むらさきぐま日記2005.その他


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1.PSM・VS桜2/20 2.お菓子・VS脚3/19 3.サテ・VS脚3/20 4.サテ・VS桜3/27
5.お菓子・VS海豚5/21 6.お菓子・VS脚6/4 7.ヴィオラ・ダービー7/30 8.JFL.愛媛FCvs佐川東京9/24

ヤマザキお菓子杯の予定。

Jサテライトリーグ2005の予定。


9月24日 愛媛県総合運動公園陸上競技場 晴
JFL後期第6節 愛媛FCvs佐川急便東京SC

 サンフはガンバ、浦和に連敗して踏ん張りどころ。25日には新潟へと乗り込んでアウェイ戦を戦う。この試合には行くことができないので(主に予算の都合)、俊也を見に松山へ行くことにした。昨年も自分が高知へ行ってる時にトップチームは快勝(緑に3−0)したし、ゲンを担ぐという意味もちょっと込めて。
 俊也は7月にJ2昇格を目指すJFLの愛媛FCへ期限付き移籍。移籍した週の週末にJFLのリーグ戦にいきなり途中出場、良い動きでチームを引っ張ると、次の週には決勝ゴールを決め愛媛を首位へと引き上げた。その後JFLは中断期間に入ったが、この間に連携などを高めたのだろう、先日の天皇杯2回戦ではハットトリックに2アシストという八面六臂の活躍。そしてこの日、いよいよJFL再開。クラブはチェアマンから「たとえ優勝してもJ2昇格は難しい」との厳しい(理不尽)なコメントを受けており、それを見返すためにも、これからの試合は勝っていきたいところ。
 愛媛FCのオフィシャルHPなどを見るとこの試合には1万人動員キャンペーンを打っているとのことで、運動公園近くの生涯学習センター駐車場が無料開放となっていた。運動公園(&動物園)の駐車場は有料なので、こっちに停めることに決めた。歩いて15分くらいなら、別にキツくはない。
 対戦相手の佐川急便東京についてちょっと調べてみた。現在9位。9勝3分け8敗と勝ったり負けたりの成績だが、何と得失点差が+12もある。圧勝するか惜敗するか、という攻撃型のチームか?元磐田の山本、元市原・新潟の井上、元横浜FCの大久保などJ経験者も多く、また、広島皆実や順天堂大で活躍したストライカー・堀健人が今季から加入している。彼と愛媛の猿田(山陽高→拓殖大)は同級生で、国体選抜で一緒に戦ったこともある。競演なるか。
 昼過ぎに家を出たが、にわかに空が曇ってきた。まさか雨降らないだろうな、と心配しながらしまなみ海道を走っていく。しかし、もちっと橋代安くならんのか。今治北で降り、15号線経由で196号線に入り、松山へ南下。右手に海が見えてくるころになると、空は晴れてきた。二週連続で濡れる心配はなさそうだ。北条松山バイパスに入って山を突っ切り、松山市内へ。
 松山へ車で来るのは四度目だが、相変わらず市内は混んでいる。196号線は市街の西を南へ突っ切ると90度東へ折れて33号線へとリンクするようになっていたが、車はなかなか進まない。まだ夕刻の混雑時には早いのに・・・って、今は秋の三連休、行楽シーズンだからか?
 33号線に入るが、ここも車線が少ないために混む。福山ナンバーの車をお見かけしたが、この方も愛媛FCの試合を観に来られたのだろうか?自動車道の下をくぐるとすぐに左の道に入り、橋をひとつ渡ってAコープのある信号を左折、Aコープの隣にあるコンビニに停まってひと息。2002年の天皇杯4回戦・鞠戦(2−1逆転勝利)の時にここで飯を買ったりしていたのを覚えていたので。生涯学習センターの位置をプリントアウトするのを忘れていたので、コンビニに入って地図で確認。ついでに飲食物を買って、出る。車で東に出て、次の信号を右折、次の三叉路を右折。しばらく進むと、岡の上に大きな建物が見えてきた。あれがそうだろう。その手前の交差点にオレンジのジャージを着た方がいらっしゃった。駐車場へはそこを左折らしい。左折してしばらく行くと、駐車場があった。16時過ぎ着。試合開始まで2時間を切っているが、こちらの駐車場はまだだいぶ空いている。
 会場で食べるのは面倒なので、ここで食べてから車を出る。交差点には、道案内のボランティアの方々(オレンジ装束)がいらっしゃった。のどかな田園風景の中をてくてくと歩いていくと、右前方に陸上競技場が見えてきた。信号を渡ってさらに丘を登り、会場着。
 会場の周囲には露店が多く出ており縁日状態なのは前と変わっていない。2001年に高円宮杯2回戦・サンフユースVS高松商を見に来た際、その前に行われていたJFLの愛媛FCvs大塚製薬(現・徳島ヴォルティス、J2)のゲームも観たが、この時は大塚製薬にサンフ出身の石川・行友がいたために、どっちかというと大塚を応援していた。そのときの試合は、愛媛が濱岡のゴールで先制するも大塚が平岩・石川のゴールで逆転、しかし愛媛も友近のゴールで追いつきドローかと思われたロスタイム、大塚がFKから谷池のゴールで勝ち越し、3−2で大塚が勝利。この時の観衆は600人あまりだった。 
 メインスタンド入り口側へ回る。入場門付近では「愛媛をJ2に!」という署名活動が行われていた。チケットを買い、署名。
「広島からですか!」
「俊也のゴールを見に来ました」
「大丈夫ですよ!」
「期待してます」
 メインスタンドへの列に並ぶ。けっこうな列ができていた。それでも手荷物検査がないので、それほど待つこともなく中に入る。「選手たちへのメッセージコーナー」では、子供たちが列になって思い思いに選手たちへのメッセージを書いていた。EFCのオレンジタオマフを買って、スタンドへと上がる。
 バックスタンドやゴール裏の芝生席前半分が長いす座席になっていた。去年ダメだって言われて設置したところか。しかし今年になって、「それじゃまだダメ、個別席を3000作れ、記者室も貧弱、VIP席も立派にしろ、あとトイレももっと整備して」と言われて、現在愛媛県と松山市、愛媛FC間で協議が行われ、県が陸上競技場改修の予算を出そうとしているところ。ざっと見て、これがJ2のスタジアムにふさわしいか、といえば、まあ、器は今後どうにでもなるんじゃないの、という感じ。J1の市原臨海も、どんなにチームが快進撃しても5〜6000人くらいしか来ないスタジアム、飛び跳ねたりしたらガッシャガッシャ音を立てる仮設スタンドだったし。それに比べれば大した違いはない。ただ、電光掲示板がないのがちょっと寂しいところ。県庁所在地にある県の陸上競技場に電光掲示板がないというのは、建設時にちょっと予算切り詰めすぎたのか。そのうち(なるべく早く)作らないといけないだろう。
 17時を回ると、観衆も次々に入ってきてメインスタンドを埋めてくる。ただ、メイン入り口がセンターよりアウェイ側にあるため、そのままアウェイ側の席に座ってしまう人が多い。愛媛サポはバックスタンドホーム側に陣取る。こちらのほうにもセンター付近に人が集まってきている。オレンジのボードが何枚も見えるので、どうやら人文字をやるらしい。佐川東京サポはアウェイゴール裏バックスタンド側に少数来ているようで、時折トランペットの音が聞こえてきた。空は晴れ、夕刻になり涼しくなってきた。ただ台風の影響か、風がやや強い。アウェイ側からホーム側へと吹いている。
 17時10分過ぎ、今年からコーチになったサチ(吉田幸生)が選手たちを連れてトラックに出てきた。そしてアップを開始する。なかなか様になっていた。そして20分、佐川東京、次いで愛媛の選手がピッチに出てきてのアップを開始した。もちろん俊也もいる。
 メインはかなり埋まってきた。ただ、ゴール裏には人がほとんどいない。ピッチまで遠いからか。そちらのフェンスには選手たちの名前を記した断幕が並んでいる。バックスタンドのサポーターたちの前には、
「俺たちの夢 熱い太陽と潮風に乗せて!愛媛FC」
「お前達はピッチの中で 俺達はピッチの外で 夢に向かいともに戦おう!!」
という熱い断幕が張られていた。
 メインスタンドで愛媛FCコールの練習。さすがにコールをする人は少ないが、みんなしっかりと手拍子は取っている。それからトラックにスタジアムDJさんが登場し、愛媛FCをJ2へと押し上げるためにみんなの力が必要だということを、声がかすれるほどの熱いシャウトも交えて語りかける。
「愛媛の力を見せてください!」
この自分もグッときたので愛媛の方々もそれ以上に熱くなっただろう、大きな拍手が起こる。
 メインスタンドはその広い両翼まで(両翼が広すぎるので、ゴール裏からピッチまでがひどく遠い)ほぼ埋まった。スタジアムDJさんが、ホームサイドはピッチに向かって左側なので、そちらに座ってくださいと再三お願いしていた。熱気が高まってくる。そしてスターティングイレブン発表。
愛媛FC:
33田中 19永富
8濱岡 20広庭
     
10金子 23井上
6川井光 2加藤 5星野 13関根
31羽田
リザーブ:GK21川本、DF3八柄、MF16赤井、FW32猿田、11友近

俊也、先発。185cmの長身FW永富との絡みでゴールを狙いたい。
佐川急便東京SC:
22堀 28大久保
10山本
14榎本       16井上
18中払 8山根
3冨山 6鈴木 5伊藤
1佐野
リザーブ:GK21阪本、DF4川村、MF7小幡、13河合、FW15竹谷

こちらも堀健人が先発。広島県人として、彼がどのようなプレイを見せてくれるかも楽しみ。
 選手入場。同時にバックスタンド中央でオレンジボードが一斉に掲げられる。元芝生席で傾斜が少ないためメインからは少し見づらいが、その人文字が

