むらさきぐま日記2005.ver.1


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5.VS家鴨5/1 6.VS鞠5/8 7.VS青鳥7/13

2005J1リーグの日程。


7月13日 広島ビッグアーチ 曇
J1リーグ第16節・VSジュビロ磐田

 18時40分、五日市IC着。よし間に合う。ビッグアーチ前駐車場がまだ空いているみたいだったので上がっていったが、大行列だったので引き返し、有料駐車場へ停める。シャトルバスが出そうだったのでそちらに乗り込み、広域公園駐車場へ。坂を急いで上っていくと、目の前のビッグアーチからスターティングイレブンを読み上げる声。

サンフ・・・
GK下田、DF池田、ジニーニョ、小村、MF駒野、茂原、カズ、服部、ベット、FWガウボン、寿人。
リザーブは上野、吉田、浩司、ハンジェ、大木。
磐田・・・
GK川口能、DF鈴木、田中、茶野、MF太田、河村、服部、村井、船谷、FWカレン、前田。
リザーブは佐藤、キム・ジンギュ、菊地、川口信、チェ・ヨンス。

 スタンドへ上がった時にはすでにキックオフしていた。ピッチの状況は、まあギリギリ許せる範囲。ていうかもっとひどい状況を予想していた。例年夏場にはひどくなるが、それよりそこそこ悪い、というところ。それでもボールはまともには転がらないだろう。メイン側の中央付近はむき出しの砂で白くなっている。さらに両サイドのゴール前がけっこうイッている(砂地)ので、ボールのバウンドや滑り具合の予測がつきにくそうでちょっと怖い。
 両者自重しながらの速攻。サンフは4バックではなく3バックを採用し中央を厚くしている。こういうピッチでは不慮の事態も充分予想されるし、日曜日の大分戦から中二日というきついスケジュールもあるので、それもありだろう。今日は公太が最初から高い位置にいるので、どんどん上がっていって相手の裏を突き、惜しいクロスを次々に上げていく。右サイドでも、しばらくぶりになる茂原・駒野のコンビがいい感じで崩せている。
 磐田は速いパス回しでゴールに迫ろうとするも、サンフの守備組織の前に止められてしまう。両サイドから決定的なクロスが上がる事も少なく(服部年宏がオーバーラップしてきたときはちょい危なかったが)、磐田の決定機は右クロスに前田がヘッドで合わせたところ(枠外し)、あとはセットプレイからの押し込み2本とミドルシュートだったが、これら三本の枠内シュートはすべて下田が完璧な反応でセーブした。
 対するサンフは中盤カットから両サイドに開いてクロスを入れ、また素早く相手の裏にフィードしてゴールを狙う。相手裏へのフィードに寿人が抜け出し、ワントラップで中央に切り込みシュート!は川口が素早く正面に詰めてセーブ。もう少しトラップが小さければ川口も飛び出せなかったかもしれないし、飛び出していてもかわせたかもしれない。しかし躊躇なく前へ飛び出してきた川口のプレイは、彼の真骨頂というところ。そして中盤中央左で奪ったボールを素早くつないで右に展開し駒野がダイレクトでクロス、ニアに走り込んだ寿人がピタリと合わせゴール!と思ったが、これも川口が至近距離からスーパーセーブ!ほとんど目の前のシュートに反応するとは、くそう今日のヨシカツは代表バージョンかッ!クラブチームのヨシカツってのはもっとこう、うっかりな飛び出ししたり、ボールと一緒にゴールへ飛び込んじゃったりとか、エンターテインメント性ばつぐんな人だったはずだが。もう面白いヨシカツというものはここでしか見られないのか。
 そんなこんなで前半終了。両チームとも堅実な試合運びで、集中力も高い互角の勝負。
 後半立ち上がりからサンフが攻勢に立つ。左サイドを服部がどんどん駆け上がって裏を突いていき、中盤でカットするとすかさずフィードして裏を狙う。カズの働きぶりは目ざましく、中盤でカットし、キープしてつなぎ、前へ出していき、チームの危機には戻ってきてカットする。村井がフリーで突破しようとするところへ猛然とチャージかけてクリアしたシーンは圧巻だった。寿人が右から競り合いに勝ってドリブル、角度のないところからシュート、はサイドネット。今度は茂原が右から突破しシュート、は川口ライン上でキャッチ。右からのクロスにファー寿人がヘッド、川口飛びついて届かないがわずかに左!寿人天を仰ぐ。そしてフィードボールを寿人が追い、いったんは相手がカットするものの彼は足を滑らせ転倒、起き上がったところへ寿人詰めてシュート!は左上に外れる。どうにも決まらない。
 対する磐田はなかなか攻撃の形ができず。右クロスがファーへこぼれるところ、カレンがフリーでトラップするも、その一瞬の隙に下田がその眼前へ光速移動、シュートを完全にはじき返しカレンは逆に足を痛めてピッチ外へごろごろ。両チームの守護神が全く隙を見せない(キックフィードは別)。アトランタ同期の二人、ピッチの両サイドから凄まじい鍔迫り合いだ。
 磐田はチェ・ヨンス、川口信男を投入、サンフも大木と浩司を投入しゴールを奪いに出る。しかし両チーム守備陣は破綻を見せない。久々登場の昇平もハイボールや一対一では体を張った守備を見せており、よかった。最後のほうはさすがにサンフの運動量が落ちたことで磐田がボールを持つようになったが、森崎兄弟の中盤での頑張りもあり、優勢にまではもっていけなかった。一方サンフも骨折からの復帰明けでまだ万全でないガウボンを途中で下げたことで前線での空中戦に競り勝てなくなり、決定打を出せなくなる。こういうところで茂木がいてくれたらな、と思ったが、また使ってもらえるように頑張ってほしい。
 右CK、茂原がセットしてショートコーナーと見せかけスルーして駒野がミドルシュート!川口反応できない、しかしわずかに左へ外れる。
 茂原がレイトタックルで、そして茂原のミスパスから突破されかかったところをジニーニョが覚悟のファウルでイエローをもらう。二人そろってこれが累積四枚目のイエローで次節出場停止。イエロー出すのはいいが、主審(この試合は松村和彦氏)ももう少しちゃんと見てほしいと思った。服部年宏は完全に遅れてタックルを入れた場面が二度あり、後半のやつでベットは足を痛め、間もなく交代した。また前半にガウボンが遅れて足を払い、磐田の選手が痛んだ場面でもそれを見ていなかった。判定自体には問題はなかったけど、もっと周囲に注意力を。
 ロスタイム3分も両チーム激しくぶつかる。サンフは最後に右サイドでFKゲット。オムさんも上がる。最後のチャンス、決めてくれ!浩司がゴール前へキック!競り合い、DFクリアしCKに。左CK、ラストワンプレイ、駒野のキック、ファーちょっと大きい、大外の昇平も中へ走り込んできてしまった、ボールが逆サイドでバウンド、昇平追う、しかしボールはタッチラインを割り、ここで試合終了のホイッスル。3位争いの一戦はスコアレスドローに終わった。
 またもホームで勝てず。ナビスコはともかくリーグでは鞠戦、脚戦と連敗して今日はドロー。通常なら大ブーイングもやむなしのところだが、それでもゴール裏からは拍手、そして浦和戦への激励の声も起こっていた。それだけこの試合は双方が力を出しつくしたいいゲームだった。自分も、後半の終わりごろには、
「よくやっているじゃないか・・・どちらも」
とラインハルトのセリフ(アムリッツァ会戦での)を思い出して心の中でつぶやいていたほどだった。自分は拍手をした。それだけの試合だったから。惜しむらくは、キルヒアイスのような切り札がどちらにも存在しなかったこと。もちろんそれがこちらにいてくれればよかったけど。
 水曜日の試合にしては結構な数が来ていたサックスブルーのサポたちは、オーロラビジョンで試合のハイライトが流れる中、速攻撤収。気をつけて帰ってくれー。しかし川口の前半のあのセーブはありえん・・・
 名古屋が瑞穂で鹿島を3−0完全撃破。1点縮まった。勝ってりゃな・・・脚はまた勝って鹿と4差。いよいよ来た。でも脚はいつもここぞというところで負けるから、今のところはこれでいい。鹿へのいい牽制だ。そして鞠がロスタイム坂田のゴールで劇的勝利、3位浮上。3位とられた!じわりと上がってきたな。
 次の埼スタ、浦和は連敗中で血相変えてくるだろうから、このパフォーマンスをもっと高めて対抗し、撃破してほしい。この勝点1を無駄にしないために。
 ドローは悔しいが、久しぶりに「プロの真剣勝負」というものを見ることができて、平日特攻したかいがあったと少し幸せに思った。スコアレスドローにそんな気分になるとは、ちょっとイタリア人入ってしまったか。でもナビスコ勝ったときもスッキリした勝ち方じゃなかったし、新潟戦はほぼ一方的。こんな面白く緊迫したゲームは本当に久しぶりだった。
 坂をてくてくと下りて食事をし、車に戻って家路につく。帰る道すがら、やっぱり悔しさが増大してきた。次絶対勝ってくれ!

5月8日 広島ビッグアーチ 晴
J1リーグ第11節・VS横浜F・マリノス

 ゴールデンウィーク最後の試合。28日の桜戦は1−1ドロー、1日の新潟戦は5−0圧勝、4日の千葉戦は1−1ドローと、過密日程ながらまあまあのペースで勝点を積み上げている。しかし、首位鹿島が桜に不覚を取ったものの勝点3をどんどん積み上げており、この時点で勝点差が8。今日の試合は絶対に勝って、鹿島についていきたいところ。特に、この試合は鞠が11日のACLを見据えて主力を休ませるという話なので、なおのこと。
 また響鬼の時間に起きられなかった。最近暑かったから軽装で寝たら今朝は寒かったようで、ちょっと寒気がする。実況板見てみたら斬鬼さんエレキギターで蟹撃破とか引退宣言とかで非常に面白かったらしい。しまった。朝食を食べたもののまだ頭の中にはもやがかかっている状態だが、とりあえず家を出る。最近ずーっと微妙に体調が悪い感じ。
 CDデッキの調子が悪く、最近はCDを読んだり読まなかったりだったためクリーナーを念入りにかけたら、読むようになった。一路広島へ。気分が乗ってくるようなのを聴くか、と《追憶鎮魂曲〜Nostalgic Requiem》(dBu)をかける。「東方妖恋談」はいい。それからブラームスの交響曲第2番(トスカニーニ指揮)を聴きつつビッグアーチへ。
 試合開始は15時だが、11時過ぎにはすでにビッグアーチ前の駐車場が埋まってしまったようで、12時30分ごろ五日市ICに到着した自分は有料駐車場へ。まだ空きがあってよかった。車を停めると、坂の下のジョリーパスタでズビズバーと食べて、坂を上がっていく。体はちと重いが、跳んだり跳ねたりには差し支えなさそう。
 13時過ぎに列へ。列は第二球技場の前でぐるりと輪を描いていたが、列はどんどん捌けていく。いい感じだ。しかし・・・いまいち空気が気に入らない。川崎戦はもっと周囲の気が張りつめていたけど、何かふわふわした、弛緩した空気で気持ちが悪い。少しいやな予感がする。するりと入場し、売店で豚串を食べ、サンフレッチェウォーターを買ってからスタンドへ。
 今日の「FOMAでデート」はさんまと盛田。さんまはいきなり一発芸を披露してはずしていた。おい。
「どうしてさんまって呼ばれているんですか?」
の質問に、
「明石家さんまに似ているからです。東海選抜に行った時に似てるって言われてそのあだ名がつき、年代別代表でもそう呼ばれていたので、そこで一緒だった俊介や一誠が広島ユースでも広めて、広島でも定着しました」
とのこと。
 続く盛田、いきなり鼻に指を突っ込んだ状態でオーロラビジョンに大写しになると、さらに一発芸披露でスタンドを笑かす。そのままキャラクター全開で笑いを取りまくっていた。この時がビッグアーチの一番沸いたときだったかも知れぬ。
 隣のほうで子供たちがマッチデープログラムの最後、選手写真のところを見ながら、
「森脇もかっこいいじゃん」
「・・・・・・・・えー!?」
などと話していた。えーとは何だえーとは。
 今日のメンバーは、
サンフ・・・
GK下田、DF駒野、ジニーニョ、小村、服部、MF茂原、カズ、ベット、大木、FWガウボン、寿人。
リザーブは上野、吉田、浩司、茂木、俊介。
横浜FM・・・
GK榎本哲、DF栗原、中西、中澤、MF熊林、山瀬功、山瀬幸、塩川、後藤、FW清水、坂田。
リザーブは下川、尾本、奥、北野、久保。
 長い間のヘルニアわずらいからようやく復帰の久保がベンチ入り。彼には念入りなブーイングが浴びせられる。アップ中の久保は、あんまり存在感がなかった。練習試合などでプレイはしているようだが、まだ本調子には遠いようだ。鞠のスリーバックとツートップはレギュラークラスだが、中盤はJ2みたいな感じ。実際熊林、山瀬兄、塩川はJ2で対戦した相手だ(それぞれ湘南、札幌、川崎)。中盤は確実に制圧できるだろうから、どうやって栗原・中西・中澤の壁を崩すか。
 バックスタンドも上のほうまで埋まった。2万いきそう。そして試合開始。
 で、試合は、中盤を完全に支配、相手のロングボールから清水と坂田が走るがジニーニョがこれらを完全にカバー。こちらはカウンターから抜け出した大木のシュート、右サイドを崩して駒野のクロスをガウボンがヘッドと決定機を立て続けに得るが、決められない。パスが自由に回せるためか時間とともにやや手数をかけるようになり、スリーバックを崩せない。スコアレスのまま前半終了。1万ゴールはガンバのルーキー、関大の前田雅文だと。また地味な。名古屋、敗戦。今日負けなければサンフは2位浮上する。
 で後半も攻め続けるが手数が一つ多くどうしてもスリーバックに守る暇を与えてしまいゴールを奪えない。逆にカウンターから右サイド熊林のクロス、これをファーから走り込んだ塩川がヘッドで叩き込み元J2コンビで鞠が先制。茂原も戻ってきていたがこのクロスに競ることができず。岳人対決は塩川の勝ち。んで、あとは「この1点、死んでも守りきる!」と気合入れ直した鞠守備陣が最高の集中力で残り時間を防ぎきり、見事に勝利。主力を大量に休ませ、しかもアウェイで勝点3を挙げた。サンフは途中出場の俊介が何度も突破を見せたものの及ばず。他会場では鹿島がロスタイムのゴールで2−1勝利。勝点差が11に開いてしまった。
 あれだけボールを支配しといて1点も取れず。ボールをよけいに回しすぎた。あの三人の態勢が整う前に崩して撃たなければならなかったのに、そうしなかった。ガウボンも、シンプルに折り返せばいいところで切り返したり、自分で撃てばいいところでいらんスルーパス出したりとテクニックに走ってしまっていた。GWの戦績を見るに、まだまだサンフも甘いと感じる。しかし、やり方は間違っていない。細かいところをチョイと変えるだけで、まだまだ強くなると思う。そのちょっとしたところが、なかなかキツい坂道なのだけど。
 しかし本来ボーナスステージであるべきところを落としたので憮然として帰る。

