上げるの図
デジカメを持参したが、あまり会長を待たせるわけにもいかず、2、3枚しか
撮れなかった。
このお散歩で得たものは途中で拾ったどんぐり以上に大きい。
私は、秘書というものの命題と課題を同時に得たのだった。
その1 秘書とは、あいづちをうつ仕事である。
お散歩の間中、会長はほぼずっとしゃべりつづけている。
ほとんどは、私には興味のない話題である。が、だからといって
「そんなことより、会長、時宗、今週最終回でっせ」とふるわけにはいかない。
そこは巧みにあいづちをうちながら話を我が方へ誘導するのが理想ではあるのだが、
いかんせん今の私には、あいづちの種類が少なすぎる。
「へええ」「そうなんですか」「ほんとですか」の3種のローテーションで
苦しいやりくりをしていたのだが、たまに「・・・だね?」と質問されていたりすることが
あって、はっと我に返る有能秘書である。
一日で何度我に返ったことだろう。
その2 秘書は上の空ではいけない。
なんとか無事、秘書ひとりだちデビューを果たした。
大したことはなにもしていないのだが疲れた。課題もみつかった。
だが、考えてみれば、たかだか一企業の、一会長である。
なにもそんなにみんなでよってたかって気を遣うこともないよな。
今度はもっとお気楽にいってみよう。
なーんて思ったりするあたりを、部統括は「向いてない」と言ったのかもしれない。
秘書としての条件は厳しいかもしれないが、
人間としての条件なら、僭越ながら、知ってるつもりだ。
愛があればだいじょうぶ。
てなわけで、会長の命題もみつけた。
その1 秘書に愛される会長になるべし。
よし、この調子でいこう。
(いいのか)
2001.12.7
ガンバvs水戸ホーリーホック。万博競技場。
久しぶりのサッカー観戦。それも久しぶりの相方N。
SA席を買っていったら、もうメイン側どのお席もお越しやすの好き放題で、
めっちゃ真ん中の前から3番目くらいの席に陣取る。
こんなことなら、MNさんにも声をかければよかった。ほら、アライバが目の前だぞお。
ラーメンすすりながら、カレーまんほくほく食べながら、家から持参のあったかい
紅茶のみながら、ノンポリの私はどっちのいいプレーにも拍手しながらのんびりと
観戦。しようと思ってたんだが、なんとなく水戸につくようになっちゃって。
高須がいい。ドリブル気持いい。高須がボールもつと、行け、行け、行けーーーー!
のモードが入って、周りのガンバギャルたちと明らかに違うリアクションになってしまう。
こんなに応援したのに、守備はなんだかぼろぼろで、5−0で負けちゃう。
でも、引き上げてくる選手が間近なので、高須くんに声飛ばしちゃった。
へへ。その後でコウタにも飛ばしたけど。ごめん。
2001.12.9
多くは語るまい。見てくれましたか、あの幼子のような放心の頼綱。うまい!!!
あんたはうまい!!!