EFC J2

と書かれているのははっきりわかった。愛媛FCコールと手拍子が響く中、試合開始。
 愛媛、中央遠めでFKを得る。キッカーは金子。左足で直接狙う!果敢なチャレンジだったが、左に外れる。佐川、左サイドの14番榎本に展開しクロス、DFクリアのこぼれを190cmの長身FW大久保が拾ってシュート!はDFブロック。佐川、今度は左サイドに流れたトップ下の10番山本正男のクロスに中央、FW堀健人がスッと抜け出すがオフサイド。さらに佐川が左サイド、大久保がフィジカルを活かしてキープ。そして一人抜き去るが、MF広庭が戻ってきてカバーし、クリア。どうも右サイドバック関根のプレイが軽い。攻めるのか守るのか中途半端な位置にいるので、彼の前でキープされたり裏を取られたりしている。愛媛、左サイドからアーリークロス。永富がゴール前に競り落とし、俊也が走り込んでDFのチェックをかわしてシュート!はその前にオフサイドフラッグ。俊也がシュートにいった際にGKと交錯し、GKが痛んでしばらく試合が切れる。
 それから中盤での主導権争いが続く。愛媛は右サイドで広庭がいいカバーリング、ファイトを見せている。佐川はていねいにパスをつなぎ、また大久保に合わせたりして徐々にリズムをつかんでくる。佐川のフィード、これがクリア不十分でゴール前にこぼれるが、GK羽田が飛び出してキャッチ。佐川、右サイドの井上公平からのクロス、ファーに流れるところを堀が受け、タテに出して榎本が受けてキープ、戻したボールを堀がクロス・・・はミスキックでゴールラインを割る。
 愛媛、俊也から右サイド広庭へ展開。関根とパス交換し、広庭はキープから突破を図るがタッチラインを割る。左サイドバック川井光一が俊也にパス、俊也がリターンパスを出すが、通らない。愛媛のカウンター、俊也が裏を取る動きを見せ、金子がピタリのタイミングでフィードを放ったが、DFがヘッドでクリアし惜しくも通らず。
 佐川、左サイド榎本がサイドチェンジ、右サイドの井上が受けてクロス、これに中央飛び込んだ堀がヘッド!決定的だったが、GK羽田がパンチではじき出す!スーパーセーブでCKに。佐川の右CKは愛媛が大きくクリア、これがいい具合にDFの裏に飛び、前線に残っていた俊也がこれを追って走るが、その前にDFがヘッドでGKに返した。
 愛媛が中盤でボールカットしカウンター、ツートップや周囲の選手が一斉に前線目がけ走り出す。スルーパスだ!と思ったが、なぜかここで左へ横パスを出してしまい、危うくカットされそうになる。金子が何とかキープしてクロスを上げ、ファー永富がヘッドで合わせたが、コントロールはつけられず右に外れた。しかしカウンターで横パスはないだろ!もったいない。
 佐川、左サイドに展開。榎本が受け、パシッとスルーパス。左のスペースに山本が完全フリーで飛び出す。やばい!山本クロス!はミスキックでゴールラインを割る。助かった。1点ものの場面だった。さらに佐川、左サイドでパスを回して再び山本が抜け出す。クロスはDFがはじき返したが、愛媛は右サイドに集中攻撃を食らっている。佐川は中盤でボールキープできるようになり、ダイレクトパスも交えスピーディーな展開でサイドを破っていく。愛媛は中盤で佐川のプレスにかかり、無理なパスをカットされて反撃を食らう場面が増え、次第に攻め手を失っていった。佐川中盤からスルーパス、左から堀が抜け出しシュート!左に外れる。愛媛はDF加藤が奮闘、次々と飛び来るクロスやフィードを空中戦でよく防いでいる。
 俊也がクサビのボールを受け、反転しざまにスルーパス!永富が飛び出していたが、DFがカット。惜しい。佐川、ボランチの中払から右サイド井上に展開しクロス、はGKキャッチ。愛媛はセカンドボールをことごとく拾われ、佐川の山根・中払・山本にいいようにボールを回されている。山本のスルーパス、堀が走る。カバーのDF星野が先に追いつく・・・と見えたが、堀がグングンと追いついて何と追い抜く!ところでギリギリ星野がカット、ファウルをもらって危機を脱する。しかし、いくら堀が速いとはいえ星野、ちょっとスピードが・・・どこか痛めているのか?しかし、これだけ中盤で回されているのに、ツートップの永富と俊也は前線に張り付いてそれを見ているだけ。何やってるんだおまえらは。ちったあプレスにいけ!おまえたちが相手の中盤にプレスをかけるだけでもだいぶ違うのに・・・そこで待ってても、この状況ではろくなボールは来やしないっていうのに、なに傍観してるんだ。特に俊也!その姿を小野監督が見てたら100パーセント激怒するぞ。
 30分経過。佐川、自陣からのFK。大きく蹴り出し、これをFW大久保がトラップして反転シュート!上に外れるが、愛媛のチェックが甘い。佐川の左FK、鈴木が直接狙う!GKパンチ、このこぼれを冨山がヘッドでPA内に放り込み、大久保が反転しながらシュート!決定的だったが、GK羽田が大きく伸び上がってこれをキャッチした。よく捕った。愛媛、右サイドでつないで金子がフィード、永富がヘッドで裏に落とすがGKキャッチ。佐川の10番山本が中盤で素晴らしいキープ。一人にぴったり付かれても、意に介せずドリブルでキープ、前へボールを運んでゆく。愛媛の右FK、金子が左足でゴール前に上げ、DF加藤が飛び込むがGKキャッチ。佐川、山本のキープからファウルをもらいFKゲット。左サイドからのFK、山本がクロスを上げるがGKキャッチ。またも左サイドでFKを得、ゴール前に上げてファー大久保がヘッド!はGKキャッチ。
 愛媛の左スローインからのクロス、DFクリアでCKに。右CK、金子のキックはGK佐野がパンチ!逆サイドのタッチラインを割る。左スローイン、川井が入れるが佐川がカットしてクリア。
 40分経過。愛媛左サイドで金子がカット、そのままドリブルで持ち上がってミドルシュート!わずか上に外れる。これで、サポーターのコールに手拍子はしていたもののやや沈んでいたスタンドが久しぶりに沸いた。またも金子がカットしてカウンター、ボールがこぼれるが右にいた永富が拾ってクロス、こぼれ球を俊也がつないで左サイドに落とし、濱岡のクロスにファー永富がヘッド!右に外れる。
 佐川、右サイドでボールをつないでクロス。これがゴール前を横切るところ、DFがヘッドでゴールラインへクリアしてCKに。ニアではじき返さんと。佐川の左CK、山本のキックはGKキャッチ。44分、佐川の右サイドFK。ゴール前に伊藤、大久保が飛び込むが星野がクリア。
 ロスタイムに入ったところ、佐川・大久保が相手ボールを奪ってカウンター。抜け出すところを関根が後ろから倒してしまい、イエローカード。佐川のFK、ゴール前に上げ、こぼれるところを中央左から堀がシュート!しかしGK羽田がしっかりキャッチし、そして前半終了。
愛媛は何とか耐え忍んだ、という前半だった。右サイドの守備が決壊気味で、前線からのプレスもない。選手間の距離が空きすぎていて、パスもろくに通らない。ただ、これらは修正可能なことなので、ハーフタイム中にきっちり対応してほしいところ。永富へは時々いいボールが入るのだが、彼のトラップは少々大きく、足元に収めるまでに二、三人に囲まれてしまう。もっと足元にピタッと止めることができれば、いいポストプレイヤーになれるのだが。ヘッドには強いし。
 佐川東京は思い通りの展開。中盤でしっかりボールキープし、ダイレクトパスを多用してサイドに展開、また相手の裏を突く速いサッカーを徹底。堀、山本の飛び出しに愛媛はほとんど対応できていない。左サイドの攻撃が快調で、榎本がものすごく目立っている。トップ下の山本もキープにパスに飛び出し、ドイスボランチの山根&中払は自在にボールを展開する。右サイドの井上もいいクロスを上げているが、左サイドの攻撃が絶好調のため、ちょっと仕事が少ない感じ。
 ハーフタイムにはピッチでちびっ子たちのリフティング大会。他会場の結果が流れるが、首位争いをしているHondaやYKK APのゲームは明日。
 後半開始。選手交代はなし。
 何とか挽回したい愛媛だったが、後半2分、佐川の左サイドへのフィードに堀が抜け出す。これに関根が追いすがったが、勢い余って後ろから倒してしまった。PA左ギリギリ外の位置、主審は躊躇なく関根に二枚目のイエローを提示し、ちょっともたついたものの、引き続きレッドカードを抜き出して掲げた。関根退場。前半からの凄まじい圧力に、ついに愛媛の右サイドが決壊した。佐川のFK、PA左ラインすぐ外。山本キック、はやり直し。笛が鳴って、蹴り直しのキック!壁!こぼれが右へ、これを佐川の伊藤がクロス、中央こぼれるところを山根がシュート!GKキャッチ。落ち着きたいところだが、そこからのボールを佐川にカットされてしまう。佐川は素早く左サイドに展開し、残っていた山根が受けてクロス。押し上げようとしていたDFラインの裏を取った堀がフリーでゴール前に飛び込みランニングヘッド、きれいにゴールネットを揺らして後半4分、佐川東京が先制した。堀はそのままゴール裏の佐川サポに向かってガッツポーズ。ケント、やりおる喃。
 愛媛、選手交代。MF広庭に代わってDF八柄。アップも可能な限り急がせたのだろうが、間に合わなかった。後半立ち上がりに一人失った上に先制されてしまったが、どうする。
 八柄は左サイドに入った。
 佐川、右サイドFKを得る。山本のキックは八柄がクリア。中盤のセカンドボールは佐川が拾う。と、濱岡がカットからカウンター、ドリブルで持ち上がってファウルをもらい、FK。金子のキック、中央俊也がキープしてパスを出すが、DFがカットしてクリア。佐川・山本が受け、キープするところ倒される。このプレイで山本が痛み、担架で外へ運び出された。
 ここで愛媛、二人目の選手交代。後半11分、俊也に代え、愛媛のエース“ズーパー”友近イン。大きな拍手が沸き起こる。この試合、俊也はほとんどいいところなし。ネット配信で見たデビュー戦では積極的に動き回ってボールをさばきチームにリズムをもたらしていたのに、今日はほとんど前線に張りついたままで、何もできなかったというより「何もしなかった」。あれだけ押されていたのに。先日見たサテライト練習試合の俊介のほうがはるかに守備をしていた。サンフでやってたことをもう忘れてしまったのか。そんなんではとうてい愛媛の役に立つことはできない。
 この交代から間もなく、山本がピッチに戻った。
 佐川、左サイドに展開し榎本がクロス、ファーにこぼれるところを大久保が右足ダイレクトで合わせるが、右に外れる。愛媛、左サイドで八柄がキープして前線にフィードを送り、友近が走るがDFクリア。友近、前線で奮闘する。165cmの小兵ながら中盤で体を張ってキープし左へ展開、クロスにゴール前飛び込む、DFクリアを愛媛が拾って波状攻撃。佐川DFが必死の守備、こぼれを友近が拾って中央突破、しかしDFがカットしてクリア。惜しい場面、しかし友近投入で流れが変わった。一人少ないながら、ほぼ互角の状況。
 佐川、山本に代えてMF13河合が入る。
 愛媛の右スローイン。永富がキープしきれずも、こぼれを拾った友近が猛然とドリブル開始。三人に囲まれながらも強引に中央突破、最後にカットされてしまったが、魂の入ったプレイにスタジアムがさらに沸く。後半20分を回り、佐川東京もさすがに疲れてきたのか、中盤のプレスが緩んできたため愛媛のパスが通るようになってくる。それでもダイレクトパスで素早くサイドに展開するサッカーは健在。左サイドからのクロス、右で大久保が受けてシュート、左に外れる。続いて堀がキープして左へ展開、ここでつないでのスルーパスに堀が飛び出し、左サイド高いところでキープして後ろへ戻す。榎本がこれを受けて、オーバーラップしてきたボランチの中払へ。中払のクロスに中央大久保がヘッド!
ゴール!
後半24分、見事な崩しから佐川が追加点。愛媛、またも右サイドを破られてしまった。愛媛は、交代で左に入ったDF八柄がほとんどウイングバック的な位置にいるので実質スリーバック状態。中盤の右サイドへのケアが不明確だったこともあり、右サイドには穴が開いたままだった。押し返してきたところへの失点で、愛媛は苦しくなった。しかしまだわからない。
 愛媛、選手交代。金子に代え、ドリブラーの赤井を投入。右サイドに入る。
 愛媛、右サイドでFKを得る。ゴール前に上げ、ファーから加藤が走り込んできて左足で合わせる!が上に外れた。決定的だったが・・・惜しい。次いで左サイドに展開、パスをつないで濱岡から中央友近へ。友近、二人に囲まれながらもキープ、PAに入るが浮き球が手に当たり、ハンドをとられてしまう。さらに左スローイン、ここからつないでクロスを上げ、ゴール前に飛び込んだ赤井がバックヘッド!しかしGKキャッチ。佐川の右CK、河合のキックにファーで合わせるが上に外れる。
 後半35分、佐川、FW大久保に代わりFW15竹谷イン。彼も188cmある長身FW。
 愛媛、左スローインから永富→濱岡とつなぎ裏へのフィード、DFのクリアはゴールラインを割りCKに。応援が盛り上がる。ここで取れれば!左CK、濱岡のキック、GK飛び出してパンチ、左へこぼれるところを濱岡が拾ってクロス!ゴール前――GK佐野がキャッチ!ゴールならず。
 中盤で佐川がダイレクトでボールを回し、左のスペースへ展開。左サイドに飛び出した堀が高い位置で受け、ドリブルでPA内侵入。ゴールライン際で加藤と一対一、タックルに来るところ鋭く切り返してかわし完全にフリーとなると、落ち着いてシュート。ボールはゴール右スミに飛び込み、後半39分、佐川が決定的な3点目を取った。7,726人と発表された観衆も、続々と席を立ち始める。
 そして、佐川選手交代。この日大活躍の堀に代わり、MF7小幡が入った。
 愛媛、必死の攻めを見せる。かなり消耗しているため中盤ではプレッシャーをかけられず、ゴール前ではじき返してそこからつないでいくしかない。ボランチ井上が猛然とドリブルで持ち上がり、後ろから倒されてファウル、FKを得る。佐川の伊藤にイエロー。ここでロスタイム3分の表示が出た。せめて1点でも返し、意地を見せたいところ。中央左、PAから少し離れたところ。赤井と濱岡が立つ。ここは決めたい。赤井のキック!壁の上を越える、いけ―――しかしGK佐野キャッチ!枠を捉えていたが、これも決まらず。
 残り3分、愛媛は最後まで1点を取ろうと走ったが、佐川も最後の力を振り絞って中盤でプレス、愛媛の攻めを断ち切ってパスを回し、そして試合終了のホイッスルが鳴った。
 佐川は運動量、プレッシング、パスワークすべてにおいて愛媛を上回り、相手の弱点を徹底的に突いて左サイドから3点を挙げた。堀健人は先制とダメ押しの2ゴール、また中押しのゴールにも絡む大活躍。彼のスピードは愛媛DFに後ろから追いついて抜き去るほどで、その鋭い飛び出しは愛媛守備陣を翻弄していた。大久保も高さとフィジカルを存分に活かしており、このツートップは怖い。
 愛媛は試合中に起きた問題を解決することができないままに退場者を出し、善戦したものの支えきれずに3失点。完敗だった。せめて中盤でプレスがかかれば、こうもいいようにやられはしなかった。FWがもっと守備をしなければ。一万人には達しなかったものの、運営やサポーターその他の努力で八千人近くの観衆を集めながら、その前でいいところを見せることができなかった。ただ、最後まで何とかしようという意識は見られたので、それを次節の勝利につなげてほしい。俊也も、この日のようなパフォーマンス(動いていない者にパフォーマンスも何もないけど)ではサンフに帰ってくることなどできない。今日は30歳の友近のほうがよく動いていたし、あらゆる面で俊也以上だった。正直、今日の試合、友近が先発ならばこうはならなかったかも・・・と思った。現在の環境がどうであれ、日々自分を高める努力を。
 今日スタジアムへ来た人も、勝敗は兵家の常、まだまだ試合は残っているし、今度こそ選手たちを鼓舞して愛媛を勝たせ、Jリーグ入りを実現させるためにまたスタジアムへ足を運んでほしいと思う。点を取られながらも、最後までゴールを目指していた選手たちの意地を見たならば。
 このまま帰ろうかと思ったが、万博の試合が非常に面白いことになり(首位ガンバVS2位鹿島、ロスタイムに点を取り合って3−3ドロー)、また3位浦和もドローで上位陣揃って足踏みしたことを知り、サンフも明日勝てばまだまだわからないぜー!と気分が高まってきたので、道後温泉に浸かって帰ることにする。道後温泉そばの駐車場へ21時過ぎに着。ここが22時に閉まるということだったのであまりゆっくりできなかったが、熱い湯に浸かって疲れをとり(眠くなってきた)、まだ開いているアーケードに入って何か買うことにする・・・結局、定番のタルトになってしまったけど。
 196号線に戻り、帰途に着く。日付が変わるころに福山へ戻ってきた。まだ開いているレストランに入り、食べてから帰る。