5月1日 広島ビッグアーチ 雨
J1リーグ第9節・VSアルビレックス新潟

 GW突入、連勝中のサンフは先月28日に長居に乗り込んだものの、ロスタイム直前投入の池田がロスタイムにPA内で古橋をつかんでPKを与え、土壇場で追いつかれドロー。何ともやりきれない試合だが、後半途中からは打たれっぱなしでポストに2発、バーに1発助けられるという有様だったらしいので、勝点1でもまあいいか、と自分を納得させた。そして5月1日、ホーム新潟戦。中二日、みんなの体力が戻ればいいが。
 前日から体調が悪く、この日も仮面ライダー響鬼の時間に起きることができない、起きても意識がぼうっとしていたのでもう少し休もう、と横になったらいつの間にか11時30分。いかんと起き上がったがまだ気分が乗ってこない。外は天気予報どおり雨。今日は行くのやめようか・・・と思ったが、今日はJ1ホーム100勝のかかった試合、浩司がメンバー入り、そして寿人が先発で来そう、最後に「こういう日に行かずしてどうするか!」と自らに喝を入れ、カレーを食べて家を出た。
 しかし気分自体はあんまりよくないので、とりあえずノリのいい曲聴きつつ行こうということでまずベートーフェンの交響曲第9番をかける。アルテ・ノヴァレーベルのジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管&シュヴァイツァー室内合唱団の盤。第4楽章の怒涛のマーチ、そして節度を持ったスピードで高らかに歌われるフィナーレ部分は燃える。ちなみに第1〜3楽章は聴かない。第4楽章で「おお友よ、このような音ではない!」ってゆってるし。そこは第4楽章を聴く気分ではない時に独立して聴く。第1〜3楽章をゆったりと聴いて、第4楽章になったら即停止してCDチェンジ。自分は合唱をやっているが、これを歌ったことはない。一回参加して楽譜見たら、作曲者のヤロー、歌うほうの身にもなってみろや、といいたくなるような無茶苦茶かつ面白くない音の動きなので、やめた。これ歌うくらいならメンデルスゾーンのシンフォニー・カンタータ《讃歌》を歌いたい。
 それはともかく、気分も乗ってきたので今度はハチャトゥリアンのバレエ《ガイーヌ》組曲(チェクナヴォリアン指揮アルメニア・フィル、ASVレーベル)をかけたが、初っ端の「剣の舞」を聴いていると頭がクラクラしてきたのですぐさまCDを取り出した。チェクナヴォリアン、爆演しすぎ。そこで(方向性変わりすぎだが)『アニメタル・マラソン』の4と5を聴きつつ2号線を走る。高速は三原久井と本郷の間で事故渋滞していたので、ちょうどよかった。走っていくと、西条バイパスの向こう、県道志和インター線が開通しており(4月27日開通)、そこを抜けて志和ICから山陽道へ。
 雨は途中激しく降ったり小降りになったりと一定しなかったが、五日市ICに着いた時には小降りといったところ。料金所はあまり混んでいなかった。この雨で、遠方の人は二の足を踏んだか・・・しょうがないといえばしょうがないのだけど。
 15時ちょっと前に有料駐車場に車を停め、しばらく車内で休んでから傘をさしてビッグアーチへ。シャトルバスがいなかったので、そのまま歩いて向かうが、やはり体調のせいか途中何度も膝がガクンと沈んだ。
 当日券売り場がえらく前のほうまで出てきていて驚いたが、その脇を抜けて入り口へ。とその前にポンチョを買って入場ゲートをくぐり売店のところまで歩いていくと、雨のためたくさんの人がいた。売店のほうではうどんなど暖かいものが売れている模様。11番のユニに着替えているとちょうど某氏にお会いし、しばらくお話をする。
 ここ2試合、試合前にカレー&豚串を食べて勝利している。カレーは家で食べてきたから豚串だけ買って平らげ、サンフレッチェウォーターを飲んで一息つき、スタンドへ。雨は小降りで、特にポンチョを着る必要もなさそうなので、それでカバンをくるんで横に置く。車に入れてたゴミ袋持ってくるの忘れてた。B6ゲートのすぐ横に座り、コールに専念。
 試合が近づくにつれ雨足が激しくなってきた。この日のメンバーは以下の通り。

サンフ・・・
GK下田、DF駒野、ジニーニョ、小村、服部、MF茂原、カズ、ベット、大木、FWガウボン、寿人。
リザーブは上野、吉田、浩司、茂木、俊介。
新潟・・・
GKノザー、DFリマ、海本慶、丸山、梅山、MF寺川、本間、山口、FWエジミウソン、上野、ファビーニョ。
リザーブは木寺、萩村、喜多、岡山、船越。

 心身ともに低調でしばらく休養していた浩司は先週から練習に復帰、サテライトリーグにも出場して今日、ついにベンチ入り。なるべく楽な場面で出してやりたい。そして寿人も先発復帰!ここ最近はガウボン、茂木、大木、俊介と攻撃陣が好調のため先発落ち、そしてメンバー落ちを経験していたが、GW連戦中このタイミングで先発。ここで取らなきゃいつ取る、っていうかここで取れなければヤバい。でも新潟4バックなら裏を取れそうな気もするし、中盤を支配できればいける、はず。メグさんも堂々のベンチ復帰。スリーバックの守備固め、また左サイドバックに入って服部を一列上げる、とふたつのオプションが使えるので有用。池田は前節ロスタイムPKを与えてしまったのがまずかった・・・
 新潟は4−3−3。本間のワンボランチの左右に山口素弘・寺川が開く、ちょっと前までのサンフと同じ布陣。右サイドバックには途中出場の多かったアンデルソン・リマを先発起用。正確なプレイスキックを持っているので、セットプレイには要注意。鈴木慎吾がいないのは助かる。
 家鴨サポの数はそこそこ。今までの来襲数にくらべると少なめ。田植えシーズンだからか、それともやはり雨のせいか。両チームの選手入場、両サポーターのコールが雨にけぶるビッグアーチに響く。寿人へのコールが繰り返し行われる。今日こそ!そして試合開始。
 新潟はロングボールをボコボコ蹴ってくると思ったが、意外やパスをつないで中盤を作ってきた。そのため激しい中盤でのボールの奪い合いとなる。いきなりアンデルソン・リマのFKがあったが、しっかり防ぐ。CKとなりアンデルソン・リマがこっち側のコーナーへやってきた。激しいブーイングが飛ぶが、それに手を挙げてにこやかに笑うアンデルソン。出来ておる喃。だがこのキックも下田がパンチでクリア。
 サンフがカズの絶妙な散らしから両サイドを使い、駒野と服部がどんどん上がってクロスを入れていく。雨はどんどん激しくなっていき、戦線はやや膠着。それでも中盤のプレッシャー、確実なボールコントロールで勝るサンフが中盤にしっかり基点を作り、サイドからじっくりと攻めていく。新潟は前線に有効なボールが出ず、ボールが出てもサンフDF陣が素早くカバー、シュートにいけない。
 周囲が空いているので傘を差し、身を低くする。ハーフタイムでもうひとつポンチョ買おう。
 サンフはベット、茂原、大木、カズの中盤でしっかりとボールを奪い、中央に構えるカズがサイドにビシビシ正確なパスを通していく。左サイドには服部、ベット、大木、右サイドには駒野、茂原が進出し、パスを回したり突破したりとボディブローを連発、新潟の両サイドは押し下げられて上がれなくなった。そのため新潟は中盤が足りなくなり、サンフが中盤を完全に掌握。前半30分、そろそろゴールが入りそうな雰囲気になってきた。雨も小降りになってきたので、傘をたたむ。
 服部のクロスにニア寿人が飛び込みジャンプ一番ヘッド!はわずかに外れ!惜しい!次いで右サイド展開から茂原がクロス、DFクリアでCKに。左CK、駒野のキック、ニアを狙ったキックに誰かが飛び込みヘッドで反らす、ボールがゴール前をすっと横断して――ゴール右スミに突き刺さった!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
先制!ゴールを決めた選手が大木と抱き合っている。誰だ、雨でよく見えない。ガウボン・・・か?石橋さんがアナウンスする。
「ただいまの得点は、サンフレッチェ広島、背番号10、ガウボン選手の得点です!」
ガウボン、3試合連続ゴール!35分、そろそろゴール、という時間帯にきっちり決めてくれた!リーグ序盤はゴールがなく苦しんだが、彼はもう目覚めたといっていいだろう。あとは寿人だが・・・
 右サイドからのフィードボール、これは前との息が合わず転々と転がっていく。ゴールラインを割る、あーあ、と思った瞬間、中央から寿人が猛然とそれを追いかけ飛び出してきた。俊足を飛ばして一気に追いこみ、これは追いつく、というところ慌てて新潟がタッチラインに逃れ、サンフのマイボールに。このプレイにスタンドが沸いた。駒野のスローインをつないで寿人のシュート、はDFブロック。さらに大木もシュートを放ち攻め立てる。そしてカズのカットから右サイドに展開、受けた駒野がいったん切り返して左足クロス、とフェイクを入れもう一度タテに切り返す!完全に引っかかった梅山を振り切り、右足でゴール前へ低いクロス、これをニアへ走り込んだ誰かがDFともつれながらも合わせ、ボールはゴール左スミへ!
 ゴール!2−0!前半44分、新潟を突き放す!得点者は今日2アシストめの駒野とがっちりと抱き合うとメインのアウェイ側コーナーへ走って行き、メインスタンド向け右腕を突き上げた、その背番号は、11!
寿人ついにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
佐藤寿人、ついにゴール!ここまでリーグ戦はおろかサテライトリーグ、はては練習試合でもゴールを決めていなかった寿人、これが正真正銘のサンフ初ゴール。やった!大きな寿人コール!
 リプレイが流れる。駒野の低いクロス、寿人ニアへ飛び込むがややタイミング早すぎた、DFともつれる、しかし倒れる直前、正面にくるボールを右足ヒールで引っ掛けてゴールへ軌道修正、流し込んだ。アレッサンドロ・デルピエーロがやったような技巧的シュート!(夜の『やべっちFC』でも堀池さんが「デルピエーロみたいですねえ!」と言っていた)
 そして前半終了。改めて寿人コールが起こる。両FWがゴールし、内容も新潟を圧倒。最高の形で後半へとつなげた。茂原ですら大きな切り返しで相手を翻弄したりとやりたい放題で、非常に面白かった。茂原、前節から坊主頭にしており、遠目には大木と見分けがつかん。
 ポンチョ買いにグッズ売り場のほうへ。食べ物の売店にはまた人が殺到しており、グッズ売り場に行くのにちょっと苦労。
 携帯で他会場の結果確認。

