むらさきぐま日記2002.ver.2


3+1勝2敗。


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11月23日 広島ビッグアーチ 晴
VS柏レイソル

 来た。ホーム最終戦にして、残留争いのためには絶対に絶対に絶っ〜〜〜〜〜〜〜対に負けられない一番、柏戦。5時に目が覚めた。しばらくの間はうとうととまどろんでいたが、NHK−FMの「ウィークエンド・サンシャイン」が始まったので本格的に目を覚ました。洋楽には疎いけど、ピーター・バラカンさんの味わい深い語りが好き。シャワーを浴びてスッキリし、ちょこっとネットに繋いでサーフして切ってMIDIを何曲か聴く。

It's the time to take a chance! 派手にキメるぜ デリシャスな勝利が 俺を待っている

「セクシー・アドベンチャー」(ルパン三世PartV主題歌)を聴いてからPCの電源を落とし、荷物を整えて家を出た。カバンの中にはゲンかつぎの『Jドリーム飛翔編』文庫版第5巻を。なぜかというと、あの「ラ・マンチャ」のエピソードがあるからだ。
「やってみなきゃわからないんだ 『愚か者』になるか『勝利者』になるかは!」
その通りだぜ、シン!勝点差6を引っくり返す!
 雲ひとつない快晴。たくさん来るだろう。でもちょっとはカープのファン感謝デーに流れるだろうな・・・何で今日やるんだよ。まあそんなことはどうでもいい。絶対に勝つ。「危険な夢と云われても、スリルの為に全てを俺は賭けてもいい」、ってもんだ。
 ヨーゼフ・ハイドンの《ミサ・イン・テンポレ・ベッリ(戦時のミサ、通称パウケンメッセ【太鼓ミサ】》アーノンクール指揮コンツェントゥス・ムジクス・ウィーン&アルノルト・シェーンベルク合唱団(テルデック・レーベル)をトレイに入れて聴きつつ途中給油して三原久井ICへ。ミサ曲のくせにすこぶる勇壮で、戦意昂揚にはピッタリだ。以前歌ったことがあるので、歌いながら行く。

cujus regni non erit finis, non! non! non erit finis, non! non erit, non erit finis!(その王国は終わることなし!)

サンフも終わりませんよ。
 聴き終えると、もひとつゲンかつぎのメンデルスゾーン《エリヤ》を。この日は、ライプツィヒ放送合唱団&イスラエル・フィル、クルト・マズア指揮のテルデック・レーベル盤。繊細にしてパワフル、子音がきっちりと揃った精緻なアンサンブルのライプツィヒ放送合唱団に、世界最強の弦セクションを持つイスラエル・フィルが合わさり、ライヴらしい白熱の演奏を繰り広げる。
 小谷SAで尾道ラーメンを食って、ビッグアーチへ。10時50分に五日市ICを下り、11時ジャストにビッグアーチ前駐車場へ着いた。試合開始3時間前だが、すでに埋まり始めている。日差しはやや強く、セーターを着ていると少し暑いくらいだ。
 さっさと入場口へと。開場は12時だが、すでに列ができている。じゃあさっさと時間早めて開けてくれんかな・・・しかし警備員どもはそこまでの権限と融通を持ち合わせていないらしく、どんどん長くなっていく列の整理のみで12時まで引っ張った。全く、なってないな。客のことを考えない仕事など、価値なしだ。隣の予備グラウンドの周辺を、本日ベンチ登録外の選手たちがランニングしていく。本を読みながら我慢して、時間が来てやっとこさ開いたのでさっさと入る。
 スタンドでは半旗掲揚。一昨日薨去された高円宮憲仁親王殿下に哀悼の意を表している。日本サッカー協会名誉総裁であり、サッカーを心から愛されていた。エピソードとしては、W杯、ベルギー戦にてベルギー王太子殿下らとともに観戦、得点シーンなどでガッツポーズを披露したとか。自らもフットサルチームをお持ちで(チーム名は“Tono”だそうだ)、自らもプレイ。先日のよさこい高知国体中にも日本サッカー協会チームを率いて高知県サッカー協会チームと親善試合を行い、背番号11を着けて出場、2ゴールを挙げられた(こちらで殿下の勇姿を見よ!つーか何でカワブチがGKやってんだ)。日本一エクセレントなサカヲタであらせられた殿下のために、半旗と喪章、試合前の黙祷は至極当然のこと。この試合も、雲の上の殿下に照覧いただくに相応しいゲームにしたい。
 ピッチでは、フォリアチャレンジ・福山地区トレセンVS三次地区トレセンが行われていた。前半は伯仲の展開。そういえば入場のときにJリーグチップスもらったな。誰だろう。柏の選手だったら踏んづけてグリグリしてやるう。

JEFUNITED 17 KUSHINO

何ィくっしー!!いやしかし日本を代表するファンタジスタ(GKだけど)の一人、これはこれで価値がある。でなんて書いてあるんだ。

思い切った飛び出し、安定したキャッチングが魅力の守護神。接触プレーを恐れない強いハートを持ち、ルーズボールへ積極的にアプローチしチームのピンチを救う。キックの精度も高く、