この回は、さようなら時宗さん特集で。死を前にした時宗のもとを
いろんなが人が訪れて、泣いてくれたり、惜しんでくれたり、抱きしめてくれたり、
最後の最後には時輔もなんとか間に合って、時宗は最愛のお兄ちゃんの胸の中で
死ねたし、よかったね、時宗。
なーーーーーーーーーーんて、そんな甘い見方してると思うなよ。
ほんまは死んどんねん、兄ちゃんはよ。おのれが何年も前に殺しとんねん。
そんな甘ないんちゃうん。ほんまの時宗は、もっと孤独と自責と悔悟の中で死んで
いったんちゃうん。知らんけど。無学祖元のおかげで安らかやったんかも知らんけど。
でも、少なくとも、あんな風にお兄ちゃんに抱かれて、来世では一緒にモンゴルの
大地を馬で駆けぬけよう、なんて言いながら、お兄ちゃんに許してもらいながら、
そんな甘ないんちゃうん。人の上に立つっちゅうことは。え。国を無理から力で
治めるっちゅうことは。幕府だけやなく、「国」の頂点に立つっちゅうことは。
それもありこれもありでは今まで犠牲にしてきたものはなんやってん、っちゅう話に
なりますわな。孤独がテーマやったんちゃいまんのかいな、時宗という人間は。
ええのん、最後にあんなことしてもろて。なあ。ええのん。
はーーー。
こんなんフィクション、フィクション、あほらしいてやっとれんわ、と思いつつ、
なのに、ぼーぼー涙を流して見ているこの私は、あほなのか。
このあほはさておき、やはり平頼綱の、最後の最後までの純粋な犬っぷりが
うれしかった。死を待つばかりの静養中の時宗のもとに安達泰盛と共に呼ばれ、
かしこまって頭を下げたまま参上するものの、一旦顔をあげ時宗のやつれた姿を
見るや、立ってた泰盛より早くだだだだっとご主人さまのもとに駆け寄る。
何も言われてないのに、「ご心配には及びません。どこまでもこの頼綱がお伴致します」
なんて泣かせるセリフをつたないカツゼツで言いのけてくれる。
(時宗はそこで「一緒に来るか、頼綱」と言っておくべきだったね)
一番純粋なんじゃないの、登場人物の中で。後も先も損も得も考えない。
ただ、時宗様が一番で、時宗様を慕ってる。「時宗さまはわしの光じゃった」。
というのか、北村一輝氏が演じると、誰でもピュアに見えてしまって、
変態役の時は、変態の何が悪い、と思うし、情け容赦のないちんぴら役の時は、
かわいそうに誰にも愛されてこなかったんだ、と思うし、おかまちゃん役のときは、
おかまちゃんってなんていじらしいんだろう、と思ってしまう。
やられっぱなしやん。
この人は、人間をわかってるんだと思う。少なくとも理解しようとしているんだと思う。
誰の行動にもどんな登場人物の言葉にも意味はある。気持がある。
誰かにしゃべらされてるわけじゃない。つながりがあって、その行動、その言葉に至ってる。
それをたぐっていけば、誰だってみんなピュアな魂を持ってるわけだろうし、
そこに行き着くのかな。
てなわけで、近来になかったNHKの一大エンタテイメント大河、「北条時宗」は終わった。
お疲れさま。一年間、すっごく楽しませていただきました。
いろんな枝葉にわたる影響を受けてしまいました。
それにしても、総集編は前後編2回こっきりなのか。6時間ずつくらいやるのか。
桐子を全部落としても相当きついぞ。
2001.12.9 多くは語らないつもりだったのに語ってしまった。
試写会に誘ってもらった。
映画のタイトルも、もちろん中身も知らないまま見に行ったのだが、驚いた。
ブルース・ウィリスがロン毛なのだ。
おもしろかった。ご陽気に徹したストーリーも潔いし、キャラクターはそこまで凝る
必要あるのかと思うほど凝ってる。
導入部とか、それにつながっていくストーリーとかよく考えて作ってあって、
こういう「作った」感じのする映画はきらいじゃない。
あまりこれ読んでる人は知らないと思うが、北村一輝ファンにわかりやすく言うと
「君らは『難波金融詐欺 史上最悪の兄弟』か」、とつっこみたくなるシーンもある。へへ。
ただ、ブルース・ウィリスはやっぱ坊主がいいよ。
髪の毛長いと、変にすけべに見えるんだよね。
2001.12.12
今週末は、お歳暮の時期なので留守番をおおせつかってしまった。
毎週出ずっぱりだからここは家族に協力もせねばな。朝、クリスマスケーキだけ
予約しに出て、あとはおうちでゆっくりのんびり。
家にひとり、という状況は好きだ。(好きな人は多いだろう)
ようし、今日はスパゲティ・ポモドーロを作ろう!