鹿0−1桜
赤3−0鯱

上コケたー!よしよし今日勝って差を詰めねば。
 ポンチョを着て、席に戻る。新潟はファビーニョに代え岡山イン(監督コメントによるとファビーニョは負傷交代)。
 後半開始。新潟が前に出てくる。サンフもその隙を突きロングフィード、ガウボンが競り落としたところ寿人が走り込んで、飛び出すGK野澤より先に触って抜け出すところ倒された――と見えたが、主審は「立て立て」のゼスチャー。なっ!何を言うだァー!ゴール裏から大きなブーイングが起こる。寿人はめげずにFKゲット。中央やや遠め。駒野、カズとベットが立つ。ベットなら直接いけるか・・・ベット走り込んでキック――は横へ流す、カズがスルーして流れるボールに後方から駒野が走り込む、主審がちょっと邪魔、よけてロングシュート!強烈な一撃がグンと伸びてゴールを襲う、野澤飛びつくがさわれない、いけ―――しかしボールはわずかにバーの上!大きなどよめきとため息。主審が邪魔しなければもうちょっと抑えたのが撃てたかもしれないのに。
 右サイドでボールをつなぎ、ガウボンがPA外でボールを受けるとすかさず左足一閃!ゴール右スミを捉えたが、これは野澤が横っ飛びでファインセーブ、CKに。CKはクリアされるも、今度は左サイドを服部が突破しクロス、中央ガウボンが跳ぶ――がわずかにその上!惜しい。立ち上がりは新潟の攻勢にやや押され落ち着いた展開になっていたが、またサンフが押し返してきた。
 新潟、選手交代。船越か、と思ったら萩村だった。どうすんだ、と思ったらDFラインに入る。スリーバックにして両サイドを上げたようだ。
 その直後、そのサイドからサンフが攻める。駒野が右サイドを持ち上がり、いったんはクリアされたものの茂原がカバー。ミドルシュートか?と思ったが茂原は鋭いクサビのパスを中央へ。PA外中央でベットが受け、左へ体を向ける。そっちへ行くのか、と思った瞬間ベットは右足アウトサイドで右斜め前へスルーパス!完全に新潟最終ラインの虚を突いたボールはころころとスペースを転がり、そこへ右から走り込んだ寿人が左足ダイレクト!完全にコントロールされたボールは飛びつく野澤の手を一顧だにせずゴール左スミに飛び込んだ。
寿人またキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 スタンドのほぼ全員が飛び上がった。大歓声が起こる。寿人はそのままゴール裏、サポーターたちの前に走ってくると、左胸のサンフレッチェのエンブレムを誇示!割れんばかりの寿人コールが起こる。後半20分、3−0!
 さて寿人ハットいくか?と思っていたとき、ピッチサイドに浩司が出てきた。おお。と、ガウボンのパスからベットが抜け出す、シュート、はミスった――!惜しい。しかしもう押せ押せ。
 ここで選手交代。後半25分、寿人に代え、浩司イン!ようやく帰ってきた!寿人コール、そして浩司ソング!久しぶりだ。
 そして投入いきなり、中央カズから右サイドスペースにパス、そしてそこへ浩司が走り込む!またも場内が沸く。浩司はボールを受けると切り返してクロス、これはゴールに結びつかずも、いきなり攻撃に絡んだ。浩司はトップ下に入り、大木がFWに上がったようだ。
 新潟、選手交代。上野に代え船越。ツインタワーにしないのか。
 サンフも選手交代。ガウボンに代え茂木。
 新潟は3失点目でかなり戦意喪失しており、ミスも増え攻撃にも鋭さを欠く。サンフはなおも攻勢。そして浩司が今度は左から突破!ドリブルで突っ込みそのままシュート!と思ったが中へ切り返してしまいいったんはカットされるが、このこぼれに海本と丸山が同時にクリアにいき、ツインシュートならぬツインクリア!は見事なサイクロンで後ろにこぼれる。そこへ大木が詰め、ごっつぁんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 このゴールには笑いが止まらなかった。おいしい!おいしすぎる!大木さんも満面の笑みでゴールの真裏からこっちへガッツポーズ。前半から攻守に体を張っていたから、天からごほうびが下されたか。後半39分、4−0。
 そして大木、俊介に交代。お疲れ!
 新潟エジミウソンのドリブル、これを追いかけていったのはなんと俊介。そして見事にボールカットした。俊介が守った!スタンドからはまだ攻めろ攻めろの期待。そしてそれにサンフが応える。中盤カットからダイレクトパス、ベットからのボールを受けた茂木がドリブルで突進!DFが寄ってくる、ベットが左に開く、茂木ちらりと見る、パスするのか、いやそこはおまえが行けっ!茂木もうひとつ持ち込む、そして右足一閃!
ゴ―――ル!
PA外から放たれた鋭い一撃は、ぐんとドライブしてゴール左スミに突き刺さった。茂木はロナウドみたいに右人差し指を立てて小さく振りながら歓喜のラン。いかにも茂木らしいスーペルなミドルシュートで、後半44分とどめの一撃5−0!
 ガウボン、寿人、大木、茂木とFW陣がゴールを奪い、あとは俊介だ!とよくばりなコト思っているうちに試合終了。新潟を圧倒し、J1ホーム通算100勝を派手に飾った。試合終了間際にはアウェイ側ゴール裏からピッチにかけて霧が降りてきて、何だか発煙筒を焚いたみたいな幽玄な領域が形成されており、よかった。
 ヒーローインタビューにはもちろん寿人が呼ばれた。他の選手たちがバックスタンドからゴール裏を回ってサポーターたちの歓呼を受けるのを待ち、それが終わってから始まる。大敗した新潟の選手たちは足取り重くサポーターたちのところへ向かったが、サポーターたちは渾身のアルビレックス・コールでそれを迎えていた。そういえばこちらのほうへサンフの選手たちが回ってきたとき、茂原が一瞬上村に見えた。
 寿人の言葉はハキハキ、理路整然としていてさすが。出来ておる、出来ておる喃、寿人。
「茂木や俊介が控えにいるんで、最初からどんどん飛ばしていった。交代出場した茂木もゴールして、本当に嬉しかった」
「鹿島に離されないように、これからの戦いをしっかり戦っていきたいです」
「この雨で寒い中、熱い応援をしてくれたサポーターに感謝します」
インタビューが終わり、バックスタンド・ゴール裏に挨拶に来た寿人に、大きな祝福のコールが降り注ぐ。これで寿人も本当に広島の一員となった。ストライカーはいったん目覚めればゴールを量産する種族。これから頼むぜ!寿人は勝利しゃもじを受け取り、掲げながらメインスタンドへ回っていった。

 オーロラビジョンに今日のハイライトが映し出される。5ゴールもあると爽快。寿人1ゴール目のヒールシュートはいいなあ。2点目の巻いて入れたコントロールシュートもさすが。茂木の強烈ミドルは凄い。それにしても今日はFW四人が揃い踏み(大木はMFスタートも、点を決めた時はFWに上がっていた)と、FW祭り。俊介にゴールがなかったのが惜しまれる。ちょっと前は「いったいどのFWを使えばいいものか?」だった苦悩が、今は「いったいどのFWを落とせばいいものか?」という贅沢な悩みに。もっとも、今日は新潟がひどすぎた。雨ということもあったがミスが多く、その状態で中盤勝負にきたものだからまともに力負けしてしまった。こちらは単純にロングボール戦術で来られたほうがイヤだったが。反町らしくない戦術ミス。でも今日は、
「広島また負けたの?弱いな〜」
のお返しを存分にさせてもらいましたよ。
 試合後は某氏と某氏とフジグラン広島で食事して、帰る。

4月23日 広島ビッグアーチ 晴
J1リーグ第7節・VS川崎フロンターレ

 先週連勝し何か雰囲気よくなってきたサンフ、今日の相手は川崎。2003年は2分け2敗と勝利なし。ホームでの2戦はいずれも終了間際に追いつかれての悔しいドロー。さらに言えばその前のリーグ戦、2000年2ndのホーム戦も中谷勇介のヘロヘロ延長Vゴールで0−1と敗れており、三連勝・さらに上位進出もかけ、今日は絶対に勝ちたい一戦。あちらは我那覇・寺田と攻守の要を欠き、さらにジュニーニョも怪我上がりということもあるし、今日勝たねばいつ勝つ!というところ。ていうかJ2で戦った川崎・新潟・大宮には負けられん。
 今日は午前中に他の試合があるということもなく、試合も15時からなので、時間的に余裕あり。朝方に軽くネットにつないでいくつかのサイトを見て、9時過ぎに家を出て、のんびり下を走ってビッグアーチへ向かった。
 シューベルトの合唱曲集を聴きつつ走る。最初にガーディナー盤(フィリップス・レーベル)をかけ、“Der Gondelfahrerゴンドラを漕ぐ人”など口ずさんでいたが、“詩篇23”が女声合唱版だったので、オルフェイ・ドレンガル盤(BISレーベル)に即刻入れ替え。この曲は大好き。特に中間の「たといわたしは死の陰の谷を歩むとも〜」を過ぎ、「あなたはわたしの敵の前でわたしの前に宴を設け〜」に戻ってきた部分。「あなたはわたしのこうべに油を注ぎ」の「こうべHaupt」のところでベースが高音跳躍してハーモニーさせるところは(ベースの動き的にも)涙が出そうになるくらい美しい。今日、神様が川崎の前でサンフのためにも宴を開いてくれればいいのだけれど。
 それからはCDをとっかえひっかえしつつ走っていったが、飽きてきたので志和から山陽道に乗って五日市へ。12時20分ごろビッグアーチ前の駐車場に到着した。これまでジュニアユースやユースの試合を観てから来ていたため間に合わなかったが、今年初めてここに停められた。
 今日は島根県スポンサードゲーム。これまでも島根県スポンサードの試合はなぜかいい結果が出やすいので、今日も神話の地のパゥワーを受けられれば。GW前ということもあり、AQUASなど島根の観光名所のPRがマスコットたちとともに行われている。マスコットたちは造形重視で、機動力はあまりなさそうだった。カレー丼を食べ、補助競技場のほうで行われていたU−11のサッカー大会を観る。小さいながらもごっつい突破を見せたり、技ありのシュートを決めてみせたりと面白い。遠くのほうのピッチで、自陣から二、三人振り切って突破しそのままGKもかわしてゴールしたスーパードリブルシュートがあって、思わず唸った。
 のどかな春の日。しかし、それほど暑くならず、涼しめ。気持ちいい風が吹いている。開門時間が近づいたので、入場ゲートのほうへ。携帯J's Goal見てみると、まだ試合開始2時間以上前だっていうのにすでに両チームのメンバーが発表されていた。

サンフ・・・
GK下田、DF駒野、ジニーニョ、小村、服部、MF茂原、カズ、ベット、大木、FWガウボン、茂木。
リザーブは上野、池田、洋次郎、盛田、俊介。
川崎・・・
GK吉原、DF伊藤、チョン・ヨンデ、箕輪、MF長橋、中村、谷口、アウグスト、マルクス、FWフッキ、黒津。
リザーブは下川、佐原、久野、相馬、飯尾。

 ここ2試合スタメンだった俊介は、U−20日本代表合宿に参加し20日には千葉と練習試合を行い90分出場していた。しかも左ウイングバックで。何さらしとんじゃ大熊。その疲れ、そしてGWに向けての連戦を考慮して今日の俊介はベンチスタート。しかし茂木も開幕から好調を維持しているので、やってくれるはず。元川崎の茂原と盛田、古巣相手に一発やってくれるだろうか。強行出場という話もあったジュニーニョは、結局メンバー入りせず。助かる。でもフッキには練習試合で決められているし、黒津も昨年から実績を残しているFW。甘く見るわけにはいかない。サンフは伏兵にやられやすい性格でもあるし。
 13時開門。ホーム開幕戦よりはすいすい捌ける。先に始まったJ2の試合経過を見ながら、お辞儀したりするAQUASマスコットのシロイルカ(の着ぐるみ)たちに迎えられながら門をくぐりスタジアム内へ。ピッチではフィールドを半分に割って行われるフォリアチャレンジ2試合。ホーム側のピッチではサンフジュニアが試合をしていた。後半には背番号10をつけた森保圭吾くん(ポイチさんの次男。長男の翔平くんはジュニアユース2年)が出場していた。こちらの試合は相手のチームも強くて速く、2−2のドロー。
 今日はカープが松山遠征で日程的にはかぶっていないのだが、人の入りはそれほどでもない。GW前で、学校も会社もどこもかしこも出動、というところが多い、あと、駐車場の問題が大きいのかもしれない。ここへは家族連れで来る人が多いようだし。それに、ここ三週間連続でホームゲームが続いているし、さらに来週日曜日には新潟戦、再来週日曜日にも横浜鞠戦を控える五週連続ホームゲーム状態。やはり試合を選んでしまうというところもあるのか。でもチームの調子がいいのでもっと来てほしい気もする。今日は呉の「大和ミュージアム」開館日だが、まさかそちらに大量の人が流れたということもあるまい。大和ミュージアム、個人的には館長さんの姓が「沖田」でないのが惜しいところだ。

