むらさきぐま日記2001.ver.1


2勝4敗。


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   7月21日 広島ビッグアーチ 晴
VS浦和レッズ


午前早めに家を出て(新車が来た。ナンバーの語呂がちょっとアレなのが何だ)、正午から吉田サッカー公園で行われたサンフ・ユース対ベルマーレ・ユースを観(サンフが3−2で逆転勝利。簡単な内容はむらさきぐま日記2001その他を参照のこと)、その後広島市方面へ向かった。まだ時間があったので、新装開店したDEODEOへ行ってみる。ホームページ・ビルダーのバージョン6や、ガーディナー指揮によるバッハのクリスマス・オラトリオのDVDを買ったりして、V−POINTへも行ってみる。
欲しいと思っていたスヌーピーTシャツは、Sサイズまでしかなかった。せめてMくらい作って欲しい。
広島ICまで引き返し、山陽道から広島ジャンクションに入る。ほどなく、先日開通した西風新都ICが見えてきた。下りる。
何もない。
辺りは見事なまでに空き地。標識を見ながら国道2号線方面へ向かうが、いったいどこへ出るのか・・・
ツインタワーの裏手へ出てきた。そこにあるビッグアーチ裏の遠い駐車場は、すでに結構車が入っていた。これではビッグアーチ前はもうダメだろう。仕方なくそこへ入れる。
まだ時間があるので正面までぐるりとまわっててくてくと歩いていった。すると、アウェイ側ゴール裏入り口に赤い長蛇の列。笑っちゃうくらいいる。ほんとに笑ったら殺されそうな気がしたので、仏頂面で列を横切って通り過ぎた。
コロッケを買ったが、SC席入り口に行ったらこっちも長蛇の列。仕方がないのでしばらくコロッケを食べていたら、サンフのバスが入ってきた。サンフレッチェ・コールが起る。2週連続のかませ熊は避けたいところだ。列が動き出したので、並ぶ。
中に入ると、トレセンのゲームが行われていた。かたや白ユニ、かたや青赤。これはレアルVSバルサみたいだな、と思っていたら、レアルがカウンターからの速攻で2点を連取、前半の1点と合わせて3−0で勝利した。さいたまご一行様はアウェイ側バックスタンドコーナーポスト裏に陣取っている。かなりの数がいる。ホーム側に臆面もなく座っているわかってない輩も多数。シンジ君効果は素晴らしい。小野が抜けた後、うちの川島をレンタルするそうで、川島もポスト小野として頑張らねばなるまい。ってそんなわけはないが。だが田畑を放出して川島をレンタルするってのもわけのわからん話だ。右サイドバックの山田のサブとして獲得か?まあセンターバックに、時によってはFWもこなせるし、重宝な選手には違いない。
登録選手発表。サンフは予想通りのメンバー。浦和にはひさびさの室井の名が見える。路木は負傷のためメンバーには入っていなかった。彼もうちを出てからいまいちパッとせんなあ。
選手が出てきてアップを始める。レギュラー陣から離れてパス回しをするのがサブの面々、というのがパターンだが、この日のフィールドプレイヤーの4人は森保、八田、高橋、そしてトゥーリオ!?・・・4バックか!藤本先発ということは、3トップの4−4−3か、中盤において4−4−2か?ホームではあくまでも攻撃的に行くらしい。
そして先発発表。浦和はGK安藤、DFに岡野、井原、西野、内舘、MFに土橋、石井、阿部、アドリアーノ、FWに小野、トゥット。
サンフはGK下田、DF駒野、奥野、桑原、服部、MF沢田、カズ、コリカ、FW藤本、久保、大木。
試合開始。サンフが攻め込む。藤本はトップではなく2列目に位置し、4−4−2の形になっている。この藤本がスペースに飛び出し、チャンスを作っていく。服部もバックの位置から攻め上がって利き足でない右で強烈なシュート!いい形で戦いを進める。浦和はトゥットが肉離れか何かで早々に離脱、永井に交代。今日はついてる、と思っていたらその永井のドリブルを止められない。中央突破から小野とワンツー、桑原を振り切ってシュート!これは下田がセーブしたが、そのこぼれを再び永井がボレーシュート!これが決まって浦和が先制した。
これでサンフがおかしくなった。攻撃が中央へ偏り、サイドへボールが出なくなる。攻めてははねかえされ、が繰り返されるうちに前半が終了した。
カズのパス出しが遅い。それにあまりにも安全策過ぎるので、恐くも何ともない。それにひきかえ小野はとにかく走る走る。前線から中盤まで、まるでピクシーばりに走る。そしてダイレクトで繰り出されるスペースへのパス、奪われる隙を見せないドリブル&ボールキープ、ハイボールの競り合いにも完全勝利と、もう八面六臂。そういえば生シンジは初めてだったか。最初で最後ということになる。
後半開始。浦和はさすがにトゥットがいないので、小野に気をつけていればさほど恐くはない。というわけでサンフも押し返すが、決定的なところまで行けない。どうする、駒野を下げてトゥーリオか八田を入れて3−5−2にするか?と思っていると中央ドリブルで攻め上がる沢田から右藤本へ、藤本のセンタリングをコリカがヘッドで叩き込んで同点に追いついた。
おお、このまま逆転だ!と思ったら、なぜか攻めるのか守るのか中途半端に。そして浦和の左からの展開、ボールがPA外ゴール正面、途中出場の田中達也に渡る。田中は右へドリブルしながら右足を振りぬいた。ゴール。ガンバ大阪戦で見たような展開で勝ち越された。浦和は更に小野のループシュートなどで攻め立てる。
ここで選手交代。沢田>トゥーリオ。ええっ、駒野を下げてだろ?沢田を下げてはまずい・・・
サンフの反撃もままならない。カズの絶妙なスルーパスに久保が抜け出すが、右足シュートは枠を外れ、大木に代わって入った高橋の鮮やかなループシュートも、直前に岡野を倒したとしてノーゴール。そして痛恨のミス。
左サイドに出たボールにトゥーリオが追いつきキープ。浦和の選手が一人詰めていく。トゥーリオクリア。しかしそれがフィールド中央への、一番やってはいけないクリア。そこには浦和の選手がいた。すぐに小野へ出され、小野は田中へパス。田中はフェイントで桑原をかわすと、ゴールに楽々叩き込んで浦和3点目。突き放した。そしてこれでサンフの選手の集中力は完全に途切れた。カズ>森保もとくに何の効果ももたらさず。田中達也はハットトリックのチャンスは逃したが、堂々の2ゴール。1年坊に2点献上とは、サンフも人がいい。試合終了、1−3。
