むらさきぐま日記2003.ver.1


3勝1分。


戻る


  

4月29日 広島スタジアム 曇のち小雨のち晴
VSヴァンフォーレ甲府

 26日の札幌戦は苦戦しながらも2−0の勝利。浩司は2戦連続で「合わせるつもりが入っちゃった」的スーパーFKを決め絶好調。U−22代表には外れたが、今日も「なんちゃってFK」を決めてほしいぜ、と思いつつ10時に家を出る。10時か・・・着いたら12時、2時間前か・・・GW中だし、やばいかもしれん。まあでも山陽高校前には大丈夫・・・だと思う。今日は何しろ広島市民球場じゃカープVSドラゴンズだし、ビッグアーチじゃ織田記念陸上と、スポーツ祭りな広島市だし。
風よ、旋風よ、貸してくれ、
おまえたちの翼をわたしの足に。
天よ、神々よ、この腕を強めたまえ、
わたしに苦悩与えし者に立ち向かうために。
 ジョージ・フリデリック・ヘンデルの歌劇《リナルド》中のアリア「風よ、旋風よ」をまず聴く。今日の相手はヴァンフォーレ(風林)だけに、うちがJ1に上がる力になってもらわねば。そのまんまそのCDを聴く。デイヴィッド・ダニエルズ(カウンターテナー)によるヘンデルのオペラ・アリア集(サー・ロジャー・ノリントン指揮ジ・エイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団:ヴァージン・ヴェリタス・レーベル)なり。
 そういえば観戦も一月ぶりだ(ユースやジュニアユースには行ったけど)。先週結婚式に出席したのを見計らって6−1とは人が悪い。しかし6−1というのもかえって味気ないものかもしれないな、城彰二くんよ。
 さて、昨日はいろいろと大ニュースがあった。まずは高萩。先月の山形戦でベンチ入りしたものの出番はなく、その後強風と雨の湘南戦で堂々J最年少デビウしたユースっ子の高萩くんは、U−18日本代表候補合宿への参加を遅らせ、昨日は再びトップチームの練習に参加、あまつさえ右SBでレギュラー組に入っていたという驚きの情報が入っていた。今日は先発濃厚!楽しみ。スーパースター☆駒野の穴をどこまで埋められるのか。そして、エルツェッグの退団とマルセロ・シウバ・ラモスの獲得報道。6月30日までの契約を解除し、元名古屋在籍のストライカーを獲得した。今日はセレモニーあるのか?今まで去って行く外国籍選手のお別れをまともにできてないわけだが。
 しかし最大ニュースは、五輪最終予選、来年3月に延期!!いいんですかすごい追い風ですけど。トゥーリオも間に合う?
 あとネタで、今日の控えGKが誰なのかってとこ。広島フットボールじゃ林になってたからなー。おまえはU−22代表に行ってるはずだろ!
 朝から快晴の山陽道を飛ばし、12時前、つまり試合開始2時間前に広スタ到着。しかしすでにスタジアム周辺の駐車場は埋まっていたッ!「そんなまさか!内側から針金で縛られているッ!」て感じ。しかし橋沢育朗、なんで「針金で縛られている」ってわかったんだよ。見えないだろ。それはさておき山陽高校前の「さいはて駐車場」へ。ここもそこそこ埋まっている。2時間前からこれなら、かなり来そうだ。後ろでは渋滞が始まった。今の状況じゃ、いまや広スタではキャパが小さすぎる感じ。
 時間があるので、シャトルバスに乗らずにてくてくと歩いて広スタへ。
 凄い人出。バックスタンド入り口はどこも長蛇の列が出来ていた。ていうかこんなに並んでるんだからさっさと開場してちょ。とりあえずうどんを食べ、次いでアクエリアスを買い、最後におむすび弁当を買って時間稼ぎし、おもむろにゴール裏へ。
 多いねー!ゴール裏はほぼ一杯。バックスタンドもすでにほぼ埋まっており、そのうちあぶれた人々がアウェイ側ゴール裏へと流入、そこも大体埋まってしまった。メインスタンドも試合開始が近づくにつれ埋まっていく。今日は1万1千くらい行くんではないの?
 さ、注目のスタメン発表!この前の札幌戦では正午前にスパサカHPにスタメンがアップされたが、この日はちと遅め。

広島:
GK1下田崇
DF35高萩洋次郎
ハギー、スタメンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
あとはさらりとリカルド、上村、服部、MF桑原、サンパイオ、浩司、FW高橋、大木、茂木。
 高萩、右サイドバックでスタメン。実際は桑原がフォアリベロ気味に最終ラインをケアするからウイングバック的な位置を取るんだろうけど。
リザーブは、GK尾崎、DF八田、MFハンジェ、西村、FW梅田。
やっぱり林はありえなかった。控えGKを軽んじてはならないよ。
札幌戦にはベンチ入りしなかったものの帯同した西村、ベンチ入り。

甲府:
GK阿部、DF荒井流、池端、青葉、奈須、MF倉貫、トノ様、水越、石原、FW須藤、藤田健。
純潔純血スタメン。青森山田出身元清水のジュニーニョはサブ。7連勝中の広島に対していい度胸だ。(嘘です。一人居ます)
ちょっと上で誤変換したけど、純潔スタメンてのは結構凄い11人と思おた。
 それはともかく、甲府は前節大宮を3−0で撃破、前期からの好調を持続している。各部署に適材メンツが揃っているので、はまれば怖い。電柱・須藤とエース・藤田の二人から目を離したらやられる可能性、大。さらにセットプレイから外池ヘッド、もこわい。クラブの経緯的には、ある意味「J2の主」といった貫禄のある甲府だけに、油断は許されない。
 ピッチでのアップ開始。高萩は小気味よいボール捌きを見せる。この前かなりハードな状況で出たし、もう緊張はないのか。そういえば高萩、淡路島キャンプの時にバスに乗り遅れて小野監督にTEL、「いかなる手段を用いても間に合え。間に合わなかったら広島送還」と言われて命からがら到着したそうだが、昨日の練習でもまたバスに乗り遅れたらしく、