 いったん売店へ行き豚串食べて戻ってくると、「FOMAでデート」(正式名称忘れた)イベント。今日はまず西河登場。
 まず「西河さんのチャームポイントは?」と訊かれて、「えくぼです」と返答。そして「もし西河さんが女性だったら、サンフレッチェの選手で誰を恋人、誰を夫にしたいですか?」という質問に、西河、「えー」と苦笑いしながらも、「恋人には一誠。かっこいいから。結婚するなら小村さん。おもしろくて、尊敬できる人なので」と答えていた。サテで安定感を増しているようだし、これからも頑張れ。
 そして二人目はその一誠。ほかの女性にバトンタッチし、チャームポイントを訊かれて、「この髪です」と返答。その髪型にはこだわりがあるらしい。個人的にはもう少し切って視界確保しろと思う。SJ石橋さんが女性のかたに「サンフレッチェで一番好きな選手は?」と尋ねると、その方は躊躇せずに「小村さんです」と答え、一誠軽くズッコケ。場内爆笑。一誠にはまだ男としての年季が足りないな。石橋さんが「ここはお約束で・・・」と促し、その方も「高柳選手です」とお約束に乗り、一誠も笑顔で「ありがとうございます!」とお礼を言って場内拍手。面白かった。一誠は腸炎のため今週のU−20日本代表合宿を辞退している。ここに来ているということはそれなりに回復しているということだろうが、早くコンディションを戻してほしいところ。
 それが終わると、石橋さんが川崎サポーターへ「ようこそ広島ビッグアーチへ!お互いフェアな戦いをしましょう!」と挨拶。それと同時に、まず川崎の二人のGKが出てきてアップを始める。そして川崎の選手が登場、海豚サポたちが歓声を上げコールを始めた。サンフ側も下田と上野がピッチに現れ、バックスタンドとゴール裏にシャツを投げ入れてからアップを開始。それにしても下田のキャッチングには惚れ惚れする。それを見たあとでは、上野はもう少しボールを捕る位置が甘いかな、という感じ。
 最後にサンフのフィールドプレイヤーたちがちびっ子たちとハイタッチしながら登場、スタンドにシャツを投げ入れてアップ開始。今日は喉の調子がいいので、コールに参加。B6もやや人が少なく、間を詰めていくとコールリーダーの左後方に来た。ここなら声を出すのもラク。シュート練習では、茂木が鋭いシュートを連発。気合入ってるな。その後のクロス練習の合間には、俊介が洋次郎と組んで右足シュートを重点的にやっていた。なかなか決まらない。
 全員が引き揚げ、しばし静寂。そして両チームのスターティングメンバー発表。そういえば今日は登録選手発表がなかったか。フェアプレイ旗が入り、選手入場。観衆は少なめだが(8574人)、どちらかというと涼しいためまったりした感じはなく、引き締まった空気が漂っている。けっこう場の雰囲気はいい。今日もよさそうだ。サンフのキックオフから試合開始。
 両チーム、高くラインを上げて中盤の激しいバトル。サンフが冷静にボールを回してサイド攻撃を仕掛ける。駒野がアウグストの裏のスペースを積極的に突いていく。その中、中盤でボールカットしたカズが一気に最前線ガウボンを走らせるフィード!これが絶妙なところへ飛び、ガウボンがDFを振り切ってボールを追う。PA内吉原が飛び出すが先に追いついたガウボンがトラップ、そのまま抜けようとするところへ吉原がゴシカァンとフライング・ニー!ガウボンひっくり返って主審砂川さんホイッスル、走ってくると吉原にイエロー提示そしてペナルティスポットを指した。はいPK!川崎サイドが抗議するが、先にガウボンがトラップしてるし、それは通らんぜ。レッドでなくてよかったと思いねえ。ガウボン大丈夫かと思ったが、立ち上がってボールをセットした。前任の10番はPKへたっぴーだったが、ガウボンはどうか。強烈なキック持ってるから大丈夫だとは思うが・・・
 ガウボン、どんどん後ずさってPAを出てしまった。えらく長い助走距離だな。ペナルティアークの右端のあたり、かなり右のほうから助走開始!猛然と走り込み、キック!
ゴール!!
GK吉原が先に左へ跳んでしまったのを見切って冷静に中央右へズパッと蹴り込み、サンフレッチェ先制!ガウボン、いい仕事だ。
 今日もいい感じに先制、追加点いくぜー、と思ったが、先制された川崎はさらに攻撃的になってきた。両サイドの長橋とアウグストが思い切って高い位置を取り、マルクスがボールをキープしさばいてフッキと黒津が裏を狙う。ボランチの中村憲剛も前へ出てきて組み立てに参加、サンフを押し込んできた。左サイドは長橋がほぼ自由に駆け上がってクロスを入れてくるが、その全てをGK下田がキャッチ。うむ!右サイドは駒野とアウグストが上がり合い。しかし攻撃にかかったときのアウグストは怖い。突破力は一級なので、二人がチェックに行こうがぶち抜いてクロスを上げ、また単独突破からシュートにまでもっていく。下田がクロスをキャッチした時に小村とぶつかり乗り上げて落下したが、ボールは離さず。こぼしていたらすぐ目の前に川崎の選手が詰めており失点するところだっただけに、下田のファインプレイ。右からのFKでアウグストがセットしたときは03年J2最終節のあれを思い出してちょっとヤな気分になったが、壁がはね返した。その他のプレイスキックはマルクスが担当。やばめなボールを入れてくるが、これも守備陣が全部はね返す。黒津&フッキに裏を取られる場面もあったが、小村&ジニーニョの渋いコンビがきっちり寄せて決定機を許さず。フッキはなぜかカリカリしており、プレイに精度がなく助かった。川崎の選手が痛んだので下田が蹴り出しプレイを切ったのだが、川崎のスローインをフッキが返さずにそのままドリブルで攻め込んできたのはさすがにアレだった。もっと冷静にプレイせよ。
 そうこうしているうちに前半終了。我那覇かジュニーニョがいたらヤバかったかも。しかし選手たちは気の抜けたプレイをしているわけではないので、何とか踏ん張ってほしい。
 J's Goal見てみると、札幌福岡1−1、ロスタイムに元気のゴールで札幌が追いついたらしい。おお元気、やっと仕事したか。今日の速報Jは観なければ。桜、駒場で浦和から2ゴール。両方ともジョンのゴール。やるな。次(4/28)は苦労するかも知れぬ。
 後半開始、しかし川崎ペースは変わらない。サイド攻撃は激烈を極め、CKからマルクスがゴール前に危険なボールを入れまくる。下田がパンチで大きくクリア、ゴールを許さない。徐々に中盤のマークが甘くなってきたところ、一瞬中央フリーに回されチェックが遅れたところ中村が長めのスルーパス一閃!これに黒津が反応し、完全に抜け出した。サンフは右にひとり残っており、オフサイドではない。超絶どフリーでPAに入った黒津、飛び出してきた下田の左を破ってゴールに蹴り込み、後半14分、川崎が同点に追いついた。
 下田、今のはどうしようもない。みごとにやられてしまったが、それでも自分の中には「まだまだ大丈夫、これからだ」という気持ちがあった。鹿島戦では、先制されたときには「あ、こりゃもうダメかも」という気持ちがよぎったが。
 サンフ、試合再開から前に出る。はね返されるもボールをつないで速攻、右サイドで茂原が持ち上がる、その外側を駒野が猛然と駆け上がり、茂原がその前のスペースへパス。駒野は追いつくとひとつ持ち込み、マークを外してマイナスのセンタリング。ニアに大木が飛び込みDFを引きつけ、その後ろ完全フリーの茂木、体を寝かせて折りたたみ、右足一閃ダイレクトボレー!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ボールは一直線にゴール左上スミに突き刺さり、失点からわずか1分後の後半15分、サンフ勝ち越し2−1!茂木は大きくジャンプしてハデにガッツポーズ!ここまではちょっとイマイチなプレイぶりだったけど、ここ一番で大きな仕事した―――!
 さらにサンフ、最終ラインでボールを奪うとカズが素早く前線へフィード、これにガウボンが抜け出してドリブル、GKもかわしてゴールライン際からマイナスに折り返し、走り込んできた大木がシュート!前節と似た形、決まった!と思ったがボールは左ポスト!決まっていれば試合の帰趨は決していただろうが・・・
 後半20分過ぎに茂木・大木を下げ俊介・池田イン。3−5−2とする。川崎はさらに攻勢を強める。サンフはセカンドボールをなかなか拾えず、ボールもつながれてゴールに迫られるが、中央をがっちりと固めて最後の突破を許さず、フッキ、黒津、マルクスをことごとくストップ。川崎はチョン・ヨンデを下げて中盤に久野を投入(谷口がDFに下がる)、さらに攻撃的に。それでもダメとなると谷口を下げて飯尾を投入。しかしサンフ、集中力高く揺るがない。川崎は後半43分三枚目のカード、あまり機能しなかったフッキに代え相馬を投入。マルクス・飯尾・アウグストの三人に全てをかける。
 サンフゴール前の混戦、下田が飛び出してボールキャッチし、交錯して倒れ込むがボールを離さず。しかし下田、起き上がれない。まあゆっくりしとけ。やっと起き上がった。が、また膝を屈して頭を垂れる。どうも様子がおかしい。ベンチでは急遽上野が急ピッチのアップを始めた。まさか、負傷交代!?海豚サポは「見え透いた時間稼ぎやってんじゃねー」と大ブーイング。気持ちはわかるが、これはリアルでまずい状況のようだ。演技ではない。主審の砂川さんは下田の前に立って言葉をかけるなどして状況をしっかり確認、下田が立ち上がるとFKを促した。上野のアップはまだ続いている。ロスタイム表示を見ている暇はなかった。何分だ?
 俊介が川崎のコーナー付近でキープ、しかしあっさり奪われる。俊介は投入直後に左サイドからドリブル突破し右足シュートを放っていた(上へ外れる)が、この日のような我慢の展開では有効な動きができず。今日に限って言えば寿人のほうが有効だったろう。サンフは守る、守る。下田がけっこう倒れていたからロスタイムけっこうあるかなー、でも何分だろうと守りきるまで!と声も限りにコールしていると、不意に歓声が上がった。何?終わったのか?砂川さんの身振りは確かに試合終了。ロスタイム短かったな!まあなんでもいい、勝ったッ!三連勝!
 ヒーローインタビューには下田が呼ばれた。ちょっとうなだれ加減。大丈夫か。ほかの選手たちがバックスタンドに意気揚々と向かう。珍しいことに、バックスタンドから大きなサンフレッチェ・コールが起こった。守勢に回ってはいたものの、選手たちは全力でプレイしており熱い試合を繰り広げていたから、それも当然だろう。ゴール裏もサンフレッチェ・コールと茂木・ガウボンへのコール。その間、下田にヒーローインタビューが行われていたが、彼が露骨な時間稼ぎをした、と思い込んでいる(あの状況では仕方ないけど)海豚サポたちがその時間中ブーイングを浴びせていた。下田はインタビューを短めに切り上げると、バックスタンドへは向かわずにそのまま引き揚げていった。かなり負傷の程度がひどいのか、とちょっと心配になった(あとで聞いたところによると、交錯でヒジが顔面に入り、最初はひょっとして顔面骨折かも、と思われたらしい。ダメージは大きく、試合後の記者取材もキャンセルした)。
 耐える時間帯は長かったけど、それだけに勝利の喜びもひとしお。これだけ守りきって勝ったのはいつ以来か。結局追いつかれてあーあ、がいつものパターンだっただけに、本当に嬉しい。勝ち越しの場面も、いつものサンフはあれをやられていたのだが(今年のナビスコ、万博の脚戦のように)、逆にあれをできるようになったのは大きい。負けパターンの試合で勝点3ゲット、この戦果はこれから効いてくるだろう。
 携帯見たら、暫定2位になってるよ。何チームかに抜かれるとは思うけど、上位しか表示しないテキトーな順位表でも「サンフレッチェ広島」の文字がドッギャーンと表示されることは確実ッ!笑いが止まらんわ。このまま5月8日の鞠戦まで突っ走りたい。
 それから、市内某所で甘いものを食べていろいろ面白い話など聞いたりして、帰る。高速スッ飛ばして帰り、21時15分ごろ帰宅。速報J!