試合終了後、私がオーレカードを出してる間だったので知らなかったが、ご丁寧にも小野のためにセレモニーを用意ですか?上村が花束贈呈ですか?どこまでも人がいい。至れり尽せり。まさか最初から負けるつもりだったんでしょうかね。そんなことするヒマあったら、駐車場をもっとマシにしてくれ。帰りに西風新都がわへ曲がれませんと言われたときはふざけんなと思った。まあ、私が駐車場を出てきたときは通行人もいなかったから勝手に右折して出て行ったが。
ビッグアーチを出ようとしたら、先日吉田サッカー公園で天皇杯予選を一緒に観ていたどこかのトレセンの子供たちに見つかり、「この前吉田にいた人だ」と囲まれてしまった。子供は物覚えがいいな。いろいろと解説って言うか聞かれたことに丁寧に答えていたりしたので覚えていたようだ。
小谷サービスエリアでは汗臭い赤い人たちがもみじまんじゅうなどを買いあさっていた。


6月23日 広島ビッグアーチ 雨
VSガンバ大阪

雨。昼からは収束に向かうとか天気予報は言っていたが、ゼンゼン止みそうにない。BS1で磐田と福岡のゲームが始まった。でも止まない。それどころかバケツをひっくり返したような大雨になった。中払のクロスに山下ヘッドで合わせてゴール!さすが2002の2トップの一角だ。でも偽男・前田が隊長を倒してPK献上、服部トシヒロが決めてすぐさま同点に追いついた。アホか。無駄に年食いやがって。前半終了。ハチャメチャ・ジャッジの連発のために沸きあがる「審判交代!」の大合唱を聞きながらTVを消し、19時からの絶好調ジェフ市原様の試合を録画予約して家を出る。SB席前売り買っちゃってるし。
激しい雨の中、サンフのステッカーを貼った横浜ナンバーの車とかなにわナンバーの車とかを追い越しながら五日市ICに着く。ビッグアーチの正面駐車場にまだ止められるようだ、と思ったら、駐車場の入り口で、裏のほうへ回ってくださいと言われた。まったく、なってない奴等だ。好かんき。裏へ止め、てくてくと大回りして正面へ回り、中へ入るとちょうどスタメン発表の場面。
ガンバは、GK都築、DF柳本、宮本、木場、新井場、MF稲本、遠藤、ビタウ、二川、FWニーノ・ブーレ、吉原。
サンフは、GK下田、DF沢田、上村、トゥーリオ、服部、MF桑原、奥野、藤本、FW大木、久保、高橋。
水曜日のナビスコでまたぎフェイントからの豪快なVゴールを決めた大木がスタメン。藤本がトップ下に入る。川島は出ないのか。トゥーリオの怪我(水曜日のナビスコで負傷交代した)は大丈夫なのか?試合開始。
左サイドにボールを追っていった上村が相手ともつれて倒れた。そして膝を押さえてのたうち回る。起き上がってこない、相当ひどそうだ。八田と川島がアップを始める。上村はいったん外に出された。
上村が戻ってきた。だがいきなりの決定機はガンバ。最後尾からスルスルと上がってきた宮本がCB二枚の間、ゴール正面でフリーでパスを受ける。なんでどフリーになる?唖然とするスタンド。宮本は振り向きざまシュート!しかし下田が鋭く反応してセーブし、事なきを得る。上村とトゥーリオは怪我持ちだし、大丈夫かよ・・・と思っていたら、失点。中盤でのパスが相手に渡り、すぐさま新井場に展開される。新井場はそのままフリーで切り込むと、トゥーリオが来る前にセンタリング!だが上村がいる!と思ったらニーノ・ブーレが余裕のヘッド。ガンバが至極あっさりと先制した。
上村はしきりに右足を気にしている。ヘッドの時もまるで跳べていない。おい、まずいで・・・トゥーリオもあまりようないみたいやし、ニーノ・ブーレに空中戦挑まれたらどないせえっちゅうねん・・・関西弁になりながらハラハラ。中盤でボールを奪われたら、稲本・遠藤・ビタウ・二川のカルテットが電光石火のパス回しからスペースに走る2トップにボールを供給。ニーノがサイドに開くのは怖くはないが、吉原に出たときは怖い。サンフDF陣が対応できない速さだ。大木の決定的シュート(都築左手一本セーブ)など、全体としてはサンフが押し込んでいるのだが、カウンター時の対応がまずいので雰囲気は悪いという、気持ち悪い展開となった。
だが、それを打破したのは久保。センターサークル付近でボールを受けた久保、右サイドが空いているのを見るや大きなストライドのドリブルで一気に右を持ち上がる。2人が追いすがるが、久保は巧みなキープからさらに切り込み、ゴールライン際で切り返してラインを背にセンタリング。これにファーの選手がダイビングヘッドで合わせてゴール!位置的には高橋かと思ったが、なんと決めたのはボランチの奥野。よく上がっていた。さすがベテラン・・・
と思ったのもつかの間、再びサイドを新井場に破られる。中に折り返し、吉原が落とす。そこへ走りこんだのはビタウ。フリーだ。
「撃ってくる!」
思わずつぶやいたのと同時に、ビタウがワントラップからのミドルシュート!下田が跳ぶが及ばず、見事に抑えのきいたボールは豪快にゴール右隅に突き刺さった。稲本なら宇宙開発だったのに。ていうか、そこでフリーにするとは何事か!ゴール前が薄い、センターバックにボランチ何やってんの!とブライトさん入りながら前半終了。
攻撃陣はなかなかの出来なのだが・・・大木は久保との絡みがいい。ゴール前での豪快なスルーも面白くって、いい。ガンバDF陣がカンペキ騙されてるし。
なんか買いに出ると、入場口付近に西嶋くんとハンジェくんがいた。明日のサテライト、雨が降ってなかったら行きますさかいに・・・
売り場には長蛇の列。しばらく並んだが、うっとうしいので一番空いてたアイス売り場に行き、アイスを買って戻る。
後半が開始していた。上村がいない。やはり相当悪いか。川島が右サイドバックに入り、沢田がボランチに上がり、奥野が上村のいた位置に下がっている。やっと川島か。でも最初からこういう布陣のほうがよかったんじゃないか、と思っていたら、今度はPA外、左から中央へドリブルしてきたガンバの選手が右足を振りぬいた。枠を捉えたミドルシュートに下田が反応するが、ボールはその手を弾くと、ぽとりとゴールに飛び込んだ。ガンバ3点目!
