ふらふらうろうろ日記―お山でお泊り録

テント背負ってお山へGO。


2009.8.21(金)くもりのち雨〜23日(日)はれ

穂高縦走? その1

今年はちゃんと登るぞ〜♪


去年は1泊で涸沢にテント張りにきただけなので、今年はちゃんと登ろうと思ってた。

地図を見ると、上高地を出発して岳沢方面から登ると、ぐる〜っと穂高連峰が縦走できそうだ♪

前穂で上から涸沢のテント村眺めて、奥穂に泊まってテントから夕日と星空と日の出を堪能して、 北穂登って涸沢でテント泊。帰りは涸沢からパノラマコース通って上高地に戻ってみよっかな〜♪

だけど奥穂から直に北穂に行くコースは足の幅から下はストンと何にもないようなとこ通ったりする世にも恐ろしいコースらしい。
高所恐怖症の私にゃムリっ!! 奥穂から一旦涸沢に降りて、テント張ってから北穂に登るかなぁ〜 今年は山で2泊ね♪

と、出発前地図片手にコース組んで楽しんでいた。



8.21(金):1日目

新宿からの高速バスは朝5時半頃上高地に着いた。


ほとんどの人が明神方面に向かう中、一人河童橋を渡る。時間は6時頃。




減らしたつもりなのに今回も荷物は重い。
出る前に体重計で測ったら16.5kgもあった。ん〜、重すぎ。。



しばらく行くと岳沢方面の道標発見。



なんかこれから登る先って嫌ぁ〜な感じのどんよりとした厚い雲が山をスッポリ被ってますが〜(汗)
ま気にしない気にしない。雲にビビってコース変えて、結局晴れたんじゃ後から悔しいし…。
ちったぁ気にしろよっ! 愚か者めっ!!



岳沢の小屋は平成18年に雪崩で倒壊してしまった。その後小屋のご主人が事故で亡くなって、再建のメドが立たないままだと以前新聞で読んだ。
帰ってから調べてみたら、2010年開業をメドに営業が再開される予定らしい。ヨカッタ。…けど、来年ね。



曇っているので、樹木帯の中に入ると鬱そうとして暗い。
せっせと歩いているつもりだが、いつまでも上高地が眼下に見え、前方はどんよりとした雲の中。


時々パラッときていたので、岳沢ヒュッテの跡地に着いて、念のためにザックカバーを掛ける。

小屋の跡地で一人でテント張ってる女性に出会う。
こんな時間に? と、ちょっとビックリしたけどこのまま上高地に降りるそうで、道理でゆっくりなわけだ。


先に進むといよいよ雲に突入? こりゃカッパ出さなくちゃだわ。
カッパ引っ張り出してカメラをしまう。


ガスってる …ちゅうか、雲の中なので、周りは真白。。(滝汗)
かろうじて登山道の前後が数m見渡せるくらい。


時々ザーッと降る中、岩場をよじ登ったり… あぁ新しいゴアのカッパを岩で擦っちゃった。。。


上から降りて来る人に出会うと挨拶がてら言葉を交わす。

昨日まではピーカンだったんだけどねぇ〜、で、明日からまたお天気らしいよ とか、
クサリや岩が濡れてて滑るから気をつけなさい とか。

確かに上から降りてくる人たちは当然のようにカッパ上下にザックカバーのフル装備。


聞いてみると、今日私より先にこのコースを登ってる人はいないらしい。(もしかして今日岳沢から登っているのは私だけ?)



そのうち仲間ではないようだけど朝同じ時間に宿を出発したような集団と、大きな一枚板の岩(平たくゆるやかに傾斜)にクサリがついてるような場所で行き合う。


下り終わるのを待っていると、私の目の前で一人の女性がツルッと滑って滑落!!

滑っただけですぐ止まるかと思ったら、荷物が大きいので勢い止まらず。
そのまま斜面を滑り落ちて、5mほど下の登山道で止まった。


少しうずくまっていたけれど、すぐに立ち上がって歩けていたので、足は大丈夫みたいでホッとした。
こめかみから少し血が流れていたのでどこかで打ったようだけど、大事ない様子? よかった。


止めてあげたくてもとっさに間に合わず、「大丈夫ですかっ!! 大丈夫ですかっ!!!」と声をかけることしかできず…。


近くにいた下山中の人が一緒に降りてってくれるようなので、お願いして私はそのまま先へ進む。



もしかしたら、私が待っているのを見て、焦ったんじゃないかと思うと申し訳なく思う。
そして、大荷物背負ってると、転倒すれば止まるはずの所で止まらない場面を目の当たりにして、ちょっと血の気が引く。
改めて、気を引き締めて行かなくては。。