バス出発>気づいて戻ってくる>西村が探しに行く>高萩遅れてバスに到着>今度は西村行方不明

と、みんなにいっぱい迷惑かけちゃったとのこと。高萩にとってバスは鬼門といえよう。
 そんなこんなでキックオフの時間を迎えた。主審はイエローブリンガー・柏原丈二。落ち着いていこう。空は曇天となり、一時小雨がぱらついたが、今は再び止んでいる。サンフのキックオフから、試合開始。
 まずは浩司のミドル!上に外れたが、今日もゴール、という意気込みは見える。期待の高萩は、まずは確実なボールのつなぎ。そして一転、逆サイドの服部へサイドチェンジのパスを通す!スタジアム沸く!やるね!本職はボランチor右の攻撃的MFで、ここは苦手な位置だろうが無難にこなしていく。中盤に預けて飛び出し、ボールを受けると切れ込んでクロス、大木がヘッドで落として浩司がシュート!!これも大きく外れてしまったが、洋次郎は恐れることなく試合に入っている。駒野に比べるとさすがに見劣りするが、16歳にそこまで望んではいけない。なんたってコマちゃんてばスタアなんですもの。高萩、またもオーバーラップからFKゲット。浩司がゴール前に送る!が合わず。サイドが上がる時は桑原がリベロの位置に入り、DFが両翼に開いてケアするので、高萩もかなり上がっていける。
 甲府は、まずはディフェンスと中盤の2ラインが組織的なプレスを仕掛け、すばやくサイドに開いてトップの須藤に当て、藤田が拾って狙う、というゲームプラン。特に服部には荒井流アライールを中心に複数人のプレスがかかり、なかなか前へ持っていけない。高萩も最初のうちはノーマークだったが、そのうちタイトにこられるようになったので、なかなか上がれなくなってしまった。スリートップも、ボールを持った瞬間周囲からわっと寄せられるので、ボールをキープできず戻すだけ。かくてサンフは後ろのほうで回し、フィードを身長の高い甲府の面々にはじき返され反撃を食らうという悪い流れになってきた。それでも、甲府の攻撃は須藤と藤田の二人に、時たまアライールが上がってきてクロス、という程度なのでさほど脅威はない。一度中盤で奪われ、須藤が一気にドリブル突破してシュートを放ったが、下田が正面でがっちりキャッチした。それにしても藤田、FKもCKも一人で担当。右サイドからは左で蹴り、左サイドからは右でボールを入れる。ユースのころの駒野みたいだ。ていうか外見とか仕草とか藤本主税そっくり。師事してんのか?
 というわけで、電柱のポストと量産型主税のトリッキィなテクに手を焼きながらも甲府の攻撃を押さえ込み、さりとて攻め手はない、という千日戦争(サウザンドウォーズ)の様相を呈してきたこの戦い、あまりに拮抗しすぎて主審の柏原氏もイエロー出せなくって欲求不満、変な判定で鬱憤晴らし。この中、最初に動いたのはもちろん小野監督。茂木を早々に引っ込めハンジェを中盤に投入した。しかし戦局は動かず、そのまま前半終了。
 ハーフタイムには、30日でチームを去るエルツェッグのお別れセレモニー。
「私の良いときも悪いときも、応援してくれてありがとうございました」
とトモ。久保社長からの花束を受け、ひとまず下がってゆく。うちでは戦術にフィットしなかったけど、いいところで点は取ってくれた。それに、あのラボーナクロス(鳥栖戦で披露)のアイデアは最高だった。ラボーナの系譜は、アップ中にハンジェがやってたから、きっと彼が継いでくれるだろう。
 さて後半開始も、戦況は変わらず。双方シュートが極端に少なく(ていうか、ない)、中盤でのせめぎ合いが延々と続く。浩司のバックパスをかっさらわれて大ピーンチ、になったが何とかカット。高萩、前線にボールを預けてオーバーラップ、リターンを受けて右サイド突破!センタリング!ファーへ飛んだが、跳ぼうとしたハンジェはDFにぶつかって転倒。ブーイングが起こったが、自分からぶつかって行ったのでもちろんファウルにはならない。今度は中央で細かく繋ぎ、ハンジェのスルーパスに大外から飛び込む、シュー・・・しかしわずかに合わない!服部がドリブルで切り込み右足でクロスを入れる!も合わない。リカルドが業を煮やしてロングシュート!もGK阿部キャッチ。大木が途中接触プレイで鼻血を出し、治療を受ける。時間は刻々と過ぎて行く、このまま引き分けなのか?しかし、徐々に甲府の足が止まりはじめ、後半30分を回ると、ガクンと運動量が落ちた。とたんにサンフの中央でのショートパスが回り始める。これは・・・いけるぞ!そして後半33分、中央サンパイオと入れ替わりにボールを受けたハンジェがビシッと高橋にクサビのパスを入れる。なぜかそこに居た高萩と交差するようにボールを受けた高橋はマークを受けながらも、上がってきたサンパイオに落とす。しかしDFが詰めて競り合い、ボールは宙に舞い上がった。これに甲府DFと高萩が競り、ボールは再びサンパイオの元へ。サンパイオ、キープするが、ゴール前に4人、その前にも中盤の4人がラインを形成し完璧な守備陣形を整えていた。サンパイオは横にいた浩司にはたく。浩司はボールを受けると、チェックに来た甲府MFと対峙、その間にハンジェが右サイドのオープンスペースへ爆発的フリーランニング!そのために甲府の陣形がつられて間延びした、瞬間、浩司は鋭いクサビを高橋に叩き込んでダッシュ!高橋がワンタッチで落としてゴールへ向かう、高萩も右へ開き、甲府の最終ラインがまた少し開く、そして走り込んだ浩司はその隙間めがけ右足一閃、

こ じ 開 け た ー !!

ボールは甲府DF4枚の間を突き破りゴール右スミに突き刺さる!大木がはね返ってきたボールをもいっちょゴールへ蹴り込む!浩司は超満員のバックスタンド側へ走りながら、いつもながら美しい腕振りのガッツポーズ!利き足の左足で2本外しときながら、右足で決めたーーーーーッ!!
 それからは梅田、西村を投入(西村、リーグ戦初出場おめでとー)、嵐のような前線よりのプレスを敢行。甲府は選手交代し前線に人数を増やすも、起点でつぶされロングボールを放り込むだけでは得点できない(といっても、一回超ヤバめな場面があったけど)。最後にはアライールがイエロー二枚で退場し万事休す。中二日の遠征帰りというハードスケジュールの中、走り勝ったサンフレッチェに軍配が上がった。生駒コーチ、ステキ。それにしてもシュート数4対3。甲府、凄い守備。やはり強かった。これでジョルジーニョが帰ってきたら・・・
 バックスタンドで挨拶する10人(ヒーローインタブーの浩司除く)。そこへトモがやってきて一同の労をねぎらう。トモ・コールが起こる。トモはサンパイオ、リカルド、そして上村と一緒に記念撮影。そしてスタンドからのコールに応える。ここでゴール裏からクロアチア国旗とお別れの言葉が贈られた。短い間だったけど、ありがとう、トモ!Hlava liepa!
 最後にインタビューが終わった浩司がバックスタンドからゴール裏に挨拶に。ゴール裏ではサンパイオ師匠に倣ってフェンス際のサポーターたちとタッチ&握手。これでまたファン急増だーよ。福岡戦でも頼む(ゴールゲットのほうね)。
 札幌、鳥栖に0−1。前節うちを圧倒しておきながら、なぜ?水戸、横浜FC撃破で2位キープ!しかも完封勝利。トゥーリオ、働いてるなー。
 帰りは平和公園の前を通り、闘いで昂ぶった心を鎮めようと思ったらフラワーフェスティバルのイベント設営でちょっと興が冷めたり向かいに「Zoom Zoomステージ」(うろ覚え)とかいう名前のステージが出来ててなんだよここであの歌ののど自慢とか踊りとかやんの?(多分しない)とか思ったりしながら紙屋町界隈に行ってちょっと買い物して天一で食べて高速で帰ろうとしたら途中居眠りして前の車に追突しそうになったのでこのまま行ったらオレ逝くねと思って小谷SAで一休み。BS1の吹田(高槻移転計画浮上)と鹿島のバトルを放送中。観る。ついでに速報も見て帰ろう。試合はちっちゃなレフティ・深井マサキくんのドリブルテクにマスクド宮本さん(マスク未装着)ってばメロメロでPK献上でジ・エンド。宮本もW杯以降精彩あらへんね。うちと練習試合したときも高橋にトラップ一発で裏取られてゴール許してたし。やはりマスクが必要なのか。セタップ。それともあれだ、監督とうまく行ってないのか。中田英寿と合わなかった監督だから、ありえる。別にどうでもいいが。
 速報見る。
 ヨンス兄は日本最強ォォォーーーッ!!!
彼はJナンバーワンストライカーデスよ。漢ですよ。ほかのFWなんざ女ですわ(ピチブー除く)。
とか思っていたらエデーも凄え!!脱いでるし!いきなりイエローだし!訂正、日本人FWなんざ女同然。
久保、また半袖。もう魂を売り渡したな。完全堕落。タツだけに、聖ミカエルに追い落とされた邪悪なる竜・サタンのごとく。
もはや漢ではない。FWとしてももはや並以下・・・ッ!て半袖にしたくらいでそこまで言うか?言う!!
続いて浩司かっちょえええええええ!右足なのに見事に決まってる!もしかして中の人、カズ?
 福岡は元サンフのスラロームドリブラー・宮崎光平の2ゴールで逆転勝利。5日はイイ試合しようじゃん。

 大山牛乳ソフトクリームを食べて帰る。
で、帰りが遅かったのでおっかさんに怒られました。

3月29日 広島スタジアム 晴
VSモンテディオ山形

 プリンスリーグの作陽戦も29日!?うわー自分でもそう書いとるやんけ。いかーんユース以下年代の試合は日曜日開催という思い込みがあったッ!!反省。ていうか最近家に帰ると23時とか0時で日時の感覚が喪失しかけている。トップとユースじゃ、トップを優先するのが当然。あきらめよう。
 というわけで仕事を早めに切り上げて車で広島へ向かう。12時からジュニアユースが鹿児島のディアマンテと戦うが、すでに始まっているので観れない。まあトップの試合に集中しよう。
 山陽道に乗り、小谷SAで小休止して、拘束制御術式(クロムウェル)開放して空母イーグルに突っ込むアーカードのSR−71のごとく(かなり大げさ)西へと疾っ走る。