うまいミドルだったな、遠藤かよ・・・と思ったら、ちょっと小さい。18番・・・吉原ぁ!?おまえ、そりゃあキャラちゃうやんけ。今日はビタウといい、他のもんが化けてないか!?
さらに立て続けにシュートを浴びる。しかし下田が確実にセーブ。
だがこっちの攻撃陣もたびたびガンバゴール前に迫るが、シュートが撃てない。逆にカウンターを食らい、下田のセーブで救われる、という時間帯が続く。その中ガンバゴール前での混戦からPA内に侵入した高橋にボールが渡った。胸でワントラップして、シュート!・・・と思ったら、なんと高橋は力のないボールを内側に折り返した。そこに味方の選手はおらず、ガンバDFが大きくクリア。何やっとんのじゃ!
そして交代。高橋>山形。藤本がFWに上がる。
右サイド川島は、いまいち思い切りが悪い気がする。2点ビハインドで慎重になっているんだろうが、もっとタテへ抜けてほしい。服部は中盤からでもどんどんドリブルを仕掛け、クロスを上げてくる。大木もこれに反応して飛び込む!山形もパスを出すとゴール前に飛び込んだりと、ガンバ守備陣を圧迫する。だがガンバも稲本が実にいいカバーリングを見せ、フィジカルでの強さも見せて沢田や奥野から強引にボールを奪ってカウンターを繰り出す。
中央やや遠いところからFKゲット。ようし、川島もいるし、うまく放り込めよ・・・とか思ってたら藤本は直接狙って大きく外してしまった。アホか!そんな位置からじゃロベカルかエドゥー@フリューゲルスでないと入らんわい!
さらに交代、藤本>吉田。リーグ戦初出場だ。
またもFK奪取。今度はサチオもおるで、きっちり合わせたりや。おや、トゥーリオが蹴るか。あれ、沢田に代わった。トゥーリオはゴール前へ。おお、さらにゴール確率高くなった。沢田キック!しかし直接狙ったボールはあさっての方向!なんでゴール前に合わせんのやー!
あーあ、と思っていると、中盤から久保にボールが入る。この日は久保に入ると必ずチャンスが生まれる。ガンバDF陣はドリブルを止められないし、パスワークも絶妙。もう彼に頼るしかないよ・・・と、久保は大木にパス。大木はパスを受けるとその場でキープ、そして中央へグラウンダーのパス。そこには久保!CB2人の間に割って入っていた久保はボールを受けると素早く反転、DFが詰めるより早く左足を振りぬいた。これには都築も飛びついたが及ばず、ボールは濡れた芝上を走ってゴール右隅に突き刺さった。2−3!久保はそのボールを取ってダッシュで戻っていく。
この二人は相性がいいといわれるが、それにしても見事なワンツーだった。これほど見事に久保にボールを出せるのは、大木しかいない。
サチオのオーバーヘッド!PA外ということでいささか無謀だったが、気持ちは入っているプレイだ。さらに右サイド、ゴールに近いところでのスローイン。ロングスロー射程距離だ。ここはサチオだろー、と思ったら、沢田か誰かが入れようとする。そこへ逆サイドに行った当の彼が手を上げながらダッシュでボールをもらいに行った。サチオは助走を取って投げる!ニアサイドの川島に合わせた。こぼれ球をセンタリングしようとしたが、芝を蹴ってしまいボールは流れた。
下田のキックに久保がダイレクトで合わせてロングシュートも大きく外してしまう。他の人間がやったら「アホか」と言われてしまうプレイだが、久保がやったら許せてしまう。うまくいったら入りそうな気がするし。さらに右サイドからPA内に侵入した久保のシュート!だが都築がきっちり押さえる。ロスタイム突入、ガンバは吉原>中山、二川>橋本と逃げ切りに入る。いままで選手交代しなかったのは、ひとえにリザーブが貧弱だったからだろう。試合終了間際、左サイドからのスルーパスに久保が突進するが、一瞬早く都築が飛び出してキャッチ。久保と交錯してしばらく倒れていたが、ようやく起き上がってボールを蹴っ飛ばし、ここで試合終了。
またてくてく歩いて車に戻る。MDをつけると、このとき入れていたのは「空耳アワー」を編集したものだったが、流れてきたのはジョアン・ジルベルトの『波』。
「・・・落ち込んだ〜♪」
午前中に『サカつく』やったらガンバにニーノ・ブーレのハットで2−3で負けてたし、何とも予定調和な一日となった。
悪い試合じゃなかったが・・・スタメンの上村・トゥーリオはまずかったんではないかと思う。上村の場合はなんとあの時に靭帯損傷という重傷を負っていたこともあるが、二人とも負傷持ちのせいか動けないし跳べなかった。上村が万全なら1失点目のニーノのヘッドを前でクリアできていたはずだし、トゥーリオも万全ならビタウと吉原のチェックに行けただろう。奥野をセンターに置いておくべきだったか。せめて森保が出られればもっと違ったのだが、彼も水曜のナビスコでの負傷のため出場できず。
でもあんなにあっさりカウンターを食らうというのはどうも・・・だが。
攻撃のほうは、サイドチェンジも出来てきたし、狭い地域でのパスワークで崩す場面も増えてきたし、カズにコリカがいなくともよくなってきている。
怪我人は早く治して、次!