時々雨が強くなるし、岩場をよじ登る場面もますます多くなる。そしてクサリ、ハシゴ…(*_*)


雨で濡れた岩は滑る。 慎重に慎重に…もう三点確保しまくり(苦笑)
手と足を掛けるところ探して、ぐいっと岩場によじ登り…。


あちこちぶつけて、たぶん足はアザだらけに違いない。
新しいゴアのカッパも岩で擦りまくりでかわいそうなことになってるけど、この際仕方なし。。


「少しでも手と足を掛ける所があれば登れる」のは、去年のバーベキューのボルダリング体験で得た貴重な教え。
別に今回切り立った岩壁登ってるわけじゃないので、そこまでシビアではないけれど…。




大荷物背負って悪天候の中、ひとりでこんなとこ登って行くなんて絶対間違ってるよなぁ。
この岩登りどこまで続くんだろう。。?
こんなことなら横尾経由で行けばよかった。。。。 とちょっ後悔。



その先しばらく誰にも会わなかったので、今日はもう降りてくる人もいないだろうと思っていたら、若い男性が降りてきた。
聞けば、誰もいないので出会えてあちらもホッとしたそうだ。
お互いの無事を祈って別れたけれど、この先の行程ももまだまだこんな感じらしい。



ガスって真白なので、岩にペンキで書かれた○が唯一の目印。
なんとか○にたどり着いて、キョロキョロと周りを見回して次の○を捜す。

やっとのことで、岩の乗り越えたら、次の○は今乗り越えた岩のさらに上方にあった。んげっ、登り直し… なんてこともたびたび。



やっとこさっとこ紀美子平に到着。
時間はすでに13時。 時間かかったなぁ〜。


前穂への分岐点だが、こんな天気にこんな時間なので、前穂はパスッ!!

…先に進んで早く安全な小屋に辿り着かなければ。。。


吊尾根も同じく真白。そして横からの雨風が吹き付ける。
ここでもたびたびの岩場越え。今度はよじ登って岩を横ばいで乗り越えるパターンが多くなったかな。
下も真白なので、どんな怖いとこにへばりついてるんだか見えなくてよかった。。と思う。


とにかく○印が命。 ひとつたどり着いて、次をキョロキョロ。ひとつたどり着いて次をキョロキョロ。。


白いガスの向こうに突然大きな岩がにゅっとそそり立っててギョッとしたりしつつ、 いいかげんうんざりしてきたけれど、もう今更引き返すこともできないので、先へ進むしかない。


このあと、今日はもう人が通ることはなさそうだし、ここで動けなくなる=遭難 だよなぁ。。それはマズイ。。


岩場登りも ヨイショッヨイショッヨイショッ!!と掛け声かけながら。
周りに人がいないのをいいことにストックも振り回しまくり。おかげでストックボロボロ


そして16時すぎ、やっと奥穂に到着。
コースタイム1:50のところを3時間以上かかってしまった。。



思いっきりガスってる上に雨風強く、とても祠に登る気力なし。
カメラを引っ張り出して、写真を1枚撮って、すぐ出発。


この頃には頭の先から足の先までびしょ濡れ。
防水透湿性の登山靴のはずなのに、靴の中に水たまりが…。

とにかく早く小屋に着かなくては…。


分岐で穂高岳山荘方面を指す方向に向かう。


標識の方向の斜面を下りた。


ん? とは思ったけれど、登山者の落し物の飴の個袋とか落ちてたので、登山道だと思った。
急斜面の下の穂高岳山荘の写真を見たことがあり、その斜面の感じが似てるような気がしたので、 そっち方面だと信じて降りて行った。


んがっ なんか足元がボロボロと崩れる。


うっかり大きな石を蹴落としてしまった。
こんな天候で誰もいないとは思うけど下に人がいないことを祈る。ごめんなさいっ!!



はっ!! 大勢の人が通るはずの道がこんなに崩れやすいはずがないっ!!


絶対ここぢゃないっ!!



道を間違えたことを確信したが、すでに10mほど降りてしまった。


うっわぁあああ〜!! まずいまずいまずいっ!! 早く上がらなくちゃっ!!!


が、もろい地面はアリ地獄のようにボロボロと崩れ、なかなか上に上がれない。。



τ?ΘΠΨα?Τδβαρπ〜!!!



必死にはい登ったら、目の前にちゃんとした登山道があった。。。






2009.8.25

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