7月30日 広島ビッグアーチ 曇
親善試合 VSフィオレンティーナ

 フィオレンティーナのジャパン・ツアーは無事実現。あれだけのメンツがいて何で降格争いをしなければならないのか不思議でたまらなかったが、残れてよかった。そのツアーにはサンフレッチェとの試合も入っており、ここに紫(ヴィオラ、すみれ色。パープルではない)をチームカラーとする日伊のクラブが激突する「ヴィオラ・ダービー」が実現した。
 クラセンU−18初戦にてユースがジェフユースと対戦、押し込みながらも0−1で敗れたというニュースを見てちょっと落胆していたが、まだ終わったわけではないと気を取り直しつつ14時30分ごろビッグアーチ前の駐車場に着。車から降りて坂を上がっていく途中で某ユース生のご家族の方にお会いしたので、その件について話しながらビッグアーチの前へ。開場を待っているうちにJヴィレッジでは第2試合が終わり、ガンバがGENIOS TONAMIを18−0で屠ったとのこと。取りすぎ。今年はサンフと別組で伸び伸びとしていやがりますね。
 開場時刻の15時になったので、すでに長くなっていた列に並び、某氏と話しながら入場ゲートへ。天気は曇時々雨とも言われていたが、空は晴れていて非常に暑い。30分ほどで入場できた。
 場内に入り、いろいろな人と話しつつ席のほうへ。場内では、フェアプレイ旗手、フィオレンティーナベンチ入りペア、選手集合写真に加わる人をスタンドから選ぶイベントが行われていた。カメラがぐるーっとスタンドを映し、その前で目立つパフォーマンスをした人が選ばれていく。中には、座席の上で両手両脚をばたばたさせる、結構捨て身の技で栄誉にあずかる方もいらっしゃった。イベント間の空き時間にはフィオレンティーナの歌が流れていた。
 16時25分ごろ、アウェイ側ゲートにフィオレンティーナ選手のバスが到着。選手たちがピッチに出てきて顔見せし、ピッチ状況など確かめてベンチへ。そこでコーチらからいろいろ支持を受けていた。アウェイ側ゴール裏には、「VIOLA CLUB GIAPPONE」断幕や数枚のヒデ断幕などが張られている。それから選手たちは引っ込む。GKフレイがトラックをランニングで周回、周囲からの拍手を受けていた。
 そして、何と今日もやる「FOMAでデート」のコーナー。まず青山。スタンドから選ばれた女性から好きな選手を聞かれ、「ロベルト・バッジョ」。次いで青山がその方に好きな選手を訊き、その方はお約束どおり「青山選手」。そしてデートするならどういうところがいいか?と質問が飛び、青山いわく、「落ち着いて食事のできるところ、夜景のきれいなところ」。渋いな。彼は靱帯の手術を行い今はリハビリ中。早く復帰してほしい。
 次いでジョルジーニョ。次に当たったのは主婦さん。休みの日の過ごし方を訊かれたジョルジ、「ゲーム、掃除、広島市内散策」とのこと。そしてデートするならどういうところがいいかと問われるとジョルジはなんかものすごく照れたようで、「二人でいられるならどこでもいい」と答えていた。
 天気は晴れから曇りになり、空の一部分は怪しい色になっていたが、17時を過ぎるとまた明るくなってきた。風もいい感じで吹いていて、観戦にはいい気候だ。下田と上野が出てきてアップを開始する。やや遅れてフィオの選手たちがピッチに姿を現し、場内からの拍手を受けた。彼らは昨日広島入りしてから平和記念公園で献花を行っていたが、今日午前にはぜひにというフィオ側からの申し入れで原爆資料館も見学していた。そのことが石橋さんのアナウンスで告げられ、いっそう大きな拍手が起こる。それに次いでサンフのフィールドプレイヤーたちが姿を現した。いい試合をしてくれよ。
 両チームのアップの間、休みなくコールや歌を歌う。試合が近づくにつれてバックスタンドはほぼ埋まり、メインスタンドも結構埋まってきた。これは18,000人は越えてそうだ。
 両チームの選手がいったん下がり、試合開始10分前、スターティングイレブン発表。まずフィオの選手紹介、BGMはショスタコーヴィチの交響曲第5番・第四楽章。うう、カッコイイ。オーロラビジョンに顔写真つきで紹介される。仕込んでるな。
11寿人 10ガウボン
20大木
6ベット 34茂原
8カズ
17服部 3小村 4ジニーニョ 18吉弘
1下田
9リガノ
10ヨルゲンセン 11ヴリザス
7中田 8ギグー
4エルゲラ
3パスクァル 5サヴィーニ 6ヴィアリ (2パンカーロ)
13ウイファルシ
1セーハス
 サンフはハンジェが北朝鮮代表で不在。さらに駒野がいきなり日本代表に追加招集されてこれも韓国へ行ってしまったので、右サイドバックには吉弘が入っている。あとはベストメンバーだ。
 フィオは、トーニ、ボジノフ、フィオーレ、ドナデルら一昨日のセレッソ戦に出場したメンツは今日はお休み。フィオレンティーナはこのツアーを純粋なチームづくりの一端として捉えているので、レアルのようにとにかく有名選手を連日出しまくる、ということはしない。しかし、先述の選手がいないとはいえ、ギリシャ代表のヴリーザス、デンマーク代表のヨルゲンセン、日本代表の中田英寿、元ウルグアイ代表(で、ローマでも中田の同僚だった)のギグー、元イタリア代表のパンカーロら実力者が揃っている。フィオのゲームキャプテンはヴィアリ。4番のルイス・エルゲラはレアル・マドリーのイバン・エルゲラの弟。フィオの背番号は暫定的なもので、先発メンバーが1〜11、控え選手がそれ以降の番号となっている。
 “Smoke on the Water”に迎えられ選手入場。サンフがホームの紫、フィオはアウェイの白ユニを着ている。さあ、ヴィオラ・ダービーの開幕。
 コートを入れ替え、サンフのキックオフで試合開始。フィオの右サイドバックはパンカーロではなくウイファルシ(チェコ代表)になっている。アップ中に怪我でもしたのか?(怪我したらしい)
 ファーストシュートはフィオ、右サイドからヴリーザス、左に外れる。しかしペースはサンフ、左サイドの服部を使った攻撃が冴える。寿人やガウボンも相手の裏を狙い、フィードからチャンスを作る。左サイドで服部が倒されFK、ベットがシュート性のクロスをゴール前に送り、カズがニアでヘッド反らせる!がわずか上に外れる。またフィードに寿人が反応し突破しかけるところをDFクリア、CKに。右CK、服部キック、DFクリアでもう一度、服部キックはDFクリア。
 フィオは両サイドを使って攻める。中田から左のヨルゲンセンへパス、ヨルゲンセンがヒールで流してオーバーラップのパスクァルがクロス!下田キャッチ。今度は右からウイファルシの正確なクロス、下田パンチでクリア。
 大木や寿人もしっかりとプレスをかけるアグレッシブな守備を見せるサンフのペースで進む中、フィオは少し陣形を変えてきた。ヨルゲンセンとギグーが両サイドに開き、リガノを真ん中にその周囲をヴリーザスがふらふら動き回るようになった。カウンターから中田が攻め上がり、PA寸前で左にパス、フリーのヨルゲンセンがダイレクトシュート!カーブをかけたシュートはバー直撃!こぼれをフィオが折り返すがジニーニョがカット。ヨルゲンセンが左サイドに張ったことで、吉弘のポジショニングが怪しくなる。なかなか上がれず、茂原との絡みもない。彼からのパスもつながらない。
 ギグー、リガノとつないで右に出し、ウィファルシのクロスにファーのリガノがヘッド!左に外れる。サンフは前線でのミスパスが増えてきた。フィオは重厚なDFラインを敷き、サンフのパスをシャットアウトする。
 35分早くも選手交代、吉弘→西河。吉弘はフィオの陣形変更によるヨルゲンセンの位置取りを気にしすぎた。もっと思い切って攻めてほしかったが・・・
 フィオはヨルゲンセンと中田の絡みが多い。ベットからのスルーパスにガウボンが飛び出す!がわずかに合わず。完全に抜け出しただけに惜しい。フィオは左から中田&ヨルゲンセン、右からギグー&ウイファルシのサイドアタック、それに単純なリガノ狙いを組み合わせて攻める。フィオ右CK、中田のキックはDFクリア。ガウボンが右からドリブル突破、DFクリアでCK。右CK、小村が競るがGKキャッチ。フィオのカット、ヴリーザスがドリブル突破して左にはたき、ヨルゲンセンのクロスはミス。ガウボンとヴィアリが競り合い、ヴィアリが倒れてしばし中断。ヴィアリ、大丈夫。
 ロスタイム1分。もう45分経ったのか、早い!ベットが中盤からドリブル突破、PAに近づくとミドルシュート!ゴール左スミ、GKセーハスがセーブ、ボールがこぼれてガウボンが詰めるがGKキャッチ。最後に右サイドで茂原がキープ、西河が上がってきてボールを受けクロス!はDFクリア。ここで前半終了。
 立ち上がりはサンフペースだったが、途中からフィオが4-3-2-1から4-4-2にしたようで、サンフの両サイドが圧迫された。攻撃に少しでも時間をかけるとフィオは自陣に厚い守備網を敷いてしまい、パスが通らなくなる。その中でガウボンやベットが個人で仕掛けており、さすがと思わせた。フィオは左サイドのヨルゲンセンが出色の出来。ギグーもかなりのキープ力を見せている。中田は足の負傷もあり、無難なプレイ。途中からセンターに回ったが、やはり彼は真ん中にいたほうが様になる。リガノは前線で素早く動いてフリーでボールを受け、正確なポストプレイ。ヴリーザスにもうちょっとキレがあればヤバかった。
 サンフは、ゴール前での守備は安定感がある。あとは攻撃が・・・もっとスピードがあれば。カズがちょっとミスパスが多い。いつもの彼と比べて、の話だが。今週腹を下したって言ってたから、その影響?それでも、プレイの確実さはチーム一。茂原は、駒野がいないのでいつものプレイが出来ていない。確かに右サイドバックの上がりが少ないのだが、それならそれで臨機応変のプレイをしないと。ボールを持って立ち往生するシーンが多かった。前線ではツートップにベット、さらに大木まで積極的な個人の仕掛けが見られた。向こうもなかなか抜かせてはくれないが、その攻めの姿勢はいい。
 後半開始。サンフは茂原→洋次郎。
 右FK取り。服部のキックはDFクリア、CK。左CK、ショートコーナーに服部クロス、ファーでガウボンが跳ぶがGKセーハスが競ってキャッチ。寿人が中田からボールを奪ってつなぎ、中盤からのスルーパス、寿人が右へ飛び出してセンタリング、DFクリア。ジニーニョが高いところまで上がっていってボールを競り、マイボールにする。OK。フィオのカウンター、左サイドをドリブルで上がるヨルゲンセンがハーフウェイラインを越えた辺りで中央に折り返し、小村のクリアが小さいところをフィオがカットするが、小村が寄せて取り返す。服部が左サイド突破しようとするが、チェコ代表のウイファルシが体を入れてこれをストップする。この場面のほかにも、この二人のバトルには見応えがあった。
 フィオ、選手交代。ヴリーザスと中田に代わり、パッツィーニ、ファンティーニがイン。場内から大きな拍手とヒデ・コール。スキンヘッドのファンティーニが右サイドに入り、ギグーがセンターに。
 高い位置でガウボンがカット、そのままドリブルで突っ込みシュート、ヴィアリが足でブロックしCKに。左CK、ベットのキックをファー小村が折り返すがDFヘッドでクリア。ガウボン、再び中央突っ掛けシュート、GKキャッチ。
 前半猛威を振るったヨルゲンセンには西河がつく。前線に来るとべったりとマークし、仕事をさせない。ほとんどスリーバックになっている(実際洋次郎を右に張り出させる3−5−2になっていたようだ)。
 フィオ、ウイファルシ→バチス。ウイファルシ、いきなりの出場ながら素晴らしいパフォーマンスだった。
 服部が自陣タッチライン際で相手からボールを奪う。そのまま左サイドをドリブルで持ち上がり、身振りで味方を呼び込んで折り返し、寿人がダイレクトで落として左ガウボン突破、マイナスの折り返しはDFクリア。フィオ、エルゲラから左サイドヨルゲンセンに開き、折り返しはゴール前クリア。これを拾ってさらに左サイドでつなぎ、最後はギグーのシュート、DFブロック、CK。CKをベットがクリア、寿人が受けてカウンターのドリブル開始!前には二人、寿人は左にかわそうとするが、屈強のDFがしっかりと寄せてボールを奪ってしまった。
 フィオ、リガノ→ボジノフ。来たな。
 サンフ、中央つないでガウボンが突破し右へはたいて洋次郎がダイレクトシュート!右上スミを襲ったがGKセーハスが叩き落とす!CKに。ショートコーナー、ベットのクロスに小村フリーでヘッド!は右に外してしまう。ああああ惜しい!
 大木→纉c。
 洋次郎、右からロングシュート!左に外れるも、GKの位置をよく見ていた。いいぞ。
 左サイドの競り合い、パッツィーニの足が小村の頭に入った。小村倒れ、動けない。いったん外へ出され、治療。しばらくしてマルが出る。その間、サンフは寿人のドリブル突破、ヴィアリが倒してイエロー。FK。小村復帰。遠めだが、ベットのキック!直接!いやゴール前で寿人がヘッドし方向変えた――セーハスファインセーブ!CKに。正面すぎた。もうちょっとどっちかにいってれば・・・ベットのショートコーナー、服部のクロスに西河ヘッド!上に外れる。もうちょっと速いボールなら・・・
 フィオ、左サイドつないでパッツィーニがドリブル突破を試みるがDFがしっかり寄せてカット。サンフはこのような突破や、フィードボールにもしっかり対応している。
 ここでガウボン→茂木。頼むぞ!
 フィオ左サイド、ヨルゲンセンのクロス、ジニーニョクリア、CK。CKはニアでクリア。
 入場者数発表。21,421人。いつもこれくらい来てー。
 左からヨルゲンセンが切れ込もうとするところ洋次郎が倒してイエロー。FK、ヨルゲンセンのキックはミスキックで右に外れる。
 ベット→纉c→服部とボールが渡るがファウル。ボジノフのポストから左サイドヨルゲンセンが突破しクロス!はボジノフの前でクリア。
 カウンター、右に開いて洋次郎のフィード、転がっていくところへ茂木が走り込んでダイレクトボレー!鋭いボールがドライブしてバーの上を叩く!惜しいいいいいい!
 纉cの飛び出しから落として服部のクロス、合わない、ベット逆サイドで拾ってクロス、寿人の前でクリア、こぼれつないで寿人反転シュート!上に外れる。中盤で受けた纉cがドリブルで持ち上がり、キープして倒されFKゲット。いい。
 ベットのパスをカットしてフィオのカウンター、パッツィーニがドリブルからスルーパス、ボジノフ抜け出す、が下田飛び出してキャッチ。さらにカウンター、右からファンティーニがドリブルで突入、ジニーニョをかわして切り込みシュート!外れる。そしてその直後、再びファンティーニが右サイドのカットからボールを受けドリブル、ベットとジニーニョの間を一発で突破しPA侵入、カバーに来た西河をゴールライン際のキックフェイントでスライディングさせるともうひとつ持ち直し、ルックアップしてふわっとセンタリング―――そして飛び込んできたヨルゲンセンのヘッド!
ゲット!
この試合大車輪のヨルゲンセンの一撃で85分、フィオレンティーナ先制!ゴール前ボジノフにはしっかりとマークがついていたが、ヨルゲンセンが絶妙のタイミングで飛び込んできたのには付ききれなかった。

