芸術作品って…

先日、中学の時の美術の先生から個展の案内が届いた。
案内を頂くので、時々近くでお仲間と一緒に展覧会をされていることは 知っていたが、なかなか機会がなく、訪れるのは今回が初めてだ。

いまだに年賀状のやりとりはあるのだが、 中学卒業以来お会いしていないので、 旧姓を書いておいても誰からの年賀状かわかってらっしゃるのかなぁ?

その年賀状もシルクスクリーンの作品なので、 先生から年賀状が返ってくるのが毎年の楽しみでもある。

中学の美術の教師というよりも、芸術家肌のお方で、 美術準備室には、中学とは思われないような彫刻刀の研磨器や、 コンプレッサーなどなどが所狭しと置かれてあった。

授業も結構本格的なことをさせてくれるので、 高校の芸術の選択で取った美術の授業が物足りないと思ったほどだ。
美術クラブに在籍していたので、模写したり油絵を描いたり…。じっくりと 取り組ませてくれるので、おもしろかった。

ミレーの落穂拾いを模写した時は半年もかかってしまった。
しかも水彩絵の具で…。
はい。水をほとんど使わず絵の具をチューブから搾り出したまま使ってました(笑)

おかげで後に原画に出会った時は 感動でしばらくその場から動けなかったほどだ。

そもそも現在木彫を楽しんでいるのは、 授業やクラブで知った 楽しさの延長なのだと思う。

先生には結構かわいがってもらったと思う。

が、

頭頂部がかなり淋しかったので、生徒の間では密かに『河童』と 呼ばれていた先生の頭部を後から ふっ と吹いた時には めちゃくちゃ怒られた(苦笑)

作品を手直ししてもらってる目の前にお皿があったのでつい…。




地図を見ながらなんとかたどり着いた画廊には、モノトーンの抽象画がずらりと並んでいた。

掲示されていた先生のプロフィールには、出展された美術展の名前が毎年のようにずらり。
中学教師としての履歴は皆無。私が中学生だった時期も毎年美術展に出展されていた。
先生って中学の先生じゃなくて、やっぱり芸術家だったんですね(笑)

画廊に展示された全て同じ様なモノトーンの油絵の作品。
ペンキ塗りのローラーで描いてるのかなぁ。この影は先生お得意のコンプレッサーを使ったのかなぁ?
同じようで、ちょっとずつちょっとずつ感じが違う。

何を表わしているのかどんな意味があるのか全くわからないのだが、 絵の持つ迫力に圧倒される。

ふと思った。
芸術家って何をもって作品の完成とするのだろう?

自分が描いてる時は、「飽きちゃった」「もう嫌になった」が 終了の目安だったんだけどさっ(笑)

2002.4.18


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