むらさきぐま日記2010.ユース編


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1.たかまど決勝・VS瓦斯 2.JユースGL・VS愛媛

ユースの予定。

*Jユースカップ2010グループリーグ。 

*10月16日 ○4-3 愛媛FC(13:45、北条SC)
(得点:岡本、砂川2、宗近)
*10月24日 △3-3 大分(15:00、大銀B)
(得点:砂川、井波、越智翔)
*10月30日 ○6-2 愛媛FC(14:00、吉田)
(得点:砂川、川森2、平田、井波、末廣)
*11月7日 ○4-0 徳島(14:00、TSV)
(得点:井波、森保、野津田、川森)
*11月13日 ○9-4 徳島(14:00、吉田)
(得点:砂川、森保2、野津田4、越智大2)
*11月21日 ○1-0 大分(14:00、吉田)
(得点:柳川)
*決勝トーナメント。

*12月12日 ○1-0 C大阪(13:00、吉田)
(得点:浅香)
*12月19日 VS横浜FM(11:00、長居第2)

ユースのプレイヤーについてはこっち参照(2010版更新できてません・・・見れてないのでorz)。


10月30日 吉田サッカー公園 曇
Jユースカップ2010・グループリーグ
VS愛媛FCユース

 台風14号は幸い広島県には雨をもたらさなかった(この日自分が動き回った範囲内では)。昼飯を食べにてくてく歩いてるとき、通りがかりの自転車に乗った少年二人が熱くインデックス談議をしていた。そんな平和な昼下がり、ちょー久しぶりに吉田へ向かう。


 久しぶりなので時間の感覚をちょっと忘れていたが、なんとか試合開始直前に吉田到着。天気は曇り。雨は降りそうにない。気温もそんなに低くはない。
 ちょうど両チームの選手がピッチに出てくるところだった。メンバー表を取る。


サンフレッチェ:
9井波
11川森 5岡本
8浅香    10砂川
33平田 17森保
18脇本 3宗近 2越智
16大野

リザーブ・・・
GK21有賀、DF15柳川、23亀島、MF6野口、12藤井、13野津田、30末廣

この日は早瀬が不在、代わりにポイチさんの次男、圭悟がボランチに入っている。 兄の翔平もつけていた17番だ。平田の33番はこれが本来の番号。高円宮杯では7番だったが、これは高円宮杯およびプリンスリーグの登録選手数が25名のため、デフォルトで26番以降の選手はベンチ入りしない25番より前の選手の番号を借りたもの。ちなみにデフォルトの7番は甲元くん。


愛媛:
10金村 22近藤
19野町 14平田
  
23黒瀬 6小原
20藤 17田村 13増谷 24曽根田
1山本
(ちなみに、アウェイなのでユニの色はグレー)

リザーブ・・・
GK16間嶋、DF3菅、15佐々木、MF7垂水、8伊藤、12北岡、FW9林

 愛媛FCジュニアユース出身者がベースだが、サンフレッチェびんご、常石、くにびきの出身者もみえる(びんご:増谷・黒瀬、くにびき:田村・金村、常石:林)。
 10番をつけるエースの金村賢志郎は今年のクラセン得点王。近藤はトップチームの2種登録選手となっている。黒瀬は好きな人物がボア・ハンコック、将来は海賊王になるらしい。 でも現実世界の海賊はいろいろとアレなので、まっとうな職を目指してほしいと思う。船つながりならヴィッセルとか。
 愛媛は、クラセンでは決勝トーナメント進出はならなかったものの、札幌U-18を破るなど勝点6でグループ2位に入っている。高円宮杯ではヴェルディ、セレッソ、札幌という強豪に囲まれて勝点を挙げられなかったが、サンフレッチェは先日の北条での試合、逆転勝ちを収めたものの前半はゲームを支配されて前半1-3とやられている。油断していると足元をすくわれることになるだろう。

 ここまでの2試合はいずれもアウェイで、愛媛には4-3、大分には3-3。ともに前半リードされて折り返されている。高円宮杯準決勝・決勝の逆転劇が印象深いが、それがクセになりかけている。そう毎試合逆転できるものでもないので、そろそろ先制してそのまま試合をコントロールしていきたいところ。連続3失点とかちょっとアレなんで。
 クラブハウスに近いほうのコートで試合が行われ、サンフのベンチは人工芝側になっている。なんか逆だなあ。
 愛媛の選手の親御さんたちも応援に来られている。週末はETCだと安いしね。
 サンフレッチェのキックオフで14時試合開始。