 ファンティーニがまた右から突破、折り返し、ボジノフの前でクリア。そのボール、洋次郎が低いところから一気に前線へロングスルーパス!茂木が右サイド飛び出し受けてクロス!DFカット。洋次郎の視野の広さとパスセンス、ベネ。ベット→洋次郎、洋次郎がクサビを入れて寿人スルー、そのまま飛び出して茂木がダイレクトで裏に落とすが合わず。
 ロスタイム3分、纉cに代え盛田。マジで1点を取りに来た。
 パッツィーニの突破、カットしてロングフィード、盛田がヘッドで落とす!が茂木に合わず。フィオは確実にボールキープして時間を使い、そのまま逃げ切ってホイッスル。
 選手たちの何人かがユニ交換。洋次郎がギグーの、西河が誰かのをもらっていた。
 そして両チームの選手がアウェイ側メインから場内一周。フィオレンティーナの選手たちに大きな拍手。サンフ側ゴール裏からは大きなフィオレンティーナコールが。すると、フィオの選手たちはヴィオラに染まったゴール裏に親近感を覚えたのか、シャツやパンツを脱いでスタンドに投げ込み始めた。ちょ、パンツて!ファンティーニだったか?ちょっと興奮しすぎです。一人のカメラマンが彼を下から煽るように撮っていた。そういう趣味あるのか。
 試合ハイライトが流れる。チャンスは数多く作ったが・・・洋次郎のシュート、ファーのサイドネットに突き刺す予定がミスキックでニアの右上スミに飛んでしまったようだ。ジャストミートしてれば・・・しかし洋次郎は夏場に調子を上げてくるなあ。夏男なのか。同じ東北出身の茂木は夏が苦手なのに。西河、洋次郎はリーグ戦で戦力になりそうだ。纉cもあともう少し。今日ベンチ入りできなかった俊介は、今日は茂木との争いに敗れたか。巻き返しに期待したい。

 相手はベストメンバーではなかったが、それでも個々の選手の力量はあちらのほうが上だった。ゴール前での連携についてはまだまだな面が多く見られたけど(中田のスルーパスもなかなか通っていなかった)、そこに至るまでの展開の速さは、さすがにセリエAでもまれているだけのことはあると思った。ただ、コンディション的なものも考えると、この日のフィオレンティーナは乱暴に言えば「磐田より一回り強いくらい?アラウージョと吉原宏太のいないガンバくらい?」というレベルだったので、何とか勝ちたかった。決定機もあったし。しかし勝てなかった。戦術的なことを言えば、やはりいろいろと修正点や足りないところが出てくると思う。
 でも試合それ自体は拮抗、白熱したものだったし、2万人入って場内の雰囲気も概ね良く、イベントとしてはかなり盛り上がっていた。フィオの方々もパンツ脱ぐまでにフレンドリーになってくれたし。何でもヨルゲンセンは試合終了後にサンフの控室を訪れ、「17番の選手はいますか?」と言って服部公太に会い、改めて激励の言葉をかけたそうだ。デンマーク代表も認めるハム太の力。だが彼はもっとできるはずだ。
 自分としては、今までプレシーズンマッチという位置づけの試合でろくな試合を見たことがなかったので、この日の試合がまともで非常に満足。J2落ちした02年の福山・竹ヶ端の神戸戦は絶望しかないダメダメ・サッカー、04年の尾道・びんご運動公園での大分戦はCKから元気のヘッドで先制するも試合終了間際に追いつかれてドロー(これはFOMAのTV電話で見ていたが)、そして今年開幕前の桃太郎はキャンプ疲れで桜に虐殺。それだけに、こういう試合で気の抜けたプレイを見せなかったのは大きな進歩だといっておこう。あとは得点力をつけること。これがつかないと上位は狙えない。北海道キャンプでしっかりと力をつけてきてほしい。
 この日ビッグアーチに来た人々が、何だサンフもやればできるじゃねーかとJリーグのほうにも来てくれれば。次のホーム戦(大宮戦)が8月24日水曜というのがちょっと大人の方には辛いところだけど。

 トニとフィオーレ見られなかったー、と残念に思いながら帰る。サンフが2点ぐらいポンポン取ったらプランデッリもビックリして出したかもしれなかったのに。ヨルゲンセン見られたからいいけど。遠目には中田と見分けがつかなくて困った。

6月4日 広島スタジアム 晴
ヤマザキナビスコカップ・グループリーグ
VSガンバ大阪

 深夜のバーレーンVS日本をBSで見ていて、サポーター来てるぜええええ!とか、やはり中澤がいると安心感1000パーセントアップッ!(当社比)とか、柳沢のフリーランニングは相変わらずエロいなあとか、得点シーンはグレートな連携だったッ!とか、アレックス真面目に守備してんな、とか、加地さんいくら何でもそこは撃てよ!とか、バーレーンが先にバテてやんの、とか思いつつ試合終了。ドイツ行きほとんどもらった。あとはイランにおまかせだ。もちろん日本が北朝鮮に負けるとも思わないが。中澤さんがいる日本は無敵ですよ。ただしアジア限定。世界で勝つにはさらに久保竜彦が必要だが。
 続いてツーロン、フランスVS日本が始まる。この時間にPCつけるのは面倒なので、携帯で経過を追う。

PKで先制キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

マジか。藤本落ち着いてよく決めた。さすが筑波の大黒柱。それからも徳重を中心に守備陣が踏ん張り、フランスの猛攻をはねかえしているようだ。予想外の展開にフランスの監督も観衆もヒートアップしている模様。このまま守りきったらすごいな、と思いつつも前半終了時に寝落ち。
 目が覚める。携帯を確認してみたら、後半に逆転されていた。残念。8時過ぎだが、睡眠時間が短いので頭がくらくらする。もう一回寝て、起きたら11時半だった。まだけだるさが残っており、さらに外では大雨が降りだす。しかし今日も纉cがメンバー入りしてるし、ユースの柏木くんも急遽Jリーグ出場登録されメンバー入りらしい。じゃあ俺が行くしかねえか。泣けるぜ。幸い雨は夕立だったようで、しばらくすると止んだ。
 『ソーサリアン・フォーエバー1&2』を聴きつつ広島へ走る。しかしそのうちCDデッキの調子が悪くなってきた。そのため、MDに切り替え。もっとも自分の車にはMDデッキはついていないので、MDウォークマンにカセットアダプターをつないでカセットデッキで聴いている。「空耳アワー」とか「ヘンデル合唱曲集」などの編集MDを聴きつつ、15時をやや回ったころ山陽高校前駐車場へと到着した。
 急いでシャトルバスに乗り、発車を待つ。携帯を確認・・・って、もう先制されとるゥー!

サンフ・・・
GK下田、DF駒野、ジニーニョ、小村、服部、MF浩司、カズ、茂原、纉c、FWガウボン、寿人。
リザーブ:上野、吉田、龍朗、柏木、盛田

ガンバ・・・
GK松代、DF山口、シジクレイ、實好、MF渡辺、橋本、二川、児玉、アラウージョ、FWフェルナンジーニョ、吉原
リザーブ:日野、松下、前田、岡本、松波

 先制点は渡辺光輝。3分、セットプレイ崩れからのクロスをヘッドで決めたらしい。何やってんだー!気が急く。駐車場から出てきた人々を収容してようやくバスが発車、西飛行場前へ。バスを降り、広スタへ小走りに向かっていくと、正面に見える電光掲示板に、

GOAL!

の文字が躍った。どっちのゴールだ!?
 さらに急ぐと、スコアが表示される。1−1!追いついた!誰のゴールだ、と携帯を見る。

纉cキタワァ*・゜゜・*:.。..。.:*・゜(n‘ ∀‘)η゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*!!!!!

服部のクサビを受け振り向きざまゴールに蹴り込んだらしい。公式戦出場2試合目で結果出してキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!やったぜクワシン。しかし自分は生で見逃してorz。
 スタジアムを半周してホームのゴール裏へ。今日も暑い。道中ピットインなしで喉が渇いていたためアクエリアスを買い入場、飲み干す。
 戦況は五分五分。サンフは浩司が右、茂原が左に入っている。茂原は服部をうまくサポートしており、左サイドをよく使えている。右も浩司と駒野がよく走ってサイドを制圧できており、纉cもひょいひょい動き回ってボールを引き出し、CK、FKをゲットしている。いい攻撃を繰り出しているが、ここぞのパスが不正確。ガンバは長いパスから吉原とアラウージョ、フェルナンジーニョを走らせる。単純だが、彼らの能力は高いのでヘタすると一発で決定機にもっていかれる。ちと怖い。
 右サイドのハイボールにガウボンが競りに行き、シジクレイと激突。ガウボンが倒れた。動けない。ガンバがプレイを切り、担架が入ってくる。バツが出た。すぐに盛田がアップを始める。まずいのか?ガウボンは担架に乗せられると、そのまま運び出された。プレイ再開、一人少ないサンフは攻め込まれるが、はね返す。ここで盛田がガウボンに交代でイン。
 盛田は、ハイボールに競り勝ちまくる。さすがに強い!彼がガウボンに勝るのはこういうところだ。ほかの選手もハイボールや球際でよく競れており、ガンバの好きにはさせていない。おっと茂原のミドルキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!ものすごい勢いでスライスし、あさってどころか一週間先の方角へ。もう慣れたからいいけど、もっと枠に近づけてくーれー。
 そして前半終了。互角。ガンバは以前のナビスコ対戦のときとほとんど同じ。サンフは大木・ベットの大駒二人を欠いた状態でここまでやれているのだから、あのときよりよっぽどいいサッカーをしている。もっとも、ガンバもまったりしすぎだけど。バーレーン戦見てた?
 この日はとうかさんに合わせた毎年恒例の「ゆかた祭り」で、甚平や浴衣姿の男女が多い。涼やかな気分になる。
 後半開始。ガンバは左サイドを児玉から1万ゴール男・前田雅文に代えてきた。サンフは立ち上がりに中央から右に展開、駒野が右からドリブルで切り込み、倒されてFKゲット。浩司がキック、カズが飛び込んでゴールネットが揺れた、が笛が鳴ってやり直し。中央でガンバの選手が倒れている。プレイ再開前にもみ合って倒れてしまったようだ。もう一度浩司!は壁。今度も右から浩司のクロス、中央盛田が競ってボールはDFに当たりラインを割る。よしCKと思ったが判定はゴールキック。そいつぁチョンボだ主審。次いで左サイドでボールをつなぎ、茂原スルーパスに服部抜け出しニアに折り返して寿人走り込む、が一瞬早くGKキャッチ。茂原がちゃんとキープしてパスを出してくれるので、服部はかなりやりやすいようだ。
 ガンバもアラウージョの変態的テクニックからボールを持ち込みチャンスをつかむが、サンフDF陣がはね返す。ジニーニョがクリア。ボールがガンバ最終ラインの裏へ飛び、シジクレイと寿人がほぼ併走の追っかけっこになった。ついていけー!中央右でシジクレイが先にボールに追いつき、足を上げてダイレクトでバックパス、しようとしたが、これがほとんど空振りのオサレキック。ゴール方向へへろへろと転がるボールをすかさず寿人がかっさらい、加速してシジクレイを引き離すとゴール正面へ達し、GKをよく見てゴール右スミにピシッと蹴り込むとそのままコーナーフラッグまで走っていってメインスタンドへポーズ!

逆転キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

寿人コール。こういうところを逃さず決めるところが素晴らしい。
 ガンバのキックオフ、右サイドから左サイドに展開してCKゲット。げっ。万博では先制した直後にCKで追いつかれたし・・・CKはねかえす、ガンバが拾ってクロスにファーのシジクレイがヘッド!外れる。ふう。しかし今度は中央をカベパスで突破されてシュート、ゴールやられたー!・・・っと、オフサイドフラッグ!また助かった。ミドルシュート!ポスト!ひええええ。やばい攻められてきた。サンフもサイドから攻めるが、なかなかシュートにまで持ち込めない。アラウージョが個人技で切り込み、PA角のあたりで三回、四回と切り返すが、浩司、そして駒野がカバーしてクリアする。
 ガンバはフェルナンジーニョに代え松波投入。彼は特に何をするでもないが、時々ひょっこりゴールを決めるからあなどれない男だ。
 サンフのベンチに一人やってきた。なんと柏木。この状況で投入するかー!?纉cに代えるのか。そろそろバテてくるころだろうし・・・と思っていたら、交代は11、寿人。小野監督にしては随分と思い切った手を打ってきた。後半23分。逆転ゴールの寿人にコール、そして入ってくる柏木にも大きな柏木コールが起こる。
 柏木は右MFに入り、浩司がFWに上がった。柏木は右サイドを精力的に動き回り、相手ボールにきっちりと寄せていく。マイボールになった時はしっかりとボールを呼び込む動きをしていて、なかなかいい。しかしペースはガンバで、次々にシュートを撃たれる。下田は大忙し。CK連発もあって、心臓に悪い。ガンバ、渡辺光輝に代えて岡本竜之介イン。二川が右に出た。サンフも浩司に代え龍朗イン。おおっメグさん入れて守りに入らないのか!やる!後半30分を回る。この調子ではあと3回くらいは決定機与えそうだが、大丈夫だろうか、と、右サイド駒野のクロスに中央盛田が競り、こぼれたボールがファーでどフリーの龍朗の前へ。龍朗トラップ、いけー!