主に向かいて新しき歌を歌い、聖なる集いにて主を賛美せよ・・・

 J.S.バッハのモテット《主に向かいて新しき歌を歌え》BWV225等を聴きつつ(カール・フリードリヒ・ベリンガー指揮ヴィンズバッハ児童合唱団)高速走行。今日は、福島県Jヴィレッジサッカースクール出身の俊英であるユース所属の16歳・高萩洋次郎がベンチ入り。今ならJ最年少出場の栄誉に輝く。新星を迎えるにあたってはこの曲がふさわしいかなーとか思っちゃったりしたもので。先輩方はぜひ大量リードを奪って、彼の登場のお膳立てをするように。
 さて、車は一旦五日市ICまで行って草津有料道路を突っ切り、西から広スタ到着。試合開始1時間前なので、すでにスタジアム周辺の駐車場は埋まっている。まあこれは予想の範囲内だ。あとは山陽高校前の「さいはて駐車場」か、海辺のマリーナの「常世(とこよ)駐車場」(<勝手に命名)どっちか、ということになるが・・・「さいはて」も埋まっていた。では常世か。常世駐車場はマリーナとなりにある有料駐車場で、サッカー観戦者には720円の特別価格でOK(後払い)。高い?否!Jの大体のスタジアムには駐車場自体がなく、公共交通機関でしか来れないのだ。少しでも無料の駐車場があるところなどむしろ貴重。それゆえ広島者は恵まれているのだ。でも市内の人はできるだけ公共機関で来てェー!
 車を停めると、ちょうど来ていたバスに乗り飛行場まで戻り、そこからたったっと走ってスタジアムへ。
Hier bin ich!
 山形サポたちがアウェイゴール裏バックスタンド側スミに陣取っているのが見えた。うむー、はるばるお疲れさまです。バックスタンド裏をてくてくと歩いて(<スタミナなし)急ぐ。と、長い行列が。なんだ?とっくに開場してるだろ。どうやらサイン会の行列らしい。今日は誰だったっけ・・・傍らでは鉄板の上で広島風お好み焼き、そして隣ではたこ焼きがいい匂いを上げていた。ゴール裏へ入り、すぐに再入場券をもらって食事に出る。とりあえずうどんを買い、さてすすろうとすると、ホーム側ゴール裏のトラックを過ぎって大久保、そして松浦がやってきた。私服だ。おおうカッコいい二人のお出まし。道理で人多かったわけだよ。うどんを食べた後、もう少しなんか食おうと思ってバックスタンド裏へ行き、お好み焼きはちと試合直前で腹にもたれるので、たこ焼きにした。テーブルにいくつか積んであったパックではなく、焼きたてを新しくパックして渡してくれたのに感謝。あと、「こんな運動しなくても燃焼系アミノ式」を買い、出来立ての熱いたこ焼きをほふほふしていると、さてメンバー発表だ。
広島:
GK林、DF駒野、リカルド、上村、服部、MFカズ、サンパイオ、浩司、FW大木、エルツェッグ、高橋。
リザーブは尾崎、八田、桑原、そして背番号35高萩洋次郎、茂木。
代表召集で下田不在のため、林が先発。あとは前節と同じ。高萩来るか?
山形:
GK桜井、DF太田、鷲田、内山、井上、MF永井篤志、ニヴァウド、星くん、川崎健太郎、FW大島、ハジ。
大島とハジのツインタワーはちと怖い。以前ちょっとサンフにいた永井篤志、ボランチとして復活してる。
ニヴァウドって、ちょっとニヴァってのが粘着系イメージ。
控えには、ヒゲの阿江、古川先生、はえぬきのはえぬき高橋健二、ちょい語呂悪いアレッシャンドレ、パワーの松田鏡二
根本くんは留学だそうだが、正GK鈴木克美さんは怪我?
それはそうと山形にもサポートマガジンあるんすね。良さげな感じ。

