最終回の思い出 親友との交換ノートからの抜粋です、はずかしながら・・・
じつは今、東京です。このノート、持って来ちゃった―――新大阪までママに送ってもらって、東京で、おばさんが迎えに来てくれました。心細くもなかったし、さびしくもなかったけれど、新大阪でママがガラス窓のむこうで何か言っているのに聞こえなかった時、ちょっと涙ぐんでしまいました。3時間半なんて早いよネ―But この間3時間40分(春闘で30分延着)”りぼん”と”詩とメルヘン”を読んだりしてたのですヨ。
東京のおじさんが、N○Kの関係者の知り合いを見つけてくれて、見学コースに急に入れてもらったのだけれど・・・見学だけじゃなくて、リハーサルにも入れてもらえることになりました。うまくいけば、ワカ、見れます・・・
1974年 3月21日(木)0:48AM あー!!!!今のわたしの気持ちを伝えるには、気がくるう程大きいロックの歌を聴いてもらったあとじゃなけりゃ―
ワカです、WAKAです! あーん、もう!
でも、最初から・・・
おばさんと、東京に住んでいる幼なじみのK子ちゃんと一緒に、0:00PMに、目白のおじさんのうちを出て、山手線の原宿へ――そこから歩いて渋谷の放送センターへ。そして、まず一般見学コースを見て、売店で101のものを少々買って、2:00PM。
Sさんという101の技術関係プロデューサーのかたと、お会いする約束が2:30だったので、30分ある、どうする? まずは、関係者用の入り口から入ったんだけれど、ニックがいたころ、”グラフN○Kの紹介のところに、”よく5階の食堂でソーダ水を飲んでいる”と書いてあったのを思い出して、5階の社員食堂に行き、同じくクリームソーダをたのんで・・・にっこりしてました!
そ・し・て・2:30PM!
興奮して、頭がぼーっとなって、ほおがほてって、直立不動でワカの姿を追っていました。すごーい音!!!テープを流してるのよ、入った当初は、耳がガーンガーン!上を見ると、ライトがいっぱいで、あんまり高くて目がまわりそうでした。
(通路と101スタジオ内部の見取り図) (セット1. にくい太陽のセットの絵)
(セット2. 丸い階段のセットの絵)
(セット3. チャープスが踊って、ワカ&ヒロが出番を待っている絵)
101最終回の、カッティングの練習、というのをしているところを見たの。途中で止めて、注意されたり、やり直したりしながらのリハーサルです。ほかにも頼んでスタジオ内で見学してる人たちがいました。でも、入れないたくさんのファンは、入り口の外で、出て来るのを待っているようでした。
- マリーさんが横を通ったら、お化粧のにおいがぷんぷんしてた。
- テレビだと太って見えるっていうけどほんとう!いちばんぽっちゃりのメミでもほそーいの!
- 大城くんと相沢くんが、踊りの練習してた。くるくるまわって。
- なにしろよかった!
ヤマちゃんがすぐそばを何度も通ったの。すごーく親しい気分でじーっと見ちゃうでしょ。だからそうとうヘンな感じでじろり、と見られてしまった・・・(むこうからは他人だものねー)チャープスとは、すれちがおうとして、すれたというか、ぶつかりそうになりました!
テレビや写真では、現実的でなかったから、今まで、実在の人物のような感じが、あまりしてなかった。なのに、いきなりすぐそばに立っているんだから!
ワカのこと出てこないから、おかしいと思ってた? そうです、これからです!!本題は。もちろんワカばかりじーっと見てたのヨ。
ひとくぎりついて、そのSさんというかたが、「お目当ての人は誰?」(心得てるのネ)固くなっているわたしのかわりにおばさんがワカの名前を口にすると、「アー、話して連れて来てあげるね」(わたしはもう気がおかしくなりかけ)
向こうのほうにいたワカのほうへ、ツカツカと歩み寄り、ちょっとお話して、ワカはうなずいて、こちらを見てニコリ。そして歩いてきて、手を差し出して握手!ワカの掌は、大っきっくて、あったかくって、ふわりとしてて、さらりとしてました。わたしは軽く手をそえただけ。
ワカのほうから「はじめまして!」(とおじぎ)。あわててわたしもペコリ。(えっ?はじめましてー?!?!―そりゃそうなんだけど・・・ショック!)おばさんが、番組が終わるというので、どうしても、と、関西からやって来た、4年まえからの大ファンの子なんです、と話す。(何も言えずに固くなっているわたし・・・)
「あ、どうもありがとう、よろしく。これが終わってもね、23日に『あなたのメロディ』に出るしね、そして、『銀座わが町』が終わって次、の番組の、5本目の初めにちょっと出るし・・・5本目の初めちょっと、ってとこがむずかしい!」
わたしはもう、顔はほてって、今にもたおれそうなくらいドキドキして、正気じゃなかったこと、言うまでもありません。「5本目の初めですネ、はい。」(―とマジメに、答える。)そいで、ちょっと何かおしゃべりしてたら(おぼえてないよ)おばさんが気をきかせて、サインをお願いしてくれました。でもまさか会えるなんて、思ってもみなかったので、何の用意もしていなかったから・・・万年筆で書いてもらうことになってしまいました。
ワカ「お名前何ていうの?・・・○○○さんですネ(カタカナで書いている)」わたしは大きなため息をつく。私「は〜〜、これでもう、思い残すことはありません・・・」ワカ「いや、そんなー、こわい!」・・・・私「どうもありがとうございました。」ワカ「いいえ、どうぞよろしく!」(去って行くー!)