何ィー!!!(ガビーン)
ちょっと待て。ファンタジックで予測不可能なくっしーキックが「精度も高く」?精度・・・多分このライターはいつもくっしーとかのキックばかり見てるからあれが普通と思ってるんだろう、うん。いやでも今日は神戸との対戦だし、くっしーにも頑張ってもらわにゃならん。あ、浦和戦で負傷したんだっけ!早く治して!!ハニー(羽生)も頑張れ。できれば札幌にも最後の意地を見せてもらいたい。次節は見せなくていいからね。
 B5.5のヨンチェ総帥にご挨拶。こんど上層部様にくっついてサンフの秘密会合に潜入するとか。
いい外人獲ってって言っといてくださいよ」
とお願いする。さっき食べたラーメンだけでは何なのでカレーを買ってきて食べる。
「カツカレーを買わにゃ〜」
と総帥。でも、肉類は運動の前にはいけないんですよ消化が悪いから。炭水化物でOKです。食べる。なんか給食のカレーを想起させる「甘くてもったり」な食感だった。
 後半、福山地区トレセンは攻撃が爆発、前線の9・10・11トリオが立て続けにゴールを決めて快勝した。いいぞ福山!さてB6へ。
 B6上下が一体となり、B6下は非常に密度が濃い。ゴール裏からバックスタンドまでほぼ埋まりかけてきた。前回ここでみんなを落胆させる試合をしてしまった(神戸戦)にもかかわらず、それをすでにはるかに上回る人出。これだけサンフを気にかけてくれる人が来ているのだ、絶対に勝たねば!
 柏の選手が出てきた、しかしサンフの選手はなかなか出てこない。ようやくGKの下田と林が出てきたが、フィールドプレイヤーはまだだ。まだ中でアップしてるのか?両チームの登録選手が発表されたが、まだ出てこない。やっと出てきた!頼むぞ!
 スタメンは、
GK下田、DF八田、上村、駒野、MF沢田、カズ、桑原、浩司、FW大木、久保、茂木。
3−4−3。服部と藤本が累積警告で出場停止のため、左サイドハーフに浩司が回っている。
リザーブはGK林、DFトゥーリオ、MFハンジェ、FW高橋、エルツェッグ。
U−23北朝鮮代表リ・ハンジェが前節に続きベンチ入り。
 対する柏は、前節、追撃の同点ゴールを挙げた腰骨シューター田ノ上と、中盤の支柱セザール・サンパイオを累積警告で欠く。
GK南、DF根引、永田、薩川、MF渡辺光、落合、明神、平山、リカルド、FW玉田、エジウソン。
新星・宇野沢はリザーブにもいない。ただ加藤望・大野・北嶋という曲者が控えている。延長突入時点で残留が決まる柏は、とにかく90分0−0でいいわけだから、堅く守って攻撃はカウンター一本と予測され、それはツートップに俊足二人を並べたことでわかる。
 14時が来た。試合開始前に黙祷・・・そして、キックオフ!!
 それからの記憶は飛び飛び。声を張り上げるのに精一杯で、ピッチの中のことはよく覚えていない。
 予想通り、サンフがボールを支配して攻め込み、柏がそれを防いで速攻、という展開。スリーバックは連携良好で破綻を見せず、中盤は桑原が激しいプレスをかけ柏に自由なパス回しを許さない。カズはちょっと持ち過ぎたりパスミスをしたりという場面があったが、守備ではいいボール奪取を何度も見せた。沢田は積極的で、どんどん前線へ飛び出す。浩司も左サイドで基点となり、駒野の上がりを引き出す。上村がオーバーラップしアーリークロス、ゴール前走り込んだ久保がDFに競り勝ちヘッド!ゴール右スミに飛ぶ、しかし南が左手一本でセーブ!CKから上村のヘッド、南正面!前節稲城サポーターに向かって中指立てたらしい南、ゴールを許さない。駒野>久保>大木とダイレクトで繋いでシュート!左に外れる。沢田シュート!GKセーブ!
 大木がピッチ外に出た。ダメみたいだ!怪我か!?高橋が呼ばれた。大木はベンチに入ることなく、担架で運び出される。おいおい・・・大丈夫かよ!高橋イン。前線でキープできる大木がいなくなったのは痛い・・・高橋、頼む。アーリークロスに久保が競り合い落ちたボールを高橋がダイレクトボレー!上に外れる。サンフは単発的な柏の攻めを的確に封じ込めて(柏の前半シュート数はゼロ)攻めるものの、ゴール前に人数をかけてしっかり守る柏の前になかなか決定機を見出せない。そのうち前半が終了。攻めているものの0−0、柏の思い通りの展開のまま後半へ入ることとなった。
 仙台の仙台VS札幌は1−0で仙台リード、そして臨海の市原VS神戸は1−0で市原リード!(と思っていたが実はこの時点では0−0。後半終了直後に他の人の携帯で知った記憶と混同してました)さあ後半キックオフ!
 後半もサンフが攻める!浩司のCK、こぼれをカズが体を倒してミドルシュート!抑えの効いた強烈なシュート、南飛びつくが届かず!やっ・・しかしわずかにバーの上!くそーーーーッ!中盤のパスワークから右サイドの沢田へ。沢田持込み、クロスと見せかけ強烈なミドルシュート!!逆を衝かれた南、とっさに反応して手に当てるも、ボールはポストに当たってゴールの中へ、その寸前倒れた南の足にボールが当たってボールはゴール外へ跳ね返り、南はそれを押さえてノーゴール!!周囲から「今のはライン割ってる!」「ゴールじゃろうが柏原ァ!!」と怒声が沸き起こった。B6でも収拾がつかなくなりそうだったが、「静まれ!今のはノーゴールじゃ!!気を取り直して応援すっぞ!!」というTATSUさんの声で、再びコールに入る。それが通じたのか、それから間もなくのことだった。
 左サイドでボールキープ、中央へ回そうとしたところで柏の守備に引っかかったが、その時茂木がすっと飛び出してボールを奪う。そして右の久保にはたいて前線へ飛び出す、右サイドの久保はダイレクトで中央駆け上がる高橋にパスしてダッシュ!高橋はこれもダイレクトで右へ浮き球のパス!これが久保を飛び越え、いつの間にかそのすぐ外まで猛然と駆け上がってきていた沢田の上へ!沢田胸でトラップ、前へ落とすとバウンドとステップを合わせる。「撃てーーーーーっ!!」と周囲で声が上がる、沢田、迷わずシュート!!
ゴーーーーーーーーーーーーール!!
南の上を破ったボールが左サイドネットに突き刺さる!ゴール前に詰めていたスリートップが一斉にガッツポーズして旋回、沢田の元へ!沢田、凄まじい形相で魂の雄叫び!!サワケン、キタ━━━(゜∀゜)━( ゜∀)━( ゜)━( )━(゜ )━(∀゜ )━(゜∀゜)━━━!!!!軌跡もスピードもまさに稲妻のようなダイレクトパスからの、豪快無比のゴール!そしてこれがサンフの通算500ゴール!力と技の風車が回るサンフのナンバー3・沢田謙太郎のメモリアルゴールは、古巣・柏の思惑を粉々に打ち砕く一撃!!スタジアム激震!!!
 サンフが一気にペースを上げた。直後の柏の反撃も押さえ込むと、再び攻勢に出る。そしてまたも左サイド押し込み、いったん戻して中央に戻そうとする、これを柏にカットされ、ボールは左の平山の下へ。平山、ワントラップして一息つく。その一瞬が致命傷となった。
 沢田が瞬速の飛び出しから一撃でボールを奪取!近くにいた久保がボールを受け、ゴールめがけ猛然とドリブルに入る。沢田はそのままタテに突進!DFが一人つられる、残り二人は久保に気を取られる、そのウラから高橋が上がってきた、久保、スルーパス!ボールはDF2枚の間を切り裂き高橋の前へ、高橋右アウトサイドでトラップ、完璧に支配下におさめる、目の前には南のみ、一対一!高橋、右足を振り―――
ゲーーーーーーーーーーーーーット!!!
スタンド再度沸騰!!ユタカもキタ━━━(゜∀゜)━( ゜∀)━( ゜)━( )━(゜ )━(∀゜ )━(゜∀゜)━━━!!!!南の動きを冷静に読みきり、逆を衝いてゴール右スミに流し込む!彼らしいクールなゴールで突き放す!ていうかこの試合もらった!あと1点奪って柏との得失点差をチャラにしてやれ!!
 柏は大野、加藤望、北嶋を相次いで投入、ペースを変えようとしたが、すでにスタジアムぐるみでサンフの勢いに呑まれてしまった柏にはなんのカンフル剤にもならなかった。沢田は完全に平山を抑え込み、桑原が凄まじいプレスでボールをカットしまくり、ポジションチェンジした森崎兄弟が前線にボールを送り続ける。茂木に代わってエルツェッグ投入、柏ディフェンスにプレッシャーをかける。久保のシュート!高橋のシュート!決まらない。あと1点取れ!サンフはそれからも攻め続けたものの、柏のゴールを三たび揺らすことはできず、そのまま2−0で試合終了!3点取れなかったけど、勝った!やればできるじゃねえかよーーーーーー!!そして他会場の結果確認・・・

仙台2−0札幌 得点者:マルコス2
ちっ。
市原2−0神戸 得点者:大柴、ミリノビッチ
市原やったーーーーーーーーーーーーーー!!
ほんに市原には、勝点6いただいたり残留争いライバル叩いていただいたり、もう頭が上がりません。ありがとー! 
 沢田さんのヒーローインタビュー、続いてマン・オブ・ザ・マッチ受賞。そして、電光掲示板に他会場の結果が出る!スタンドが大歓声!!市原コールが巻き起こった。そして、ホーム最終戦ということで、木村監督の挨拶、そして選手たちのトラック一周。快勝にみんな笑顔だ。ビロングはコールにあわせて踊っている。さすがアフリカン。で、ここでアクシデント発生。トラック一周ということで当然柏サポのほうにも行くわけなのだが、ここで柏サポが選手たちにペットボトルなどを投げつけ始めた。何しやがるんでしょうねコイツらは!!誰にも怪我はなくてよかったが、負けた腹いせにかような狼藉に及ぶとは!!さらに注意に行った者に乱暴を働くというフーリガンぶり!!昨年は鹿島を迎えて4−1で最終戦を飾ったけれど、鹿島サポたちは奥野さんをスタンドに引っ張り上げたりしてほのぼのとした雰囲気だったのに。状況が状況とはいえ、許されることではない。そんなことはホームでやれホームで。アウェイでそゆことするんならホームではさんざんやってるはずだしな。高円宮殿下もお嘆きに違いないぞ。ホントに不敬罪で車裂の刑に処してやりたいくらいだ。クラブも、ネクストもいいけどまず彼らにマナーというものをインスパイアしてやらにゃいけませんぜ。その前には、柏の選手に文句を言いに指定席ゾーンに無断に入り込んでくるし。ふつうは励ますもんだろう。

柏「やれやれこういうときはハゲますもんだぜ・・・『まだ勝点3のリードだ、まだ1節残っている、ガンバレ レイソル」ってな」
サポ「何を考えているんだ・・・?いくらおまえの「エジウソン」が超高速な動きができるといっても優勝争いに無縁のチームがガンバに勝てると思っているのか?何を考えている!?レイソルッ!いったい何を考えているんだッ!」
柏「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
西野「レイソル、仮に・・・惨敗を装って このわたしを油断させるって作戦なら無駄だと忠告しておこう!(ちなみにサンパイオと『惨敗を』でダジャレかましているわけではないので念のため。それは早野の役だ!)」