宇宙へ

ズコー!それは決めてくれ龍朗!
 ガンバはシジクレイを前線に上げ、総攻撃に出る。アラウージョが中盤でドリブルにパスに縦横無尽、どんどんクロスを放り込まれるが、DF陣が根気強くはね返し続ける。サンフはもうボールを前に出せなくなってきた。盛田もボールキープできない。ガンバが一方的に攻め続けるが、サンフはこうなりゃ守りきってやるとゴール前を固め、雨あられと飛来するガンバのクロスをとにかくクリア。ガンバも何度もシュートを試みるが精度を欠き、枠を捉えられない。そしてロスタイム3分も経過し、主審が試合終了のホイッスルを吹いた。勝った!
 今季初の逆転勝ち。先週は逆転しながら最後の最後で追いつかれたが、今日は最後まで守りきった。よい勝利であった。纉c、柏木という若い選手もそれぞれの結果を出せたし。広スタで勝利を迎えるのはけっこう久しぶりになる。ヒーローインタビューには纉cが呼ばれた。バックスタンドからゴール裏へと挨拶に来る選手たちに大きな拍手とコール。寿人、そして柏木にコールが飛び、寿人だけでなく柏木も満面の笑みで手を挙げ、それに応えていた。しかし柏木、難しい状況での投入にもかかわらず、局面局面で自分のやるべき最低限のことをしっかりやっていて、非常によかった。特に守備時の素早いプレッシャーはチームを大いに助けたと思う。
 ヒーローインタビューの終わった纉cがやってきた。話し方教室での成果をさっそく披露できてよかったな。纉cに「勝利しゃもじ」が授与され、纉cはゴール裏の煽りに合わせ、それを掲げつつ飛び跳ねてみせた。いいノリだ!これからも練習で結果を出して、リーグ戦でのメンバー入りを目指してほしい。
 ナビスコ初勝利、しかし他会場の結果により、グループ2位の上位2チーム入りの目は潰え、グループリーグ敗退が決定。それでもあと一試合、アウェイ川崎戦も、今日のような若手を使いつつも集中したいい試合をしてほしいと思う。自分も、ここ最近観たのが鞠戦(0-1)に川崎戦(1-4)だったこともあり、久しぶりにいい気分になれた。

 試合後は市内へ行って少し買い物をして帰る。市内も浴衣姿の人がとても多かった。
5月21日 広島スタジアム 晴
ヤマザキナビスコカップ・グループリーグ
VS川崎フロンターレ

 暑くなった、と思って寝巻きを薄くしたら朝方は寒く、また体調がおかしくなった。つくづく体が弱い。ていうか自分は皮膚からの発汗が人並以上みたいなので、肌の露出が多いとすぐに体が冷えてしまうし(子供のころは、夏は腹巻きしていないとすぐに腹を下していた)、冬なんか乾燥したところに行ったら手の甲がすぐにあかぎれになってしまう。
 頭がぼーっとしている状況で広島へ向かったが、広スタ近くになると意識がちょっと朦朧としてきて、後方不注意であやうく事故を起こすところだった。驚かせてしまった方には本当に申し訳ないと思う。山陽高校前駐車場だろうな、と思っていたらまだスタジアム周辺の駐車場が空いているようで、左折してそちらの駐車場へ。しかし駐車場に頭突っ込んだところで「すみません満車になってしまいましたので・・・」と無情の宣告。結局山陽高校前へ。もとより覚悟していたから特に腹は立たない。駐車場に車を停めて、シャトルバスへ乗る。携帯で他会場の経過やメンバーを見つつ、西飛行場で降りてスタジアムへ。今日も陽射しが強く、暑い。
 到着。腹が減っているのでカレーを食べる。気分が少しよくないので、豚串は食べなかった。豚串、ここにも来ているのか。かなりの人気。
 ゴール裏に入る。かなりの人が来ていて、ゴール裏ってこんなに狭かったかな?と思った。向こうのゴール裏には海豚サポが二十人ほど。
 この日のメンバーは、

サンフ・・・
GK下田、DF森脇、ジニーニョ、小村、服部、MF浩司、カズ、ベット、大木、FWガウボン、茂木。
リザーブ:上野、吉田、z纉cこと纉c、寿人、俊介。
川崎・・・
GK吉原、DF箕輪、寺田、伊藤、MF長橋、谷口、中村、アウグスト、今野、FWジュニーニョ、黒津。
リザーブ:下川、佐原、相馬、フッキ、都倉。

 ルーキー森脇が捻挫の駒野の代わりに先発出場。昨年、ユース所属時にはナビスコ桜戦で先発フル出場、勝利に貢献しているが、今日の対面は名にし負うアウグスト。浩司と二人でうまく対処してほしいところだ。同じくルーキーの纉cもベンチ入りしている。

(続く・・・けど、あんまり長くはならない)

3月27日 吉田サッカー公園 晴
Jサテライトリーグ2005
VSセレッソ大阪

 J1開幕連続ドロー、ナビスコ連敗と、トップチーム未勝利ロードは続く。サテライトリーグですら福岡・ガンバに連敗で勝っていない。いつから勝っていないかといえば、昨年2ndステージ、俊介のゴールで3−2勝利した磐田戦以来全く勝っていない。その間、オフやキャンプ期間があったとはいえ4ヶ月。長すぎる。もちろん練習試合ごとき勝利に加えるわけがない。
 昨日はナビスコ、ホームで緑に0−1と敗れる。絶対優勢の状況で勝てないのでは、オウンゴールとかでないと勝てないじゃないか。安定した試合運びを進めているときにはなかなか点が入らず、何かのはずみでゴールしてしまうと、勢いづくどころかなぜか浮き足立ってしまってすぐさま失点そしてズルズルズル。メンバーは変わっても、内容はなかなか変わらない。いつ殻を破ってくれるのか。
 生身でも強いヒビキさんの鍛えっぷりとオヤジギャグっぷりに感心して朝食を食べ、一息ついているといつの間にか寝てしまい、気づくと12時過ぎていた。寝すぎ。急いで家を出ると車に飛び乗って吉田へ。
 福山のほうは曇りだったが、西へ行くにつれて雨が降ってきた。ショスタコーヴィチの交響曲第5番とかヴィヴァルディのオラトリオ《勝利のユディタ》の冒頭合唱「武器、絶叫、復讐、恐怖」とかヘンデルのオラトリオ《復活》の天使のアリア「開け、汝アヴェルノの門よ」とか同じくヘンデルのオラトリオ《ユダス・マカベウス》を聴いて気分を乗せつつ、15分遅れでサッカー公園着。
19盛田
27小犬 13俊也
14龍朗
26高萩 32纉c
23青山 2池田 22西河 29森脇
31佐藤昭
28山城 24米山
18濱田
26藤本 17酒本
23下村 29中井
16齋藤 30前田 15千葉
21多田
リザーブ・・・
広島:GK21上野、FW15田村
桜狼:GK27丹野、MF31篠原
 いくぶん桜が押し込みぎみ。先週の洋次郎・青山・纉cによる中盤プレスは凄かったが、今日はメグさん負傷のため青山は左サイドバックに入っており、また龍朗はどうしても攻撃的プレイヤーのため、先週に比べいまいちプレスのかかりは悪い。雨ということもあるだろうが。しかし、いったんボールを奪うと、洋次郎を起点にしてあっという間に前線にボールが渡る。龍朗の飛び出しっぷりがいい。
 桜は、かなり見慣れたサテメンバー。サテレベルでは中盤の将軍として君臨するトップ下の濱ちゃんこと濱田を中心に、俊足のシャケこと酒本のサイドアタック、牛若丸のごとく前線をひらひら動き回って裏を狙う山城純也がゴールを窺う。しかしサンフは高いライン、タイトな守備でチャンスを作らせない。
 森脇がこの試合もアグレッシブに上がっていってクロスを上げまくる。森脇がオーバーラップからボールを受けてクロス、やや大きいがファーへジョルジーニョが走り込んで合わせる!惜しくも合わせきれないが、いい攻撃。彼のクロスはテンプラにならず、それでいて威力を持って飛んでいくのでかなりわくわくする。守備では時々まずいところを見せるが、西河や中盤の助けもあってなんとか守っていた。
 さて中盤でボールをつないで右に開き、森脇がダイレクトでクロス。ファーに飛ぶところ、ジョルジーニョがトラップして足元におさめる。PA左サイドの角のあたり、マークは一人、小犬、勝負!
 まず中へ入る素振りを見せ、ちょんと持ち込む。そしてDFが中を切ろうとした瞬間、小犬は鋭くタテへ切り返して彼を置き去りにし左足一閃!
 ボールはGK多田の左脇を抜け、ゴール右サイドネット内側に飛び込んだ。
ゲット!森脇のクロスからジョルジーニョの個人技炸裂でサンフがきれいに先制。
 桜は豊富な運動量でセカンドボールを拾い攻撃をしかけるが、サンフは高い守備ラインからのプレスで対抗、相手のミスを誘ってボールを奪い、カウンターに出る。桜は前がかりなので、これが面白いようにはまってゆく。ボールがうまくトップの盛田に入り、彼のポストからパスをつないで戻したボールを纉cがスルーパス!きれいに桜最終ラインを切り裂いたボールに左から龍朗が飛び出しトラップ、後ろからタックルを受け倒れながらも足を振る!
ゴール!!これも流れの中からの素晴らしいゴール。
 それからも森脇のロングスルーパスに洋次郎がゴール前に飛び出したり(ギリギリでオフサイド)、中盤のパス回しから盛田がフリーで左サイドに抜け出したり(盛田、足滑らせてすっ転ぶ)、FKでも青山が流してジョルジーニョがシュートを放ったり(DFに当たる)など多彩な攻めを見せつつ、前半終了。
 後半開始。相変わらずサンフペースだったが、中盤で盛田がボールを競った時に相手選手が倒れて起き上がれず、それが目に入って一瞬気が抜けたか、桜のスルーパスに飛び出した山城を誰一人捕まえられず独走を許す。GKさんまが飛び出すが山城シュート、これは右ポストに当たるもののはね返りを米山がきっちり押し込み、桜が1点を返した。先週もあったが、これが若さゆえのあやまちか。
 しかし、その若いイレブン(平均年齢20.18歳)はすぐさま立ち直って攻勢に出る。視野の広い洋次郎は、サイドでフリーになっている選手の前のスペースに絶妙のフィードを次々供給。さらにスライディングタックルや体を寄せてのカットなど、泥臭い守備も披露、中盤で存在感を発揮する。纉cも地味ながら確実なショートパスのつなぎ。プレッシャーのかかった場面でもすいっとボールを持ち出して平然とパスをつなぐ、そういうところにシビれる。青山は左サイドでハードワーク、守備だけでなくオーバーラップしての攻撃にも冴えを見せ、対面のシャケになかなか仕事をさせない。前半は右サイドの攻撃が目立ったが、後半は左サイドからもいい攻撃が頻発した。
 左からのグラウンダーのクロス、洋次郎が右で受けて中へ、中央ジョルジーニョが受けてスルーパス、左から盛田が走り込んでシュート!は多田セーブ!CKに。CKは、左からは青山、右からはジョルジーニョがゴール前にボールを上げまくるがゴールならず。
 次いで左からのスルーパス、これに盛田が完全に抜け出してドリブル突進、今度こそ、GK多田飛び出す、シュート!多田セーブ!こぼれ球を誰かがシュート!決まっ――DFがライン上でクリアー!盛田それは決めろ!間合い詰めすぎだっつーの。そこまでいったんなら多田抜いてから撃てっ。さらに左サイド崩してセンタリングに小犬がジャンピングボレー!上に外れる。後半は前半にもましてカウンター攻撃がハマりまくり決定機を量産するが、ここで決定力不足症候群が発症してそれらことごとくを外してゆく。
 桜、齋藤に代え桜U−18のMF篠原イン。中井がDFラインに下がる。サンフも、俊也に代え田村イン。両チームとも人いないな。
 終盤、前線の運動量が落ちてくると中盤が間延びし、濱田が自在にパスを操るようになってくる。それに伴って右サイドの酒本も息を吹き返し、危険な突破からヤバめなクロスを上げてくるようになった。ここはセンターバックの二人と森脇が体を張って防ぐ。山城も濱田のパスを信じて前線に全力で飛び出してゆくが、森脇、そして西河で止める。池田はさすがの強さを見せていたが、西河もたいしたもの。米山が持ち込んで強烈なミドルシュート!さんまセーブ!集中を切らさない。ただ、さんまのコーチングを池田と西河が聞かない場面が何度かあったので、聞いたれよと思った。
 サンフ、左サイドのスローイン、盛田が受けると強引に振り向いてドリブルで突進、ゴールライン際えぐり抜いてシュート!右へ抜けていく。ロスタイム3分、桜の攻撃にも負けずに押し返し最後の攻防。ジョルジーニョが足を攣らせた。マズっ、しかし彼は懸命にボールを追う。その意気やよし!
 あと1分、そろそろ終わりか、桜、中盤からスルーパス、左から飛び出す選手に渡るところ、森脇が左足を伸ばしてインサイドに当て、ゴール方向へクリア。これを飛び出したさんまが捕って・・・ここでホイッスル!主審が猛然と走ってくる。
あー!バックパスとられたか―――!?
主審はさんまがボールを捕った位置を指示し、右手を挙げる。バックパスをGKが捕った場合は反則となり、そこからの間接FKとなる。クリアかバックパスか微妙なプレイだったから、セーフティーに蹴っとけばよかったのに!さんまは今のはクリアだと判断していたのだろう、主審に抗議するが、もちろん覆らない。試合終了直前、桜にビッグチャンス到来。
 間接FKの位置は、ペナルティスポットからちょっと右のあたり。直接ぶち込めないので、二人がボールの左右に立つ。誰がいたかは見ている余裕がない。サンフは・・・
11人全員、ゴール前に整列
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!しかも、10人の壁の前にいるのは、さんま!真っ先にコースを潰しに行くつもりだろう。
「体のどこかにあたってくれ!!」
という、スーパーがんばりゴールキーパー森崎くんの心情か。
 桜も、ほぼ全員がゴール前に上がっている。これがほぼラストワンプレイだ。ギャラリーも息を呑んで見守る中、ホイッスルが鳴った。桜の選手が動く、ちょんとボールに触れた瞬間、さんまを先頭にサンフの11人が一斉にスタートを切り、猛然とそこへ襲いかかる!!桜、シュート!
壁!!
ボールが大きくはね返る、やった、守った!しかしボールはセレッソが拾う、そしてゴール前へクロス!ボールは桜選手が大量に残っていたところへ落ちる。サンフの選手は間接FKブロックに全員いってしまったので、彼ら、パーフェクトにフリー。マズ―――――!!!
 桜、味方同士の混戦の中誰かがトラップ、シュート!