 まず愛媛、ボランチの小原から右サイドに開いた金村に展開。金村はキープして、上がってきたサイドハーフの平田(愛媛の)に渡す。平田は中のFW近藤に預けてワンツー、リターンを追うがラインを割った。次いでカウンター、再び右サイドに開き、そこへ走り込んだ近藤がトラップ、ひとつ持ち込んでシュート!は左に外れる。ファーストシュートは愛媛。
 サンフ、右サイドに開いてセナがキープ、落として砂川クロス、DFに当たってスローインに。スロー、こぼれをつないで岡本→平田、スルーパスに圭悟、はオフサイド。
 愛媛、バックラインで回して増谷→平田→と右サイドへ展開するがラインを割る。今度はこぼれを拾って小原が金村にスルーパス!は合わず。
 立ち上がりは愛媛ペース。出足が鋭く、サンフのパスをカット、またセカンドボールを拾い、速攻を仕掛けている。サンフはまだボールを回すことができない。

 右サイドから越智が一気にサイドチェンジのロングパスを左のスペースへ、そこへ浅香が走り込み、ボールを受けてドリブル突破。二人に囲まれるもキープし、ファウルを受けてFK獲得。左サイド遠目からのFK、圭悟がセットする。キック!鋭いボールがゴール前へ、そこに走り込んだ脇本がヘッド!は上に外れた。惜しい。次いで左サイドスローイン獲得、つないでスルーパスに岡本が飛び出すがGKキャッチ。今度は愛媛、左サイドに展開して黒瀬から野町にクサビが入るが、戻りオフサイド。
 中盤で激しい激突、有真のファウルで、注意が入る。愛媛のFK、小原が素早くゴール前に入れるが、合わずにゴールラインを割る。またも愛媛、平田→黒瀬→金村とつないで右サイドキープ、出したボールにオーバーラップのサイドバック曽根田が走り込んでクロス、はGK大野キャッチ。さらに愛媛、中盤でボールカットし速攻、右サイドに展開して平田が黒瀬とワンツー、突破を図るがDFクリア。サンフ、浅香が平田、有真と連続ワンツーで左サイドを突破するが、DFクリア。今度は右に開いて砂川がアーリークロスを入れるが、GKキャッチ。
 前半10分を過ぎたが、なおも守備から速攻への切り替えの速い愛媛のペース。サンフレッチェはまだ相手を崩しきるまでにはいたらない。


 愛媛、中盤でダイレクトパスをつなぎ曽根田のフィードに金村が走り込むが、宗近がカバーしてファウルをもらう。金村はケンシロウという名前に負けていない身体の強さ。安定したポストプレイでチャンスをつくっている。それにパスを出す小原、機動力のある近藤・黒瀬が絡んでキレのある速攻を繰り出す。なかなかやっかいだ。と、サンフ、中盤でダイレクトパスをつないで右へ、砂川が受けてニアへ入れる、セナが受けてキープからシュート!はDFに当たってラインを割りCKに。右CK、砂川のキックに中央脇本が飛び込んで足で合わせる!が左へ外れた。次いで中盤のこぼれを拾って岡本が左に開き浅香がダイレクトでクロス、中央飛び込んだ有真が合わせる、がやや遠く、ミートしきらずにテンプラになり、GKがっちりとキャッチ。今度は愛媛、宗近のフィードの前に飛び込んでブロック、こぼれを競って右スローインを得、入れて黒瀬→曽根田とつなぎクロス、ファーに飛ぶが誰もおらず、クリア。サンフ、右サイドでセナがキープしそこから岡本→砂川→圭悟とつないでスルーパス、砂川飛び込むがゴールラインを割る。
 15分経過。サンフ、徐々に形ができてきた。高い位置で回せるようになり、互角にまで押し返す。

 愛媛、近藤のフィード。野町・小原が走り込むが、大野キャッチ。今度はサンフ、中盤つないで右に開き、砂川が受けてドリブルで突っ込み鋭いクロス、GK山本キャッチ。次いで中盤のこぼれを拾った圭悟がドリブルで突っ込むところを引っ掛けられ、倒されてFK獲得。中央右、ちょい遠め。直接いける位置。左足なら絶好のところだが、レフティの野津田はベンチ。圭悟と砂川がボールの左右に立つ。ともに右足だが、どう狙うのか。
 砂川がボールの左に立ち、蹴りそうなオーラを発する。圭悟はボールの後方離れたところに立った。砂川が蹴りそうだが、トリックもありそうな場面。カベはファーを切っている。どうする・・・
 砂川がスタートを切った。キック!鋭いボールが壁の右を抜けて曲がり落ちる。GK山本が横っ飛びでセーブ、と見えたが、勢いのあるボールはその手をはじき、右ポストの内側に当たって跳ね返ると、飛びつく山本よりも早くゴールマウスに転がり込んだ。

ゴール!