とか、ちょっと緊迫した状況の中JOJO的なこと思ってました。
 それは冗談として正直、
「広島者(もん)に手ェ出しよって、ホンマならブチ回して太田川に沈めちゃるとこじゃコラァ!!」
ッつー気分ですがね。今までビッグアーチに来た中で最悪の人間たちでした。引き合いに出して申し訳ないが浦和以下。彼らもゴミを拾って帰るなどコアサポのマナーはすごくよかった。ヤツらは散らかしたものをそのままほっといて帰りました。ホントにもう来るな。ケンカしたいなら他のところでやれ。広島者に勝てるなら、ね。
 ま、そんな程度の低いことにかかずらっている暇はない。つぎは最後の戦い、札幌戦。2点差以上で勝って、あとは運命の定めるところに従おう。
 試合後はゴミを拾う。人が多かったけど、ゴミもそれに比例して多かった。
みんな、ゴミは自分で始末しましょう!!特に大人の皆さん!!子供に手本を!!
 それから外に出てバス待ち。久保は一番に車に乗って帰っていった。コールすると、満面の笑み。次、ゴールで締めてくれよ!次は藤本。たぶんスーパーサブになるだろうけど、トドメの一撃頼む!
 選手たちが三々五々出てくる。茂木は相変わらずリアクションが素朴で、いい。真鍋さんがカーテンコールよろしく、出てくる選手を引き出して挨拶させる。そして、サンフレッチェ・コールに包まれバスが出て行った。
 でも、幕はまだ下りてはいない。クライマックスの次の一戦、奇跡を起こす下地は整った。あとは奇跡を起こすだけだ。
 帰りも、小谷SAで一息。TVでは磐田VS稲城の一戦が。もう18時なのにまだやってんのか延長か!ガンバは延長勝利のため引き分けでも完全優勝決定だが、磐田は攻める!とても延長とは思えない精緻なパスワークで攻め倒す!西が隊長が撃ちまくる!そして最後は福西ィィィ!引き分けでいいのに勝たなきゃ気がすまない、そして勝ってしまう。まさに王者。いや、脱帽ですネ・・・と湯浅風に思って帰った。



11月16日 基町クレド・ふれあい広場 曇
VS鹿島アントラーズ

 午前中はちょっくら仕事。入らなければ、カシマへと突撃してたかも・・・まあそれはともかく、この日は基町クレドのクレドビジョンでもBS放送がある。同じ観るにしてもこっちのようがよかろう。みんな来るだろうし。まだ12時過ぎ、急げば間に合う、いっくぜー!
 J・S・バッハのミサ曲ロ短調BWV232(ガーディナー盤)をトレイに入れる。
「Kyrie! eleison! Kyrie eleison!!」
主よ憐れみたまえ。グローリアまで聴いたところでハイドンのテレジア・ミサ&ネルソン・ミサ(ヴァイル盤)のCDを入れ、聴きながら山陽道を走っていたのだが、そのうち猛烈に激烈に眠くなってきた。まずい、意識が。相当疲れてんのかオレ。まあ確かに体が相当だるいけど。このままじゃ死む。派手に中央分離帯に突っ込んだりF−MEGAみたいに回転しながら前の車に激突したりしてして絶対死む。ここは一時撤退。
 小谷SAに入る。13時10分。10分くらい横になって、急いで行こう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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 あ、あれ・・・?13時・・・55分・・・?しもたーーーーーーーッ!!寝てもーた!急いで車を出すが、頭の中が一向にはっきりしない。あああ〜ダメだあ〜・・・今度は奥屋PAに逃げ込んで横になる。ちょっと寝る。20分後目が醒めた。起きようとしたが、なんと体が動いてくれない。意識は起きているが体が起きてない!相当キてるな、疲労のほう。何か食べよう・・・というわけで、数分後にやっと起き上がって売店に行き、マヨタコ食って暖まり、頭もようやくスッキリしたので急いで広島へ。
 メンデルスゾーンのオラトリオ《エリヤ》を聴きつつ行く。今回はバイヤー・レコーズレーベルのカール・フリードリヒ・ベリンガー盤。ヴィンズバッハ児童合唱団の、歳に似合わぬ硬派で精妙なハーモニーを堪能。そうこうしているうちに15時を回った。どうなってるかな・・・まだ0−0かな、まさかリードされてないだろうな・・・クレド前を過ぎる。クレドビジョンの前に紫色の一群がいる。挙動からすると白熱しているようだ。同点・・・かな?

 駐車場に車を止め、急いで走っていく。でも体が重いイイイ。そしてそごう前を大回りしてクレド前へ。ビジョンを見る、そこに記されていたスコアは・・・
広島2−0鹿島
うそ!勝ってる!しかも2点もオオオ!?しかもまだゼロに抑えてるゥゥゥ!さらにカウンターを面白いように繰り出してる〜!
Tomoさんに訊くと、大木と浩司の得点とのこと。
 サンフの布陣は、
GK下田、DF駒野、上村、八田、MF沢田、桑原、浩司、服部、FW茂木、久保、大木。
駒野をセンターバックに置いた3−4−3だ。小野コーチがユース代表コーチをやっていたころの形(駒野は左サイドハーフだったけど)。
 鹿島は逆転優勝の可能性に賭け遮二無二攻める。サンフはそれを防ぎとめると久保と茂木を走らせカウンターを繰り出す。久保は恐るべき存在感で、一人では止められない。秋田は何度股抜きで抜き去られたか。体を寄せてシュートを枠に飛ばせないようにするので精一杯。守備では駒野、そして八田が目覚しい活躍。特に八田は素早い出足でボールをカットしまくる。攻められても的確に止めるし、もう素晴らしい!集中したときのプレイは代表クラスだ!フィードの精度には目をつぶろうッ!
 沢田が柳沢にタックルかましボール奪取!しかし主審の太田がホイッスル、しかもイエロー提示!沢田怒る!当たり前だ!バカかあいつは。ボールに行ってっだろーが!スロー再生でははっきりとボールに行ってボールを奪った沢田のシャープなプレイが再現された。この男太田ケツ、相変わらずの戯けたジャッジぶりだが、まあ今から肉体・判断力が成長することはないだろうからしょうがない。鹿島の選手がコケるごとにホイッスルが吹かれ、広島の選手が倒れても見向きもされない。ほーそうかいそれほど広島に勝たせたくないかい、でも勝っちゃるけーね!音声から流れるカシマでのサンフレ・コールにシンクロしてこっちもコール!
 鹿島の途中出場の長谷川番でトゥーリオ投入、沢田アウトで駒野がサイドに回る。さらに大木>藤本で前線を活性化。今日の木村采配は的確だな。そして茂木に代わってリ・ハンジェ、リーグ戦初登場(ナビスコ杯で公式戦出場は果たしている)!こうして見るとハンジェ、まだ線が細い。もっとウエイトトレーニングしなきゃ!でもボールカットから藤本にパスを出したり、堅実な働きを見せる。アジア大会はかなりの自信になったみたいだ。
 エウレル、小笠原、名良橋・・・鹿島のシュートは下田を破れない!サンフは前線からプレスをかけ、こぼれ球も拾いまくってカウンターに繋げる。そしてロスタイム3分突入、それも消費しきって、ホイッスル!鹿島のステージ優勝の可能性を消し去り、自身の残留の可能性をぐっと引き寄せた勝利!!
 みんなが騒いでいると、周囲にいた放送局とかの人がゾーンプレスを仕掛けてきた。インタブーにきたか!ちょっと逃げる。急いで来たために白いセーターのままだったのが幸いしたか、何とかかわしきった。あちらさんもユニ着た人にインタブーしたかったんだろう。
 危ない危ない。やれやれ、おれはアドリブは大の苦手なんだぜ。
 得点シーンリプレイが流される。服部が名良橋からボールを奪って自陣左サイドから一気に鹿島ゴール正面まで持ち上がり右の茂木にパス、茂木のシュートのこぼれを中央大木が蹴り込んで先制!2点目もカウンター、久保が強引にボールを奪って左サイドを疾走、ゴール前に走る大木と茂木を囮にしてマイナスの折り返し、オーバーラップした浩司が正面からステップを合わせてズドム!!ンガハタ一歩も動けず見送る!!背筋がぞくりとしたスーパー・シュート!生で見逃したーッ!!それにしてもゴール後のガッツポーズにおける浩司の腕の振り、物凄くキレイだった。きっと野球やっててもいい左腕投手になったと思うよホントに!
 そのころ鹿島のゴール裏では、「あんまり喜んで騒ぐと鹿島のサポが怒って来て揉め事になるからやめてくれ」という理不尽なコトぬかす警備員たちがうちのサポーターたちの歓喜を止めさせようと割って入ったためちょっとした小競り合いに。ふざけたことを。しかし、そういうことを言ってくるということは、過去にもそういうことが何度となくあった、ということだろうか?こわいね、鹿嶋は。
 さて来週は柏戦。勝つだけだ。