ボールはゴール左スミ!

戻ってきたさんま飛びつく!

とどかない!

――――――わずか左に外れ!

助かったあああああああ

 さんまがゴールキックを大きく蹴り出し、ここで試合終了のホイッスル。サンフ、非公式戦ながら、Jリーグ主催の試合において、実に四ヶ月ぶりの勝利を挙げた。ブラボー、サテライト!
 最後はどうなるかと思ったが、何とか勝ててよかった。これでチームの流れが変わればいいが。
 この試合、セレッソはちょっとアグレッシブが過ぎてイエローが多かった。これだけ出たのに誰も退場しないのか?っていうくらい。しかしそれ自体はどうでもいい。驚いたのは、この試合の主審さんの、イエローカードを抜くスピードがメチャ速かったこと。マジシャン出身か?っていうくらい即座に出していた。ポケットじゃなくて、袖とかどこかに仕込んでた?とか邪推してしまった。その、スパーンと擬音が出るようなカードの出しっぷり、とても気持ちがよかった。これからも頑張ってほしい、と思った(何を)。

3月20日 吉田サッカー公園 曇
Jサテライトリーグ2005
VSガンバ大阪

 ビッグアーチでプリンスリーグを観て、それから他の人の車に乗せてもらって吉田へ急行。山陽道から中国道へ入り、高田ICで下りて吉田サッカー公園へ。特に支障もなく、13時40分過ぎに到着。
 空は曇っており、寒い。午前中にトップチームの練習があった関係で、クラブハウスの前には人だかり。ちょうど駒野がサインに応じていた。メンバー表が用意されていたので、一枚頂く。
27小犬
13俊也 14龍朗
32纉c
26高萩 23青山
28吉田 18槙野 22西河 29森脇
31佐藤昭
21三木 11松波
28前田
32岡本 29松岡
14家長 20寺田
17児玉 25丹羽 26小暮
31木村
リザーブ・・・
広島:GK21金山、MF16柏木、FW15田村、24俊介
吹田:GK22三橋、DF4伊藤、MF30横谷、FW19中山


ガンバは登録上はDF4人だったが、実際はスリーバック。サイドの選手である児玉がセンターバックに入っていた。サブにはユースの守護神三橋、同じくユースの最終ラインの要・U−18日本代表の伊藤、昨年からユースの10番を背負うプレイメーカー・横谷と、精強ガンバユースから三人が帯同。スタメンにもユース出身者が木村・丹羽・児玉・松岡・寺田・家長・三木と7名を占めていた。家長・寺田・前田は昨日のナビスコに途中出場しているのに、今日スタメン(児玉も出場はしなかったがベンチだった)。忙しいな。ていうかサテライトに人が足りないのか。
 対するサンフもユースよりGK金山、U−18日本代表DF槙野、同じくU−18日本代表MF柏木がメンバー入りし、槙野が先発。そしてこちらも先発・サブ合わせて7名がユース出身者。そういう意味でも面白い対戦。
 ていうか、両チーム登録メンバー30名のうち20歳以下の選手が実に24人。24歳以上の選手はサンフのメグさん(31)とガンバの松波(30)だけ。サンフのメンバー平均年齢は19.27歳、ガンバは20.07歳。若!
 試合開始。立ち上がりから選手とボールの動きに勝るサンフが攻勢に立つ。洋次郎から森脇に展開、そして森脇が得意のサイドチェンジ、左に回っていた龍朗が受けて持ち込みシュート!はGKキャッチ。中盤の底から機を見て駆け上がり攻撃参加する青山に家長がファウル、イエローが出る。
 接触プレイでガンバDF小暮が負傷。外へ運び出されるが、メディカルから×が出た。ガンバユースDFの伊藤が急いでアップし、ピッチに飛び出す。伊藤は左CBに入り、児玉が右CBに回った。
 森脇からジョルジーニョにくさび、落としたボールをダイレクトでつなぎ、最後は森脇がミドルシュート!大きくふかしてしまったが、いい攻撃。昨日のトップチームとは段違いに面白い攻撃を展開する。中盤でボールカットし右へ展開、上がってきた青山がミドルシュート!DFに当たり、ゴールラインを割ってCKに。右CK、青山が蹴るがゴール前サンフのファウルでガンバボール。
 サンフは最終ラインの西河と槙野が声を出し合って最終ラインを高く設定。陣形をコンパクトに保ち、さらに前線からの積極的な追い込みでガンバにボールを持つ余裕を与えず、中盤で面白いようにボールを奪ってゆく。洋次郎がカットし右に展開、そこからのクロスは俊也に合わず。今度は西河が飛び出してきてボールカット、すかさず前線にフィードするがFWとの息が合わない。しかし裏を狙う意識を見せるのはよいこと。
 ガンバ、寺田がボールキープからのスルーパス、これに長身のクセに俊足の三木が反応し抜け出しかけるが、横あいから槙野がスライディングタックルでクリア。ブラボーだ。サンフにファウルがありガンバのFK、素早いリスタートから寺田がミドルシュート!しかし蹴る時に滑ってしまい、さんまがしっかりとキャッチ。洋次郎へのファウルでガンバDF伊藤にイエロー。サテライトながら激しい試合だ。
 サンフが中盤こぼれ球を右に出し、森脇がクロス!はファーのジョルジーニョにわずかに合わず。しかし森脇のクロスはスピードがあって、いい。俊也が競ったボールをジョルジーニョがポストで右サイドに落とし龍朗がクロス、これにトップ下纉cが反応し素晴らしい飛び出しからゴール正面でピタリとトラップし持ち込むところ、引き倒されてホイッスル!主審がペナルティスポットを指した。流れるような一連の動き。纉cの飛び出しは、まさに彼の真骨頂というところだ。
 ジョルジーニョがボールをセット。ゆっくりと助走距離を取る。そのたたずまいは兄そっくりで、これは外さないな、と思った。助走に入り、左足を一振り。
ゲット!確実にゴール左スミに蹴り込み、サンフ先制!
 ジョルジーニョはプレスが凄い。DFがボールを持っていると、距離が離れていようがものすごい勢いで襲いかかる。まるで猟犬のようだ。そのためガンバDFたちはボールを持って落ち着くことすらできない。それだけでなくボールを持ったら的確なポストプレイ、また身をひねりざま前のスペースへのスルーパスと攻撃を自在にリード。彼のパスによって龍朗がたびたび右サイドを切り裂く。中盤の三人は流動的に上下動を繰り返して守備に攻撃にフル稼働。ルーキーの纉cも全く違和感なくボールをつなぎ、前線へと飛び出してゆく。これだけ選手の動きがいいと、洋次郎のミドルパスも冴え渡る。青山はあまりにも前線に顔を出すので、一瞬俊也かと見まがってしまうほど(俊也の昨年の背番号が23)。森脇は凡ミスもするもののそれにめげずに攻めの姿勢を崩さず、いいクロスを上げてみせる。左サイドバックのメグさんは、流石の円熟プレイでガンバのサイド攻撃に蓋をしていた。
 ガンバの速攻、右サイドに展開するが西河が飛び出してきてクリア。青山から森脇に開き、森脇中へ切れ込むと思い切ってミドルシュート、枠を捉えるがGKセーブ!DFクリア。西河のカットからジョルジーニョへクサビ、ジョルジ反転しざまシュート!GKセーブでCKに。右CK、青山のキックはガンバがクリア。ガンバ、寺田が持ち上がって右に出し松岡がシュート!さんまがはじくところをFWが押し込んだが、これはオフサイドでゴールならず。
 ガンバ、右サイドで松岡がフリーでボールを受け、前を向き持ち上がる。そいつをフリーにするな!と思った瞬間、松岡はぽーんと前線に絶妙のフィード。同時に二列目から前田雅文がスピードを活かして一気に抜け出した。西河・槙野とも前田はノーマーク、ついていけない。前田はボールを受けるとさんまと一対一、逃さずゴール左スミに蹴り込んでゴール!1−1の同点に追いついた。
 セオリーどおりにうまいこと高いラインの裏を突かれてしまった。でも崩されたわけじゃない。まだまだこれから。
 右サイドで小犬→森脇→俊也とつなぐがクリアされる。今度は洋次郎から右サイド龍朗にフィード、飛び込む龍朗とガンバの選手がぶつかってガンバ選手がKO、外へ運び出される。小犬のキープから右サイドを使う攻撃が機能。龍朗の走りが相変わらずいい。プレッシャーを受けた状況でも冷静に「前へ」ボールをつなぐ纉cに静かに感動。青山の積極的な飛び出しも衰えない。先ほどの失点のショックは微塵もないようだ。
 若人の躍動に血が騒いだか、左サイドをメグさんがドリブル突破!小犬にクサビ、小犬が俊也に落とし俊也がリターン、はDFクリア。俊也はよく体を張ってはいるが、こういうプレイの精度も求めたい。俊也の落としを洋次郎がダイレクトでロングシュート!は大きく上に外れる。
 サンフのカウンター、纉cがドリブルで持ち上がる。PAに迫ると右にはたき、龍朗がシュート!はオフサイド。纉c、そこまでいったらいっそ自分で撃ってほしかった。サンフDFラインは失点にもひるまず高いラインを維持、そのために失点前と変わらない攻撃を展開できている。
 ガンバは前半ロスタイムに前田がミドルシュートを放ったが、上に外れる。そして前半が終了した。
 1−1だが、試合展開は完全にサンフのもの。あとはゴールを奪うだけ、なのだが。
 後半開始。両者とも選手交代なし。
 ガンバが攻め込み、PA内右サイドにボールがこぼれるが、さんまが飛び出して押さえる。中盤の競り合いで洋次郎にファウル、イエロー。左サイドからメグさんのクロス、DFクリア。
 左サイドでジョルジーニョが猟犬プレスからボールを奪いゴールめがけ突進、マークに来るDFを馬力で蹴散らしてパス、走り込んだ龍朗がダイレクトシュート!はGKセーブ!CKに。左CK、青山のキック!ボールは大きくファーへと逃げていく・・・そこへ大外から纉cが走り込んできて、PA角付近からダイレクトシュート!はインにかかりすぎて横に飛び、クロスみたいになってしまった。DFクリア。
 ガンバ、左サイドでFKゲット。けっこうゴールに近い、要注意。寺田と岡本がボールの左右に立つ。どっち・・・寺田の右足!ゴール向けボールが曲がってくる、両チームの選手が殺到する、が槙野がヘッドでクリア!高い!ガンバ、中央寺田から岡本に出し、岡本ダイレクトシュートも上に外れる。
 青山がボールカットからそのまま持ち上がり纉cへ、森脇に開いて森脇グラウンダーのクロス、は中で合わず。洋次郎がドリブルで左サイドを突破、倒されてFKゲット。小犬と青山がボールセット。どちらが蹴るか――青山!ゴール前、GKパンチ!こぼれるところを洋次郎ミドルシュート!は上に外れる。お次はカウンター、纉cがドリブルで持ち上がりジョルジーニョへ、右に落として森脇が受け、相手を引きずりつつドリブルシュート!はDFクリア、スローインに。さらに攻めるサンフ、俊也のキープ落としから青山がミドルシュート!GKキャッチ。
 右サイドでボールを持った洋次郎、一気にサイドチェンジ!これが左サイドオーバーラップのメグさんにピタリ、メグさんクロス!は逆サイドに流れるも、しっかり上がってきていた森脇が拾って持ち込みクロス!は大きすぎた。人数はいただけにもったいない。
 中盤でボールを回し、右サイド青山→森脇と渡って森脇が中へ持ち込む、そしてミドルシュート!地を這うような強烈な一撃、誰もさわらなければゴール左スミに突き刺さっていただろうが、DFがかろうじてブロック、ゴールラインに逃げた。このCKはガンバがクリア。
 ガンバ、左サイドへフィード。ここへ三木が開いてきた。槙野がつき、体を寄せて激しいバトルが始まる。まず槙野が体を割り込ませボールを奪う、しかし三木もすかさず食らいついて奪い返し、体を預けつつボールをブロックして支配下に収めるとそのままタテに抜け出す。そこへ森脇がフォローのタックルに入るが、足に入ってしまいファウル、イエロー。しかし三木と槙野のバトル、見応えがあった。槙野もまだ高校生ながら大した強さだ、と改めて思う。
 さてガンバのFK。左サイドPA横、直接狙えるところ。岡本と寺田が立つ。岡本の左足でゴール前に上げるか、寺田の右足で直接狙うか―――寺田!鋭くカーブするボールがニアを襲う、しかしさんまが素早く反応して飛びつき、がっちりとキャッチ!OK!
 右サイド洋次郎のクロスからファーで纉cがトラップ、密集の中キープするもDFがカット、クリア。ガンバの反撃、前田のパスに寺田がオーバーラップ、中央ドリブル突破するところを槙野がタックルに行くが足を払ってしまいファウル、槙野にイエロー。ゴール正面のFK、岡本竜之介がセットし、キック!は正面上空に大きくふかしてしまった。
 ガンバ、選手交代。松岡に代えてユースの横谷イン。サンフも纉cに代え、こちらもユースの柏木を投入。
 ガンバの右クロス、中央三木がジャンプ一番ヘッド!は右ポスト!こぼれを槙野がヘッドでクリアするがボールは上へ跳ね上がる。これにゴール前競り合いとなったが、ガンバがさんまへのファウルを取られ、サンフボールに。助かった。
 サンフ、右サイドから青山のクロスは中央俊也に合わず。しかしDFに当たっておりCKゲット。左CK、青山のキックに西河が競り合いこぼれをジョルジーニョがヘッド!しかしDFクリア。中盤、柏木が見事なインターセプトからそのままの勢いでトップスピードに乗り、右サイドを突破!するところへ伊藤がタックル!しかし柏木のスピードにタイミングが遅れ、まともに足を払ってしまった。柏木は宙を舞って芝に叩きつけられる。同時にホイッスルが鳴り、走ってきた主審は伊藤にイエロー、次いでレッドカードを提示した。伊藤、イエロー二枚で退場。ガンバは10人となる。柏木はいったん外へ。
 FK、青山とジョルジーニョがボールの左右に立つ。右サイドからのFK、青山がゴール前に入れるか、それともジョルジーニョが直接か―――小犬の左!は上に外れてしまった。
 ガンバは家長をDFに下げる。
 サンフのフィード、これを右に開くジョルジーニョが受けクロス、中央俊也が飛び込み、DFとぶつかって両者ノックアウト。しばらく試合が止まるが、大丈夫。サンフの左CK、青山のキックはやや大きいが槙野がファー回り込んでヘッド――は折り返せず。ガンバの反撃、PAすぐ外でボールをつなぎ、最後は横谷のミドルシュート!強烈だったが、さんまが横っ飛びでしっかりとキャッチする。ファインセーブだ。
 俊介がピッチサイドに出てきた。そして柏木と交代でイン。柏木、運び出されてから復帰することなく交代となった。足を払われたぐらいではそんなに重い怪我ではないだろう、とこの時は思っていたのだが・・・だが・・・
 龍朗と俊也が右サイドでパス交換し龍朗が深いところからバックパス、これをオーバーラップしてきた森脇がクロス!素晴らしい弾道のクロスがゴール前に飛び、ゴール前飛び込んだジョルジーニョの頭にピタリ!決まった!―――と思ったが、あろうことかボールはゴール右に外れてしまった。