説明しよう。スパゲティ・ポモドーロとは、トマトだけが入ったスパゲティのことである。
たいてい、もっと他に具がほしいと思う人が多いので、外食するか、私ひとりの時に
作って食べるしかない。外食はあたりはずれがある。
オリーブオイルでにんにくを炒め、迷ったんだけど、玉ねぎのみじんぎりも
ほんの少々入れて炒め、あとはホールトマトの缶詰ごとぐしゃっと入れて
木杓子で適当につぶし、煮詰める。煮詰まってきたら塩こしょうと、仕上げに、
バジルをふりかける。
一方で、たっぷりのお湯でパスタをゆでておき、タイマーが鳴ったら火を止めて、
ゆでたばっかのパスタをざるにあげ、もうもうと湯気をあげるパスタと
できたてのトマトソースをあわせる。
おいしいいいいいいいいいいいいい。すっぱくっておいしい。
が、なにぶん一人なので、ソースがたくさん余ってしまった。
そのソースを翌日曜日、ランチにいただくことにする。
冷やご飯(大阪では「お冷や」と呼ぶのだが、全国的にそう?)を、
ソースの入ったままのフライパンに入れ、塩こしょうを少し加え、チャーハンみたいに
炒める。もう片方で、卵をうすく焼いて、できあがったトマトライスの上にふんわり
かける。これまた、おいしいいいいいいいいいいいいいい。
そして夕飯。家人が疲れて帰ってくるのであったかいものを作ろう。
私は、作る料理だと、野菜いっぱい入れる料理が好きだ。
今日は、まず一皿目、じゃがいもとにんじんと玉ねぎをころころに切って、
昨日の残りのほんの半かけのにんにく、ベーコンと一緒に炒めあわせ、
そこに水入れてブイヨン入れて、ときどきアクとりながら、ひたすらコトコト煮こむ。
中盤から後半にかけて思いつきでトマトも大きめに切って入れてみる。(グー!)
じゃがいもやにんじんが柔らかくなるのを待って、塩こしょう。ブイヨンとベーコンが
おいしいので、ほんの少々でよろしいです。
器に盛ってから粉チーズを少々ふりかけてできあがり。
二皿目、もやしと、千切りにしたピーマン、ハム、キャベツを、
マヨネーズ溶かしたフライパンで強火で炒め、できあがり。好みで
塩こしょう少々、とか、ほんの少し、おしょうゆたらすのもあり。味が濃くなりすぎない
ように。
しゃきしゃきしておいしい!えのき入れてもおいしいだろうな。
三皿目。これは、ねぎをいーーーっぱい小口切りに切って、炒めて
卵焼きにまぜちゃう。できた卵焼きにはたーーーっぷりかつおぶしを
かけ、おしょうゆ少々をかけて食べる。
たまにこういうお料理モードになる。が、それは女性らしいとか家庭的とかいう
根拠のないおとぎ話の類ではなく、ただ「クリエイティブ」な楽しみ。
クリスマスリースを作ったり、ポスターを頼まれて作ったり、
陶芸をするのと同じ、工作のような楽しみ。絵に近いかなああ。
作ってる時は、こうしたらどうかと思い付くときなんて、
自分のこと天才じゃないかと思うよ。うん。
遅咲きだけどな。
2001.12.16 レッズ、ヴィッセルにぼろ勝ち
やああっと間に合った。
クリスマス前の三連休、Nの家でキムチ鍋パーティをする約束をしていた。
こういう催しの折には、不肖この変シネマ好きの私が、選びに選んだビデオを持って行って
鑑賞会をすることになっている。
今年、選んだのは、「恐怖!寄生虫館の三姉妹」。
タイトルを聞くからに見ずにはおれなくなるでしょおお、そこのあなた。え。顔しかめて
かたぎのふりしてんじゃありません。ちょっとは見てみたいって気があるでしょ。
子供の頃、理科室のホルマリン漬けの標本をのぞきに忍びこんだそのノリで。
ずっと探してたのを、やっと中古ビデオ屋でみつけ
会社宛てに取り寄せを頼んだものの、これがなかなか届かなくて、
こんなもの、年末年始の休暇に届きでもして守衛さんが受け取りでもして、
なんじゃこらと思われながら守衛室で越年するはめにでもなろうものなら。