10月13日 瑞穂陸上競技場 晴
VS名古屋グランパスエイト

 12日に以前富山にいたときに所属していた合唱団の演奏会があるので、その流れで13日に名古屋に行こうと決意。でも13日には、11月2・3日にやるオペラの練習がある。でも・・・それはあくまでも練習。こちらは生き残りをかけた正真正銘の本番の戦い。本当に申し訳なかったけど「出張」ということで休むことを伝え(ある意味出張には違いないし)、支度した。
 ホント申し訳なかったです。でもオペラは成功したし、ご容赦を〜。(これを書いてるのは11月3日)
 12日早朝出発。まず京都に立ち寄ってちょっと買い物をし、雷鳥に乗る。その雷鳥は金沢終点で、もうひとつ待てば富山終点のサンダーバード(新幹線なみの快適さを誇る、北陸線の雄)だったけど、待つのがイヤなのでそのまま乗った。湖西線は特に何もないのでグーと寝る。起きると敦賀だった。それからは時にうつらうつらしながら窓の外の風景をボーと見つつ金沢へ。ここら辺の風景はあんまり変わってない。
 後発のサンダーバードに追い越されることはなく、そのまま金沢へ着いた。ホームで20分あまりほけーっとしていると、やっとサンダーバードがやってきたので乗る。揺れない。やっぱりいい列車だなあ・・・気持ちよくなったのでまた寝る。気づいたら高岡だった。それからは起きたまま、富山へ。欠伸をしながら駅の2階に上がって本を立ち読みして何冊か買い、下に下りてホテルを予約し、会場へと向かう。久しぶりの富山で、また5時を過ぎたらもう暗くなってきていたためにちょっと道を間違えたが、すぐに思い出して無事到着。演奏会を聴いたあとに楽屋へ行って久しぶりの皆さんに挨拶。数年ぶりだったのでビクビクしていたけど、みんなとても喜んでくれて、本当に嬉しかった。
 そのあと打ち上げにも連れて行ってもらう。来年は「歌いに来て」とお願いされた。時間があれば。
 ホテルに帰り、シャワーを浴びてすぐに寝る。明日は早い。
 6時起床。荷物をまとめてチェックアウトし、富山駅へ。7時過ぎのしらさぎに乗り、一路名古屋へ。さすがにこの時間は混んでいない。先ほど駅そばのコンビニで買った弁当を食べて一息。で、また寝る。気づいたら米原だった。ああしまった、湖東の風景を見逃したーよ。で、寝る。名古屋着。でもしかし、旅情も何もない道中だ。
 そのままJRで熱田駅へ。名古屋へ来たからには熱田神宮へ行かねば。何てったって、三種の神器の一・草那芸(草薙)剣を蔵する、皇室ゆかりの大神宮すからね。駅を出たものの、道標がなくって困ったが、交差点まで出ると前方に森が広がっていた。ああここか。

 商店街を通って門のほうに歩いていく。名鉄・神宮前駅のコインロッカーに荷物を放り込んで、神宮へ。門があったのでそこからさっさと入ったのだが、そこは東門だった。しまった、南へ回るんだった。でもしょうがないので、そのまま両手を清め口を濯ぎ、拝殿へ。
 結婚式があったらしく、新郎新婦が並んで記念写真などを撮ったりしていた。また七五三のシーズンということで、ちっちゃな子供たちが大挙着物を着て、親御さんがたと歩いていた。それ関係で忙しいのだろう、若い巫女さんたちがそこらじゅうで見られた。
 アイルランド代表VSサンフを観に行った際は出雲大社へ参ったけど、そこの巫女さんは古風な、素朴な感じを受けたものだった。対して熱田神宮の巫女さんは、ひとことで言うと、「萌え系が多い」。狙ってますか?やはり国津神系と違って、天津神系はルックスで勝負なのかっ!?熱田大神は草薙剣に宿るアマテラスオオミカミの神霊の神格化したもの、ということは、彼女たちはアマテラスに仕えるということ。やはり女神に仕えるにはこういう感じでないといけないのかもしれないな。
 とか考えていると神罰が当たるかもしれないので、拝殿へ。でもどう拝めばいいのか。どこにも書いてない。辺りの人は適当に拍手して拝んでいるが、そこらの神さまとは格が違うので、そんなわけにもいくまい。近くに年配の警備の方がいらっしゃったので、尋ねてみた。
「二拝、二拍手、二拝です。拍手のときに、願い事を念じてください」
ありがとうございます。やはり神社によって違うもんだ。拝む。家族の息災と、でもやっぱり「サンフが勝ちますように」と付け足してしまった。
 警備の方に改めてお礼を言って、社務所へ。お守りとお札を買い、さらにおみくじを引いた。

末吉

う・・・・

「みだりに動くと凶」

名古屋まで来た私に対してなんというお言葉でしょうか、アマテラスへーか(違)。
縁起でもない。さっさとくくり付ける。
 宝物殿に行き、特別展示を見た。そのあと、神宮内でうどんを食べ、南が良い方向と書いてあったので、正門から出る。大回りして名鉄神宮前駅に戻り、お土産を買ってさてどうしよう。どうやって瑞穂まで行ったものか・・・面倒なのでタクシーに乗り込んで瑞穂まで。
 地下鉄から出てきた人々の列を尻目に瑞穂陸上競技場へ着。今回は出る前にしっかりローソンで買っといたチケットを出して入場し、アウェイ側へ。
 瑞穂競技場は、どことなくユニバーに雰囲気が似ていた。・・・・縁起でもないことを考えたものよ。
 ホーム側はほぼ赤く染まっている。そのわりには静かだ。こちらアウェイ側も、かなりの方が遠征に来られていた。広島、関西、関東・・・みんなで固まり、列を作る。カズ抜き、さらに前節仙台に不覚を取ったサンフを、なんとしても後押ししなければ!
 と、グランパス君ファミリーがやってきた。ホームゴール裏からバックスタンドへ、愛嬌を振りまきながらやってくる。ああっ、生グランパス君だ!!ラブリー!!あ、あかん戦意が・・・落ち着け、あれはただの鯱だ。あくまでも鯱。外見に騙されちゃいけないぞ。鯱。内心では何考えてるかわからないぞ鯱。
 さて結構早いスタメン発表。
名古屋は、イヴォ&ピチブーとその仲間たち。
サンフは、
GK下田、DFトゥーリオ、上村、ビロング、MF沢田、桑原、浩司、服部、FW元気、久保、鳴尾。
リザーブはGK林、DF八田、MF松下、藤本、FWエルツェッグ。
カズがいないときは3−5−2カウンターでいいんじゃないかなーとは思うのだが。
スリートップにはひとりはゲームメーカータイプが要るんじゃないかなとは思うのだが。
でもここでそんなことを言っても始まらぬ。選手の名を連呼。メインスタンドの屋根に反響して辺りに響き渡る。よしいい感じだ。
そういえば生鳴尾も初めてだ。
 さて試合開始!まずは服部のFKから。サンフがやや押し気味に試合を進める。浩司のクロスにトゥーリオのシュート!外れる。久保の突破、シュート!パナがカット。もう一度久保の突破!パナ止めるもファウル!!浩司のFKは外れた。久保、今日はキレキレだ。いける!
 鳴尾がクリアボールを拾ってドリブル勝負、一気にPAに侵入しマイナスの折り返し!元気がスルー、そしてボールはゴール正面フリーの浩司へ!左足を振り抜く!・・・がボールはジャストミートせず右に外れてしまった。楢崎はニアにつられてたから、当てるだけでよかったのに・・・押しながら点が入らない、なんかやな感じになってきた。
 と、名古屋のカウンター。上村がクリアするが、酒井がそれを拾って左の変態サイドアタッカー・平岡直起にはたく。ナオキ、クロス!フリーでファーに飛び込んだウェズレイが足を伸ばして合わせ、名古屋が一瞬にしてあっさり先制!なんでそこでフリーにしてるんだよ。
 反撃!浩司がプレス!バックパスを楢崎クリア!しかし蹴りそこなってボールは久保の前へ!やった!しかしトラップが大きすぎ、パナが体を入れてクリア。もったいなー!サンフはペースは握っているものの、なかなかシュートに持ち込めない。次第に名古屋のペースに変わってきた。その中、元気がパスを出した後に足を妙にひねって転倒、立てなくなる。藤本に交代。ピチブーに決定機を与えたり、カウンターを受けたりしたものの、そのまま凌いで前半終了。 
 ハーフタイムのグランパス君ファミリーのアトラクションは、
『アイ〜ン体操』