遅れて来たので後ろのほう。前が見えない。ちょっと居心地の悪い中、試合開始となった。
 まずは中盤でのせめぎ合いから始まったが、徐々にサンフがペースをつかんでゆく。駒野はこの試合も好調で、中盤の連携からどんどんサイドを駆け上がって行き、山形のラインをズルズルと引き下げていった。星くんのクロスがシュータリングになり、林がバックステップからパンチでクリア、という場面はあったものの、ボールを圧倒的に支配するのはサンフ。だが山形も素早い帰陣からゴール前のスペースを消し、FWに仕事をさせない。鳥栖戦では大暴れしたトモも、山形の早い寄せの前に思ったような動きができない。大木もキープできない。その分高橋が動き回って奮闘するが・・・駒野にも素早い複数人でのプレスがかかるようになる。それでもサンフは森崎兄弟&サンパイオのパスワーク、そして駒野マークでフリー気味な服部を中心に何度も攻め込む。服部のシュートを山形DFがあわやオウンゴールに、ショートコーナーからのトリックプレイから服部のシュート、左サイドのパス交換から上村のクロス、PA内走り込む高橋が倒される!が笛なし!守備はとりあえず破綻なく、林は自慢のロングフィードは見せないものの、思い切った飛び出しでピンチを防ぐ・・・このまま攻め続ければ、そのうち山形の守備は決壊するはず、と思っていたのだが・・・
 山形、左サイドからのスローイン。入れる。井上ユーキがドリブルで持ち込む。プレスがない。パスが出る。右のニヴァウドへ。完全フリー。誰も行けない。シュート!ボールは飛びつく林の脇を抜けゴールに突き刺さった。山形先制!これで昨年天皇杯・横浜えふまり戦から6試合連続で先制を許す展開となった。
 甘い!甘いわこのバカ弟子がァァァァァァァァァッ!!(誰が弟子だ)攻めに気をとられて守りをおろそかにするとは!またリスタートからの失点ですよ。いやまあウチが圧倒的に攻めるっていう状況というのはあんまりないので、選手たちもついアレなんでしょうが。しかし、こりゃあまずい展開だ。
 もともと押し込まれていた山形は、いっそう牡蠣になってしまった。前線にはハジと大島のツインタワーを残すだけの完全カウンターサッカーに転じた。八人で守る山形陣はまさに鉄壁。普通に攻めたのではとても破れない。柱谷兄の指導の下、見事に意思統一のなされた山形イレブンはサンフの攻撃を確実に摘み取っていく。こちらが攻めているものの、実は山形の思惑どおりという、なんともイヤな雰囲気になっていた。駒野がイエローのチャージで止められて得たFK、浩司がゴール前に入れるが誰も触れず。えーい何とかしろ!これを見た小野監督は早くも動いた。ピッチサイドに姿を現したのは茂木弘人。ボールキープできない大木に代えるのか?と思いきや、ボードに記されたナンバーは「10」。トモ交代。何?一発のあるトモは残しておいたほうが良くないか?確かに前節が過信になったかボールを停滞させていたが・・・流れが切れずに茂木はしばらく立ちんぼだったが、やっと試合が切れると勇躍ピッチに飛び込んでいった。頼むよ。
 大木のポストから右のスペースに飛び出した浩司がボールを受け、一人をかわしてPA侵入するや左足を一振り!しかしGK桜井がファインセーブではじき出す。桜井は蹴るボールがことごとくスライスしたり、ボール処理がすごく心もとなかったりして味がある。右CK、浩司のキック!ファーで茂木が折り返す、ボールは中央へ、誰か合わせえ!しかし山形がクリアし、前半が終了した。黄色のユニに青文字の「はえぬき」たちが意気揚々と引き揚げていく。
 もはや高萩が出るどころではない。この山形から点取れるのか・・・そういえばハーフタイムプレゼントに「庄内米」あったなあ・・・当たればいいなあ・・・
 外れた。
 後半開始。見えやすいところに移動。メンバーチェンジはない。
 山形は徹底的にゴール前を固める。単純に放り込んでも山形の思う壺なので、一旦中央で起点を作り、サイドに展開してDFをつり出しクロスを入れる、という攻撃を繰り返さねばならない。右からの高橋のクロスを駒野が拾い、左に展開して服部のアーリークロスに大木のヘッド!GK正面だったが、これを続けろ。
 上村が左から、そしてリカルドが右からオーバーラップする。上村はちとミスパスでやばい場面を作るが、でも後方からも飛び出していって突き崩すしかない。何度もサイドを切り裂きクロスを上げるが精度がない。ボールがむなしくゴール前を外れる。中央でボールをまわして右サイドに開いた駒野に開く、クロス!ファーでサンパイオがヘッド!!しかし枠を外れる。あーーー!
 後半20分を回った。山形は立て続けにイエローをもらう。もう少し。あせるな。サイド攻撃をこのまま続けろ、アイルランドのように。スリーバックにしてもっと両サイドを上げろ。桑原か八田を・・・そして前半から必死に走り回っていた高橋に代え桑原が投入された。まだ大木を引っ張る。スタンドからは野次も飛ぶ。しかし小野監督は大木にかけた。桑原はスリーバックの真ん中に入った・・・と見えたが、サイドに流れたボールを拾いに飛び出してゆく。DFの前のスペースをすべて一人でカバーするようだ。カズとサンパイオが前に出る。両サイドも出る。2−1−4−3という超攻撃的布陣になった。左CKゲット、駒野ではなく浩司がキック!ファーでサンパイオがヘッド!しかし上へ外れる!後半35分を回った。こ、このまま終わってしまうのか・・・
 上村のロングボール!跳ね返されるも、左サイドの森崎兄弟のパスワークから中央のサンパイオにボールが入る。浩司が中に切れ込み、カズがタテに走る、サンパイオはカズへ!しかし大きい!だがカズは普段のへんな走りをかなぐり捨てて疾走、ゴールライン際で追いつき、利き足とは逆の左でダイレクトのセンタリング、ふわっとしたボールの先にいたのは・・・・大木!!ニアから身を投げ出すようなヘッドを叩き付ける!ボールはGKの脇を抜けて転々とし・・・ゴール右スミに収まった。
 同点!!
 やった大木!!そして大木を信じた小野監督は神!なんという洞察力かっ!!確かに後半途中からは鬼気迫るボールキープを見せていたし。でも土壇場に強い男だな!人生の。
 「時は動き始めた」とばかりに俄然試合が動き出す。山形はハジに代わってアレッシャンドレ、ふたたび前に出てきた。連敗中の山形、アウェイでも勝利がほしいのか。サンフも気分が乗ってきた。私はといえば、
「あせるな今の調子でいい今日の展開ならたとえ引き分けでも御の字だぞじっくりサイド攻撃だサイドだ無理攻めするな」
と慎重居士だった。今までが今までだし。といってる間に山形がゴール前にクロス!ボールがこぼれて大島が突っ込む、林飛び出せない、ヤバーーー!!とそのとき、横合いから風のように戻ってきた駒野が身体をねじ込みクリア!!駒野スーパー!ボールは混戦からラインを割り、サンフのスローインとなった。
 服部がボールを入れ、リターンを受ける。フリーの服部はそのままタテへ突破する、DFが戻ってくる、マークに付かれるが服部はその瞬間クロス!ふわっと天空に舞い上がったボールが急激に曲がり落ちてファーに落下してくる、その下でヴィオラの人影が跳躍した!
 ゴォォォォォォォォォォォォル
逆転!逆転!逆転!後半42分!殊勲のゴールは背番号6、セザール・サンパイオ!!完全に競り勝ったヘッドでゴール左スミに叩き付けた!!これがセレソン!これがW杯戦士!サンパイオは世界一ィィーッ!違う!こうだ!セザール・サンパイオは世界最強ォォォーーーーーッ!!
 攻めるしかなくなった山形は「はえぬきのはえぬき」高橋健二、そしてDFを外してパワー系FW松田を投入して総攻撃に出る。しかしサンフも人数をかけて守り、ゴールを許さない。もう一枚八田入れるか?が小野監督はこの陣形を崩さない。逆にカウンターから茂木が高速ドリブル、DFをかわしてシュート!これは惜しくも上に外れた。山形は左サイドからFKをゲット。時間的に最後の攻撃か。山形、ゴール前に長身選手が並ぶ。サンフはゾーンだ。各々の持ち場を守れ!キック!上村のエリア!上村跳ぶ!山形の二人のプレッシャーを跳ね返しクリア!落下してくるボールをサンフがもう一度クリア!山形が拾いドリブルで持ち上がる、フリーだ、ミドル、クロスに警戒、誰かプレッシャーに行け!その瞬間ホイッスルが響き渡った。サンフレッチェ広島勝利!
 ・・・疲れた。足がつった。ハードなゲームだったが、こういう展開から逆転できるようになった・・・これは成長だろう。あとは先制逃げ切りができるようになれば。
 MOMのサンパイオ、ヒーローインタビューが終わったあとバックスタンドへ挨拶、その後ゴール裏に走ってきた。そしてフェンス際まで来てサポーターたちと握手する。いい人だ!巨きな人だ!プロフェッショナルの鑑だ!これからも、頼みます!
 他会場の試合結果が電光掲示板に出る。
札幌2−4水戸
すぽーん!!どうしちゃったんだ水戸、ていうか札幌!新潟も敗戦で唯一3連勝の水戸が単独首位!春の椿事!
2節後はその水戸とか!ギィヤアアア怖いいいいい!でもでも、徳川なぞ第二次長州征伐みたいに(つーかこの前の天皇杯3回戦のように)返り討ちにしてくれるわ!来い田中!その成長ぶりとくと見せてもらおうッ!!
 高萩は、次に期待だ。記録更新してほしい・・・
 
 駐車場へのシャトルバスの中でカープの勝利を確認。やったぜ永川。そして帰りの車中で広陵が遊学館を破ったのを確認。やるぜ西村。次の試合のことはひとまずおいといて、今日は広島祭りだ!