たまーに、お店から送ってもらうビデオって、包みにタイトル書いてあったりするんだよね。
それはまずいでしょお。え、仮にも会長秘書さまが。
会長に頼まれたんです、変な人ですよねえって言い訳するけどな。(こら)
それが、21日、三連休の前日にやっと届いた。メール室から包みを持ってきてくれたHさんが
表に「ビデオ在中」と書いてあるのを見て、「ほい、エロビデオ」と持ってきてくれたのだが、
待ちに待ってた私はうれしくてうれしくて、思わず、「エロとちゃうねん、これ寄生虫やねん!」
といとも無邪気に言ってしまった。
隣のくろちゃんが、2回ほど「え、なんですか、きせいちゅー?」と聞きなおしていた。
「A4」とか「減価償却」ほどには普段の会社生活の中で使用頻度の少ない単語ではある。
おかげで公衆の面前で包みを開ける展開になってしまったが。
さて当日。1000円で買ってきたプレゼント交換の後、(テレビを見るとき用の、犬さんの
かわいい枕をもらった。私があげたのは、ユニクロのオレンジのフリース)
ビデオは、鍋をつつきながら見た。
タイトルから期待するほど、クローネンバーグ級のどろどろうにょうにょはない。なんせ
生きてる寄生虫は出てこないんだから。もっとライブでがんばってほしかったぞ、寄生虫諸君。
ホラーなのかなんなのか、出てくる奴みんな変だし、お母さんとか言ってるけど、絶対
見た目年齢的に無理があるし、最後はカンフーで終わってるし。
問題山積したまま、どころか、却って全ての未解決事項がさらにややこしなって
いきなり、「劇終」。一斉に入るつっこみ 「なんじゃ、そら」。
「劇終」て。大学の映画研究部やないねんから。見てる人間おいてきぼりや。
言い忘れましたが、このビデオには、かの名優 北村一輝さんが出ておられます。
借金を取り返しにくる全指指輪づくしのきんきらきんの男なのですが、借金取りに来ついでに、
三姉妹の長女(「ロンタイBABY」に出てた人)にしきりにちょっかい出してく。
それも、寄生虫の話をしてもらうのが好きで、「もっと耳の近くで言ってくれよ」と
うっとりした目で言いながら、寄生虫入り料理を食べさせられてる。
へーんな役。だが、彼以上に、
何をしとんねん、三池監督。何を楽しそうに「友情出演」やっとんねん。
いずれ、せっかくわんこのおかげでいっぱい見たビデオの感想のページを作るので
詳しくはそちらにゆずるが、おかげで楽しいまったりしたクリスマスイブイブになった。
来年はまた選びに選ばねば。
2001.12.23
ルードヴィッヒへのエール
私の元上司で今や上司でもなんでもないけど仲良しな、ルードヴィッヒ。
実は今月末で退職することになった。
会社は、50歳以上の社員に早期退職を勧めている。
それでなくても、もう会社はわけがわからない。
タイタニックみたいなもので、いっそ海にさっさと飛び込んだ方がいいんだか、
船にしがみついて残ってた方がいいんだか。
ルードヴィッヒはああ見えてえらい人なので、乗員を選別し、君、海に飛びこみなさい、
と言わなければならない立場にある。
私のようなお気楽者でもいい加減愛想が尽きているのに、なりたくもない
当事者にさせられるとしたら、どうだろう。
それに、ルードヴィッヒには夢があって、さっさと会社を見切ることになった。らしい。
そのルードヴィッヒの最後の来阪日。
私は秘書の日だったのでほとんど会長室のある10階に詰めていて、話もできなかった。
この際、2度とないことだろうし、ほめておく。
この年代で、こんなにのっぺりした人を、私は他に知らない。
のっぺりっていうと、なんじゃそらと思われるだろうが。ほめてる、と本人が言うんだから
それはほめているのだ。視野が横に広いというのか。
公平で、人に順位をつけない。物事に優先順位がない。
だからいろんなことを自由な気持で楽しめる。が、多分仕事の上ではいろいろ
軋轢はあっただろうなあ。仕事って優先順位の部分が大きいから。