6月16日 神戸ユニバー競技場 晴れ
VSヴィッセル神戸

土曜日は晴れ。いい天気だ。ならば昨年のようなことはないだろうと思って家を出た。たとえオーストラリア組とユース代表トリオがいなくとも。
この試合、ニポ監督は後半に面白いことをすると言っていたが、何をするのか。候補としては、
1.川島・久保・梅田のトリプル・タワー
2.川島ボランチ、宮崎トップ下
3.噂のK−BOX
4.久保がものすごいヅラかぶって登場
5.全員坊主
これくらいか。
神戸に着いたので、タワーレコードやHMVやジュンク堂書店とかぐるぐる回り、13時を回ったのでユニバーへと向かう。
これだけ晴れた日にユニバーへ来るのは初めてだ。試合展開も違ったものになるだろう、とこのときは思っていた。
しかし晴れてるのはいいがとにかく暑い。日光は刺すような強さで、バックスタンドのS席に座った自分は干物状態。
試合開始20分ほど前にスタメン発表。
サンフは、GK下田、DF沢田、トゥーリオ、上村、服部、MF桑原、森保、山形、FW藤本、久保、高橋。リザーブは加藤、奥野、川島、宮崎、梅田。
神戸は、GK掛川、DF鈴木たけひと、シジクレイ、土屋、松尾、MFサントス、望月、吉村こーじ、薮田、ダニエル、FW和多田。
神戸は3トップ対策として4バックを採ってきた。しかも中盤が5人。薮田と吉村がサイドに張ってこっちのサイドを圧迫するつもりのようだ。考えてきてるなあ。
アップの時、川島と宮崎が組になってボール回しなどやっていたが、なにぶん身長差がすごいので、見ていて珍妙だった。
試合開始。
圧倒的、ていうか一方的神戸ペース。
こっちは中盤でミスのオンパレード。これを拾うのがパス能力の高い望月とサントスのダブルボランチだからたまらない。すぐさまサイドに展開し、和多田・ダニエルにクロス、を繰り返し、CK・スローインを取りまくる。特に和多田はロングレンジからでもご自慢のロングスローをビュンビュンゴール前に放り込んでくる。その威力はほとんどFKと変わらない。スゴイや。
こちらは中盤であっさりボールを失いサイドを衝かれるので、両サイドバックが全く出て行けない。かくて中盤がさらに薄くなり、ボールを奪われて自在に回され・・・を果てしなく繰り返す。この前(ナビスコ)の東京戦といっしょやんけ。
その中、上村のミスパスから一気にカウンターを食らう。中央の和多田にくさびのボールが入った。DFが一人つく。右からもう一人向かおうとした時、その外側から背番号18がタテへ飛び出した。和多田は振りかえりざま彼の前のスペースへ絶妙のスルーパス!背番号18・薮田は追いつくと中央へ折り返す。そしてそこに走りこんだのはダニエル!鮮やかな速攻・コンビネーションで先取点を奪った。
こっちはコンビネーションは存在しないぞ。たまにゴール前に迫ってもシジさんや土屋にストップされてシュートすら撃てない。山形は時折うまいドリブルを見せるものの後が続かないし、藤本は、中盤での動きは秀逸なもののゴールに近づくにつれてスピードが落ち詰まってしまう。なにより久保にボールが入らなくてはゴールの匂いすらしてこない。そのまま前半終了。アウェイ側ゴール裏からはブーイングの嵐だが、それも当然といえる。どう立て直す?
ハーフタイム、フィールドに出てきたのは加藤・川島・宮崎のみ。となると梅田・奥野が後半から投入か。梅田は藤本とだろうか。奥野はDFかMFか?・・・暑いので頭が回らない。
選手が出てくる。梅田と奥野がいる。藤本と山形がいない。誰がトップ下だよ?と思ったら、後半キックオフのサンフ、サークル内に入ったのは久保と桑原。桑原がトップ下・・・中盤のスペースを運動量のある彼がカバーする、いわゆるK−BOXフォーメーションだ。奥野はボランチに入る。中盤に守備的MFが3人・・・大丈夫か?
と思ったら、これが意外と機能する。中盤での守備力が向上したため両サイドがどんどん進出してくる。服部・沢田のドリブル突破が見られるようになってきた。守備も活気づき、神戸の決定的チャンスも下田がファインセーブを見せて追加点を許さない。沢田は積極的に切り込んで2度FKを奪取。服部のキックから混戦の中梅田がヘッドで合わせたが、シジさんが寸前ではじき出した。しかしほかには久保がゴール前の混戦からGKをかわしてシュートもバウンドが合わず枠を外し、また奥野がFKのこぼれ球を逆サイドフリーでトラップしたが、シュートは完全に当たり損ねてゴールラインを転々と割るなど、とにかくシュートが枠に行かない。それに何といってもディフェンスを崩しきれない。やはり中央にパスの出せるのがいないと・・・カズがいれば。
高橋に代えて宮崎投入。この期に及んでは川島を入れてトリプル・タワーの荒業にいってほしかったが、沢田や服部のドリブルが結構有効だったし、まあいいか。
だが神戸も布部、北本と中盤・ディフェンスを入れ替えて適宜対応。遅延行為上等!で2枚もらってしまったが、ロスタイムにもサントス>菅原ときっちりお約束で逃げ切った。
こう書いてなんだが、いつもといっしょの試合展開だった。
去年と違ったのは、よく日焼けできたということだった。

5月3日 広島ビッグアーチ 晴れ
VS FC東京

試合開始が15時なので、午前中は中国文明展でも見に行かないけんかいのう、とか思っていたら、10時から広域公園第一球技場でもみじカップ・U−17日本代表VS皆実高、国見高VSサンフレッチェ広島ユースが行われると聞き、あっさり予定変更、7時半に家を出る。
ローソンでSC席を買おうとしたら、Loppiの言うには、
「完売いたしました」
なんと。しょうことなしにSA購入。
今日からフラワーフェスティバルが始まるが、この時間の山陽道はまだそれほど混んでいない。すいすいと進み、9時過ぎには五日市ICに到着した。ビッグアーチを見ると、いつもはチームフラッグが揚がっているポールいっぱいに鯉のぼりが翻っている。
道中のBGMは、おととしエア・チェックしたバイロイト音楽祭のヴァーグナー《ローエングリン》。第3幕、シェルデ河畔にドイツ軍が集結するくだりのオーケストラはいつ聴いても燃える。精神が戦闘態勢に入るね。ハイル・ケーニヒ・ハインリヒ!
下りて給油し、コンビニで食い物を買って、広域公園へ。
(もみじカップの結果は2001・その他を参照のこと)
ユースの出来に大満足でビッグアーチへ。今日のサイン会はリトル広島くんコンビ、宮崎&寺内。
コンビニで買ったパンだけでは足りないので、結局弁当を買い、さらに山賊焼きを買って食う。
フィールドではフォリアカップが行われていたが、ポパとコリカがそれを見ながら談笑していた。途中ボールがタッチを割った時には、ちょうど出てきた藤本がボールを渡してあげる一幕も。
この日は肥田さん夫妻の結婚式がフィールドで行われた。二人とも熱烈サポーターということで、出身サポーターズクラブからも大歓声だ。1万を超える観衆の祝福を受けたお二方に神の恵みがありますように、アーメン。でもこのゲームに勝たないとお二人は本当のハッピーにはなれないぞ。頼むぞ、サンフの面々。ピッチサイドには久保社長や今西総監督の姿も見えた。
FC東京にはキング・オブ・トーキョー、アマラオ復帰。メンバーには伊藤さんも名を連ねる。彼にはとりあえず拍手をしとかねばなるまい。
サンフの登録選手は、下田・川島・桑原・駒野・森保・カズ・コリカ・久保・藤本・加藤・高橋・梅田・服部・ポパ・上村・トゥーリオ。はてさて、4−3−3か3−4−3か?