そりゃなかるまーが

 森脇もういっちょクロス、中央で俊介が受けるが、DFにカットされる。右サイドスローイン、森脇が入れて俊介が受け、鋭く切り込んでゴールライン際マーカーを振り切ろうとするが、ラインを割ってしまう。
 サンフ、高い位置でボール奪取!これに反応して前線の選手が一斉にゴールめがけ走り出す。ガンバはスリーバックが残るのみ。五対三だ!龍朗が中央ドリブルで持ち上がり、その左右に四人が開く。ガンバスリーバックはどうしようもなくズルズルと下がるだけ。もうこうなったらいかようにも料理できる。決めちゃえ決めちゃえ・・・と思ってたとき、

いきなり龍朗がミドルシュート

GK正面

がっちりとキャッチ。

orz

何じゃそりゃー!!いったん外へ開いてダイレクトでGK・DF間に折り返しゃー、四人のうち誰かがぽこーんと蹴り込んでミッションコンプリートじゃろーがー!
 サンフ、ちょっと運動量が落ちてきた。ガンバ、右サイドでFKゲット。寺田のキックにゴール前丹羽がヘッド!しかし左にそれる。それを森脇と松波が追い、森脇が思い切りクリアで蹴り上げた!ボールは松波の顔面直撃。ボールはゴールラインを割り、サンフのゴールキックになった。松波、ここまでまったくいいところがない。
 左サイドで俊介がキープしファウルをもらってFKを得る。青山がゴール前に入れるがDFクリア。ガンバ反撃、に出るところまたも中盤カットしてカウンター!今度は四対三!しかしガンバのボランチなにやってんだ。ジョルジーニョがドリブルで持ち上がる、スリーバックはやはり下がるしかない、ジョルジーニョならこのままいってしまえ!と、小犬はDFを自分にひきつけるとちょんと左にスルーパス、そこへ俊介が走り込んでPA内トラップ、マークにくるDFをかわそうとした、が――
 あっさりとひっかかってしまった。DFクリア。

俊介――――

こんなおいしいカウンターチャンスを立て続けに逃すかー!?
 ガンバ、いつの間にか三木に代わって中山悟史が入っていた。久しぶりに見るな。
 さて、これだけチャンスを逃していると何が起こるか。ガンバ左サイドからアーリークロス。これは特になんということもないボールだったが、中央中山と競ったボールがファーにこぼれてしまい、そこにはフリーの松波。やっと活躍の場を与えられた松波は鋭いシュートをゴール左スミに決め、はるばる大阪からやってきていたサポーターの前へ歓喜のラン。後半42分、一人少ないガンバが耐えに耐えしのんでついに逆転した。しかし松波、ここまで目立ったプレイといえば森脇のクリアが顔面直撃した場面くらいでなーんにもしていなかったが、最後の最後でちゃっかり仕事をしてしまうあたりの悪運の強さはさすがといえよう。
 サンフ、攻める。左サイドで俊介が粘ってCKゲット。ここでサンフ選手交代、俊也に代わって田村。青山のキックはガンバがクリア。ガンバ反撃、CKをとる。サンフもこれをはね返し、押し返す。右サイドを破り、CKゲット。ボールの近くにいた洋次郎がボールを受け取るとコーナーに走ってセット。プレイスキッカーは青山だが、時間がない今は一秒たりとも惜しい。洋次郎のキック!GKかぶる!ファー押し込め――ボール落下点の俊介が胸トラップ――しきれず!ボールはゴールラインを割った。
 キープしようとするガンバ、取り返して攻めようとするサンフ、中盤でせめぎ合う中で試合終了のホイッスル。圧倒的に攻められ一人退場者を出しつつも、それを凌ぎきったガンバが2−1で逆転勝利を飾った。
 今日のサテライトはチームコンセプトを充分に表現できたという意味では素晴らしいサッカーを展開した。ただ、点を取らなければいくら美しいサッカーをしようともそれは勝てないサッカーなので、点を取る方法についてはもっと考えてください。ていうか考えなくても体が勝手に動くようにしてください。もっと相手の嫌がることをしなけりゃダメ。攻撃陣は「DFへの精神的加虐趣味」を養うべし。あるいは「バカになれ」。ただし適度に。
 広域公園へ戻る車内では昨日の疲れも出て爆睡。

 負傷の柏木、全治の時期をあらわす単位はどうやら「週間」ではすまなくなるかもという話が・・・マジかー!
(検査の結果、鎖骨骨折で全治一ヶ月の診断が下された)

3月19日 万博競技場 晴
Jリーグナビスコカップ2005・グループリーグ
VSガンバ大阪

 今年最初の遠征は万博。二十歳を過ぎて花粉症持ちになってしまった身の上としては春の遠征はなかなかデンジャラスなのだが、しばらく関西に行っていないし、思い切って行くことにした。
 6時に福山駅を出て、鈍行に揺られながら大阪駅へ。途中、岡山の山の中を過ぎる時に濃い霧の中を走ったが、真っ白になった外の景色をぼーっと見るのが楽しかった。そこを過ぎると晴天となり、大阪駅は快晴。旭屋書店に行って立ち読みなどし、11時になったので、まだ行ったことがなかった梅田のJEUGIAへ。結構な数があるが、京都店のようなマニアックな品揃えではない。それでも、欲しかった「明清北堂天主教晩祷」(K617レーベル、 K617155)など五枚のCDを買って出る。タワーへ行ったがとくに掘り出し物はなかったので、JR大阪駅に戻って茨木へ。
 駅で軽く食事し、当日券を買って万博行きシャトルバスへ乗り込む。あんまり人は乗り込んでこない。ナビスコっていうこともあるし、日本代表勢もいないし、今日はいつもの万博ってところか。道もそれほど混んでおらず、バスはスイスイと進んで万博に滑り込み、降車場へと到着した。てくてく歩いてアウェイゴール裏へ。
 ゴール裏にはかなりの数のサポーターが集まっていた。対面の脚サポにも遜色ないほどだ。万博の客は、試合開始一時間ちょっと前にしても少ない。五千人来るのか?と思うくらいだった。
 バックスタンドにオサレ宮本さんの断幕が下がっている。今日はオサレさん日本代表招集でいないよ。ピッチではジュニア世代によるフルコートでの前座試合が行われている。小さくても、きらりと光るプレイが随所に見られて楽しい。それにしてものどかな春の陽気で、さらにこの観衆の少なさだと、なんかまったりムードの試合になりそうな予感がした。個人的には、それよりも目と鼻の心配が大きかったけど。naokiさんに花粉症用の飴をいただく。
 この日のメンバーは、

サンフ・・・
GK下田、DF一誠、ジニーニョ、池田、服部、MF茂原、カズ、ベット、FW大木、ガウボン、寿人。
リザーブは上野、小村、浩司、茂木、盛田。
ガンバ・・・
GK日野、DF青木、シジクレイ、實好、MF光輝、橋本、松下、二川、フェルナンジーニョ、FW吉原、アラウージョ。
リザーブは松代、児玉、家長、寺田、前田。

駒野がJ1第2節のFC東京戦でイエロー二枚で退場となったため、直近のこの日が出場停止対象試合。右サイドバックには一誠が入る。そのほかはフルメンバー。対するガンバは日本代表の大黒・宮本・遠藤が不在、また山口智が負傷で出場できず、さらに正GKの松代がベンチに座るなど1.5軍といった様相。宮崎キャンプでの練習試合ではサンフが4−0と完勝しており、それに加えて相手がこのメンツならば勝たなければ。
 少年達の試合が終わり、選手たちが出て来てアップを始める。今日こそ勝利を。
 さて40分ほど時間を吹っ飛ばして試合開始。立ち上がりから双方とも、春の陽気に当てられたかまったりとしてミスが多い展開。サンフは高い位置からプレスをかけ、ガンバはボールがつなげない。そのため、ほどなくロングボール戦術に切り換えてきた。中盤の底からバシバシと長いボールを蹴りまくり、吉原、アラウージョそしてフェルナンジーニョを走らせる。最初のうちは池田・ジニーニョがうまく対応していたが、前線でうまくプレスがかからないことで精度の高いロングボールが続き、DFラインが押し下げられてきた。それとともに中盤が空き、両サイドのケアが遅れ気味になる。それを見てガンバ左サイドの二川が高いところまで進出、そこで基点を作って中盤を支配するようになった。
 ガンバはほとんどスリートップになっているため一誠がほとんどセンターバックみたいに中央に絞ってしまい、二川にさらにスペースが生まれる。茂原がそのたびにカバーに行くが、それで空いた中のスペースをまた使われ、今度はスリートップのショートパスで崩されることに。中盤や最終ラインのスペースを埋めるために大木と寿人も守備に戻ってきて、攻撃どころではない事態になってきた。それでもガンバは最後の詰めが甘く、ゴールされるという気配はない。その中、前線のガウボンにボールが入り、ゴールへ向けて放ったスルーパスに左から大木が走り込み、ワンタッチでシジクレイをかわし、そのままアウトサイドで浮かせてゴールに叩き込むというごっつ技巧的なシュートでサンフが先制した。
 やった!これで波に乗る・・・と思った直後、ガンバがキックオフから押し込み吉原がボールを追う。ゴールライン際の競り合い、ジニーニョがカバーしてクリア、それが吉原の足に当たってゴールラインを割った。よしゴールキック・・・と思ったがなんと判定はコーナーキック。
なっ!何をするだァ――――ッ!
どこ見てるんだッ!ジニーニョが主審に猛抗議をするが判定は変わらない。ガンバはさっさとコーナーにボールをセットする。サンフのほうはなんだかまだ混乱してる、キック!中央シジクレイがフリーでヘッド!あっという間に同点に追いつかれてしまった。
 ゴール裏も、納得できない判定に騒然としたままゴールを決められてしまったというところ。でも選手たちは判定を受け入れてすぐに集中しないと。よりによってセットプレイで一番警戒しないといけない男をフリーにするとは・・・これでガンバがすぐさまペースを取り返し、サイドを破りまくって攻め続ける。サンフもこれをなんとか防いでいたが、前半ロスタイム、右サイドスローインのボールを軽率なミスから奪われるとガンバ橋本が素早くスルーパス、するり抜け出したアラウージョが鋭いシュートを叩き込んで逆転、前半を終えた。集中力を欠いたところで確実に失点。非常にいかん。
 後半、サンフは寿人に代え茂木投入。この展開では寿人は力を出しようがないので、突破力のある茂木を使うしかないだろう。ガンバは茂原とのバトルで負傷した二川に代え家長。二川がいなくなったことでサイド攻撃の脅威が減衰、サンフもしばし息を吹き返す。両サイドから攻め上がり何本もクロスを入れるが、これに精度がなくチャンスを潰し続ける。しかし60分、中央カズがドリブルで持ち上がりガウボンにクサビ、ガウボンはこれを受けると反転してドリブル突破にかかった。一人をかわして中央突破、DFがあわてて寄ってくるところを狙いすましてスルーパス、そこへまたも大木が左から素晴らしいスピードで飛び込んできた。一瞬茂木か、と思ったくらいの速さでゴール正面ボールに追いつくと、トラップすることなくそのままダイレクトで合わせて方向を変え、ゴール右スミに流し込んだ。ゴール、2−2同点!
 このゴールは本当にスーペル、ワールドクラスといってもいいだろう。目の前で見て、本当に感動した。何とかペースはつかんでるし、この勢いで逆転しろ!と意気あがるが、ガンバはすぐさま右サイドの渡辺光輝を引っ込めてルーキー前田雅文を投入。もともとFWの前田はそのスピードと突破力ですかさずチャンスをつかむ。さらに左サイドでも家長がゲームになじんできて、その変態的テクニックを存分に披露し始めた。左コーナー、二人に追い詰められながらも鮮やかなテクニックでこれを突破、パスをつないだシーンは敵ながら感心した。サンフはベットに代え浩司を投入するが、これが全く機能しない。セカンドボールもガンバが徹底的に拾いまくり、運動量でもサンフを圧倒。再び両サイドを制圧し攻め立てる。そして右サイドを突破してクロス、ファーに流れるところ家長が拾って折り返しニア吉原がダイレクトで蹴り込んで再び勝ち越した。
 サンフは盛田を投入するも、ゲームを完全支配された状況では何もできない。逆にフェルナンジーニョが左からドリブルで突っかけ、鋭く中へ切れ込む動きで一誠とジニーニョを置き去りにすると右足一閃、4−2とした。打ち合いの試合ではこれでもまだ追いつける可能性があるものだが、サンフはもう力尽きてしまい攻撃も単発。ガンバはついでに寺田も交代投入する余裕も見せ、そのままがっちりと勝利。
 ガンバもそれまで勝ち星がなかったものの、ホームでお待ちかねの初勝利。試合前に吉原のJ1通算150試合出場(開幕の大宮戦で達成)セレモニーがあったが、決勝点ゲットで試合後もヒーローインタビューを受けていた。
 サンフはとんでもない試合をしてしまった。プレシーズンマッチで桜に0−5惨敗したときより少しはいい試合した、という程度。あの時は連戦のキャンプ疲れでコンディションが悪かった、という言い訳が(かろうじて)通るが、今日はそれは通らない。動かないとどういうことになるか桜戦で身にしみたんじゃなかったのか。同じようなことを繰り返すとは・・・練習試合の圧勝でナメてたのか。大木さんのスーパーゴールがせめてもの慰めだった。
 その後、京都行って知人と会って、それから帰った。明日はサテライトのガンバ戦。