わたしは、もう、もう、もう、もう! すてきだったよ・・・
ワカね、それからヒロミちゃんやトモコちゃんとふざけていたよ。それと、ヒロと一緒だった。わたしたちが出てから、本番の収録があって、今日最後だから、みんな、泣きながらだったそうです。
(ワカの絵) 思っていたほど細くなかったよ。でも腰や足は、そうとうスマートでした。
(―ピッタリの白のジーン、オレンジのシャツに白に縞のベスト、ブリーチのデニムに”waka, waka, waka・・・”といっぱい刺繍されたジャケット)
1974年 3月21日(木)22:47PM お見苦しかったことでありましょう。でもあれだけ興奮してたってコトは伝わったかな?家に戻ってきました。だいぶ冷静になってきました。でもね、101スタジオの広さって、とても説明できない・・・
(立体的な絵を書こうとする試み) これより、ずーっと広いよ!
(細かい説明入り。”にくい太陽”の太陽が、上げ下げできる、とか、背景の色がいろいろ変わる、とか。ここに女性のプロデューサーさん、とってもかしこそうでえらそう、とか、ここに踊りの先生らしきかたが、みんなが踊っている間じゅう、いっしょの踊りを踊っている、とか・・・)
101スタジオに行ってみて、自分の無力さを思い知りました。あたりまえのことだけど・・・101のメンバーは、わたしにとっては、お友達、というか、親しくてとってもよく知っている人なんだけれど、もちろん向こうからは、ゼーンゼン他人なんだものネ。
ワカはもう、わたしのこと忘れたネ、きっと・・・。その日だけでも、何十人、何百人のファンに会っているんだもん。
ワカにはワカの人生があるのネ。
ママが、”遠くに住んでいて、憧れてるくらいのほうがいいのヨ”って言いました。でも、どんなであってもいいの。ワカがワカでさえあれば・・・
一緒に見学に行ったK子ちゃんは、小学校1〜2年のときのクラスメート。影響されて、101とワカのファンになっちゃった。急に”ファンクラブに入りたい!”なのですよ。
1974年 3月24日(日) いろいろ考えます。ファンクラブの会報を、ぜんぶ読み返しています。ワカの言葉に少々影響されました。たとえば、ワカの名言集、
青春とは・・・?
わかんないナ、オレ。そういうのはおじいさんじゃなくちゃわかんないしさ、とにかくまちがいがあってもいいと思うネ。自分で思った通りに進んでみてさ、そしてまちがった事が一つの勉強になるし、それが将来自分のすごい役に立つしネ。やりたいことがあったら、徹底的にやってみる。そして、若いあいだ、1年1年大切にしていきたい。
101、そして初めてひとりで行った東京は、わたしの知らないところで動いている世界でした。
あーん、ワカワカ・・・ もう101は終わったのね、でもそんな気がしません。
今日、最終回のひとつ前の回――なのに、泣いちゃった・・・ママはバカだと言うワ、泣いても、また始まるわけじゃなし。でもネ、ワカ&ヒロがやめてもいい、まきくん、ヤマちゃん、みんなやめてもいい、ただ―101は残ってて欲しかった。
101のテープ、12本目が終わりました。きのうと今日とで、テープをすみからすみまで聴いて、曲の名を書き取ったら、121曲ありました。そして、あと最終回に何曲・・・
泣いちゃうよ、かなしいよ、31日どうなっちゃうのかしら―
だって、101がなくなるのヨ、もう二度とないのよ、再放送もないだろうし、もう一生みれないのよ―――
死んだ訳じゃないし、みんな生きているけど、二度と会わないかもしれない。二度と顔もみれないかもしれない。
ワカ&ヒロはいいよ、でもその他の人も――わたしの仲間だったの。希望に燃える、憧れだったの。残されたのは、おもかげと、歌だけです・・・
でも何百人、何千人、もしかしたら何万の人が、31日の101をみて泣くんだと思ったら。ファンクラブにいる人も、みんな友達の気がします。知らない人でも、その”気持ち”は同じだから。
101のテープは、死んでもお墓に一緒にうめてもらうヨ。まったくの他人だけれど、わたしにとっては・・・お友達でした。
自分では、すくなくとも半分くらいは、何かが変わったと思っています。
ホント、中3になったら、何を思って生きていくの?真っ暗闇な感じがするけれど・・・でも神様がいるのなら、いつも生きがいを与えてくれるでしょう。新学期には何かを見つけられるでしょう。だって、思いがけなく101スタジオに行かせて、ワカに会わせてくれました。そのことで、もう一つ、何かが見えた気がしました。そして、これからが・・・夢の課題です・・・!
14歳 早春。
***** 101fan のお友達からいただいた文章です ***** それぞれの人が心の底に
地下水のようにみずみずしいものを持っているはずなのですが、
普通はいつの間にか、その存在を忘れていたりするものなのです。しかし、わたしたちは、ネットのおかげで、奇跡的にもまた、
その心にしまって置いた部分に触れることができるのは、感動的なことだと思います。××さんの想い出を読みながら、
自分の14才のころのことを思い出しました。そして、・・・(中略)
それはほかの方々も同じだと思います。過去は、か細い糸で、かろうじて現在とつながっているのではなくて、
むしろ未来と、強い絆でつながっているのだと思います。