アップ開始。主力組から離れてボールを回しているのは・・・コリカ、梅田、川島、そしてトゥーリオ。トゥーリオが外れるということは、今日は4−3−3か!
しかし、今日は12番の入った紫の小旗を配布しただけあってスタンドが紫に染まっている。スタンドのテンションも試合前から結構高い。それに比べてタチの悪い野次で悪名高いFC東京サポはなんだか静かだ。浦和戦での問題で自主謹慎中か?
FJKのダンスはなしでスタメン発表。
東京はGK土肥、DF伊藤、小峯、サンドロ、藤山、MF浅利、下平、三浦文丈、ケリー、FWロペス、アマラオ。伊藤さんは右SBに入る。
サンフは、GK下田、DF駒野、ポパ、上村、服部、MF桑原、森保、カズ、FW藤本、久保、高橋。ついに4−3−3に還ってきた。そして、15時4分キックオフ。
序盤はやや危ないところもあったが、次第にサンフがペースをつかむ。前線の3人が非常に活発で、特に藤本は凄まじい運動量でガシガシと当たってゆく。なるほど、こんなふうにやってて柏戦では勢い余って退場しちまったんだな。藤本が右サイドから一気に上がり、シュートか、と思ったら逆サイドへクロス。高橋が折り返して中央久保がヘッド!しかしゴールならず。今のは藤本シュートだよ。でも今日は期待できそう・・・と思っていると、中盤で素早いプレスをかけた藤本が相手からボールを奪った。こぼれたボールを久保がそのまま上がってくる藤本にダイレクトで返す。藤本はそのままタテに切り込む。左サイドから高橋が彼の前方を横切って中央に向かう。藤本がその高橋向けて絶妙のスルーパス!高橋は土肥が迫ってくるのを見ると、ひょいっとボールをすくい上げるようにシュート!ボールは土肥に当たり、ころころとゴール向け転がっていく。
「入れ!」
辺りで一斉に声があがる。ボールはスタンドの願いに押されたか、きっちりとゴールへのコースをたどり、ゴール左隅に転がりこんだ。11分、1−0先制!
しかし、ちょっと早すぎたのか、それから東京ペースに。下田がミスキックを上村にぶつけてしまい、こぼれを拾われてピンチに陥ったが、下田が体を張って防ぎ、なんとか事なきを得た。伊藤さんも右サイドから鋭いドリブル突破を見せ、スタンドをヒヤヒヤさせる。サンフも徐々に押し返し、駒野・服部が効果的な上がりを見せてクロスを放り込む。高橋と藤本の二人はポジションチェンジを繰り返しながら積極的にボールを受け、展開する。久保も頭をつるつるに剃り上げて覚悟完了か、ボールに対する凄まじい執着心で半ば強引にボールを奪ったり、右からのクロスをファーサイドでダイレクトで合わせたり(GK正面)、今まで以上の迫力を感じさせる。そして前半ロスタイム突入直前・・・
左サイド深いところでスローイン。4バックのせいか、上村はロングスローにやってこない。服部がボールを拾う。そして藤本に入れる。コーナーポスト付近でボールを受けた藤本、二人に囲まれた。さてどうする?その瞬間、藤本はボールを足に引っ掛け、ひょいと浮かせると二人の間を通した。そしてそこに服部が!服部はボールを左足に持ちかえるとふわり、とセンタリング。その弾道の先、ニアに再び高橋が飛び込んだ。マーカーをものともせずジャンプ一番、頭を一振り。鮮やかなヘッドがゴールに突き刺さった。2−0!
前半終了間際にも左サイドからの藤本のクロスにファーサイドからダイビングヘッドで合わせるなど、今日は高橋’sデイになりそうな雰囲気になった。前節横浜戦で外しまくったらしいが、とてもそうには思えない。
後半もサンフは攻める。藤本のFKが惜しくもポストを叩く。いつも後半にはバテて相手の攻勢を許すのだが、全員がとにかく動いて相手の攻撃の芽を摘みまくり、決定機を許さない。アマラオ・ロペスの2人も何も出来ない。特にロペスは昨年レッドを贈呈された上村がぴったりとマークしているので、本当にやりにくそうだ。そしてとどめの1点。強引かつ粘り強い久保のキープから右CK。服部がコーナーポストへ向かう。そして助走からいつもどおりのふわりとしたボールを上げる。舞い上がったボールは、それまでのファーではなくニアへ急降下した。ファーに位置を取っていたGK土肥があわててボールに向かう。しかしそれよりも早くボール落下点に入っていた背番号14がこれをヘッドで捉えた。ゴールライン際でディフェンスが足を出して防ぐが、ボールはそれを蹴ってゴールに飛び込んだ。高橋ハットトリック!この快記録にスタンドの熱狂は最高潮に。やはり今日は高橋ナイス・デイだった。
あとは高橋・森保に代え梅田(CFに。久保が右FWへ)・トゥーリオ(そのままボランチへ)、カズに代えコリカと、選手をリフレッシュしつつも90分間攻めつづけ、守備も集中を切らさず、そのまま3−0で押し切った。紫の旗が一斉にはためく。今季最多の3ゴールに加え4バック初の無失点で快勝!