ホゲェー!!しかし、他のスタジアムでやったら全員引くこと間違いなしのこの暴挙を成立させてしまうのがグランパス君一味。おそろしい。
 グランパス君ジュニアは手(ヒレ)が短すぎ、アイーンがうまく出来なかったことをご報告しておこう。
 後半開始早々、サンフのロングパス。久保が抜け出す。オフサイドはない。誰もついていけない。名古屋DF陣、完全エアポケットだ。楢崎飛び出す!しかしその鼻先で久保が浮かせる!ボールはゴール方向へ、しかし戻ってきた古賀がクリアするべく追いかける。久保も食らいつく、両者ジャンプ、ヘッド!久保が競り勝ち、古賀はそのままゴール内へ吹き飛ばされてしまった。ボールはゴールに飛び込む、しかし大森が追いつき、ゴールに飛び込みながらクリア、しかしゴールポストに手をかけて体勢を整えた久保がそれにもう一度食らい着いて合わせる!そして今度こそゲット!!1−1同点!
 いけいけムードのゴール裏、サンフも藤本のシュート、浩司のFKで攻め立てる。しかし名古屋も左サイドからピチブーがガンガンドリブル勝負を仕掛ける。これが止められない。トゥーリオがまったく対応できず、それをフォローしようとしたビロングがファウルを犯しイエローを貰ってしまった。累積3枚目で、次節出場停止。これで名古屋がペースをすぐさま奪い返した。そして、上村からボールを奪ったピチブーが岡山に出し、そのパスを中村ナオシーが決めて勝ち越した。ガビーン。
 トゥーリオ、鳴尾に代わり松下、エルツェッグ。久保はものすごいキープと突破を見せるものの、名古屋は三人がかりでこれを止める。それでもファウルすれすれのプレイでないと止められないのだから、いかにこの日の久保がキレていたか!のちのダイジェストかマガジンか忘れたけど、この試合の久保に、敗れたチームの選手の採点としては異例の「7点」がついていた。それほど凄かった。それを生かせない今のサンフは、相当ひどい状況といえる。あとはパスは繋がらない、クリアしては拾われて攻められる、のくり返し。そしてロスタイム、時間稼ぎ交代で出てきた原竜太にとどめのゴールを食らって1−3。無惨な敗北を喫した。
 次の日にまた練習があるので、新幹線を使って帰宅。名古屋駅は、鈴鹿帰りの人でいっぱいでした。
5位入賞おめでとう、佐藤琢磨!


9月22日 広島スタジアム 晴
VSジェフユナイテッド市原

 水曜日の吹田戦は、へんなスリートップで臨んで防戦一方のあげくに後半42分に失点して敗戦と、今年さんざん経験してきた負け方。そりゃあ木村監督大丈夫かよと言いたくもなります。さらにこの日のメンバーからは茂木が外れるということ。もし点が取れなかったら監督を公然と批判してやるぜウヘヘと思いながら家を出る。出たところで、トップの画像のテクストが一部間違っていたことに気づき引き返して修正、改めて家を出た。
戦いへ、戦いへ!剣を抜け、兄弟よ!・・・・

 イヴァン・ザイツの《戦いへ》を聴きつつ広島へと向かう。

いざさらば、祖国よ、おお永遠にさらば!
あらゆる方向よりクロアチアの上に敵は猛り狂って迫る。
そして今しも汝の聖なる身を葬らんとする、だがそうはさせぬ!
汝のため息子らはすべて戦場に向かう。
我らが祖国よ、永遠なれ!


クロアチア語の合唱曲だ。新加入のエルツェッグがクロアチア人ということで、ちょうどいい。こんな曲っす。
あーもーカッコええ!

我々の雷を、我々の稲妻を、放て、敵を打ち砕け!!

必ずや市原を打ち砕く!!
 でも山陽道走行中に猛烈に眠くなってきた。このままでは寝る。そして豪快に逝く。そりゃまずい。ので小谷SAで一眠り。起きた後、昼食を食べてリスタート。
 次いで、この日もゲンかつぎでメンデルスゾーンの《エリヤ》を聴く。今日は「アルテ・ノヴァ」レーベルのシルヴェン・カンブルラン盤。ペーター・リカのエリヤはイヤだけど、フランクフルト選りすぐりの合唱団・管弦楽団が素晴らしい演奏を繰り広げるぞ。
 最後に、日本ではBS2で放送されていた英国の中世ミステリ・ドラマ『修道士カドフェル』のサウンドトラックを聴く。TVシリーズ版はヒュー・ベリンガーが何だかかなりブサイクでおバカで好きじゃないんだけど(小説ではカッコいいのに)、衣装や小道具が凝っていて、そこはいい。