3月23日 鳥栖スタジアム 晴
VSサガン鳥栖

 え?鳥栖戦って日曜日にあるんですかァ?と金曜日になってやっと気づき(遅すぎ)、何だよそれじゃ行けるじゃんかよ全くもーあっでもプリンスリーグも観に行きたいしなでも山陰勢には楽勝だろうしこっちは倉敷での作陽高戦からでもいいかよーし決めたぞ鳥栖へ行ってやるゥゥゥ!
 というわけで前日の夜に支度して23日朝6時に起き、朝食を食べて車でGo!電車だと片道が11000円余、車(私は軽自動車)だと6600円。先月新PC買ったんで金がなく、こっち。三原久井で山陽道に乗り、一路西へ。
イスラエルはエジプトを、ヤコブの家は異言の民のもとを去り・・・
 フェリクス・メンデルスゾーン作曲の詩篇114《イスラエルはエジプトを出で》を聴きつつ走る。今年のサンフは、「出エジプト(エクソダス)」のイスラエル人四十年の苦難のごとき厳しい戦いを前にしている。これらを勝ち抜き、カナンの地たるJ1に還ることができるだろうか。
 次いで同じくメンデルスゾーンの詩篇42《谷川慕いて鹿のあえぐごとく》を聴く。
「谷川慕いて鹿のあえぐごとく、神よ、わが魂は御身を求める・・・」
こっちも勝点3を求めます。
それからジョージ・フリデリック・ヘンデルのオラトリオ《エジプトのイスラエル人》を聴く。
主は雨に代えて雹を降らせた。その間を炎が走り大地に降り注いだ・・・
鳥栖にもシュートを雨と降らせゴールを炎に包ませたいが。そういえば昨日『機動戦士ガンダムTHE ANTHOLOGY VOL..1』を買ったんですが、徳光さんとトニーさん最高です。お好み焼きプリンはちょっと試してみたい。試すだけ。
 さて鳥栖は結構遠い。聴いているうちにも宮島SA、美東SAで一息つき、それから中国道へ入る。途中バイクがすっ転ぶ事故があったが、ライダーは大丈夫だったろうか。中国道へ入ると道が曲がりくねり路面も粗くなり、さらに車の量も増える。やがて関門海峡に差し掛かった。壇ノ浦PAがある。止まってみたくなったので、側道に飛び込んでずーっと下り、PAへ。
 関門海峡周辺の空は曇り、少し霧がかっていた。車を降りて展望台まで行くと、眼下に広がる海峡の海流は速く、まるで川のように流れている。ここで818年前、源平の最後の戦いが行われたのだ。
 対岸を見る。九州・・・そう、源氏の一族である足利尊氏は、かつて戦いに敗れ九州に落ち延びた後、当地の豪族を糾合して捲土重来、湊川で楠正成を破り、京に攻め上って政権を確立したんだった。今日の一戦もサンフの反撃の糸口となれば。
 向こうに着いてから暢気に食べている暇はなさそうなので、ここで昼食を摂る。んで車に戻って、鳥栖へ急行ズラ。
 九州上陸したが、福岡まで結構時間がかかる。こんなに遠いのか。カール・リヒター指揮のメンデルスゾーンのオラトリオ《エリヤ》を聴きつつ飛ばす。車はどんどん増え、渋滞三歩手前という状況に。くそー三車線なのに。がまんして走り、やっとこ福岡通過。それから大宰府、筑紫野を過ぎ、鳥栖JCTに差し掛かった。長崎方面に入るのかと思っていたが、鳥栖出口用の道があった。何だここか。料金所で待つ間一息つき、それから左に下りて国道3号線を南へと。そして鳥栖駅を過ぎ、商工団地入り口交差点を右折。最後にカール・マリア・フォン・ヴェーバーの歌劇《魔弾の射手》のCDをセット。リップバーン中尉殿!誰の盤ですか?ドイツ・グラモフォン、カルロス・クライバー指揮の盤ですわ。序曲を聴きつつ進むと、正面にスタジアムが見えてきた。さて駐車場はどこだろう。おお前に地元の車が走ってる。サカー観戦みたいだから、後をついていこう。郷に入れば郷に従えだ。しかしその車どもも駐車場の位置を知らず、関係者入り口に入って追い返された。えーーーい地元民なら知っとけ!!警備員さんに聞いて場所を聞き、鳥栖スタの前を過ぎった後右折、線路沿いの第2駐車場に停める。
主よ御手もてひかせたまえ/ただわが主の道を歩まん/いかに暗くけわしくとも/みむねならばわれいとわじ
 《魔弾の射手》序曲・中間部の美しいホルン四重奏は讃美歌のメロディーに借用され、上のような歌詞がつけられている。いかに道のりが険しくとも、私もサンフのサポートを厭うまい。序曲が高揚したのち輝かしいフィナーレを迎えると、車を出る。ヴィクトリアヴィクトリアヴィクトーリア、ヴィクトリアデアマイスターゾルリーベン♪っと。
 さてさて鳥栖スタジアムは文字通りJR鳥栖駅からすぐ線路を隔てたところにある、交通の利便性にかけてはJ最強クラスのスタジアムです。立地から言うと駅前っていうよりは駅裏という感じですが、たいした違いはありません。通勤通学には大変便利な立地といえましょう。住めないけど。今しも駅の高架を渡ってぞろぞろと人がこっちへやってくる。いいとこにあるなあ。スタジアム外観は、鉄パイプの目立つ無骨な造りだが、コンパクトにまとまっている。結構安く仕上がっているようだ。中身はどうだろうか。
 駐車場をざっと見ると、これがまた結構広島ナンバー多い。来てるよ。そういえば横山光輝の『地球ナンバーV−7』って面白いんですか?
 チケットをまだ買っていなかったので警備の方に当日券売り場の場所を訊く。ホーム側のゴール裏まで走っていってチケットを買い、商店街の福引券みたいだなあと思いつつ引き返し、アウェイ側ゴール裏入り口から入る。
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!サカー専スタ!鮮やかな緑の芝、ピッチ際までせり出した急傾斜の二段スタンド、そしてそれを覆う屋根!規模としては鳥取バードスタジアムくらいだが、スタンドの充実ぶりがいい。コンクリートが目に付くところが多く、ちょっと年季が入ったイメージだ。ゴール裏も二段スタンドだが、これは一段でいいだろうと思った。だってアウェイ側からは電光掲示板が見えねェー!アウェイゴール裏二段目の上にあるから。この造りだと、電光掲示板は神戸ウイングみたいにゴール裏とメインあるいはバックスタンドの間に配置したほうがいいと思うな・・・と将来広島に専用スタジアムができるならどんなのがいいかとしばし考えていた。ゴール裏は最初から立見、というのはいいやね。
 本来山形戦に向けて用意していたレプリカユニを着る。材質いいなあ。着易くって、着心地も良好。“Your Voice”も、こうして見るとスマートな印象を際立たせている。小太りな人は、DEODEOよりもこっち着たほうがええ思いますわホンマ。ナンバーは21。今年は林リスペクトで行こう思います。
 アウェイゴール裏は驚くべきことにほとんどヴィオラで染まっていた。あとで聞いたところによると、約200人が鳥栖に駆けつけたとのことだ。対面の鳥栖サポをも凌がんばかりの勢力。と、下田と林が出てきた。コールだ!
 ・・・・・・おお、響く響く。周囲の屋根に反響して、スタジアム内にこだまする。しかしすぐに喉が枯れる。鳥栖は乾燥注意報地域ですか。
でもフィールドプレイヤーでてこないなあ。中でアップをしているのは見えるけど・・・そのうちスタメン発表。スタジアムジョッキーさんはちょっとうさんくさくて、いい。
サンフ。
GK下田、DF駒野、リカルド、上村、服部、MFカズ、サンパイオ、浩司、FW高橋、エルツェッグ、大木。
リザーブは林、八田、沢田、桑原、茂木。
柳川高出身の八田のために横断幕が出ていた。今日は出番あるかな?
鳥栖。
GKノリヲ。生ノリヲだ!!スゲー!喜んでたら後のメンバー忘れた。中村ヨシローに鳴尾がスタメン。そして控えには井手口ィィィ!!
Boooooo。昨年は最終ラインでヘマやらかしまくり、トドメに仙台戦ではVゴール振込み。ロン。中のみ百万点。そりゃあブーイングも沸きおこるっちゅうねん。
 でも選手たちでてこない。奥で相変わらずアップはしているが。もう10分前。あれ・・・もう出てこれないぞ。と、ここで佐賀県知事の開幕に当たってのご挨拶。へえ・・・知事が。うちじゃあやらないなあ。続いて鳥栖市長。秋葉は来たことあったっけ。続いて商工会議所長さんのご挨拶。まだあるのかよ!でも商工会て。ローカルっすね。まあスタジアム裏はすぐ商工団地だし。終わる。さてフェアプレー旗が・・・何ィ次は後援会会長だとー!!ムキー長すぎる!これは結婚式じゃないぞ!つーか社長はどこだ!出てこれないかいろいろあったし!!やや気勢をそがれながらもやっとこさ挨拶が終わり、フェアプレー旗が入る。そして両チームの選手が入場!!さあ、始めようか!
 穏やかな日差しのせいかややマターリした立ち上がり。鳥栖はちょっとプレスをかければとたんにパスミスをしてくれる。前節の川崎とはえらい違いだ。プレッシャーもそれほどでもないし。今日はなんとかなりそうだ、と思っているといきなりCKからボレーで叩き込まれて失点。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・またセットプレイからか!なんでフリーでボレーさせるんだ正面で!気が緩みすぎなんじゃコラァ!とか思っていると今度はこっちが左サイドFKゲット。素早くリスタート!は笛が吹かれ戻される。ちぇっ。今度は駒野が向かった。開幕戦2アシストの駒野、今日も頼むよ。ボールをセットした駒野、助走を取りキック!鋭いボールがニアに曲がり落ち、落下点に走り込んだトモがヘッドで反らせ―――ボールはゴール右スミに突き刺さった。あっという間に同点!!駒野キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!今日もカッコええでコマ!いったいどうした!!
 追いついたサンフがペースを握る。圧倒的にボールをキープし、サイドを使って自在に攻める。そして一転中央突破、サンパイオのパスを受けたトモがキープから反転しパス、これを受けた高橋がゴール右スミに鮮やかなミドルを突き刺し逆転した。高橋は前節はちょっぴり不満な出来だったが、今回は良く動くしキープするしで合格点だ。パスがもっと正確ならなおよい。しかし何といってもトモ・エルツェッグ!もうこのレベルだとボールを奪われない。二人に付かれても委細かまわずドリブル突破してクロスやパスを出す。シュートにも行く。フォローが来ても見向きもしない。自分で行く。この日も、前節に続き後方からのフィードをヒールでトラップして自分の前に落とす、というテクニカルなことをやらかしていた。ラボーナはなかった。この個人技全開ぶりは、やっぱり久保の無謀シュートと同じく、調子がいいことの証だろうか。FWはこれくらい「俺様」でなくては。彼の鬼のようなキープで、2列目も飛び出す時間ができ、チーム全体も落ち着いていた。このままレギュラーでいいだろ。
 そのまま前半終了。もう2点は取れるはずだ。ていうか取らな許さん。
 風邪で喉を痛めているので、のど飴を舐めつつ後半開始。
サイドの勝負に完勝を続ける駒野、またもボールを奪うとカウンター、一人で右サイドを切り裂き鳥栖陣内に攻め入ると、右に開いてきたトモにパス!自らはそのままゴール前に走った。トモはそのままタテにドリブルで切り込む。高橋、浩司が走り込んでくる。PAに入るやクロスして一気に飛び込んだ。それを見たトモはふわりとセンタリング!浩司が鳥栖6番鈴木勝大ともつれつつダイブ!ボールは鈴木の体に当たって彼ごとゴールに飛び込んだ。3−1!!よーし!オウンゴールだっ!と思ったが浩司の得点になったようだ。
 大木>茂木。早い交代だ。大木は前節よりも良かった。しかしシュートがなかった。次節に期待しよう。鳥栖も中村ヨシローに代えスピードの大友を投入。しかしサンフの攻勢は緩まない。ここで今日1ゴール2アシストのトモに代え桑原投入。リベロに入って高橋がCFの3−4−3となった。直後に大友のファウルでFKゲット。右サイドなので、浩司が向かう。キック!ニアに鋭いボールが曲がり落ち、飛び込んだリカルドがヘッドでズドム!ゴール右スミに突き刺し、4−1!リカルドはそのままピッチを出るとゴール裏に向かって両手を挙げた。これで勝った!
 サンパイオ>沢田。おおう沢田さんだ、頑張ってくれ。右サイドを茂木がドリブルで突破、そしてグラウンダーで折り返し!それにオーバーラップの沢田が飛び込む!が鳥栖の佐藤が体を張ってブロック、シュートを打たせない。このときの交錯で佐藤が足を痛めてしまいピッチ外へ。これはもう無理だな。と、24番がピッチサイドに出てきた。井手口だ!!来おった!選手交代、6番佐藤に代わり24番井手口!
Boooooooooooooooo
大ブーイング。いやもー井手口くんは悪くないんすよ。昔から「罪を憎んで人を憎まず」と申しまして、決して個人を憎んでいるわけではありません。ひとえにその罪を憎むのです。罪を。ええ罪です。大罪です。「七つの大罪」にも匹敵します。大罪者井手口。許せねえ・・・っ!!あくまで罪を憎んでおります。これ以上ないくらいに。もうチュッパチャップスおごってもらったくらいじゃ許しゃしませんとも。でもあくまで私は罪を許さないだけです。ですので、「井手口井手口クソッタレ!」コールはいけないと思います。昨年、井手口は彼なりによくやってました。ただ精神が脆弱で厳しい戦いに耐えられなかっただけなのですから。インドの山奥で修行しろ。
 なにやら怒りで混乱しているうちにサンフはどうやらパスがつながらなくなってきた。桑原と沢田が入ったことで、気持ちが守備に入ってきたらしい。素晴らしいインターセプトを何度も見せるが、前線に迫力がない。茂木がいまいち精彩を欠いているせいもあるが、やはりトモがいなくなったのが大きいだろう。右サイド鳥栖スローイン。ロングスロー。鳴尾投げる。和多田や上村のそれに比べればヘロヘロなのだが競り合ってこぼれたボールが中央に転がった。走り込んだ川崎元気がフリーでシューーーート。ゴーーーーール。おいおい気が緩んでるぞ締まっていけしかし直後にFK与える。いい加減にセットプレイにゃ気をつけろよキックしてゴール前に飛んで井手口フリーで跳んでヘーーーッドでゲーーーーーット4−3。
 何やっとんじゃ貴様ら!!
今日の失点すべてセットプレイから。前半からFKの対処には高めにラインを張ってゾーンで守っていたが、ボールの来たエリアのやつらはちゃんと責任もって埋めに行けっつーの。ザルにもほどがある。
追いつかれでもしたら、「どすこい喫茶ジュテーム」でウエイトレスに扮して一週間アルバイトの刑だァァァ!!(意味わからん)
 時間は後半43分。さあ、時間稼ぎだ!左サイド深いところで高橋がキープする。2分くらいスローインや何やかやで稼いだが、奪われて速攻を食らい、上村がイエローでストップする。場内は完全に鳥栖ムード。えーいこっちも負けるかとコール!FK!はじき返す。そして高橋がボールを受ける、カウンターだ!一気にドリブルで駆け上がり、DFを振り切りシュート!ノリヲキャッチ。すばやくフィードしてサイドに展開するも、サンフがクリア。そしてスローのボールが入ったところで、ホイッスル!フ〜終わったか・・・サンフが楽勝一転、辛くも4−3で逃げ切った。
 そのホイッスルと同時に向こう側から一斉に拍手が沸き起こった。あれれホームチームが負けたのにあんなに拍手ですか?すごく寛容だなあ。試合前に商工会議所長が出てこられる風土だから、J2ではこういうのもアリかもしれないな。
 選手たちがやや釈然としない表情でやってくる。それも当然だが、勝利は勝利だ。サンフレッチェ・コールで迎える。それにしても、今年はなかなかスッキリさせてくれんなー。次は頼むよ。とか思いつつゴミとか片付けたり、断幕やフラッグ撤収。
 さて帰ろうか・・・ツアー組の方々もバスに荷物を積み乗り込もう、とした時、すぐ近くにサンフのバスが待っている、との情報が。
「まあ勝ったし、声かけていこうや」
ということでメインスタンドアウェイ側裏へ。と、すぐそこにサンフのバスがいた。カズがサインに応じている。広島遠征組がほとんど残っていて、線路脇の歩道にずらりと並んでバスを遠巻きにしていた。
 選手たちが次々に乗り込んでくるので、コール。今日のMOM・トモはすでに乗り込んだ後だったので、コールすると席から立ち上がって応じてくれた。
 リカルド、サングラスをかける。するとあっというまにマフィアのお兄さんに変身!怖いデス!!
 何台か鳥栖の関係者(選手かも)の車が前を過ぎる。関係者駐車場はホーム裏側なのにこっちから出てくるのか?変わってるな。すると今度は鳥栖のバスが向かってきた。そこまでこっち来るのか。敵地とはいえ敵の通過をみすみす見逃すわけにはいかない。ブーイング。井手口がいた。いっそうブーイング。
井手口、ニコニコしてました。
厚顔無恥おおらかなヤツです。まあがんばれ。ここではボランチをやるらしい。DFは怖いからな。
 これにキレたのか、鳥栖サポ二人が因縁をつけに来た。ガンを飛ばしつつなにやら挑発してきたが、広島者にその程度の挑発は柳に風のごとし。こちらは大木のごとくこれを軽くスルーし、二人は警備員たちにもなだめられ戻っていった。しょうがない、バスをこっちから出すほうが悪いっすよ。ホーム側に出さなきゃ。負けても拍手する風土だけに腹に据えかねたのだろうが、こんなことは関東とかでは良くあることだぜ。気を取り直して、出て行くサンフのバスにもういっちょコールして見送り、それから車へ戻る。