梅田は出場早々のビッグチャンスを決めときたかったが、土肥の懐に蹴っちゃったのが惜しい。
5月3日は、観戦したここ3年間は3連勝(対平塚3−0、対横浜2−0)と相性がいいなあ。
他会場の結果・・・次対戦する市原は鹿島を2−0(中西、2たび宙を舞う!)で降してなんと4連勝。ベルデニック、実は有能監督か?J1はこの日ホームチームが(ほぼ)軒並み勝利、お客さん大満足の一日となった。めでたしめでたし。
でもtotoのほうは、柏と仙台(守りきらんかい!)のうっかりのおかげで3つ外し。しかし適当に選んだシングルが惜しいとは、世の中わからんもんだ。

4月14日 広島スタジアム 雨のち晴
VSアビスパ福岡

1勝3敗、これ以上負けると本格的にまずくなってくるこの試合、会社の後輩と一緒に行く。
下(国道2号線)を通って志和まで行き、そこから山陽道で広島へ。最初は「いい日和でがんすのう」(木村和司@サカつく)という感じだったが、広島に着いたころには空が白くなってきた。雲が出てきている。
「60%っていってましたよ」
マジですか。広経大の近くの食堂で昼食をとり、南へ進路を定めた時、車の窓に雨粒が・・・
広スタに着き、SB席を買ってスタンドに入る。フォリアカップで佐伯区トレセンVSサンフレッチェJrのゲームが行われていた。後半に差し掛かっていたが、とにかくサンフの10番、CFの翼くん(サンフには翼が多いな)が身体能力にものを言わせゴールラッシュ。逆転勝利を飾った。
下のほうで上村・トゥーリオ・高橋・浩司がボール回しを始めた。それに宮崎が加わる。離れたところでは沢田が入念にストレッチをしていた。
曇り空は晴れず、寒くなってきた。あまつさえ大粒の雨が降り始める。あわてていったんスタジアムを出、ポンチョを買う。
帰ってくると、両チームの選手がフィールドに広がってアップをしていた。サンフのメンバーのうち、大木・宮崎・森保・浩司が離れたところで4人でボール回しを行っている。彼らに加えて加藤がリザーブとすると、残りのメンバーは、
下田・奥野・上村・トゥーリオ・駒野・桑原・沢田・服部・カズ・高橋・久保。
このメンバーだと・・・え、3−5−2ですかっ!?
後輩は、「やっぱ3−5−2ですよ」というが、去年と同じことになりはしまいな、と不安がよぎる。
FJKのダンスに福岡サポーター「ウルトラス・オブリ」が「アンコールっ!!」の大合唱。いつもながら景気がいい。雨は小降りになってきた。
スタメン発表。福岡はGK尾崎、DF平島、光顕さん、偽前田、ヤッさん、MF野田、バデア、ダビ、中払、FW服部、そして復活の山下。おなじく復活の久永はベンチスタートだ。こちらは沢田がボランチに入る3−5−2。でも桑原の紹介の時、電光掲示板でのポジション表記は「DF」。なんでやねん。
試合開始。まずはサンフがペースを握る。2トップの精力的な動きから両サイド、そして飛び出してくる沢田がボールに絡んで福岡ゴールに襲い掛かる。駒野のCK、こぼれ球を再び駒野がライナークロス!ゴール前の並み居る面々の頭をかすめ、ボールはファーのトゥーリオの頭にピタリ!惜しくもヘッドは枠を外れた。駒野、もうJ1の雰囲気には慣れたようだ。
服部も負けていない。右サイドのパス交換から沢田が左に展開、これを受けた服部がそのままタテに突破、マーカーを抜ききらない体勢からゴール前にクロスを放った。ファーの高橋にズバリ合ったナイスなクロスだったが、高橋が最初の処理を誤り、シュートまでいけず。
そのうち、福岡の運動量がサンフの中盤を制圧してきた。次第にロングボールを前線に蹴り出し、競ったボールを取られてまた攻められる、という展開に。去年と同じじゃん。福岡は、バデア・ダビ・中払といったパス能力に長けた面々が縦横無尽に動いてボールを回し、サイドの平島やヤッさんに素早く展開する。最後にはサンフの3バックに抑えられてしまうが、鮮やかなボール回しだ。こちらは早やサイドが引き気味になって中盤が空いてきた。駒野のFKなど、一発勝負になってくる。
ピッチサイドに宮崎がやってきた。もう出るのか?3トップか?でも誰と代える?ボードには「17」の文字。え、服部?何で?
バランスの悪い走り方で服部が戻ってきた。足を痛めたのか・・・宮崎がイン、J1、いや公式戦初登場だ。光平コールが巻き起こる。彼のドリブルの素晴らしさはみんな知っている。頼むぞ!宮崎は右FWに入り、沢田が右に張り出して桑原の1ボランチ、駒野は左に回った。3−4−3となる。
アクシデントだが、これが活性剤になるか?しかし、その中まさかの先制点を奪われる。
左サイドからアーリークロス。逆サイドに山下が走っているが、大きい・・・と思ったら、山下がフリーだった。一人向かうが、追いつかない。山下が頭で折り返す。とはいえ、もともと大きすぎたので、力のない山なりのボールが上がっただけだった。楽々クリア・・・と思ったら、落下点に誰もいない。いや、一人猛然と走りこんできた。ダビだ。しかも、誰もマークしていない、どフリーでPAに入ってくる。そしてフリーのまま、ゆっくりと落ちてくるボールをダイレクトボレー!思いっきり叩きつけられたボールは大きくバウンドして下田の頭上を越え、振り向いた下田の目の前でポストに当たり、ゴールに転がりこんだ。福岡先制、スタンドのみんなは口があんぐり。何でいつもいつも福岡にはこんなしょーもないゴールをプレゼントするのか。
サンフは反撃に出ようとするが、思うに任せない。上村のロングスローからトゥーリオが合わせたが、これも枠を外れる。そのまま前半が終了した。
ハーフタイム、市原がえふまりをリード、と電光掲示板に表示される。ああ、今日も阿部勇樹くんががんばってるんだ。これなら今日の最下位落ちはないよ。阿部くんありがとう・・・と試合展開も知らないのに感謝。あとでニュースを見てみたら全くそのとおりだったんだから恐れ入る。
それはともかく、後半スタート。メンバーチェンジはなし。さあ攻撃だ!左に開いた駒野からゴール前にアーリークロスが飛び出し、これに宮崎が反応する。密集の中から抜け出し、PAに入った・・・と思った時宮崎が転倒した。モットラムさんが笛を吹き、PKスポットを指差し、次いで光顕さんにイエロー提示。PKだ!やったぜ宮崎!・・・・・で、誰が蹴るの?
通常ならポパ、でなければビンビ。藤本もいない。桑原か沢田か?と思った時、背番号10がボールを拾い上げ、自らセットした。ええっ、久保が!?こういうものはかたくなに拒んできた彼が・・・久保は助走を取り、思い切り左足を一振り!ゴール右に飛んだシュートに尾崎は反応したが、ボールはその手をはじき飛ばしてゴールに突き刺さった。1−1同点!