井原氏がサンフの守備組織の解説しとる

やっぱ勝つと扱いが違うね。トップで紹介されるとは。そのせいで見られなかったけど。
 それから、おいおいツーリオ、ジョンに振り切られるとは何事だ、とか、阿部ちゃんやっちゃったよ、とか、大黒どんどん武装現象が進んでるなあ、とか思いながらJ2へ。

元気の股抜き切り返し&ヘッドキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

やっと活躍したな。もっと点取れ。
 さてサイト更新しよう、と思ったらPCが負荷100%で使い物にならない。朝は使えてたのに!わけがわからないが、とりあえずどうにもならないので寝ることにした。
 次の日の朝起きてTVつけたらトレンドマイクロのウイルスバスターがあーだこーだ言っていたので、それかよ!とPCの電源つけて何とか新しい修正ファイルをダウンロードし再起動、やっと動くようになった。ウイルスバスターにウイルスみたいなことされるとは思わなかったぜ。

4月16日 広島ビッグアーチ 晴
J1リーグ第6節・VSヴィッセル神戸

 吉田でプリンスリーグ・サンフユースVS県工を観て、急いで高田ICから中国道に乗り、ビッグアーチを目指す。「STG×STG」(COOL&CREATE)を聴きながら適度にかっ飛ばし、広島道へ。サンフには今日も集中砲火で神戸を撃墜してほしいところ。西風新都ICで下り、こころ臨時駐車場はまっぴらなので有料駐車場に停めて坂を上りビッグアーチへ。試合開始1時間前だが、ちょっと人の入りは少なめ。市民球場では、戦いぶりは昨年比8割upでそこそこ好調なカープのデーゲームがバッティングしてるし、仕方ないのか。対面には神戸サポたちが。近いこともあり、そこそこの数が来ている。神戸は今年からチームカラーがクリムゾンレッドに変わっているので、その一角は赤い。さすがにまだ違和感が。黒白の重厚感に比べると、いささか軽い感じがする。

 スタンドに上がってみると、やはりゴール裏からバックスタンドにかけては集中的に入っているがその他はまばら。頭痛はまだおさまっていないので、今日はB5.8くらいの位置で観ることにした。そういえば昼を食べていないため目が回ってきた。体調も悪いししっかり食べとかんと、ということで売店行って豚串を食べ、さらにカレーも買って席に戻り食べる。今日の「サンフ選手とFOMAでおしゃべり」(正式名称なんだったか忘れた)には田村が登場。もっと頑張れよ(プレイのほうで)。
 ホーム側ピッチサイドに、選手たちをハイタッチで迎えるためにちびっ子たちが列を作る。お、出てくるのか?今日は6月にアリーナで行われるK−1のプロモーションも兼ねて武蔵とチェ・ホンマンが来るという話。ハイタッチにも参加するということだったが・・・
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
でか!武蔵も結構な大きさだがチェはさらにでかい。ちびっ子たちから体半分以上(ほとんど腰から上)出ている。二人に続いてサンフの選手たちが登場。武蔵とチェも彼らとハイタッチていうか、チェはロータッチなのだが。
 今日のメンバーは、

広島:GK下田、DF駒野、ジニーニョ、小村、服部、MF茂原、カズ、ベット、大木、FWガウボン、俊介
リザーブ・・・上野、池田、洋次郎、茂木、寿人。
神戸:GK掛川、DF北本、河本、ホージェル、MFパク、菅原、丹羽、三浦アツ、ホルヴィ、FW播戸、カズゥ
リザーブ・・・阿部、松尾、佐伯、薮田、平瀬

サンフは水曜日の前節、ヴェルディにアウェイで4−1と圧勝した時のメンバーと同じ。神戸は前節、ホームで川崎に1−6と守備が崩壊して惨敗している。今日はホルヴィ、出場停止の解けた三浦アツの二人がスタメンに復帰。ただ、FWの切り札和多田が前節退場で出場停止。控えFWには平瀬がいる。正直なところ全く怖くないが。
 座ったまま選手コールしたが、声を出しただけでも頭がガンガンするので、歌や長めのコールはやめといた。
 ピッチサイドに武蔵とチェが出てきてインタビュー。武蔵はK−1の行われる月を一瞬ど忘れしたりしてアレだった。チェは、「どうしたら強くなれますか?」との問いに、「しっかり食べて、しっかりトレーニングすることです」と答えていた。どれだけ食べたんだ。彼は黒地に白文字の「12」が入ったシャツを着ており、「今日はサポーターとしてしっかり応援します!」とコメント。二人が退場する時には「武蔵」「チェ・ホンマン」コールが起こっていた。
 アップが終わり(今日のシュート練習精度はいまいち)、両チームの選手が整列して出場。三たび武蔵とチェが登場、両チームの選手と握手。大人と子供みたい。そして、フィールドプレイヤー79試合連続フルタイム出場のJリーグ新記録を樹立した服部のセレモニー。奥さんと、娘さんの宇宙(そら)ちゃんが花束贈呈、祝福する。ただの連続試合出場でなく連続フルタイム出場、しかもその間一度の累積出場停止もなしというグレイトな記録。これからも頑張って欲しい。写真撮影も終わり、選手がピッチに散る。と、神戸の選手のひとりが神戸サポたちのところへ一目散に走っていって、彼らに向け右腕を力強く突き上げた。背番号11はサポーターたちの歓呼を背にしながらコイントスに戻ってゆく。カッコイイな、カズゥ!
 神戸のキックオフで試合開始。立ち上がり早々、サンフがPA内まで押し込み俊介がキープ、反転して右足シュート!はGKセーブしCKに。左CK、俊介ショートコーナーは茂原がカットされてしまう。神戸はホルヴィがサイドに開いてクロスを供給。やや自由に回させてしまい、ピンチを迎える。神戸右CK、ホルヴィのキックに中央ホージェルがヘッド!は枠を外れる。さらに三浦アツがミドルシュート!上に外れる。俊介がキープし茂原へ、茂原が駒野に出して駒野クロス、DFに当たるが茂原がカバー、駒野→茂原と回して俊介に出すところファウルを受けFK。俊介が受けて突破にかかっていたので流してほしかったが・・・FK、俊介が上げるがDFクリア。駒野がアーリークロス、中央ガウボン飛び込むがセクシー掛川がキャッチ。
 サンフのクリアボールがサンフPAに程近いところにいた播戸の元へ。マズ!播戸トラップし持ち込んでシュート!は小村がブロック!しかしこのこぼれをホルヴィがミドルシュート!これは上に外れて大丈夫。さらに神戸、カズゥが右サイドでボールを受け中へ持ち込む―――
またいでキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
一回、二回とまたぐたびにスタンドからどよめきがッ!カズゥはまたぎで対面との間合いを保ったままゴール前にクロス、は播戸に合わず。でもボールをまたぐだけで観衆を沸かすカズゥ、老いたとはいえやはりスーパースターだ。
 サンフ反撃、大木がドリブルで持ち上がり左へ、服部がタテへ抜けセンタリング、DFブロックしてゴールラインを割りCKに。この判定に対して神戸サポからブーイングが起こった。こっちからは見えなかったが、実はその前にライン割ってたとかか?左CK、駒野のショートコーナーに服部走り込んでクロス!はGKに近すぎ、掛川キャッチ。服部は連続出場でかなり左足に疲労が溜まってないかと思う。昔はこういう場面だったらほぼ確実に1点ものだったと思うが・・・神戸のフィード、右からホルヴィ抜け出し強引にシュート、はGK下田キャッチ。
 大木が右サイドタッチライン際をドリブルで持ち上がり、倒されてFKゲット。ボールの左右に駒野と俊介が立つ。どっち・・・俊介の左足!カーブしてゴールへ向かうボールに、ニア飛び込んだ紫の選手が宙を舞ってヘッドで合わせた!
ゲット!ゴールネットが揺れ、スタンドが今年初めての歓喜にはじける。サンフレッチェ、ようやく今季ホーム初得点!誰が決めたんだ、アナウンスされた得点者の名前は、森崎和幸!前半15分、キャプテンの水曜に続く連続ゴールで先制!俊介FK→ニア走り込むカズのヘッドは水曜にも見せた形。今週はカズ絶好調だ。
 サンフの右スロー、俊介が競ってCKゲット。右CK、カズのキックにファー大木・・・はその前にDFがさわって軌道がずれ、ジャストミートできず。神戸反撃、左サイドを三浦アツ突破しセンタリング、ファーから播戸が飛び込むが中に絞っていた服部がヘッドでクリア。今度は右サイド、パク・カンジョが突破してクロス、中央播戸とカズゥが飛び込むが、下田が飛び出しジャンプ一番がっちりとキャッチ。さすがの安定感だ!神戸左サイドFK、三浦アツがキック!ぐにょんと落ちてゴール前バウンドしルーズボールになるが、先にジニーニョがクリア。三浦アツのキックは相変わらずすごい落ちだ。
 サンフもカズのカットからドリブル、クロスを上げ俊介がトラップし左にはたくがわずかにガウボンに合わず。左スローイン、服部の不用意なスローを神戸がカット、クロスを上げてファーカズゥが走り込むがその前で下田がキャッチ。お返しと今年絶好調の大木さんが左サイドからアーリークロス、ガウボンが走り込むがGKキャッチ。ガウボンと俊介は常に相手の裏を狙い、神戸守備陣にプレッシャーをかけている。
 播戸とジニーニョの接触プレイで播戸が倒れ、起き上がれない。下田がプレイを切る。播戸はしばらくして立ち上がった。この間、ベットとカズゥが何やら会話していた。何話してるんだ。まさかキングさん、ベットをスカウトしようとか考えているのではあるまいな。
 神戸がこぼれ球をつないで左サイドホージェルが突破、クロスにファー走り込んだホルヴィがダイレクトボレー、上に外れる。ホルヴィは広範囲に動き回ってチャンスメイク、フィニッシュに絡む。プレイスキックも正確だし、本当にいい選手だ。個人的には、彼がボランチでトップ下に薮田を置く形がイヤなのだが、松永監督的にはどうなのだろうか。前半30分を回る。
 神戸、中央遠目でFKゲット。三浦アツが立つ。遠いが、直接か・・・キック、直接!撃ち上げられたボールが途中でストーンと落ちてゴールエリア寸前でワンバウンド、しかし下田がコースに立ちはだかってがっちりとキャッチ。まあしかし、よく落ちる。
 サンフのフィード、俊介が競ってキープ、ガウボンにつなぎ、ボールがこぼれるがベットがもう一度ガウボンへ、しかしDFクリア。神戸速攻、右サイドからホルヴィがクロスを上げるがゴールラインを割る。サンフ右サイド、突破しようとする三浦アツを引っ張った駒野にイエロー。神戸左FK、ゴール前に上げるが服部が競って茂原がクリア、これをパクが拾ってクロス、DFクリア、ガウボンがこれを拾ってクリア、する時にファウルを受けサンフのFKに。
 神戸、早くも選手交代。丹羽竜平に代え佐伯イン。佐伯はDFに入り、ホージェルが左サイドに張り出す。
 それにしても茂原、ヒールパスが好き。サイドに出て行ったら十中八九ヒールパスを使う。神戸相手には通るからいいけど、もう少し控えるがいい、と思った。トリッキーなプレイは彼の柄ではないと思うのだが。とはいえ、この時間帯になるとサンフの両サイドはほどよく機能してきた。右スローイン、落としたボールを俊介が左足シュート!左に外れる。ベットから右に飛び出す茂原へパス、茂原が落としたボールに駒野走り込んでミドルシュート!は抑えがきかず上に外れる。神戸右サイド、服部のハンドでFKを得る。ホルヴィのキック、茂原クリア!こぼれを神戸拾ってパス・・・はミス、ゴールラインを割る。フィード、左サイド大木→ベット→服部とつなぎ、二人の間をドリブル突破するも、振り切る時に手を出したという判定でファウルをとられる。スタンドからブーイング。
 サンフ、中央大木がボールを受ける。大木は前のガウボンへパス、ガウボンはボールを受けると反転、ドリブル突破に出た。あわててDFが寄ってきたとき、ガウボンは左前のスペースへ出す、そこへベットが走り込んできた。GK掛川が飛び出すが、ベットはその鼻先でボールタッチ、外側へかわす。シュートだ・・・と思ったが、ボールは流れすぎてしまってそのままゴールライン際へ。トラップしたが、もうシュートは撃てない。掛川もゴール前に戻ってしまった。どうする、ベットが折り返す、その先には―――大木!
ゴール!!
猛然と走り込んでくるとダイレクトでゴール右下スミに蹴り込み、前半41分サンフ追加点2−0!大木は大きくジャンプしてガッツポーズ、いつもの所作だったが、いつもよりも高くジャンプしていたような気がした。これもストレッチ効果だろうか。オーロラビジョンのリプレイ、大木は右からシュートブロックにゴール前スライディングしてきたDFを完全に知覚し、その通過したあとの空隙、ゴール右スミを狙ってインサイドで流し込んでいた。いかにも大木らしい、クール極まりない一撃。2001年セカンド神戸戦、神戸DFのタックルをアウトサイドのワンタッチでひょいとかわしてゴールに蹴り込んだシーンが思い出された。
 サンフはそのままのペースで前半終了。久々の会心ゲーム、あとは魔の2点差をどうするか。
 久しぶりにのんびりできるハーフタイム。抽選カードを見ながら「あー、外れた」とひと息つく。そういえば今年は今までこれ確認してなかったな。ひょっとしたら当たってたかも。2ゴールの興奮で頭痛のほうは一時的におさまっていた。
 サンフは立ち上がりはいまいちだったが、カズのゴールでペースをつかんだ。TVなどで観た緑戦の攻撃スピードには及ばないが、相手の裏をビシバシ狙っていく攻撃は前節大量失点の神戸にはかなりいやらしい。トップ下の大木が素晴らしいパフォーマンスで中盤守備に前線とのリンクに駆け回っている。カズも的確なパス回しでチームにリズムをもたらしている。小村・ジニーニョのコンビは鉄壁。このままいけば勝てるだろうが、さて。