 片道でほぼガソリンが空になっていたので、近くのガススタンドで給油し、帰路につく。途中何度も居眠りして生命の危機にさらされたものの、スゲェイカス神さまのご加護もあって無事に帰宅。生きているって素晴らしい。ぼくらはみんな生きている。生きているから笑うんだ。
 結果だけアップして寝る。


3月15日 広島ビッグアーチ 曇
VS川崎フロンターレ

 ついに来た。3月15日、反攻への狼煙を上げる日、J2開幕戦。ホームに迎える相手は川崎フロンターレ、石崎ノブリン監督の率いる超絶現実的フッボーを展開する、天皇杯上位常連でもあるJ2最大のクセ者。今年は新戦力にジュニーニョ、ストロング・ヘッダー、デリー・バルデス兄チャマ、そして極左政党党首アウグストォォォ!!を加えて、「攻めて勝つ」チームへと変貌しようとしております。うちはここと開幕&最終節を戦うわけで、なかなか盛り上がりそうな雰囲気。しかし!こっちにもサンちゃん、リカちゃんとかトモちゃんがいるから負けないぞ。そして日本人選手の陣容はこちらのほうが上!勝つのだ。
 サンフのメンバーも練習試合ではJ1勢に不敗、さらに今年磐田から招聘した生駒コーチのおかげでコンディション上々でこの日を迎えたようだ。が、しかし私のコンディションは連日の激務で見事に風邪。あたま痛い。でも行くのだ。旧ユニを引っ掴んで車に乗る。まだ雨は降っていたが、昼までには止むだろうか。
 家を出たのは9時前。完全に出遅れたので、高速すっ飛ばす。走るうちに雨は上がり、曇り空もやや明るくなってきた。これならもう大丈夫だろう。10時10分過ぎにビッグアーチ到着。それから第一球技場でジュニアユースの試合を観て、ジュニアユースが勝利したのを見届けると、補助グラウンドへ。ここではサテライトとSC鳥取の練習試合が10時30分から行われていた。前半30分くらいだろうか。