ヴェニ・サンクテ・スピリトゥス(来たれ、聖霊よ)・・・

オープニング&エンディングでソロを歌っているのはカウンターテナーのナイジェル・ロブソン。しかし、この日の広スタにも聖霊が降臨していたとは思わなかった。
 試合開始2時間前に広スタ前到着。しかしその周辺の駐車場はすでに埋まっていた。うーそー!まだ2時間前すよ!!広島西飛行場滑走路隣、山陽高校向かいの駐車場へ。今からここへ停めにゃならんとなると、こりゃあ今日、一万人は来るぞ。市原相手で一万人・・・スゴイや。(市原の方、スミマセン)
 ちょっと休んだあと、てくてくと歩いて広スタへ。すでに渋滞が始まっている。ナンバープレートを見つつ行く。神戸ナンバー、しかし市原サポらしい。品川ナンバー・・・東京から?ご家族連れでやって来られた市原サポの方も。お疲れ様す。それにしても・・・暑い。もうお彼岸だというのに、こんなに暑くていいのかー!よくない。でもどうしようもないけど!
 ゴール裏に回りこんで入ると、結構紫に染まっている。いい感じだ。バックスタンドのほうもそこそこ入っていた。ピッチでは尾三地区U−16VS尾三地区U−15の試合が行われている。この年代になると、ピッチを広く使えるので見応えがあった。
 アウェイ側バックスタンドには、
「勝点貰って帰ります」
の横断幕が。あげません。
 広スタではバックスタンド裏で行われるサイン会、この日は茂木と西村。二人がメインから出てきて、トラックを歩いてバックスタンド方向へ。西村は普段着だが、茂木は正装、きっちりネクタイまで決めていた。律儀なやつ!!しかし本来サインをしている暇はないぞ。早くコンディションを戻して先発するのだ!茂木コールにも丁寧に反応してくれる。素晴らしい。次いで西村コール。サテライトでは鮮やかなドリブル突破や気の利いたパスを見せ、そしてゴールも決めるようになってきた。ガンバユースで高橋監督の薫陶を受けた公家顔くんは、「オレにも!?」とちょっとビックリしながらもそれに応えていた。
 それにしても暑い。飲み物を買いに出る。
メンバー発表。
 サンフは、GK下田、DF駒野、トゥーリオ、ビロング、服部、MF梅田、カズ、浩司、高橋、FWトモ、久保。
リザーブはGK尾崎、MF沢田、松下、藤本、FW中山。
ついに久保が先発復帰!待ってたよ。逆に藤本が先発を外れた。最近の出来では当然だ。しかしFWが4人も・・・昔懐かしの4−2−4かッ!?DFがいないのもアレだが、ホームでは一歩も引かないぞという木村監督の意思か。
 市原は、GKくっしー、DF茶野、ミリノヴィッチ、中西、MF坂本、佐藤、阿部ちゃん、村井、長谷川、FW増田、チェ・ヨンス。
リザーブには林と和多田がいるのでおそろしい。個人的には、武藤がベンチに入りしているのがうれしい。
モラフチクが見れなかったのは残念。
 試合開始の頃になると、ゴール裏はほぼ紫で埋まり、バックスタンドでは立ち見がずらりと後方に並んでいた。全席指定のメイン側もまあまあ入っている。広スタでこれだけ入るのは久しぶりでは。これは選手たちも心強いだろう。(発表は10,276人)
 コイントスの結果、市原がホーム側の陣に回った。キックオフはサンフだ。トモと久保がセンターサークルに入り、高橋と梅田が両翼に開く。4−4−2でいくようだ。そして、キックオフ!
 序盤は一進一退。しかし高橋の左からのクロスにファーから飛び込んだ梅田がジャンプ一番ヘッドで合わせる!惜しくもポストをかすめ右に外れた。4トップにしたのは、サイドからのクロスに2トップ+逆サイドの梅田or高橋が飛び込むように、という戦術のためらしい。守備ではヤバいが(特に梅田)、森崎兄弟が中盤で奮闘、しっかりボールキープして展開する。徐々にサンフが押し込んでいった。またも高橋のクロスにトモが飛び込む!くっしーと競り合ってこぼれたボールを蹴り込む!しかしハンドの判定でゴール認められず。久保は最近見られなかった体のキレが戻ってきたようで、どんどん動いている。トモはまだ市原の早い寄せになかなかキープできない。市原のゴールキック。目の前でのくっしーキックだ。わくわく。しかしボールはまっすぐ飛んでいってしまった。
皆の期待を裏切るなッ!!この試合はBS生だから慎重になってんのか?もっと普段着のプレイを。
 その代わり、下田がファンタジーキック連発。上空ではバックスタンド側に強風が吹いていたが、そのせいかキックはガンガンそちら側のラインを割る。ちっとは考えて蹴れよう。しかもトゥーリオもお付き合い。ちゃんと蹴れ!
 梅田のヘッド!上に外れた。
 とりあえずペースは保ちつつ推移していたものの(ど真ん中を通されブチ抜かれたりして絶体絶命とかあったけど)、中盤でパスを回した市原がPA内のヨンス兄に。トゥーリオがマークにつく。ヨンス兄はトゥーリオを背負った状況から瞬時にターン、タテに切り込む。これについていけなかったトゥーリオが足をかけてしまい、ホイッスル!!PK!!ギャース!トゥーリオにイエロー、累積3枚目!次の京都戦には出場停止だ。
 蹴るのはもちろんヨンス兄だ。スタンドからは下田コール!!
 ・・・ゆっくり助走を取ったヨンス兄が強烈なシュート!!下田右に跳ぶ、しかし逆・・・・!!
バー直撃ィィィ!!
ボールがピッチに跳ね返る。両者もつれて混戦になるも、ボールがラインを割り、ゴールキック!!脱した!ツイてる!
 今度はこっちの番だ。パス交換からトモにボールが入る。トモはおもむろにキープすると突如ボールを足で引いて瞬転、二人を一瞬にして置き去りにした。ミリノビッチが来る。トモはさらに加速、ボールを押し出しPA侵入!ここでミリノビッチの足がトモを引っ掛けた!トモ転倒!こぼれたボールを坂本がクリアしようとしたが、ボールは自陣ゴール右スミに飛び込んだ。ホイッスル!!オウンゴールか、PKか!?主審がペナルティスポットを指した。PK!!そしてミリノビッチにイエロー提示。さて誰が蹴る・・・?
 ゴールマウスに入ってしまっていたボールを、久保が歩いていって拾い上げる。そして戻っていくと、自らペナルティスポットにセットした。蹴るのか、久保!!
 久保は助走距離をとる。櫛野が構える。ゴゴゴゴゴ・・・と擬音が入ること必定の緊張の一時・・・ホイッスル、久保がスタート、櫛野が体を沈める、久保、左の一撃!!櫛野が跳ぶ!
ゲーーーット!!
櫛野の逆を衝き、ボールはゴール右スミに突き刺さる!!瞬間広スタ爆発!!私の後ろからどっと人の塊が押し寄せてきて、押され押されて危うくトラックにダイブしそうになったが寸前で踏みとどまる。しかしこの大事な試合、大事なところでエースが決めた!!久保竜彦、久々のゴールでサンフレッチェ広島先制!
 しかし得点直後がヤバいのは今年の癖。あっという間に左を崩され、ヨンス兄が突破してセンタリング、ファーから飛び込んだ増田がパーフェクトに合わせる!ボールはゴールド真ん中へ!下田はニアに寄っていて誰もいない、またやられた!!と思った瞬間、ニアから物凄いスピードで戻ってきた下田が地を蹴ってそれを弾き出す!!ミラクル・セーブだ!!!
 それからは落ち着き、茶野のイエローを誘ったりなどして前半1−0で折り返した。
 あ、磐田、FC東京を思うさま虐殺している・・・・先週ホームで浦和に負けた腹いせか・・・東京にとっては迷惑千番としか言いようがない。
 後半キックオフ。高橋と梅田の位置が逆になった。開始からしばらくの間は前半と同じくサンフの攻撃が機能していた。トモと久保のコンビ、そして久保のシュート!!大宇宙開発。トモが鮮やかなキープからFKゲット。しかしゴールに結びつかず。だがリードされ前に出てくる市原の圧力の前に徐々にディフェンスラインが下がり、またもや受身に入ってしまった。梅田に代えて松下を投入するも、市原は同時に林を投入してさらに前へ出てくる。次いでベテラン・武藤真一投入!これで完全に市原ペースになった。中盤からボールが前線に出ず、すぐに奪われてサイドに開かれ、クロスの雨あられを浴びる。左からのクロスをチェ・ヨンスがヘッド!下田セーブ、バーに当たってはね返る、そのこぼれを佐藤勇人が合わせる、ギャー!しかしボールは倒れていた下田の前へ、飛びついて押さえる!!林のオーバーヘッド!下田正面!市原、シュート、シュート!しかしなぜかことごとく下田の正面だ!!今日の下田には何かが降りている!!しかしキックはサッパリだ!オフサイドのFKを蹴ってヘッドではね返されカウンター食らって慌ててゴールに戻るなんて、ギャグじゃないんだから。日本代表経験者ということもあり、櫛野にファンタジーの神髄を見せておこうというおつもりか。高橋>藤本。藤本は動き回って守備、ボールを持つとこの日は結構簡単にはたいて何とかしようとしていた。しかしペースは変わらない。遅延行為で下田にイエロー。そんなに時間は使っていないぞ。BS生ということで、時間内に収めようと焦っているのか、柏原。ていうか沢田を入れてくれー!!
 市原はついに最終兵器・和多田投入。必殺ロングスローキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!! しかしヘッドでクリア!!ゴール裏からはノンストップの『HIROSHIMA NIGHT』!時間はなくなっていく。この頃になると市原も攻め急ぎで有効な攻撃ができない。サンフは抜群のキープ力を持つトモに預けて時間稼ぎに入った。左コーナーポストでキープ、キープ。しかし藤本が切り込んで行ってシュートを撃ち、取られて反撃されたときはちょっと焦った。キープに徹さんかい!!クリア!また左コーナーポストへ。また藤本がドリブルで切り込んでいってシュート!くっしーセーブ!!CK!もちろんショートコーナー、キープ、キープ、キープ!そしてホイッスル!!1−0勝利!勝った!勝った、勝った!!
 ふー、危なかった。一つ間違えば1−3くらいに逆転されていてもおかしくなかった。ヨンス兄のPK失敗に助けられたといったところか。それにしても、攻撃はもうひとつだし、守備に回るとズルズル引いてしまってもう押し返せない。ベンチもそれを立て直すような采配をしない。このような試合ぶりでこれからも勝てるかといわれれば、そりゃ絶対無理。今日勝ったのはひとえに市原との不思議な相性のよさと下田の大当たり日のため。まあ勝てばいいんだけど、もーちょっと安心して見られるような戦い方をしてクワさい。
 京都戦はカズ&駒野がアジア大会で、トゥーリオが累積警告で抜けるけど、こんなところでJ2上がりのクラブに負けるなよ!
 磐田、東京を6−1完全解体粉砕。あかん、寝た子が起きた。どーすんだ、浦和のせいだぞ。4ゴールの高原なんて、
「相手には悪いけど、今日は向こうの守備が緩かった」
なんて堂々と言ってるし!
でも私は中山隊長の、倒されながらも足にボール引っ掛けてハネ上げGKの頭上を越して決めた執念のカタマリ・ゴールに大いに萌え。



9月14日 広島ビッグアーチ 曇
VS FC東京

 浦和戦には負けてしまったが、9月に入ってからは大木の負傷以外はグッドニュースが連発し、まさに「セプテンバーよろしく」な昨今、鹿島戦以来勝ちのないホームでもいっちょこーい!!というわけで早起きしたのだが、最近仕事がキツかったためか、朝食を食べてしばらくすると体がだるくなり、さらに猛烈に眠くなってきた。ベッドに倒れこむと、そのまま爆睡。起きると14時ちょっと前だった。BS7のスペインサッカーダイジェストを観る。ああっ、ルイス・エンリケ様が輝いている・・・バルサはドローだったけど。守備何とかしろよ。磐田VS浦和のほうは磐田が押しまくっている。しかし謙虚に守りを固める浦和はそれを弾き返しまくっている。別に他のクラブの試合はどうでもいいので、昼食をさっさと食べて家を出た。
 行きがけに書店で『風雲児たち・幕末編』第2巻を買って、読みながら一路ビッグアーチへ。三原久井への道は混んでいそうだったので、山を越えて福山へ抜け、福山西ICから五日市へと向かう。2巻は吉田寅次郎(松陰)の脱藩東北旅行がおもなテーマ。松平容保公登場、岩倉具視(ヤクザ)や勝麟太郎(江戸っ子)ら再登場。いよいよ第3巻では(当分先になるけど)、ペリーがくる!
 さて、先日の全広島選手権決勝に行くときにフェリクス・メンデルスゾーンのオラトリオ《エリヤ》を聴いていたが、ユースは見事に優勝。というわけでこの日も《エリヤ》を聴きつつ行く。前回はフィリップ・ヘレヴェッヘ盤だったが、今回はカール・リヒター盤だ。重厚でいいなあ。

その時、汝が光は曙光のごとくあらわれ、
汝はすみやかに癒されん。
そして主の栄光は汝に臨まん。
主よ、われらの統治者よ、その御名は全地にありて尊きかな。
ゆえに諸人、天にいます御身に感謝せん!
アーメン!