 後半開始。神戸右スローイン、ホルヴィが受けて反転しざまミドルシュートはDFに当たり下田キャッチ。大木のカット、ドリブルで持ち上がり左に開いて服部クロス、はGKへ。ホルヴィから左へパス、播戸のクロスはジニーニョがクリア。今度は三浦アツのクロス、ファーでカズゥがキープしてセンタリングは下田キャッチ。サンフのフィード、ガウボンがヘッドで落として大木がダイレクトボレー!枠を捉えたが掛川がセーブ!CKに。右CK駒野のキックにファー小村がヘッド!決まったか、と思ったがライン上三浦アツがクリア!惜しいいいいい!
 神戸はカズゥが中盤に下がってきてボールをさばいている。神戸中央遠目からのFK、再び三浦アツが直接狙う!が右に外れる。コースはともかく、高さはしっかり合っているのがさすが三浦アツ。神戸、左サイドつないでホルヴィのクロス、これをクリアしてサンフのカウンター、ベットから俊介へパス――は通らずも、そこへガウボンがプレスをかけてマイボールにする。いいプレイだっ・・・!ベットが右にパス、茂原が受けてドリブル切り込みミドルシュート!抑えの利いたいいシュートだったが右に外れる。
 神戸左サイド、ホージェルと三浦アツのワンツーからホージェルのクロス、クリア、これをカズゥが拾って右へ出しパクがクロス!下田キャッチ。サンフのカウンター、ベットが中央ドリブルからPA前ガウボンにパス、ガウボンはトラップするとヒールで落とす、がそこには誰もいなかった。ガウボンがベットのほうを向いて「何で走ってないんだ!」という感じで叫ぶが、ベットも「今のはおまえが行くとこだろ!」という感じで言い返していた。この二人のコンビ、あまり合っていないような気がするが、仲が悪いなんてことないだろうな。ガウボンは生真面目だから、ひょうきんなベットとは確かに合わなさそうではあるが。
 神戸左サイド三浦アツからサイドチェンジ、右でパクが受けて持ち込みミドルシュート、は小村がブロック。再び三浦アツからホルヴィへ、ホルヴィのループシュート!は上に外れる。サンフのFKリスタート、ベットが右の駒野に出し、戻して茂原クロスは中央合わず。神戸、三浦アツからホージェルにつなぎホージェルのクロスはDFクリア。サンフ、俊介から左サイドへ、服部クロスに俊介飛び込むがDFクリア、CKに。左CK、駒野のキックは低いボール、正面にいた俊介がキックと同時にニアへ飛び出して合わせようとするが、合わせられず。両チーム攻め合い。
 神戸、左サイドホージェルがクロス、ファーに流れるもカズゥがラインを割る前に追いついて後方に落とし、走り込んできたホルヴィが左足シュート!決定的場面だったが、アウトにかかりすぎてしまいボールはスライス、ゴール左に外れてしまった。頭を抱えるホルヴィ。ラッキー、ついてる。物事がうまく行っている時はえてしてこういうもんだ。さらに神戸、右CKを得る。ホルヴィのキックはサンフがクリア、こぼれを佐伯がシュート!しかし下田ががっちりキャッチ。ベットとガウボンがワンツー、ベットが抜け出すところ倒され、河本にイエロー。
 ここで選手交代、俊介に代わって茂木イン。今日の俊介、いつもなら仕掛けるところでもキープしてパス、というように省エネプレイが目立った。水曜のヴェルディ戦でいささか疲れていたようだ。今日は後半ほとんど消えていたが、守備意識も高く(コースの切り方などはまだまだマズかったが)、FKでアシストしたこともあるし、最低限の仕事をしたといっていいだろう。茂木、走れ!
 さてFK、PA中央右やや外。茂原、駒野、カズ、ベットの四人が立つ。左足ならいい位置なのだが、俊介はたった今交代してしまった。服部はスピードがないし。さてどうする。カズがボールを再セット・・・と、ひょいと右足で跳ね上げた。
「あの」トリックプレイキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
でも茂原もたついタ━━━━Σ(゚Д゚;)━━━━!!
無理やり裏に放り込んダ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
しかしDFも慌てていたかクリアが小さくゴール前へ、これにガウボン飛びついてジャンピングボレー!DFクリア!こぼれを茂木シュート、GK。
 あの双子トリックプレイをここでやってくるとは。でも、茂原ではいまいち息が合わなかったようだ。
 カウンター、左サイドを茂木が突破しセンタリングはGKキャッチ。神戸、ホルヴィが左サイドからクロスを上げ、ファーのカズゥが落としてオーバーラップしてきた菅原がシュート!これも結構決定的だったが、右に外れる。
 神戸、選手交代。カズゥに代え、平瀬。へ?キングを平瀬に代えてくれるの?大助かり。
 ベットから大きく右へ展開、茂木が受けてDFと一対一、抜ききらずにシュート!上に外れる。
 神戸は中盤の潤滑油の役割も果たしていたカズゥがいなくなったことでボールがつながらなくなる。ガウボンが相手と競り合いファウルを受けFK、ベットが蹴り佐伯がクリア、ハーフウェイライン付近に飛ぶボールを小村が前へ蹴り出そうとしたが思いっきりサイクロンしてしまい、急いで下田にバックパス。ちょっと笑った。神戸の速攻、CKゲット。右CK、これをクリアしカウンター、茂木からベットへ、ベットがドリブルで中央を駆け上がり、その左右にガウボンと茂木が開く。どっちへ出す―――!?しかしベットはそのまま狭いところへ突っ込み、DF二枚に挟まれカットされてしまう。だー!どっちかに出せよベットー!
 後半30分を回る。サンフの選手も流石にバテてきた。あと少し、頑張れ!サポーターのコールにも熱がこもる。自分も頭痛を忘れてコールしまくる。
 後半32分、神戸、三人目の選手交代。パク・カンジョに代え薮田イン。
 サンフ、パスを回して左サイドへ、服部が倒されてFK。駒野が入れるがGKキャッチ。さらに大木が右サイドをカウンターのドリブル突破、倒されてFKゲット。右からのFK、駒野と茂原が立つ。誰に合わせてくる・・・駒野キック、これは直接!弾丸シュートがゴール左上スミに一直線、掛川とどかない――わずかに外れ!オーロラビジョンにリプレイが映し出されたが、ほんとうに惜しいシュートで、どよめきとため息。あの位置から狙ってくるか、駒野グッド!
 ガウボンがハイボール競り勝ち右サイド茂木が突破しクロス、ベットが走り込むがDFクリア、高く舞い上がってPA外に落ちてくるボールを茂原がダイレクトシュート!はドドドドドドふかし!周囲が一斉にずっこける。フリーなんだからトラップしろよ!しかしみんな笑って許しているのは、茂原の人となりをわかってきているためか。
 神戸左サイド、三浦アツからホージェルに出しホージェルのセンタリング、ファーで合わせるが枠を捉えず。神戸、北本が前線に上がっている。
 サンフ、選手交代。茂原に代えて池田を北本担当で投入。3−5−2となる。
 ガウボンがドリブル突破、DFにブロックされ、カットされるもそのバックパスに詰めて飛び込み、掛川のキックを体に当ててはね返し、ゴールキックにする。いいファイト。神戸、ホルヴィが右からクロス、下田がパンチではじき出しCKに。左CKに神戸ニア合わせるが、枠を捉えず。
 後半44分、寿人がスタンバイ。神戸が左サイドでFKゲット、ここで交代、と思いきやいったん引っ込める。三浦アツがゴール前に上げる!が下田がキャッチ。服部が持ち上がりタテにパス、大木が走りゴールライン際折り返すがその前にラインを割ったとの判定でゴールキックに。
 ここでサンフ、ガウボンに代え寿人イン。
 寿人、左へのフィードを追い、競り合いから相手ボールを奪ってドリブルで切り込みセンタリング、茂木走り込むが、DFもくっついていたこともあり撃てない。さらに右サイドに開いた寿人へのフィード、相手に引っ張られながらもぐいぐい前進し、倒されてFKゲット。FK、駒野がはたいて中盤でボールを回し、上がり目のベットが受けたところを倒されてFKゲット。中央やや右、ペナルティアークのわずか右後方。ベット、服部、駒野、茂木が立つ。誰が蹴るんだ・・・駒野!ボールはゴール右下スミ、枠行ってる―――が掛川横っ飛びセーブ!ボールはタッチラインを割り、ここで試合終了のホイッスルが鳴った。
 今季ホーム初勝利!ホームで最後に勝ったのが昨年11月20日の磐田戦なので、ほぼ五ヶ月ぶりの勝利となる。そして連勝!水・土の連戦ながら、最後まで集中を切らさずよくやった。ヒーローインタビューはカズだったが、大木さんもヒーローの資格充分。バックスタンドから回ってくる選手たちに大きな歓声と拍手、そしてサンフレッチェ・コールが浴びせられる。大木コールも沸き起こり、大木は照れたような感じでそれに応えていた。最後にインタビューの終わったカズがやってきて祝福を受け、吉田安孝さんから大しゃもじが贈られる。カズはそれを掲げながら、メインスタンドへと戻っていった。
 久しぶりの快勝。これほど気持ちよく勝てたのは昨年2ndのヴェルディ戦以来か。磐田戦は俊介ゴールで勝ったものの、2点差を追いつかれるという失態があった。自分はそのヴェルディ戦は春野に行っていて観ていなかったため、自分の「スッキリ快勝」基準からすると昨年1stの神戸戦(5/9)とかナビスコの桜戦(6/5)以来となる。本当に気分がいい。頭痛もしなくなった。ただ、寒くなってきたのですぐにユニから着替える。
 神戸サポたちはほとんど帰っていない。彼らの下にはゲートがあって、神戸のスタッフ・選手たちのためのバスが停まっているが、そこへ選手や監督たちが戻ってくるのを待っているようだ。神戸は開幕戦で勝って以来勝利がない。サポーターたちの危機感は相当なようだ。
 携帯で他会場の結果・経過を確認。サンフ、暫定4位にジャンプアップ。4位!さらに気分が良くなる。ただ、鹿島がちょっと抜け出したのは気に入らぬ。上川め。わがファンサカのポイントにもまんべんなくダメージを与えるとは(自チームには巻・ハース・阿部がいる)。
 駐車場の関係で、バス待ちの人は今年は少なめ?それでも、多くの人が残っている。茂木、池田、寿人、下田らがバスに荷物を置いてから出てきて、サインに応じていた。サポからは、「カーゲ!カーゲ!」とバスの中にいる影山コーチへのコールもあったり。影山コーチ、苦笑いしながら手を振っていた。そうしているうちに小野監督もやってきてサインに応じる。俊介が姿を現すと、ちびっ子たちの声が大きくなった。俊介、それに気づくとバスの前に荷物を放り出し、サインに向かった。先にバスへ荷物置いてから行けー、と周囲からツッコミ入る。ここらへんの無頓着さが彼らしい、のか。
 その後お好み村の会食に誘われたのでそれに参加、そのあとファンタジスタ行って新潟磐田戦終盤を観つつ「反町、人間力に負けてんじゃねーゾ!?(ビキッ」と怒ったり速報J見て「上川そりゃレッドちゃうやろ!」とか「増嶋なにボールに振られてんだよエメに気を使っとけよ!」とか言いながら騒いだりして最後に水曜日のヴェルディ戦録画観て、俊介のゴール決まったところで22時過ぎたので、ここで帰ることにした。
 帰ったらスパサカ、サンフ戦はすでに終わっていた。すぽると!を見ると、試合結果が