GK:尾崎
DF:佐田、西嶋、大久保、沢田
MF:松下、高木、山形
FW:西村、梅田、茂木

SUB:須田、木村、田中

 河野はアップ中に負傷してしまい出場せず。ホゲェー!選手名鑑写真で凄かったそのあたま確認したかったのにい。そのために西嶋がセンターバックに。もとはFWとかトップ下のタイプなのに、大変だな。もっとアピールして中盤で使ってもらえ!この日は佐田が右、沢田さんが左に入っている。高木はボランチ。U−20で出遅れた大久保とモギーも元気に出場している。
 左サイドでFKゲット。松下が向かう。おめー今年こそ頼むよ。キーック!鋭いボールがやや高めに打ち出され、そこからグングン曲がり落ちながらゴール前に落下する。来た!そしてそのボールに大久保が跳ぶ!
 ゴール!!大久保が両手を広げてアピール。松下の精密プレイスキックから、サテライト必殺パターン炸裂だ。
しかし!公式記録では松下の直接!!ウソはいかーん大久保!!
「これで何点目です?」
と知り合いの方に聞く。
「1−0」
何ィ―――!!(ガビーン)もう前半も30分回ってるでしょ?
「いやもう全然ダメ」
ダメ・・・うおお確かに。
 鳥取はすばやい出足でプレスをかけ、サイドに散らして速攻を仕掛ける。それに若いディフェンス陣はあたふた。河野がいればコーチングしてなんとかなるのかもしれないが、ルーキー大久保に慣れない西嶋ではそれも望めない。松下は松下でさっぱり守備の役に立たないので、山形や茂木、梅田まで下がってきて守備に参加している。ゆえに反撃時にも前にプレイヤーがおらず、中盤でつなごうとするうちにプレスの餌食になってしまう。全体的に動きが緩慢で、「前線の激しい動き」のかけらもない。ベテラン・尾崎さんも豪快にミスキックして「あー!」と叫んだり、頼みの沢田さんも絶好のサイドチェンジのチャンスにショートパスを出してしまってあとで謝る始末。鳥取にサイドをあっさり破られクロス!が連続。それからの精度がないためなんとかゼロでしのいではいくのだが・・・茂木は鋭い突破を見せるのだが、いかんせんパスが出てこない。大久保がさかんにオーバーラップするが、チャンスにつながらない。西村がどうにも機能していない。去年の輝きはどこへ行ったのやら。とりあえずその金髪は似合わないと思います。もう超絶マターリした雰囲気にもうはやくキムタツくんを出してくれと思い始めた。あ、そういえば高萩くんは?
「ユースの御殿場遠征に行っちゃってていない」
ふぬー!つまらん!しばらくユース談義や「昨年えふまりにいた7人の“ダイスケ”の名前当て」などしているとサンフがCKゲット。山形がセットし、すばやく蹴る。鋭いボールがゴール前に、中央競るが誰も触れない、ボールはファーに流れ・・・鳥取の2番がクリアしようと出した足に当たり、ゴールに飛び込んだ。オウンゴール。2−0。
しかし脱力。
 そのまま前半終了。しかし盛り下がる展開だ。しまった、あのままサンフみろくの里のゲームを観た方がよかったか・・・
 後半も同じような展開。守備に忙殺される展開で、それでも鳥取のシュート精度のなさに助けられていたが、ついにきれいな速攻を食らって失点してしまった。ナイスゴール2−1。
 ここでついに選手交代。西村・山形に代わって木村龍朗と須田剛史イン。すると直後、下がってボールを受けた梅田からのフィード、左オープンスペースに走る須田にピタリ!鳥取DF陣オフサイドアピールも旗は上がらず。須田はそのままドリブルで突進し、PA直前でDFにつかれるとフェイントでシュートコースを空けすかさずシュート!これはDFが足でブロックしたが、ボールはPA外正面へ転がる、そこには龍朗、ボールを止めるとすかさず左足一閃!
キムタツ、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ボールはGKのセーブも及ばずゴール右スミに収まった。3−1!おっ、これってプロ入り(非公式)初ゴール?昨年ユース3年のときはサテライトのゲームで得点を決めてたけど。あとはトップに上がるだけだ。彼はそれからもトップ下でボールをリンクしたりチェイスしたり視野の広いパス出しで
 その後、相手タックルでやや足を痛めた茂木に代わって田中俊也投入。一度決定的チャンスを迎えたが、ボールコントロールを誤ってシュートにいけず。惜しい。交代した西村と茂木が談笑しながらトラックを走ってくる。黒いベンチコートを羽織り、両手をやや広げちょっと前傾姿勢でぺたぺたと小走り・・・
先生!ペンギン二羽が走ってきます!!萌えます(特に茂木。ペンギン走りは西村のほうが上手かったが)!!
 そのうち試合終了。え−と、ちょっとテンション下がりやんした。そんなこっちゃあ、レギュラー奪取など夢のまた夢だ!でもキムタツないすシュート。
 それからいったん車に戻り、準備を整えてビッグアーチ前へ。するとそこに
サンフのフラッグを持った巨大なティラノサウルス・レックスがァァァ!!
しかも胸には「ぼくも応援します」って書いてあるゥゥゥ!!
いやそのなんだ、あんた誰?
 年間パスを購入。まだ買ってなかったです。なんでも現地調達な性格なもので。昔の戦争みたいですが。
辺りを見ると、今年のユニ「Your Voice」バージョンを着た人が多い。特に女性。7番。浩司大人気。
何で?細かいことが気になると夜も眠れねえ。男性は8番が多い。ここらへんは男女の嗜好の差か?
誰か研究してもらいたい。女性はほかには9番が目立つ。一人、2番の人がいてびっくりした。
リカルド・カバルカンテ・リベイロさんですクワ?あなた渋すぎですッ!!
 いそいそとスタンドへ。すでに開場しているので、サテライト観戦時に気になっていた長大な行列はない。さっさとゲートをくぐって帽子をもらってスタンドへ!
 うわ!多い!!試合開始1時間以上前ながら、B6下周辺はすでに埋まりかかっている。バックスタンド側もかなりの人出だ。このまま行けば1万人は軽く突破するだろう。J2、相手が川崎(といってもJ2最強クラスだが)、さらに降水確率の高い曇天というシチュエーションの中、素晴らしい。あの森崎兄弟のCMの効果だろうか。あの至近距離からのダイレクトパス交換、まさに双子電波のなせる業だよね。アナザーディメンション。オーロラビジョンにもそれが流れる。
 開幕ということでオーロラビジョンには小野監督や新戦力とかのメッセージが流れる。大久保は堂々とした受け答えだったが、その後に出てきたキムタツは、「ちょっとトチって照れて振り返ってしまう」という、女性ファンをさらに増やさんとする作戦を展開していた。
 それから、新曲“The Road To Champ”お披露目。FJK(ファンキー・ジャム・キッズ)が振り付けで踊ったのだが、ゆったりしたこの曲に踊りはまったくのミスマッチ。考え直してもらいたい。あと、エディ・トムソン元監督に対する黙祷や喪章の着用、言及すらなかったのはちょっと・・・川崎には縁もゆかりもないから黙祷はないにしても、彼に対する言及、そして選手たちの喪章着用はあってもよかったんじゃないかな・・・逝去から20日以上経ってるとはいえ、クラブの恩人ではないか。あと、例年開幕戦では選手たちがスタンドそばまでやってきてボールやタオルなどを投げ入れてくれるんだけど、今年はなし。スタジアム外でのイベントは多かったけど、スタジアム内ではイベントなし。いかがなものか。まあでも試合には関係ないけどね。
 さあ、スタメン発表だ。でもブラジル勢の名をフルネームで呼ぶのはやめれ。長すぎて間のびする。
20大木
>10トモ
SUB=GK21林、DF18八田
7浩司 9高橋
>4桑原
23ハンジェ
>13松浦
6サンパイオ 8カズ
17服部 2リカルド 19上村 5駒野
1下田
 川崎はGK吉原、DF箕輪、渡辺、伊藤、MF茂原、山根、塩川、アウグスト、ジュニーニョ、今野、FW我那覇。
主力の鬼木、寺田、バルデスは負傷欠場。しかし大分より移籍の元サンフにしてノブリンの教え子・山根が中盤の底にいる。さらに超攻撃的サイドアタッカー・アウグストとパルメイラスのジュニーニョが不気味だ。あと我那覇。なんか神戸を髣髴とさせる布陣だ。
 サンフの選手が出てくるのがかなり遅かった関係で、試合開始までの間がえらく短かった。14時4分、キックオフ!! 
 立ち上がりは一進一退だったが、徐々に川崎が押し込んできた。バックラインを大胆に押し上げ、中盤で嵐のようなプレスをかけ、ボールを奪って速攻を仕掛ける。川崎が守備的にくると思っていたのか、サンフは完全にその勢いに呑まれてしまった。中盤でのパスはことごとくカットされるのでカズはほぼリベロの位置で守備に忙殺され、両サイドも裏を取られるのを恐れて上がっていけない。サンパイオが必死にキープしさばくものの、前線の連動がまったくなく、そのためそのうしろでハンジェがただ無駄走りするだけ、という状況に。バックラインからロングボールが出されるが精度がまるでなく、それを拾われてまた速攻を食らう、という悪循環。
変わってないーっ!!(ガビーン)
昨年の悪いときそのまま。J1チームと練習試合やって結果出したけど、所詮プレスのかからない状況でのことで、ちょっとプレスがかかればもうこの体たらくか!!駒野のクリアミスからジュニーニョがドリブルシュートを放つが、ここは下田がファインセーブではじき出す。しかし中盤でキープした浩司を川崎が二人で挟み込んで倒す。足が明らかにかかっていたが、主審はこれを流した。目前で見ていてすさまじいミスジャッジをするものだが、とにかく川崎はこれをすばやく前線へスルーパス!我那覇が抜け出し、下田の脇を抜く鋭いシュートであっさり先制した。
 これでさらにあたふたしだしたサンフ、攻撃が中へ中へ集まり、さらにプレスの格好の餌食に。サイドに開けよう・・・川崎はセットプレイから箕輪のヘッドでサンフを脅かす。さらに主審は不可解な判定を繰り返す。下田がファインセーブでラインに逃げたプレイに、目の前で見ていたにもかかわらずゴールキックの判定。あんた何級審判?J2ってこんなのばっかりです?フー・・・
 こっちはといえば大木はまったくキープできないし、高橋はどこにいるかわからない。何とかしようと走り回るハンジェが不憫に思えてきた。服部がドリブルで左サイドから中央に切り込みミドルシュート!大きく外れたが、これがファーストシュートだった。
 それでも川崎のプレスが緩くなってきた30分過ぎから何とかなりそうになってきた。大木のミドル!はGKががっちり抑える。そしてFKからカズがボールを受ける。右を駒野が上がる。高橋がそっちを指差した。カズ、右オープンスペースへパス!駒野がトップスピードで走り込む。そしてダイレクトでクロス!!あああトラップしてからでも・・・しかしクロスは素晴らしい軌跡を描いてゴール前を横断、大木、ハンジェの上を超え―――高橋の上へ。高橋、ジャンプ一番強烈にたたきつけるとボールはワンバウンドしてゴール右スミへ!!1−1同点!
 そしてまもなくハンジェ>松浦。彼が左シャドーに入り、浩司がトップ下に回った。肩を落としてベンチに下がるハンジェ。今日は大木と高橋がひどかった。そう気にするな。しかし早い決断だ小野さん。
 カズは中盤から最終ラインにわたってボールをキープしつなげる八面六臂の活躍。前半終了間際、右サイドで二人を相手にすさまじいキープをしていたときの身のこなしは、比喩でも何でもなく中田英寿そのものだった。ほどなく前半終了。
 いやまあとにかく大木と高橋を下げて早いとこトモとクワさんを入れてくれや、と思いつつ後半開始。前半よりはマシになったが、川崎のプレスが復活しまた川崎ペースに。ジュニーニョが変幻自在の個人技で上村を幻惑する。カズやリカルドの見事なカバーリングで何とか防いでゆく。松浦はドリブルからのシュートがあったものの、なかなか裏へ飛び出すことができずやや孤立気味。もっと自分からウラへ要求しろ。服部には厳しいマークがついていることもあってなかなか思うように動けない。
 その中まったく機能しない大木に代えついにトモ・エルツェッグ投入、さらに高橋を下げ桑原投入、浩司をFWに戻しカズをトップ下に!この交代がピタリと当たった。トモは高いキープ力でボールを落ち着かせ、桑原が鋭いチェイスでボールを奪う。そして前線でのチェックからボールを奪ってカズがボールを受け、すかさず右の駒野へパス!駒野はドリブルで持ち込むとクロス!またもや鮮やかなボールがゴール前に曲がり落ち、DF2枚の間に走り込んでいたトモがスタンディングヘッド!ゴール右上スミに正確にコントロールし、2−1逆転!思わず叫ぶ、
「神!今日の駒野は神!!」
いまだかつてこんなカッコいい駒野があっただろうか!!いや、ないッ!!
断じてッ!!