終曲合唱を聴き終え、車を出る。癒されたい〜。
 DEODEO軽音楽部がベンチャーズなどを演奏している。いい感じ。サイン会は負傷の大木と出番のない鳴尾。でも体がだるいのでとっととスタンドへ。
 B5.5にヨンチェ総帥がいらっしゃったので挨拶。ピッチで行われているジュニアのゲームを観戦。上層部のり様のご子息がプレイされているとのこと。前半が終わり、のり様が来られる。そしてここではとても書けないサカー裏話をいろいろ聴かせて頂いた。あ、浦和勝ってる。やられまくってたのに、よく勝ったなあ。セカンドは下克上か。こっちもついていかねばなるまい。
 B6下へ移る。VIP席の上方には、ブラジル・クロアチア・カメルーンの国旗がぶら下がっていた。もちろんトゥーリオ・新外国人エルツェッグ・ビロングの母国の旗だ。で、なんか意味あるのか?
 メンバー発表。
サンフはGK下田、DF駒野、ビロング、トゥーリオ、服部、MF高橋、カズ、浩司、藤本、FW中山、茂木。
前節からは梅田が高橋に代わった以外は同じ戦列、平均U−23サンフ代表だ。
リザーブは、GK尾崎、DF井手口、MF松下、FW久保、エルツェッグ。
エルツェッグの愛称は「トモ」らしい。トモっていうツラじゃないけどなあ。「トミー」のほうがしっくりくるが。
東京は、王様とその臣下たち(伊藤テツさんがゲームキャプテン)。以上。
 ゴール裏メイン側の一角に、オレンジの旗を掲げた一団がいた。中山元気の母校、今年の全日本ユースベスト4の強豪、多々良学園のサッカー部だ。オレンジは多々良ユニの基本色。「元気」コールに合わせて旗をぶんぶんと振っている。「元気コール」に加えて「多々良コール」。オレンジ軍団も律儀に返してくれた。でもいっしょに応援しよう、ということで彼らを呼びに行く。ほどなくして多々良の面々がB6上下に加わった。そして元気コール。
 そうこうしているうちに試合開始時間が来た。
 サンフのキックオフ!しかしいきなりサイドを破られ危険な場面を立て続けに作られる。アマラオ、フリー!シュート!!枠を外す。フリーにさせるなー!しかしアマラオ、さすがにキング。あの歳で強いし速い!ビロングのマークをあっという間に外してフリーになる。ケリーはキープ力あってパスも出せるし、やっぱうまいなあ。と、敵の感心をしてる場合ではない。こちらも元気と茂木のヤングツートップで攻め入る!森崎兄弟からサイドに散らし、元気に当てて茂木シュート!これは伊藤による背後からのピンポイントタックルもあり力なくGK土肥に取られたが、いい動き。サテライトでは定番のコンビだっただけあって、互いにわかっているみたいだ。・・・とか思っていたら、宮沢のFKからアマラオがヘッドォォォ!!バーをブッ叩いて下にはね返る!トゥーリオクリア!!セットプレイじゃしっかり捕まえとかんかい!相変わらず備えがなってないな・・・大丈夫か・・・とか思ってたら、左に展開。服部、中を走る藤本に戻す。藤本が受けた瞬間、やや左に流れてきていた茂木が加速装置を作動させた。それを感じた藤本、ぽんと浮き球のパスをスペースへ!鮮やかなダッシュでフリーでボールを受けた茂木、素早くターンすると向かい来るDF伊藤を中央へドリブルしつつ振り切り、右足一閃!!
MOGIYYYYYYYYYYYY!!
弾丸シュートがニアをぶち破ってゴールネットに突き刺さる!!
きたきたきたきたーっ!
動いていた!高速で動いていた!
我がモードは光、輝彩滑刀の流法!!

なんだか意味不明だが、とにかくサンフ先制!そしてルーキー茂木弘人、公式戦初ゴール!!さらに伊藤哲也に先ほどの借りをきっちりと返した!
 サンフが乗ってきた。茂木、胸トラップからジャンピングボレー!これは外れたが、スタンドはさらに沸く。守備陣はスピード溢れる東京のサイドアタックとアマラオの極上の動きにあたふたしながらも抑えていく。ビロングはどんどん飛び出していって蛸ディフェンス。前線から素早いプレスでFC東京の攻撃を寸断し、中盤を支配。森崎兄弟とツートップで自在な攻撃を繰り出すうち、前半終了。終了間際にまたCKからピンチを迎えたけど、もう慣れました。
 多々良の面々はここで撤収。元気のゴールはなかったけれど、その溌剌とした動きは励みになったのでは?冬の選手権も頑張れ。
 さあ後半。攻撃好きのヒロミ・ハラはリスクを犯してガンガン戦列を上げてきた。守備はしないが攻撃大好きのドリブラー・石川のロングシュート!下田キャッチ。そしてゴール前の混戦からアマラオ、シュート!下田目の前のシュートを叩き落とす!クリア!東京の圧力に全体が下がってきた。東京は前線に福田健二投入、さらに攻める。サンフは次第に中盤が作れなくなっていった。前半から気になっていたが、どうも藤本が動きすぎる。現在のサンフは中盤の4人をフラットに並べることを志向しているはずなのだが、彼は中盤を縦横無尽に動き回ってボールに触っている。低いところで受けてキープするため、攻撃が遅くなって相手の守備を立て直してしまい、パスコースがなくなってミスパスの連発。横浜戦で立ち直ったと思ったが、どうもいけない・・・もっと左サイドに張って石川の裏を服部と崩すべきだと思うのだが・・・事実服部が孤立してしまい、中盤でリンクする人間がいないのでパスも出て行かない。バランスが崩れたサンフ守備陣を、石川のスピードが切り裂いた。中盤での競り合いから出たボールが、東京右サイドでフリーにいた石川の前へ。石川はその爆発的なスピードで一気にゴールに迫り、冷静にゴール左スミに流し込んで1−1、同点に追いついた。東京サポがどっと下のほうに駆け下りてきて気勢をあげる。
 ここで元気>トモ・エルツェッグ。
 藤本のアーリークロスに高橋が飛び込み、トラップ、シュート!しかしDFの寄せが速く枠を捉えない。トモが鮮やかな壁パスで服部の前のスペースへ。服部、ドリブルで切り込むがゴールに結びつかない。藤本>松下。彼のドリブルは捨てがたいが、バランスを修正するためにはいたしかたない。松下はセンターに入る。さらに高橋>久保!ビッグアーチが大歓声に包まれる。トモ・久保・茂木のスリートップとなり、浩司がトップ下に入った。久保はサイドに開き、そこでボールを受けて切り込む。中央で細かいパス回しをして崩そうとするが、東京ディフェンス陣もジャーンを中心にして破綻を見せない。伊藤が負傷し、藤山に交代した。サンフはビロングまで上がってくるがゴールに結びつかず。何とか勝点3を!後半終了間際、浩司のクロスに左から服部が抜け出しシュート!ジャストミートせず!服部のクロス、ニアでトモがスルー、中央の久保へ!撃てーーー!しかし久保もスルー!誰かいるのか!?いた!森崎だ!どっちだ、どフリーでトラップ、右足でシュート!決まった!!・・・・・・・・・・
枠の外!!
なにゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
浩司だった。確かに彼は左利きだが、たとえ右だったとしてもゴール前フリーで外すかよ!!リプレイで見ると、豪快に右アウトサイドにかかったボールが物凄いスライスでゴール枠を外れていた。かくてホイッスル、延長へと突入。
 今季延長勝ちのないサンフ、立ち上がりからどんどん押し込まれる。加地のロングスロー連発!福田のシュート!下田がセーブ!宮沢のミドルシュート!下田が宙を舞ってセーーーブ!!石川のシュート!下田の正面!さらに至近距離からのシュート!下田はたき落とす!!!一方的に攻め込まれるサンフを、神がかってきた守護神が最後の最後で防ぎとめる!!そしてチームを立て直すために4人目の交代、待ってました沢田さん投入!!疲れていた茂木に代わって投入、トミーとタツのツートップに戻し、浩司トップ下の4−3−1−2に。延長前半をなんとか防ぎきったサンフ、後半エンドがホーム側に代わったものの、ここで冷たい逆風が吹いてきた。ちっ、縁起が悪い。
 後半開始!いきなり攻勢を受け、石川のシュート!下田正面でがっちりとキャッチ!そしてつなぐ。中央の浩司にボールが渡った。前方を見渡すと左足を一振り!ロングパスが右サイドへ飛ぶ。がら空きのサイドに走っていた久保がトラップ!対面にはモニモニ。勝負ッ!!
 強引にドリブルで切り込む。モニモニついていけない、久保、シュートか?いや折り返した、誰かいる―?いたッ!!背番号35ッ!!
ダイレクトでゴールに蹴り込み、この瞬間試合終了!!2−1、延長Vゴールでサンフレッチェ広島勝利!!トミスラフ・エルツェッグ、J初出場初ゴールは殊勲のVゴール!!ホームでやっと勝利だ!
 完全に負けパターンだったけど、下田のスーパーセーブ連発で凌いで速攻一発で勝ち。トモはJのスピードに結構あたふたしていたが、これが日本のスピードサッカー、早く慣れるように。それにしても浩司が決めてりゃ勝点3だったのに・・・右足の練習もしとけよ。最上の勝利ではないが、内容から言えば2点は大きい。あとは久保がシュートを撃ってくれるようになるのを待つだけだ。
 勝利の余韻というやつで、バスを送ったあとは、みんなでしばらくビッグアーチ前でいろいろしゃべって帰る。帰りにも《エリヤ》を聴きながら帰った。