この人が上司としてうちの部に来た初めの頃は、つかみどころがなかった。
何考えてるんだかよくわからないが、言われっぱなしで、それをむきになって反論せず、
全部とりあえず肯定してるところが、すごいと思った。
「お前があほやからや」
「そやねん、あほやねん。だから困ってんねん」
ひがみや開き直りではなく、とりあえず、全部引き受けてる。
この肩の力の抜け具合がまことに関西人的で、いい具合だ。
「そやねん、あほやねん」これで話が終わってしまうこともありえるし、相手によっては
反論するよりも、逆に話が展開していくこともある。
ここで話が終わってしまう相手は、それだけの人間だ。
肯定しても、話がそれによってより展開していくと、果てしなく展開していき、
その果てなき果てに、相手との個人的な強い信頼関係ができてくる。
そんな相手こそ、彼にふさわしい、懐の大きな、多分脳の容量も大きな相手なのだと思う。
彼はそんなことで相手を区別することなどなかったが、彼のところに来る人とのやりとりを
そばで聞いていて、こっちは「なんや、こいつはそれだけのおっさんか」などと
勝手にバロメーターにさせてもらっていた。
それから。
私は、2年ほど前、そんな会社ならこれで会社を辞めても構わない、と思うほど
憤っていることがあって、意を決して、上に意向を確認したことがある。
その時の相手が、当時の部統括だったルードヴィッヒだった。当時はまだ赴任まもなくで
人柄もつかんでおらず、ほんとにいちかばちかの直訴だった。
忙しい人なので時間外に話をしかけたのだが、それでも途中いろいろ用件を
持ってくる人がいて、私はそのたびに申し訳なく思ってたのだが、
彼は一度も私に「じゃあ後で」とか「またつづきは今度」とか言うことなく、
上の空になることもなく、一対一で話を聞いてくれた。
こんなただの部員の一人に過ぎない私の言うことを、やっかい事としてではなく
まじめに聞いて、誤解の部分は誤解であることを指摘し、自分の考えや、
もっと上の人たちの考えも話し、それでもと食い下がる私を、
うまく丸めこむようなこともしなかった。
最後まで聞いてくれた。私も最後までゆずらなかった。
最終的に、彼は言いたくもなかったろう「会社とはそんなもの」的なセリフを言った。
それでも、なんとなく、正義はひとつではないのだなということを私は納得できた。
立場がちがえば正義もちがう。それはしょうがないのかもしれない。
ちゃんと最後まで聞いてくれたからこそ、彼の言うことも信頼できた。
そして、そんなことを言いながら、
彼は、その時点で方針として決まっていたことを、延々と実行しないことで、
結局、私が訴えたことを聞き入れてくれたのだった。
多分、優先順位をつけるのなら、私の如き者の言う幼い感傷的な正義など、
下の下のその下だろう。それを、ちゃんと他の大切なことと同じ重さで
受けとめれくれたことがうれしかった。
ということを、当の本人には一度も言ってない。いい気になるからな。
なんか魂に近いものを感じさせる人だった。
この人がこの会社という組織の中でそれなりにやって来れてるんだから、私もやって
いけるんだろう、と失礼な話だが、思っていた。
実は、会社を辞めて、彼の体力的には非常に危険な「夢」に挑むことになっているらしい。
私が同じ立場でその「夢」を止められたらいやだから、うるさく言わないが。
ご無事を祈ってます。
帰ってこられたら、またデジカメ画像見せてください。
会社を辞められたら、それこそ、ただの、ほんとの友人でいられますね。
きっと暇になるだろうから、私があぶれてたら、またサッカーでもつきあってください。
2001.12.25
これに勝ったら、この試合に勝ちさえすれば、決勝!
元旦国立決戦だぞおおおおおお! 日本一が夢じゃないんだぞおおおおおお!
埼玉スタジアム、セレッソvsレッズ!!!