月20日 桃太郎スタジアム 晴
プレシーズンマッチ・VSセレッソ大阪

 宮崎キャンプでは、柏に4−3、蔚山に2−2、ガンバに4−0、城南に1−0、川崎に2−2と練習試合では無敗。5試合で13得点と得点能力も飛躍的に向上し、最近つまらない試合ばっかりのプレシーズンマッチも今回はいい結果になりそうだ、と思っていた。
 スパサカを見る。CM大賞はちょっと仕込み期間が少なかったのかイマイチ。それでも川崎の外国籍選手二人羽織は面白かった。川崎にはいいプランナーがいる。柏も笑ったが、あまり「アホ」を前面に押し出すのはクラブイメージに関わるからよすがいい、と思った。そして優勝が決まったとき、あれに入れた人間はプロフェッサー・フジタには好かれまい、と思った。
 ブンデスで高原が先制ゴール決めたので、その試合の推移を見届けてから床につく。エディ・トムソンの命日ということで、レクイエムでもかけて寝るか、と思い、試合中に見せる炎のような人柄を偲んでヴェルディのやつにする。一瞬、これじゃ寝にくいだろ、と思って、近くにあったドヴォルザークのレクイエム(ケルテス盤)に目が行ったが、初志貫徹した。フリッチャイ盤を抜き出し、かけて寝る。
 さすがにディエス・イレからトゥーバ・ミルムまでは寝るどころではないが、それからは概ね落ち着くので、ラクリモーサに入るまでは眠りについた。夢の中では、スパサカで各地のキャンプ情景を見たせいか、自分も何かのキャンプに参加して広い公園を走り回ったりしていた。大宮CMの「サムラァーイ」な場面が脳裏に焼きついていたせいか、ホテルだか宿舎みたいなところではそれっぽい場面にも出くわしたりして、目が覚めたときには心身ともに極度に疲労していた。悲劇ですわ喜劇ですわ。吐き気もする。しかしちょうど『仮面ライダー響鬼』が始まったところだったので、それを見て少し回復。変身するごとに服が燃えてしまうので、テントに戻って変身解除→着替えするヒビキさん。「城南」高校や立花のおやっさん(下条アトム)ってところにライダーワールドっぽさの欠片が。敵に向かって「おーい止まれー」「よっ」とかいつものノリのヒビキさん。そしてふんづられそうになるの逆に投げ飛ばしてドンドコ撃破キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!鍛えすぎ。でも今日の戦闘シーンはちょっとチープだったので、もっとそちらには技術をつぎ込んでほしい。
 それから朝食をとって、もう少し休んで体力を回復させてから家を出る。
 福山に出て、サンライナーに揺られて岡山着。西口へ出てうどんを食べ、駅前の地図を見る。見たところ1kmちょいというところだったので、歩いていくことに決めた。ほかにも歩いていく人がちらほらいたので、その流れにのってゆく。空はいい具合に晴れ。風はちょっとあり寒いが、太陽があるだけありがたい。
 スタジアムの前に来ると、サンフのショップが開かれているテントがあるのが目に入る。メイン入口外には、苔口の出身校・玉野光南の面々が集まっていた。今年はプリンスリーグに参加するんだっけ?
 サンフはホーム側なので、そっち側に回りこんでいく。ホーム側ゴール裏ど真ん中には、オーロラビジョンがどーんと突っ立って左右を分断していた。ある意味西京極みたいだ。サポーターたちはバックスタンドに陣取っている。ゴール裏入口からバックスタンドに上がる。ほどなく先発メンバーが発表された。
10ガウボン
20大木 11佐藤寿
6ベット
8森崎和 34茂原
17服部 4ジニーニョ 2池田 5駒野
1下田
 リザーブは、GK上野、DF小村、吉田、MF浩司、一誠、FW茂木。
 桜のスタメンは、
GK吉田、DF江添、ブルーノ・クアドロス、山崎、MFファビーニョ、布部、久藤、ゼ・カルロス、森島、FW古橋、黒部。

 桜もけっこう人が入れ替わっている。ブラジル人三人衆はどんなもんだろうか。
 ハンジェは来てないのか?どうせ別メニューで試合には出れないんだから、来ていてもおかしくはないが。このPSMはサンフ主催なんだから、試合前にちょっとしたセレモニーやってもよさそうなもんだ。青山も連れてきてないことだし…玉野光南の面々は、アウェイゴール裏の桜サポの隣に陣取って気勢をあげていた。
 試合開始まで、「キルヒアイスの声優は広中雅志」「ミュラーの最初の旗艦はリューベック」とか話していると、試合開始が近づく。
・・・で、試合が始まった。

いろいろあった。

そして試合終了。
 かいつまんで言えば、「試合」という概念と実際にあった事象とが一致しないものだった。「おおかみ、くまをやっつける!」ていうような芝居を見ているような、早い話見世物だった。桜サポと、とくにどっちも応援してない人々にとっては大変面白かったと思う。
 試合開始から全員棒立ち、走ってはいるが効果的ではなく、ボールホルダーへのサポートもほとんどない。守備でも中盤プレスが甘くどんどんボールを回されサイドに展開される。サイドバックが異常に中に絞っているので、その外のスペースへ出されて走り込まれたら即テンパイ状態。桜の左サイド、ゼ・カルロスはスピードとテクニックを兼ね備え、さらに鋭く曲がるセンタリングをダイレクトで繰り出す。ひょっとしたらドゥトラを越えるかもしれん。中央に黒部が飛び込むごとにヒヤヒヤした。
 桜の先制は10分、中盤からのスルーパスに黒部がギリギリで抜け出して突破折り返し、ゴール前に飛び込んできた古橋がピタリと合わせた。それからも桜が豊富な運動量で中盤を制圧、自陣ゴール前でもきっちり人数をかけて決定機を許さない。サンフは運動量がなく、フィジカルでも負けまくり。どう見てもコンディションが悪すぎる。特に茂原は、宮崎で好調を伝えられているのがウソのようなひどさで、パスはほとんどミス(高い位置でのダイレクトパスにはいいのが何本かあったが、低い位置からはまったくつなげない)、ボールを持ったら出しどころを探しているうちに寄せられてカットされ、攻守双方で位置取りが中途半端、全然ダメ。
 彼を筆頭として、池田も立ってるだけでヘッドもまともにはね返せない、駒野は中盤がメタメタなのであまり上がれない、服部は果敢に上がっていくもののクロスにまでいけない、ベットもキープ、パスとも精度なし、ガウボンもポストいまいち、寿人もサイドでボールを受けるもののそこから何かできるというタイプではない。下田は開始早々の決定機を見事に防ぎ、またそれからもたびたび失点の危機を救ったが、守備を後ろからコーチングする立場としてはもう少し何かできなかったか。
 よかったのは、カズ。キャプテンマークを腕に巻き、前半から中盤を必死で支えた。中盤のあらゆる場面に出没し、ボールをしっかりキープしてつなぎ、ダイレクトで逆サイドに大きな展開のパスを通したり、不甲斐ない周囲を鼓舞するかのように自らドリブル突破で前線に上がって行くなど、まさに獅子奮迅の活躍を見せていた。しかし彼もコンディションが万全でないのは他と一緒なので、後半途中でついにガス欠。それとともにチームの全機能は停止、あとはロングボールを放り込むだけになった。
 ジニーニョは、序盤にクリアミスでピンチを招きひやりとさせたが、それからは決定的シュートをスライディングでカット、激しい当たりからスイっとボールカット、鋭い出足からパスカットと、クレバーで美しい守備を随所に披露していた。背が高くスマート、豊かな黒髪と、遠目にはかつてサンフのリベロとして君臨したトニー・ポポヴィッチを彷彿とさせるのも、好印象。
 グアムキャンプ序盤の負傷でやや出遅れた大木も、献身的な守備とボールへの絡みで何とかチームを立て直そうと奮闘していた。当たりが弱くスタミナが一番なさそうな彼があれだけ頑張っているのを見て、ほかのやつらももっと頑張れないのか?と思った。
 試合は、その後桜が高い位置でのこぼれ球を素早く左に出し、するりと抜け出したゼ・カルロスがダイレクトでセンタリング、これに最後尾から猛然と駆け上がってきたリベロのブルーノ・クアドロスがドンピシャの豪快ヘッドで2−0とし、そのまま押し切って前半終了。このゴールのあと、会心のアシストにゼ・カルロスがタッチライン際で妙な踊りを始め、それにブルーノやほかの面々が一斉に抱きつきに行っていた。これは敵ながらグレイトなゴール。桜のブラジル・トリオは脅威。ゼ・カルロスはドゥトラを凌駕するかもしれないサイドアタッカーであり、ファビーニョは堅実確実に中盤で攻撃のタクトを振り、ブルーノ・クアドロスはゴール前を締める一方、ド迫力のオーバーラップからゴールを狙う、まさに「リベロ」。ツーリオの17倍は怖い。桜持ち味の攻撃サッカーにピッタリの三人がやってきている。彼ら三人がいるときの桜は、要注意だろう。ただ、彼らを経由しない時の桜の攻撃はわたわたしている(とくに右サイド)。それに今日は桜が一方的攻勢だったため、守勢に回った時に彼ら三人がちゃんと守備してくれるかどうかは未知数。たとえばゼ・カルロスの裏には寿人や駒野がたびたびフリーで侵入していた。
 前線はポストの黒部が中央に構え、その後方から森島・古橋が自在に飛び出す。サンフの運動量の少なさに乗じ、守備陣を混乱させまくっていた。サンフはDF・MF間でマークの受け渡しができず、敵が目の前にいるのにゴール前に駆け戻る池田、という信じられないような場面も見られた。

 後半立ち上がりの桜はちょっとふわりと入ってしまい、ここがサンフにとってはつけ目だったが、逆にカウンターからモリシにあっさりゲットされてしまう。実はかなりヤバい状態だった(試合に出られるような状態ではなかったらしい)茂原に代わり浩司、怪我を引きずっているのか全く精彩を欠いたベットに代え茂木を投入、大木・茂木が左右の攻撃的MFに入る4−4−2にしたサンフだが、この失点がきいたのか相変わらずボールがつながらずシュートにまで持っていけない。大木に代え一誠を投入、浩司を左の攻撃的MFに上げた・・・はずなのだが、中盤を桜に支配されているため、浩司は結局ボランチの位置まで下がってきてしまい、茂木も立ち往生。それでも、なんとかボールを呼び込んで突破しようという意識とその動きは、昨年よりはるかに向上していた。もう少しだ。
 一誠は、難局を打開しようと大きな展開のパスを試みたり(一度左サイドへ絶妙のロングパスを通した)、前線に積極的に飛び出して裏を取ろうとしたり、こぼれてくるボールを果敢にミドルシュートで撃ち返したり(GK正面だった)と奮闘。いい活躍だった。
 桜は両サイドを苔口、廣山に取り替え、外国人選手もどんどん引っ込めるも、相変わらず攻め続ける。コケコケには大きな声援が。彼のスピードは、ヘトヘトのサンフにはトゥーマッチ。モリシがまたゴール前への飛込みからゲット、4−0とし、さらに左CKがファーに抜けるところ齋藤が蹴り込んで5−0。最後はジョンさんまで入ってきて、こっちはもう、脳内で「ジョンFlash」流しながら、ジョンさんもどうぞ決めていいっすよ?と思っていた。
 試合が終わって選手たちが挨拶に来たのだが、選手は明らかにコンディションが悪かったし、ブーイングするのも何だかなあ・・・とブーイングもまばら。しまいにはヤケっていうかあてつけっていうか大きな拍手も起こったりして、実にケイオスなひと時だった。試合直後にはむしゃくしゃしていて、あやうく「誰でもよかった」な精神状態になりそうだったが、幸い(なのか)あまりの大敗だったためにそこまでは陥らず、比較的早く切り替えられた。あそこまでコンディションが悪かったら、そりゃ負けるし。本番ではコンディションは言い訳にもならないから、この二週間でちゃんとやってほしい。
 yuckam姐御さまご夫妻(バス帰り)やnaokiさん&junkoさん(車帰り)とともに岡山駅まで徒歩で戻り、駅前のマクドで「今日の反省会」みたいなのして、解散した。一時は、26日はシャレオ行かずにユースの練習試合観に行こうかと思ったが、やはりシャレオに行こうと思うので、その時はしっかりシーズンへの決意を述べてもらいたい。