終わりまで耐え忍ぶものは救われるであろう・・・
そうありたいものだ。アーメン。

 家に着いたときには日付が変わっていた。なんにせよ、連勝してよかった。これを続けていきたい。



8月31日 広島ビッグアーチ 曇時々雨
VS浦和レッドダイヤモンズ

 「負けて得るものは何もない」ということを再認識させてくれた試合だった。いくら惜しい負けを重ねても、身につくのは負け犬根性だけ、か・・・「いや、負け犬なんかじゃないさ・・・負け男だ!(@マサルさん)」ちょっといい試合をしても、今の状況では絶対負ける。多分水戸にも勝てないだろう。やはり何でもいいから勝たなければ、ここから抜け出すことは不可能。
 ちょっぴり試合について。
 サンフはGK下田、DF駒野、ビロング、トゥーリオ、服部、MF梅田、カズ、松下、ミロ、FW中山、大木。
リザーブはGK尾崎、DF井手口、MF沢田、藤本、FW高橋
調子の上がらない久保と藤本をスタメンから外す。久保に至ってはベンチ入りすらしていない。
 浦和はGK山岸、DF坪井、井原、室井、MF山田、ウッチー、鈴木、平川、福田、FW田中、トゥット。
エメルソンは出場停止。オフト&ヤンセンならば当然パス・サッカーを志向するはずなのだが、阿部を放出するわ、左サイドの城定を放出するわで、相変わらずサッパリ理解不能なフロント陣。

 やはり立ち上がりからサンフがペースをつかむ。プレスのかからない中盤をダイレクトのショートパスで面白いように切り裂き、サイドに展開してセンタリング。惜しくも中央で合わないものの、サンフが押し込んだまま時間が経過してゆく。個人技で山田を翻弄して服部のクロス!スピードでサイドを破って元気がセンタリング、左からPAに侵入したミロが合わせる、バー直撃!元気は久保の五倍はポストプレイが巧く、広範囲に動き回ってシンプルにボールをはたいていく。彼のおかげで大木はゴールに集中することができ、いい感じだ。
 対する浦和はやはり中盤が全く作れず、攻撃はやはり駿足のトゥットと田中を走らせる作戦。それでもなんとか形になるのが浦和らしいところだ。田中はスピードとドリブルはいいがパスとシュートがいまいちなので助かる。やはり怖いのはトゥットだ。自分でもいけるし、味方を生かすプレイもできる。
 それでもペースは広島。前半41分、右サイドの突破からCKを得る。蹴るのは服部。キック!いったんはじき返されるものの、ボールは再び服部の元へ。しっかり足元に納めると、狙いすましてクロス!!ふわりと舞い上がったボールが鋭く曲がり落ちてファーの大木の下へ。大木、ジャンプして、叩きつけるのではなく浮かせるヘッド、ボールはこれもふわっとGKの上を越え、ゴール右スミ、というかサイドネットに収まった。1−0、サンフ先制!!前半のゴールはいつ以来だろう!スタンド大いに沸く。・・・と、左サイドをトゥットが突破した。そしてシュート!しかしダフって横に飛んでしまう、でも「そこ」に田中が走り込んでいた。ファーでチョンと合わせてゴールに押し込み、浦和、あっという間に追いつく。43分。本当に立ち上がりと終了間際に集中力がないな!
 後半もサンフペース。しかし開始早々大木がゴール前の接触プレイで転倒、立ち上がれない。しかしプレイは続行。主審止めない。
止めろよ!!
浦和の攻撃を止め下田がボールをキャッチし、蹴り出す。大木は無理ということで、高橋が出てきた。それにしても松崎、主審か何か知らんが、イライラする人間であった。副審も、遠目にも明らかなゴールキックをコーナーキックと判定するなど、レベル低すぎ。猛省を促したい。服部のFK、駒野に流して駒野クロス!ニアで一人倒されたが笛はなし!トゥーリオが合わせたが枠を捉えず。
 梅田に代わって井手口投入、スリーバックにシフトチェンジ。守備を一層堅くし、サイドを一段上げ、この日機能しているサイドアタックをさらに強化。この選択も間違ってはいなかった。しかしここで・・・松下が後半14分、22分と立て続けにイエローを食らって退場!これで、圧倒的に制圧していた中盤が一気に互角になってしまった(一人少なくなってやっと互角というところが、浦和の中盤のレベルを如実に物語っているといえるが)。それでも高橋や中山がクロスに反応してヘッドを放つが、ゴールを奪えない。浦和はゲットゴーラーに代わって永井投入、左サイドに置いてトゥットと二人でスピードで突き崩す作戦に出た。これで駒野がずるずると下がってディフェンスラインに吸収されてしまう。この辺りから浦和が押し返してきた。サンフはすぐさま、この日珍しくカードをもらわなかったミロに代わって沢田を投入、高橋引き気味の3−4−1−1を保とうとする。そして後半44分、カズが個人技で突破、井原をかわす、目の前はGK・・・ここで井原、カズを引き倒した!レッドでもおかしくない場面だったが、ややPAから離れていたからかイエローで済んだ。これで得たFK、蹴るのは服部、しかしゴールに結びつかず。ロスタイム、浦和が反撃しトゥットが反転からシュート!しかし枠を捉えず、試合は延長へ。
 延長より中山に代わって藤本投入。開始早々切り込んでチャンスを演出したが、ゴールならず。しかし、一人少ないツケがここになって出てきた。中盤でボールがキープできない。駒野がどんどん前線に蹴り出すのだが、誰もおらず浦和の反撃のタネになる。中山がいないのでキープする人間がいない。高橋は消えてしまっている。藤本はボールをもらいに戻ってくるのだが、彼が中盤でボールを受けてもどうしようもない。一方的な浦和の攻勢となり、それを耐えに耐えて前半終了。鈴木がイエローをもらった。
 後半はサンフからキックオフ。ホイッスル前、浦和のバックラインがえらく高い。裏に放り込めばいきなりビッグチャンスちゃう?藤本と高橋がなにやら話し合っている。衝け。
 ホイッスル!高橋が藤本に預け、一気にダッシュ。藤本はちょんとリフティングすると、井原の裏へキック!・・・・
失敗!!
ボールは高々と舞い上がり、コンパクト化した浦和の中盤密集地帯へ。高橋と藤本が競りに行くが、数に勝る浦和がたちまちボールキープ、左に開いた永井へパス!永井、フリー!永井はそのままドリブルで左サイドを突き破り、マーカーが来るのを見るとウッチーに渡す。ウッチー、クロス!ニアに疾風のごとく飛び込んだトゥットが下田の鼻先でボールに合わせ、ゴールネットを揺らし、ゲーム・オーバー。
 押していて、かつ先制しても、直後に集中の欠如からあっさり失点、それでもペースは握っていたのにイエローを立て続けにもらって一人退場、あげくにVゴール負け・・・「勝ち方」を忘れた者はここまでハマってしまうのか。無惨としか言いようがない。これで完全にJ2への道に軌道が定まった。この軌道をはたして捻じ曲げられるか?選手、監督、フロントとも9月は勝負の月だ。

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