だというのに。
こんなところで一体私は何をしているのか。
神戸はウイングスタジアムで、冷たい風にふるえながら、
どっちゃでもええ「川崎フロンターレvs清水エスパルス」を見ていた。
セレッソでもええ、レッズならもう感謝感激だが、どっちかでええ。
どっちかでええから、どっちか神戸に回してくれんか。エスパルスと交換せんか。
なんで埼玉はあんなゴールデンカードで、こっちは、こんなしょぼいカードなのか。
(ごめんな、両サポのみんな。個人的心情だけだからな)
オーロラビジョンで埼玉の試合を見たいがために、早くにスタジアム入り。
なのによおおおおおおおおおお、前半しか中継してくれないのなあああああああ。
後半、中継ないのなあああああああああ。ひでえええええええええええええ。
みせろおおおおおおおおおお、みせろったらみせろおおおおおおおお、
けちいいいいいいいいい、税金返せええええええええ、大阪市民だけどおおおおお、と
フロンターレゴール裏で暴れていたのは、私です。私はいいのですが、会長が
ごらんになりたいとおっしゃってたもんですから。
でも、フロンターレのメンバーを見ると、なんと、あのなつかしの電信柱、盛田剛平の名前が。
よっしゃ、君を応援するぞ。
エスパサポの皆さんには悪いんだけど、私はあんまりエスパルスのサッカーって
好きじゃないんだよね。多分、玄人受けするんだろうね。よく言えば、むだがない。
悪くいえば、しみったれ、っちゅうか、しぶちん。ばか勝ちもしない。押されてても、
少ないチャンスを活かして勝ちぬける。パス回しはこじゃれてる。アレックスは見てて楽しいけどね。
どっちでもよかったはずが、見てるうちに、フロンターレ一辺倒になっていく。
7番の献身的な鬼木、12番の桂、
川崎の小さな選手たちの動きがよくて一所懸命でどんどん好きになっていく。
試合は2−1でエスパの勝ち。
そして、埼玉は、セレッソが辛勝。途中、スタジアムにいってるMNさんから
「福田でますよ」とか中継が入ってたので期待したけど。しょうがないか。
セレッソの「いてまえ」サッカーは好きだ。元旦は、エスパとセレッソ。
なんかカラーが違って楽しそう。
こうなったら、がんばれ、セレッソ!!
J2に行く前に、国立にひと花咲かせてやってくれ!
2001.12.29
(昨年にひきつづき、スタジアムに年賀状をもちこみ時間を惜しんで書きまくる)
について苦言を呈しておくのを忘れていた。
私らは自由席だったのだが、あの売店のしょぼさはなに?
君らは1万人スタジアムか。どんだけの人数さばこと思とんねん。
商売する気ないんか。なんでも売ってみいや、売れるから。
いっぺんに50人行ったらもう対応できんやろ、あれでは。
神戸ユニバでも思ったのだが、神戸の商売っけのなさには驚く。
そして、なにより、なんで、天皇杯の華、カップめんを置いてないのか!
それを楽しみに行っとんねん。それがあると思うから弁当買って行ってないねん。
お湯ようわかさんのか。なんたら条例ってあるんか。
せめて、豚まんとかカレーまんとか置こうや。なあ。
しょぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。
しょぼすぎや。大阪から神戸に来ただけで、こんなに文化がちゃうんか。
ショックやわ。ショックやったわ。エスパvsフロンターレってカードに決まったときから、
楽しみは、試合見ながら食べるカップめんだけやったんや。
しょうがなくて買ったおにぎり弁当、500円、まずかったわ。ご飯ぱさぱさやし。
万博やったら380円で売ってるわ。
ほんでなに、あの警備の人々。兵庫県警。
はああああ???
スタジアムの敷地入ってすぐのとこに、ここに警察署あるんか、と思うほど
よおおおおおおおおおおおさん警察のなんじゃあの護送車みたいの、何台止まっとんねん。
どっかの組の集まりでもあるんか思ったわ。すごい要人でもきとんのか思ったわ。私か?
機動隊きとるで、機動隊。
はあああ? W杯の予行演習のつもりやろか。たかが1万2、3千人の観衆で??
シミスポさんみたいな人らもちらほらおったけれども、あっしらの周り、
駅からの道も、スタジアムの中も、ゴール裏でうろちょろしてんのも、みんな
警官の皆さん。まあご苦労さんやけども。
ちょっと呆れる。
極め付けが、帰路。たかが1万2、3千人。なのに出口に向かう列が動かない。なんで?
まだ道にも出てない。スタジアムの敷地内で、この動かない人の列。
甲子園の阪神ー巨人戦の後の阪神甲子園駅みたい。
なんと、わざわざ出口の扉をせばめて制限していた。
意味わからへん。入り口でチケット見せるとか荷物検査とかで人がたまるのはわかるよ。
なんで帰りにわざわざ人ためるのん?