だが、事態はそれほど好転しなかった。中盤は相変わらず福岡のもので、こちらはゴール前までいけない。大胆なサイドチェンジなどで局面を打開できればいいが、それが出る気配もない。沢田と駒野が引いてきて、5−1−1−3みたいな布陣になった。こちらがボールを持っても、攻撃しようがない。久保にまともなボールが入らないのでは、もうお手上げだ。森保がピッチサイドに出てきた。ボードには「8」。え、カズ交代で森保?どういうこった。しかしいったん引っ込める。しかし・・・
福岡のCK、弾き返してボールが右の宮崎に回る。その付近では久保が走り出そうとする。久保に出ればチャンスだ!宮崎はトラップし、ヒールで自分の左にボールを回す。そして次のプレイをしようとした瞬間、ヤッさんがそのボールをかっさらった。そして素早くタテのダビへ。
まずい、と思う間もなく、ダビは切り込んで向かってくるディフェンス2人の間を通しグラウンダーで中央へ、PAすぐ外中央にいた中払がこれを落とし、そこに走りこんだのは山下!DFの間を通し、ゴール右スミにきれいに打ち込んだ。このビューティフルシュートで福岡勝ち越し。
キックオフ直後、カズのパスから駒野が左サイドを破った。そして低いクロス!絶妙の弾道を描いたクロスがダイブする小兵・宮崎の頭にドンピシャリ!しかし、完全に枠を捉えていたこのシュートを尾崎がとっさに身を倒してキャッチ。自らのミスを取り返すことができず、宮崎天を仰ぐ。ここで森保イン。しかし一向に立ち直る気配はない。そしてさらにミス。駒野のFKの跳ね返りを、駒野が処理を誤ってバデアに奪われる。バデアが猛然とゴール向け突進、前には桑原のみ。しかしバデアの右には山下がいた。バデアは桑原をひきつけて山下へパス。完全フリーの山下は下田と1対1、もう下田の神ががりに期待・・・下田セーブ!やった、と思ったら、ボールは再び山下の前へ。山下はがら空きのゴールにボールを流し込み、サンフを突き放した。
もうダメか・・・しかし福岡は気が緩んだか、直後の高橋の左サイドからの突破に全くの無警戒。みすみすクロスを上げさせ、久保にあっさりヘッドで合わされてゴールを許した。2−3、これでまだわからない。さあここで最後のカード、浩司投入だ!・・・あれ、動かない?4バックにして総攻撃でしょう?違うの?ねえ?
サンフはゴール前には殺到するものの、福岡ディフェンス陣を崩しきれない。ロスタイム直前、バックチャージを受けた上村が報復のヒジ打ち一発、一発レッドでジ・エンド。
眠ったような試合展開で、2点差になって目が覚めたように攻撃に出るけど、詰めが甘くて1点差どまり・・・去年と何ら変わっていない。ぜんぜん面白くない。審判のレフェリングなんて関係ない。名古屋と鹿島の試合を見れば、呆れるほどの質の差だ。技術も、ハートも・・・退場で1人少なくなりながらも、ピクシーが交代しながらも鹿島を圧倒し、延長後半ロスタイムで森山執念のVゴール・・・プロなら、これくらいはやってほしい。だいたい、ゴールするってのは他人の家に堂々と押し入って強盗を働くに等しい行為。しかも向こうが取り返しに自分の家にやってきたら、是非もなく返り討ちにする、それくらいの「人のものはオレのもの、オレのものもオレのもの」つまり「ジャイアニズム」を身につけてほしい。福岡には、それがある。
宮崎、あの右サイドでのボールキープはよかった。
誰も助けに行かないとは、センパイらは薄情だよな。

3月25日 広島ビッグアーチ (試合中は)晴
VSコンサドーレ札幌

J1第3節。開幕2連敗は相手が鹿島・磐田というJの双璧ゆえまだ情状酌量の余地はあったが、先週行われた福岡大学との練習試合では中盤を支配されて失点を重ね、5−6で敗れてしまうという言い訳のきかない失態。守備が崩壊し、チームの雰囲気も最悪・・・「悪魔のサイクル」に陥った感のあるサンフレッチェを百戦錬磨の監督・ヴァレリーはどう立て直すのか、注目ですネ・・・と、語尾がなんか湯浅ちっくになったのは今御大の書いた『サッカー監督という仕事』を読んでいるせいだが、それはさておき、今日の試合の展開はサンフサポといえどちょっと読めない。今週は3バックで練習しており、3−4−3を採るらしいが、3−4−3にはいやな思い出があああ・・・
山陽道は概ね晴れていたが、非常に風が強く、時々雨がばらついた。それでも雲間に薄く虹がかかっているのを見ると、J.S.バッハ、復活祭オラトリオの終曲合唱の歌詞「開け天よ、輝けるアーチ(独語ボーゲン、「虹」の意味を持つ)を、ユダの獅子は勝ちて昇りたもう」を思い出し、最下位のサンフには吉兆とほくそえむ。
ビッグアーチは晴れていたが、非常に肌寒い。でもせっかく持ってきた12番のレプリカを無駄にするわけにはいかず着て降りる。まだ券を買ってなかったのでSB・SCどっちにするか迷ったが、まずはSCにした。半券にちょいちょいと名前なんぞを書いて中に入る。
札幌サポーターは結構来ている。北の国からこんにちは。これくらいの気温は何ということもなかろう、とても元気だ。
両チームの選手紹介。しばらくぶりの森も立派になったねえ。そして、駒野がJ1初お目見え。加藤の時には札幌サポから「かっとりゅー!」コール。そういえば前所属クラブでしたな。主審は小幡さん。うん、まあいいでしょ。
両チームの選手が出てきてウォーミングアップを始める。だがこのあたりから雨が降り始めた。いや、雨ではない、雪混じり、雲の下に英と書いて霙(みぞれ)だ。殺す気か!