 これでサンフペースになった。前掛かりになった川崎の裏をトモが突きまくる。背後のボールをヒールでトラップして自分の前に落としたり、左に流れてラボーナでセンタリング上げようとしたり、ボールを受けるとすばやく足の裏でコントロールしてDFを幻惑するとマタ抜きのスルーパスを放ったりと奔放にプレイ。素晴らしいキープからCKをゲットするとスタンドに向かって拍手したりとファンサービスも忘れない。いいね。駒野も乗ってきたのか、ゴールライン際までドリブルするとそこからさらに一人かわして切り込みシュート!GKセーブ。この場面、ニアのトモがフリーでボールを要求していたが、個人的にはトモに折り返して3アシストを達成してほしかったなあ。
 そんなこんなで押し気味に試合を進め、こりゃあ勝ったなあと思いつつロスタイム。川崎の右CK。ここさえ守れば勝ちだ。キック!いいボールが中央へ。ヘッド!下田が跳ぶ。あれあれ?と、ボールが妙な弾道を描き、ゴールネットが揺れた。何だ!?主審がセンターサークルを指差す。ゴール!!2−2!なーにー!!
 川崎ベンチから興奮した選手たちがピッチ内へ飛び出してくる。主審がそれを制しに向かう。最後の最後にやられるかーーーー!!なーにーやってんだあーーーーーーー!!さらに川崎は前掛かりになったサンフの隙を突きカウンター!ジュニーニョがドリブル突破、最終ラインを突き破り下田と一対一、シュート!ボールは下田の脇をすり抜けファーへ、川崎の選手飛び込む!うぎゃー!しかしカバーに入った選手がなんとかクリア、かき出す。ほどなくホイッスルが吹かれ、サンフのJ2開幕戦は2−2のドローに終わった。
 大ブーイングが響き渡る。まー当然だ。ホームでロスタイム失点で追いつかれるなんて、マヌケ以外の何ものでもない。そんなことばっかりやってると、J1昇格など夢のまた夢。後半途中までの惨い出来も合わせて、猛省を促したい。今まで用意してきたことはなんだったのか。前線が激しく動いてスペースを作り、そこへ後方の選手が次々に飛び込むという攻撃サッカーはどうしたのか。精神力は鍛えられたのではなかったのか。相手がJ1のチームだったら、確実に屠られている。このままJ2の水に漬かりやがったら許さん。そのときは青木ヶ原樹海でのサバイバルキャンプを申し付けたい。淡路島では手ぬるい!
 とりあえず、今の自分の中でのベストメンバーは、
GK:下田
DF:八田、リカルド、上村
MF:桑原、サンパイオ、駒野、服部
FW:カズ、トモ、浩司

大木と高橋など使えん!!森崎兄弟のほうがよっぽど信頼できる。
中盤にはクワさんの運動量が必須!!最終ラインには八田のフィジカルと高さが必要!
これならどことやっても2−0くらいで勝てるだろう。ふん。
バス待ちに行くと、昨年までは聞かなかった黄色い歓声が響いていた。ここは広島ですか?
まあ、なんにせよ、今日は、
「あのですねェ J2もろくすっぽごらんにならないで全勝優勝とはどういうことですかねェ
いいですか・・・
とっても悔しくって帰っても録画を観にくいでしょうけどもう一度よーく見てください」
「アリガトゴザイマーーース!」

という、「バオー来訪者な感じ」だった。
帰って観てみると、まあそれほど内容は悪くないと思った。内容はね(あくまで途中からの)。結果はよくないけど。

次、何とかしろ。それとも、ユースの高萩の力が要るか?