なあ。なんで?危ないやん。将棋倒しになったらどないすんのよ。
それも、しょおおむない、腿くらいの高さのコーンと、コーンの間に渡した
通せんぼの棒で列が広がらないように柵にしてある。そんな中途半端な柵、
却って危ないっちゅうねん。ちょっと押されたら倒れるっちゅうねん。見てなかったら
けつまずくっちゅうねん。なにをしとんねん。なにをしたかってん。事故起こしたいんか。
けが人出して救急の対応の練習したいんか。客いらいらさせて怒らせて、仮想フーリガンに
見たてたいんか。
私らはあほらしくて、みんなで柵をまたいで、ずんずんと列に関係なく出口から出た。
あほが、「柵が倒れた!」と騒いでいた。そら倒れるっちゅうねん。
駅までの歩道も、同じくあほな柵でせばめられ、制限されていた。
どんだけわしらなめとんねん。
プロを呼んでこい、プロを。シミスポ呼んでこい。
それか、国立あたり行って勉強してこいっちゅうねん。
というわけで、神戸ウイングスタジアム、せっかく箱型でうれしかったのが、
すこぶる印象悪し。
2001.12.29
というのは、その昔、私にとって、特別の日だった。
子供の頃、すっごい好きになった外国の役者さんがいた。
今とちがってネットとかないし、
きらめく銀幕のスターでもない一介の役者さんの情報を得るため、
せめて、生年月日、過去の出演作、手紙の宛先でもわからないかと、
古本屋に通っては映画雑誌をあさり、丹念に、読者の質問に答えるコーナーを
調べていった。
ねらいどおり、「スクリーン」誌かなにかで彼の記事をみつけた私は狂喜した。
が、同時に、そこで、彼が既に故人になっていたことを知る。
自殺だった。ピストルで頭を撃ちぬいて。
大晦日の夜。自宅のリビングで。若干31歳。
世界が自分の主観で動いているような子供だった私には
文字通り世界がひっくりかえるyほどのショックだった。
彼を美化し、自殺を美化するという、ありがちなパターンを踏襲し、
子供らしい浅慮から「後追い自殺」なんてことも頭に浮んだりした。
毎年、大晦日には、その役者さんの写真を飾り、その前にロウソクをたてて
冥福を祈るという儀式を厳かに行った。
大人になったら絶対彼のお墓に行こうと思っていた。
何の縁もゆかりもない彼を、勝手に自分の「守護神」みたいに思ったりした。
亡くなられて、ちょうど今年で30年。
生きていたらどんな役者さんになっていただろう。
あの大晦日の儀式をしなくなって何年になるだろう。
今年になってふと思い出したのは、何かのご縁だろうか。
当時の日記に書いていたことを覚えている。
自分が31歳になったら、旦那の会社の上司へのお歳暮だのなんだの、
近所づきあいだのなんだの、現実的な問題に追われ、
日々の生活に精いっぱいで、きっと、生とか死とか、根本的なことを考えることも忘れ、
自殺なんてできなくなっているだろう・・・。
予想は、良くも悪くもはずれている。
まさかこんなはぐれ者の大人になろうとは。思わないよな。思いもしないよな。
自分の前には、最善の未来があると信じて疑わなかったよな。
まさか自分が大人になっても大して変わらないなんて、考えもしなかったよな。
せめてもうちょっと、現実的な問題やら日々の生活に追われててもよさそうなもんだ。
追われやしない。ほんますんません。
見てくれてましたか、ピートさん。
そうだ、昔はこうやって、しょっちゅう、あなたに話しかけていましたよね。
私は、こんなんになってしまいました。
どうですか。
生かしとく価値はありましたか。こんなんもありですか。
大晦日。もう例の儀式はやりませんが、こうやってあなたのことを思い出したり
することもある。
こんな風に、人の思い出というのは残るもの。
永遠に消えてしまう、なんてありえないもの。
だからまあ、こんな私も、どんな誰でも、捨てたもんじゃない、
って思うんですよ、ピートさん。
PETE DUEL さま。
今も、それは特別な名前です。
久々の大晦日にご冥福をお祈りします。
R.I.P
2001.12.31
とこのHPから抜粋、転用などすることは、どんな事情がおありか知りませんが、私の同意なしでは許されません。