だがFJKのダンスのころになるとだいぶ止んできた。スピーカーの調子が悪いのか、ときめいてハットトリック!の音量がブレまくる。しまいには尻切れトンボになってしまった。
縁起悪い。
さてスタメン発表。札幌はGK佐藤、DF森・名塚・大森、MFビジュ・野々村・田渕・アウミール・山瀬、FW播戸・俺王。ベストメンバーだ。
サンフは、下田・ポパ・上村・トゥーリオ(ちびっこたちの歓声が多い)・桑原・そしてJ1初スタメンの駒野!続いて服部・カズ・藤本・梅田・久保。
わかった。でも寒いから早く始めてくれ。
15時4分、ゲーム開始。サンフは3バック。中央には練習では上村が入っていたそうだが、ここではいつもどおりポパが務める。右にトゥーリオ、左に上村。中盤はダイヤモンドで、桑原のワンボランチ、右に駒野、左に服部、トップ下にカズ。トップは中央に久保、右に梅田、左に藤本。
序盤は一進一退。播戸の突破を止めた上村がいきなりイエローをもらった。3試合連続のイエローで早くも次は累積出場停止だ。しかし徐々にサンフが押し込み始める。このころになると再び青空が戻ってきた。
慣れ親しんだ3バックが後ろにいるせいか、守備は非常に安定している。素早いプレスからボールカットし、ダイレクトプレイで素早く前線につなぎ、ゴールに向かう。中盤底の桑原がボールをさばいていくが、もう少しパスが上手ければ・・・しかし一人で中盤の広範囲をフォローして奮闘しているため、目をつむるほかない。
ファーストシュートはカズのミドル。さらに駒野の突破からFKをもらい、藤本のキックに上村のヘッド!しかし上に外れる。
札幌の2トップは上村とトゥーリオに抑え込まれ、さらにポパが余っているのでチャンスすら作れない。上村が積極的に中盤にあがり、攻撃に絡んでいく。
今日は調子いいぞ、と思っていると左サイド服部からグラウンダーのクロス!これを梅田がダイレクトでリターン、そこにオフサイドぎりぎりで抜け出した久保!だが右足で放ったシュートは佐藤に弾かれる。
服部は中盤に上がったせいか「アグレッシブよろしく」な感じで、左から、時には真ん中にまで進出してボールに絡んでいく。右サイドの駒野も、軌道の予測しづらいドリブルで果敢に切り込み、クロスを入れていく。また守備でも対面のアウミールを見事に抑え込み、札幌に好機を与えない。梅田も、運動量豊富でポストや守備に奮闘している。カズも確実にボールをさばいていくが、欲を言えばもっとスルーパスを狙ってほしい。前半途中、相手のタックルを受けやや足を痛めたような感じ。
サンフが中盤を制圧し攻め続けるが、得点が入らない。札幌もシュートまで持っていけないためじりじりし始めたころ・・・
右からの展開から服部のミドル、しかしディフェンスに当たって跳ね返り、服部はこれをアウトサイドに上がってきた上村にはたくが、これをカットされて右に開くウィルへ!まずいか?しかし桑原が猛然とチェイスしてボールを奪還し、そのままの流れで下田までバックパス。下田はポパへ渡し、ポパは中盤の底へフォローに帰ってきていたカズに出す。カズは振り向きざま左前方にいた上村にはたき、上村はタテに入れ、藤本へ。森を背負った藤本の外を服部が駆け上がっていく。藤本は外へターンして森のマークを外した。
そのまま服部へ開け!
そう思った瞬間、藤本はそうせずに森の裏のスペースへタテにスルーパスを放った。小野伸二ばりのソフトタッチの緩やかなボールがコロコロと無人のスペースを転がってゆく。これにアウトから服部と田渕が食らいついていった。しかし服部が上手く体を入れて前に出る。そしてゆっくりと転がるボールをダイレクトで中央へ折り返した、その先には、ニアへ猛然と走りこむ久保!
左足が一閃し、反応した佐藤の手をはじき飛ばしてボールがゴールに突き刺さった。サンフレッチェ先制!久保が左腕を突き上げて駆け出す。サンフのみんなも大喜びだ。先を争って久保に飛びつく。
ボール奪取からボールを相手に触れさせることなく電光石火の攻撃。しかも最後尾からつないでいったためカウンターではない、素晴らしい流れの中から生まれたゴール・・・うちがこういうサッカーをするなんて。見ているこっちも狂喜乱舞ですよ。
イレブンとスタンドのボルテージが上がる。前半終了間際アウミールから右にフリーの俺王へパスが出てひやりとしたが、俺王がダイレクトで放ったシュートは破壊力充分ながら天高く打ち上げ成功。結局札幌の前半のシュートはこれだけ。サンフのペースで前半終了した。
他会場の途中経過も予想通りで、これは今日は二重にウハウハか、と思いつつ後半開始。
だが先制された札幌は攻勢に出てきた。きっちりとパスをつなぎ、両サイドから崩しにかかる。最初は無難に対応してきたが、だんだん両サイドが下がってきて5バック状態になってくる。中盤が少なくなり、桑原だけでは対応できない。ビジュと野々村のパス回し、攻撃参加から札幌がペースをつかんでゆく。
ヴァレリーが動いた。足を痛めているカズに代わってコリカ。しかし中盤にボールが回らず、トップへのボールも不正確な状態では、コリカは何もできない。続いて梅田>高橋。左サイドに入った高橋は早速ボールに絡み、駒野のミドルシュートを導くがゴールならず。彼もまた、有効なボールが来ないため消えていく。それでもこの日絶好調の服部が決定的なパスを何度か供給するが、久保、高橋が決めきれない。右FWに回った藤本もドリブルで切り込んでのシュートを放つが、GK正面をつく。
大忙しのDF陣だが、トゥーリオは俺王を完璧に抑える。とにかく身長の差を生かし、飛んでくるボールを彼の後ろから頭や足を出してカットしまくる。上村は播戸をどつき倒し寸前といっていいほどのハードマーク。2トップはきっちりケアしているためフィニッシュは許さないものの、伊藤優津樹、黄川田を投入し、前がかりになる札幌にさらに押し込まれ、決定的な場面を許すようになるが、いずれも下田がセーブした。
だが札幌は基本がカウンターであるため、自ら仕掛けるとなるとどうしてもアイデアに欠ける。昔の(今もか?)サンフみたいだが、そこがこちらにとってアドバンテージになった。終盤、藤本>沢田で彼をボランチに入れ、見た目5−3−2として守備を固め、ロスタイム4分をキープで消費し、ホイッスル。苦労したが、何とか逃げ切って今季初勝利をあげた。
いつもどおりの久保のインタビュー、聞こえないぞ。録画を見るしかないな。
電光掲示板を見ると、なんとC大阪−鹿島引き分け。さらに名古屋1−1横浜FM、新潟1−0川崎。
てめえら、ちょっと寒いからって手ェ抜いてんじゃねー!(泣)はい全滅〜。
今日は、とりあえず勝ったからよし。前半の内容を後半も持続できればなおいいのだが。
次節・アウェイでの柏戦はポパ・コリカが代表戦で不在、上村が出場停止。それにこの日のような戦いぶりでは、柏に勝つのは難しい。さて、どういうメンバーで組んでくるのか、どういう戦術を採るのか、心配ながらもある意味楽しみ。