広島0−2神戸

と表示されていて大いに憤慨した。
 すでに日曜日になっていたが、今日もプリンスリーグがあるため、寝る。

4月9日 広島ビッグアーチ 晴
J1リーグ第4節・VS鹿島アントラーズ

 午前中に倉敷運動公園でプリンスリーグ・玉野光南VSサンフレッチェ広島ユースの試合を観て、13時ごろ運動公園を出る。国道2号線に戻って高梁川を渡り、玉島ICで山陽道に乗って五日市ICへ急行。朝から腹の調子が悪く、途中でまた腹がキリキリと痛んできたので、高坂PAで小休止してからリスタート。カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの《ヨハネ受難曲》を聴きつつ走る。あとで「縁起悪かったかなー」と思った。
 14時30分ごろ五日市IC着。渋滞しており、10分ぐらい待って料金所を通過。下りて、ビッグアーチ前は当然埋まっているので有料駐車場に・・・と思ったが、そこもすでに満車となっていた。げー。Aシティ上、昨年まで駐車場となっていたスペースにはどこかの店舗が入るらしく今年は開放されていない。ゆえに今から行くのはそれよりさらに上、山頂の「こころ」臨時駐車場になる。いやだなあと思いつつ山の上まで上り、車を停め、待機中のシャトルバスに乗り込む。バスは満員になってから発車。15時を回った。
 降車場、バスを出ると上のほうからはすでに歓声やコールの声が響いている。携帯でスコアを確認しつつ階段を上がり、芝地を突っ切ってバックスタンド側から入場。ぐるりと回ってゴール裏に出てくると、サンフが押し気味に試合を進めていた。

 サンフは、
GK下田、DF駒野、ジニーニョ、小村、服部、MF茂原、カズ、ベット、FW茂木、大木、ジョルジーニョ。
リザーブは上野、池田、一誠、寿人、俊介。
 鹿島は、
GKアゴ、DF内田、岩政、大岩、新井場、MF本山、フェルナンド、青木、小笠原、FWアレックス・ミネイロ、野沢。
リザーブは杉山、アリ、誓志、深井、田代。

 サンフはバックラインを押し上げて中盤でプレス、ボールを奪ってカウンターを繰り出す。鹿島のバックパスに茂木が猛然と詰め、アゴのキックを体に当ててはね返す!バウンドしたボールは惜しくもゴール上に外れた。さらに右サイドジョルジーニョがドリブルで突破して左に流し、走り込んだ大木がシュート!アゴパンチ!いい感じで攻撃できている。鹿島は始めのうちはボール回しに苦慮しているようだった。
 このままではいかんな、と思った鹿島、まずサンフを精神的に揺さぶりにかかる。サンフ右サイドで茂原とアレックス・ミネイロが競り合うところ、ボールカットした茂原の裾をアレックスが引っ張った。茂原が振りほどいて前へ出ようとしたところ、アレックスは顔を押さえてばったりと倒れた。ゼンゼン顔に入っていなかったのだけれど、主審(奥谷)は完全に騙されて茂原に報復行為に対するイエローを出した。茂原が抗議するが、判定は覆らず。さらに鹿島、サンフPA付近の競り合い、大木がクリアにいくところへ本山が走り込む。本山は自分が先にさわれないとわかると大木の足元に飛び込み、足をすくわれたようなふりをしてわざとらしく倒れた。これに主審またもころっと騙され、大木のファウルを取った。大木、完全にボールに行ってクリアしていたのだが。本やん、鈴木師匠の域には達しないものの、日本屈指の演技力は健在。しかし主審もこれくらいちゃんと見ろよ。あんたより遠いところにいる自分でもわかるプレイじゃん。このFKははね返すも、このあたりから鹿島が盛り返してきた。小笠原・本山がサイドに展開してボールを引き出し、ワンツーやスルーパスでゴール前に迫る。小笠原のスルーパスに本山が抜け出しシュート!はバー!危ない。
 サンフはトホホな主審の判定に動揺しているのか、完全におかしくなった。鹿島の崩しにDFラインが下がり気味になり、人数の少ない中盤を鹿島に握られ、攻め立てられる。それでもジニーニョ・小村がはね返し続け、スコアレスで前半終了。
 朝食以降何も食べていないので目が回りそうになる。花粉症ということもあり、体力も大幅に削られている。売店でポカリと山賊焼を買い、食べる。前半途中からは何かとやられていたが、修正できないこともない。後半に期待していた。
 後半開始。立ち上がりに適当なパスが散見されて大丈夫かと思ったが、すぐにペースをつかんで押し込んだ。そしてCKゲット。右CK、鹿島のクリアをPA外ベットが受けてシュート!アゴが見送ったボールはドライブしてゴールを襲うが、バーに当たってはね返る。さらにカウンターからベットがドリブルで突っかけ、DFの寄せがないのを見てPA外フリーでシュート!しかしまたもアゴ正面!左CK、カズのキックがファーに流れるところ駒野が受けて持ち込みシュート、もアゴがセーブ!さらに右サイドを駒野が突破しクロス、低いボールがゴール正面を横切り、ファー飛び込んできたジョルジーニョが足を伸ばして当てる、ゴールネットが揺れる―――大歓声が上がったが、しかしボールが転々とゴール裏に転がる。サイドネット外側!ため息。
 サンフは、中盤のカバーにジョルジーニョと茂木が引っ張られ、大木が中央に残っているという感じに。この位置にはジョルジーニョがいてほしいのだが・・・と、俊介が出てくる。大木さん交代か、と思ったらジョルジーニョだった。うえ、大丈夫か?
 サンフ、中盤から前に出す、これが走り込む主審に当たって鹿島ボールに。鹿島のカウンター、本山のクロスにアレックスがヘッド、は外れるも、前半よりの重ね重ねの蛮行に、主審に対して怒りの声が飛びまくる。大ボケかましている以外はごくまともにジャッジしているのだが・・・まあ、何をやってくるか読めない主審だ。俊介はボールを持ったら前に何人いようともドリブルで突っかける。もっと周囲のフォローがあればいいのだが、攻撃に関しては後半立ち上がりから徐々に個人頼りになっていた。
 鹿島は前半と同じように、じわじわとペースをつかんでくる。中盤を広く使ってパスをどんどん回し、サンフが対応できなくなってきたとき、左に開いた本山がボールを受けるやスルーパス、野沢がPA外正面右から左斜め前に走りながらきれいにラインの裏を取り、持ち込んで左足一閃。豪快に突き刺して先制する。このうえなくきれーにやられてしまった。

 まずい・・・だんだんドロー沼の瘴気が漂ってきていただけに、この失点は大きすぎる。鹿島がこれで完全に余裕を持ってしまった。フェルナンドがシュート、さらに本山と交代で入った深井が右からドリブルで切り込み左足一閃は下田横っ飛びセーブ!右CKをアレックスがヘッド!左に外れる。さらにカウンターからアレックスが中央突破しシュート!やられた、と思ったが、下田が右手一本でスーパーセーブ!はじき出す。もう1点やったら完全に終わる、踏ん張れ!鹿島はアレックスを下げ、田代投入。
 サンフは茂木に代え寿人投入も、攻撃といえばフィードが主で、大木・寿人・俊介では鹿島の両岩、大岩・岩政に競りようがない。パスをつなごうにも、すでに中盤は鹿島に握られており、みんなへばってきて運動量も減り、どうしようもない。こういうときに盛田がいればな・・・と思うが、いまさらどうにもならぬ。大木に代え一誠、4−4−2になる。一誠は左サイドに入り、一度右サイド駒野への大きな展開を見せていた。一誠をこの位置で使うのには大いに賛成だが、チームがこの状態で使っても・・・前線では俊介がどんどん仕掛ける。左サイドからドリブルで割って入り、ゴールライン際でアリをかわしてさらに中央へ切り込むが、岩政(だったっけ)に体を入れられてカットされる。PA近く正面右でFKを得ると、これを俊介キック!壁に当たってゴール前にこぼれるがカズが詰めきれずアゴキャッチ。ロスタイムへ。
 あとは鹿島がきっちり時間を使い、アウェイゲームを老獪に勝ちきった。
 同じ課題をやらせたら、広島くんより鹿島くんがより効率的な解答を出しました、という試合だった。サンフは小難しく長ったらしい計算式を使うのに対して、鹿島は本やんのスルーパスみたいなヒラメキ一発、二、三の短い計算式で答え出しちゃったみたいな。いかにも鹿島らしいマリーシアもふんだんに盛り込め、「何が何でも勝つ」という姿勢を見せつけての勝利。今のサンフにないものを持っている鹿島、鈴木師匠らを欠くなどベストの出来ではなかったが、勝利に値するパフォーマンスだった。
 対するサンフは、昨年のホーム最終戦以来、第2節、第4節とホーム3試合連続無得点。こりゃすごい。ナビスコ緑戦も入れれば4試合連続。今年は結果を出すシーズンながら、いまだに出ない。勝てないのはしょうがないにしても、得点が取れないのでは、これから上昇することは不可能。緑戦のパフォーマンスについて聞いた限りでは攻撃はもう少し、あとは決めるだけと思っていたけど、これではまた一歩後退しているとしか思えない。大体ホームで4試合連続ノーゴールって、どうかしてる。本当に何とかしてほしい。
 駐車場へのシャトルバスは試合終了後40分まで、と聞いていたので急いで乗り場へ。駐車場に戻ってきたものの、臨時駐車場には狭い出口がひとつっきりなのでさんざん待ちに待ち、一時間以上待ってようやく出ることができた。それから市内で買い物して、今日は玉島→五日市で金使ってるから下通って帰るか、と2号線に入ったら、途中(川沿いのところ)対向車線で大事故が起こっており、交互通行で大渋滞。対岸の桜並木見ながらじりじり。ようやく21時前に事故ポイントを過ぎ流れるようになった。さらに途中、軽四とバイクの衝突事故で警察が出てきており、みんな安全運転しろよ、と思った。
 途中コンビニに寄って休み、何とか家に帰り着く。ナビスコのガンバ戦は大木さんのスーペルな2ゴールと、ハードワークさえすれば修正できるという思いがあったので怒りながらも次だ次、と思えたが、今日の試合は、ホントにこれからどうするつもり?これ以上どうにかできるん?と不安になる試合だった。

3月12日 広島ビッグアーチ 雪時々曇
J1リーグ第2節・VS FC東京

 いよいよ今年もJの季節がやってきた。今年のテーマは「優勝争い」。フロントはオフシーズンにかつてない積極的補強を見せて全ポジションの穴を埋め、また監督・選手たちもそろって「優勝」を口にし、クラブ一丸となって上を目指すという意欲に満ちている。ならばこちらもそれに乗らずばなるまい。その矢先の桃太郎ではアレだったが、それは今度のプレシーズンマッチを「入場料100円、ドリンクつき」くらいにしてくれたら許す。清水戦では新しい可能性を見せてくれたし、ホーム初戦ではもっと進化したサンフを見せてくれるはず。

 前日は最高気温16℃とごく普通の春の陽気だったが、この日は一転最高気温7℃の予報。朝のニュースで天気図を見ると、見事なまでの冬型。ちょっと外に出てみる。

寒っ

すぐに引き返してコートを引っ掴み、車へ。8時過ぎ。この時間なら、広島スタジアムで行われるナイキプレミアカップ広島県大会準決勝を観て行けそうだ。メンデルスゾーンのオラトリオ《聖パウロ》(シュペリング盤)をかけつつ、広島へ。この中の合唱「起きよ、光を放て」のラスト部分はTVからよく流れてくるが、その番組のディレクターとかメンデルスゾーンに造詣が深いのか。
 10時ちょっと過ぎに広スタ到着。12:30を回るまでジュニアユース勢の戦いぶりを見届けてから急いで車に戻り、草津有料道路で100円玉いっこ払い五日市へと抜ける。前日の天気予報では曇りだったが、広島スタジアムはきれいに晴れており、駐車場に車を停めた時もまだ晴れていた。雪がかすかに舞っていたが、この天気なら問題ないだろう、と思った。この時は。
 坂の下で昼食を摂る。食べているとくしゃみと鼻水が止まらなくなってきた。しまった広スタでスギ花粉トラップにかかったか――ッ!何度もお手洗に行って鼻をかむ。
 何とか食べ終わり、お金を払って外へ出・・・

大雪

いつの間にか空は一面の灰色、そこから大粒の雪が風に吹かれながらドカドカと落ちてくる。さっきまで晴れてたはずだが・・・山の天気変わりすぎ。雨よりはマシだが、こんなに降ったら視界も悪くなるし、試合展開にも影響するだろう。
 いったん車に戻ってティッシュをカバンに入れると坂を上がり、ちょうど停まっていたシャトルバスに乗って広域公園前へ。メインスタンド正面でまず年間パスを購入し(今年は普通にサポーターズシート)、すでに開門しているのでとっとと中に入ろうとしたが、何だか凄い行列が。開門からそこそこ時間が経っているのに、補助競技場を四分の一周したところに最後尾がある。相当来てるな、と思って列の後ろに並んだが、列はなかなか動かない。見ると、入場ゲート前に列を三本つくり、一列ずつ順次入場させていた。そのスピードがえらく遅い。ゲート通すのに何手間取ってるんだ?今日は年パス・入場券いっしょくたに並んでいたが、昨年までのように分けたほうがいいのでは。そのほうが早く捌けるだろうに。そのうちに選手のバスが到着。しかし今年からスタジアムへの再入場が禁止されているので、すでにスタンド入りしているサポーターたちはバス待ちができなくなっている。これはちと淋しい。
 一瞬雲間から太陽がのぞくこともあったがまたすぐに雲に覆い隠され、相変わらず雪がざっくざく降りしきる中を待ちに待って、ようやくゲートをくぐる。すると、入場ポイントバーコード読み込み待ちの行列が伸びてきていた。スタンドへの入り口付近にそれを置くと混雑するので、もうちょっと奥に設置したほうがいいと思った。
 スタンドへ出る。ざっと見回してみたが、開門後40分、そして外の行列のわりにあまり埋まっていない。この雪じゃ客足がイマイチ伸びないだろうから、1万5千入るかどうか、か・・・と残念に思った。FC東京サポの姿はスタンドにはほとんど見られない。裏のほうで雪を避けているんだろう。
 辺りを回って挨拶して、とりあえず寒いので売り場のほうへ。まず豚汁!と思ったが、目の前で尽きてしまった。早っ!寒さと雪のせいでこの空間は大盛況となっていた。ガスサポさんがたも多数やってきて、思い思いのものを買っている。自分は端っこのほうで炭火で焼かれいい匂いを立てていた「豚串」を買った。ガスサポさん二人がやってきてそれを買い、「ウチのスタジアムじゃこういうの売ってないんですよー」と売り子の人と話しながら、炭火の上でいい具合に焼けつつある豚串の写真を撮ったりしていた。

 一度スタンドへ戻る。サンフの選手と携帯でお話!というイベントが行われていた。スタンドのサポーター(女性)と、この日は西河そして森脇が石橋スタジアムジョッキーの介添えにて携帯&オーロラビジョンで対話。といってもいきなりこっちから話題も振りにくいのでちょっとギクシャクした会話になっていたが、西河と森脇はしゃべりには慣れているので何とか形にはなっていた。これからもやるのか。
 寒いのとお手洗とでまた裏へと下りる。セーターを脱ぎ11番ユニを着て(今年は11番がえらく多い)またコートを着る。もちろん試合が始まればコートを脱ぐが、これは風邪ひきそう。yuckhamさんほかB6サポの方々がいらっしゃったので、前日練習についてや他会場の途中経過などについてしばらく話し、それからスタンドへ戻る。ガスサポも対面のアウェイのメイン側コーナー後ろに整然と布陣していた。
 ほどなく、両チームのスターティングメンバー発表。FC東京の面々にはブーイング、そしてサンフの選手には歓声と拍手。オーロラビジョンの選手紹介映像がちょっと凝っていてカッコよかった。しかし茂原の笑顔が出た瞬間、吹いた。
10ガウボン
20大木 11佐藤寿
6ベット 34茂原
8森崎和
17服部 4ジニーニョ 2池田 5駒野
1下田
リザーブは、GK上野、DF小村、MF浩司、一誠、FW茂木。
 FC東京のスタメンは、
GK土肥、DF加地さん、モニ、ジャーン、ジョー、MF今野、栗澤、宮沢、FW石川、ルーカス、戸田。
リザーブは、GK塩田、DF藤山、MF浅利、ダニーロ、FWノリオ。

 サンフ、瓦斯とも第1節とメンバーは変わらず。今年の瓦斯は、ボランチを今野一枚とする4−1−4−1フォーメーション。中盤の底を一人で任せられる今野がいるからこそできる超攻撃的布陣だ。サンフもカズが中央、その左右にベットと茂原が開くが、瓦斯と違ってスリートップは中央に絞り気味となっている。
 B6からすぐ横の電光掲示板の表示が見えないほどの雪が降る中、Smoke on the Waterとともに両チームの選手が入場、ピッチに散る。前日の16℃より一転、公式記録では何と0.6℃にまで冷え込んだビッグアーチにて、昨年ホーム&アウェイともにドローに終わった実力伯仲の両者の戦いが始まった。
 立ち上がりから中盤激しい潰し合い。下の状態が悪いためにパスもなかなかつながらず、ロングボールが多用される戦いとなった。サンフはその中でも中盤でパスをつなぐことを極力意識、左サイドからダイレクトパスをつないで右の駒野へ展開、クロスといういい攻撃を何度か見せる。駒野のクロスにガウボンが跳び、その後ろの大木が合わせたが腿にヒットしたため威力なく土肥がキャッチ。瓦斯は中盤でボールキープができないので、シンプルに両サイドへフィードを散らし、石川・戸田の両翼をガンガン走らせてきた。しかし右サイドは駒野と茂原、左サイドは服部・ジニーニョ・大木で抑える。一度石川に大木がつき、軽くかわされて大木さんすっ転んだシーンではアチャーと思ったが、次に加地さんが上がってきた時には猛然と寄せてタックルでクリア。加地さんなら大木さんでも大丈夫。
 瓦斯スローイン、ボールを受け取ろうとした加地さんが捕りそこなって後逸。

加地さん手がかじかんでる

あとでハーフタイム中に言ってみたら一笑に付された(当たり前だ)。

 瓦斯左サイドからのクロス、池田のヘッドが当たりきらずにファーに落ち、そこへフリーの石川。わ!石川、ひとつ持ち込んで、ためて、シュート!は下田セーブ!両足を地につけたまま最後まで石川の動きを見て完全に防いだ。これくらいのセーブは朝飯前。石川が「とりあえずおもっきし蹴る」タイプなのも幸いしたが。瓦斯はルーカスが前線でよく動く。昨年はゴール前で待っているという感じだったが、今年はケリーとフュージョンしたみたいに危険な動きを連発。しかしこちらも池田とジニーニョがゴール前を固めて決定機を許さない。つくづくジニーニョのカバーリング能力は素晴らしい。ブラジル人らしく時々自陣深いところでもショートパスつなごうとするのにはちょっとヒヤリとするけど。
 サンフは粘り強く攻めようとするが、ガウボンがジャーンに徹底マークされていることもあり、もうひとつ決定機まで持ち込めない。瓦斯もルーカス以外の選手が中盤に戻ってプレスをかけるので、なかなかパスをつなげない。ガウボンに出してもジャーンがはね返し、大木のダイレクトパスもおいそれと通らない。前半途中からベットが足を気にしているような仕草。痛めたのか?双方とも中盤で激しいプレス、サイドで一進一退の駆け引きを繰り返し、互角のまま前半が終わった。
 後半も同じような展開。サンフはパスをつないでサイドに展開、瓦斯は中盤シンプルに回してロングボールで戸田石川を走らせる。瓦斯左からのクロス、服部が滑った向こうでふたたび石川が決定機を迎えるが、またも下田がストップ。サンフは右に飛び出した茂原のクロスにベットが飛び込んで合わせるが土肥がセーブ、そしてベットのドリブル突破から右へパス、大胆にオーバーラップしていたカズが落として寿人が狙いすましたクロス、これにファーで待ち構えていたガウボンがヘッド!決まった、と思ったが、左に外れてしまう。オーロラビジョンのリプレイを見るとガウボンは完全フリーだった。頭振りすぎだ――!角度変えるだけでよかったのにー!
 瓦斯、選手交代。ダニーロか?と思ったら宮沢に代え浅利だった。ハラヒロミらしくない自重。あの攻撃好きのハラヒロミが自重するほど、この試合は競っていたといえる。サンフも大木に代え前節同点ゴールを決めた茂木が入る。
 その茂木、いきなり左からドリブル突破、PA内でDFの股を抜いて一人かわしシュート!はラインを割るが、いきなりの活躍にスタンドが沸く。
 瓦斯、二人目の選手交代。戸田に代わって鈴木ノリオ。現状バランスを崩したくないようだ。ノリオは右サイドからのFKで持ち前の強烈キックを見せていたが、壁に当たってゴールならず。
 サンフ右サイド深いところ、瓦斯のクリアでサンフのスローインに。ここでボールを追っていた寿人が両手でゴール裏を煽る!さらに盛り上がるゴール裏とバックスタンド!終盤になるとイーブンの状況からややサンフが押し込むようになった。寿人に代え浩司イン、そして浩司の右CK時には大声援が降り注いだがこれでもゴールならず。そして茂木がドリブルからミドルシュート!しかし土肥も反応してセーブ、キャッチ!もう少しでゴールが割れない。そして88分、駒野が2枚目のイエローで退場。くそー高山め。1枚めは普通に体を入れてボールをタッチラインへ追い出しただけなのに出しやがったし、今のも深く入ってしまったけどフィフティ・フィフティのボールだったからそんなに悪質なタックルじゃないだろ、注意でええやんけ。これで瓦斯が最後の力を振り絞って攻勢に出、CKゲット。右CKにニア今野とガウボンが激突!ガウボンはそのまま倒れて動かなくなった。まずい脳震盪か!?
 ここでガスサポより「早く出せ!」の大合唱が起こったので、ゴール裏〜バックスタンドから凄まじいブーイングが沸き起こった。自分もカーッとなったので思いっきりブーイングした。この時、ガウボンの状況がまずいと悟った石川がガスサポに向かって「静かにしろ!」のゼスチャーをして鎮めたらしい。いい奴だな、お前(橘さん口調で)。
 サンフはプレイ続行不可能なガウボンに代え小村投入、茂木・浩司ツートップの3−4−2に。下田ゴールキック・・・・ここで試合終了のホイッスルが鳴った。あれ?ロスタイムは?ガウボン治療とか交代とかで3分は優にあるはずだが・・・瓦斯の選手が一斉に抗議している。そりゃそうだろう。相手が一人少なくなって、勝点3を取るチャンスが巡ってきたというのに。こちらも一人少なくなったとはいえ、最後の最後までサンフが勝利のために戦ってくれると思っていたので、いきなり試合をぶった切られて怒り爆発、「糞審判!」の大合唱となった。
 審判のおかげで不完全燃焼な幕切れとなったが、試合としては、力の拮抗したチームが互角の勝負を繰り広げ、お互いの数少ないチャンスも守備陣が防ぎきって最後まで隙を見せなかった、といういい試合だった。この無茶苦茶なコンディションの中90分集中を切らさず戦いきった両チームの選手は素晴らしいと思う。この試合最大の決定機は寿人のクロスにゴール前フリーでガウボンが合わせたシーンだったが、それまではハイボールに競ってばかりでシュートを撃つ機会がほとんどなかった(前の試合から、だが)ので、ちょっと仕方ない面もある。ゴールに背を向けた状態でボールを受け、トラップで前を向いて持ち込みシュート、という形を何度か見せており、上手さと力強さを兼ね備えている選手というのはわかるので、もっと彼にシュートを撃たせてやりたい。
 試合直後には、途中から茂木と浩司を入れて4−4−2とし、とにかくシンプルにサイドを突きまくればよかったのに、と思った。茂庭がさほどベストな状態でなかっただけに、深いところからのクロスでジャーンさえ外せば何とかなったかも、と。しかしハラヒロミですら切り札・ダニーロを投入することをためらうような緊迫したゲームで、終盤にはサンフもちゃんと好機を作っていたので、実際には難しいところか。こういうゲームでセットプレイのこぼれ球でもオウンゴールでもいいから1点とって勝利することができれば・・・強いチームは例外なく運を味方につけ、それを実力に加えているので。
 帰って速報Jを見る。今日のJ1、長居以外の6試合がドロー。序盤は混戦になりそう。それにしても桜、大丈夫か。PSMは全く参考にならない試合で正直スマンかった。攻撃力はあるんだから、守備頑張れ。