前半20分、サンフレッチェ先制!砂川、さすがのFKだった。


 中盤でパスをさばいた宗近に遅れてバックチャージを入れた金村にイエローが出る。サンフ、有真が左サイドを突破し倒されてFK。PAの左。圭悟がセットする。先ほどはいいキックがあったけど、今度はどうか・・・キック、同じような鋭いボールに中央合わせる、GKセーブ、こぼれ小さい、押し込め!しかし愛媛クリア。惜しい。
 愛媛、金村のキープから左に展開し、左サイドドリブルでえぐってPA侵入し折り返し、はカット。次いでカウンター、スルーパスに黒瀬が抜け出すが、トラップが大きく、大野がキャッチ。さらに金村のポストから左に展開してクロス、ゴール前に金村が飛び込む!がわずかに合わず。惜しい三連発。先制されたが、まだ勢いは失っていない。
 サンフ、中盤上がり目でダイレクトパスを回す、オフサイド。今度は平田から右サイドに展開、砂川受けてクロスにセナが飛び込む、GKキャッチ。愛媛、左に展開して折り返し、飛び込んだ平田が受けて持ち込みシュート!はGKキャッチ。
 先制したサンフはボールが回るようになってきた。とくに中盤で平田が左に右に、自在に散らしてゲームを構築する。守備でも鋭い出足からボールカットするなど、彼がフィールドの中盤を掌握し始めた。これで1年というんだから。

 愛媛のカウンター、近藤から左の野町に展開、野町が戻して近藤クロス、PA内で黒瀬が受けるがDFカット、クリア。愛媛は攻撃にかかると選手がどんどん飛び込んでくるので、ひとつ間違えば決定的な場面になる。と、小原がGKの位置を見てロングシュート!はやや短く、大野キャッチ。小原、抜け目ないな。愛媛のフィード、金村が飛び出してボールを追うが、パスが長く、ラインを割った。サンフの反撃、越智のサイドチェンジ!浅香が走り込んでDFと競り合うが、浅香のファウルという判定で愛媛ボールに。
 愛媛、GK山本のフィードがそのまま前線の近藤に入り、近藤シュート!DFに当たり、ゴールラインを割ってCKに。右CK、近藤が向かう。平田が近寄り、その後ろに小原が寄ってくる。ショートか。浅香がするすると寄せてくる。近藤、「近い!」と主審にアピール、浅香を下がらせるとショートコーナー、平田が受けて小原に戻し、つないで右サイド近藤に入れクロス、ニアに黒瀬が飛び込んでダイビングヘッド!は右に外れた。次いで愛媛のカウンター、左サイドでボールを回して折り返すが、カットされる。ちょっと性急だったか。
 サンフ、中盤平田から左の浅香へ、戻してきたボールを平田は今度は右に展開、圭悟が受けてさらに右へ、それを受けた砂川、強引にタテへ突き抜けてシュート!強烈なドライブのかかった低空シュート、これはとれない、GK何とかはじく、そこへ有真が詰め、ゴールに押し込んだ。
ゲット!!前半33分、有真のゴールでサンフレッチェがリードを2点に広げた。砂川の仕掛けとシュートが大きかった。高円宮杯の好調をキープしているようだ。



 サンフ、中盤でボールカットし砂川へ、アーリークロスに有真飛び込んでヘッド、GKキャッチ。愛媛、黒瀬が近藤とワンツー、黒瀬受けて金村へ、金村が近藤へ、近藤リターンパス、はカット。近藤、よくボールに絡んでいる。さすがは2種登録されているだけはある。愛媛、左サイドへ開いて野町がキープ、切り返してタテに抜け、折り返して近藤トラップ、浮き球を裏に送るがDFカット。さらに中央で細かくつないで近藤がミドルシュート!上に外れる。
 サンフ、平田から大きく右へ展開し砂川、ドリブルで切り込んでセンタリング、ファー岡本がトラップするがDFクリア。愛媛、左サイドを近藤が突破するところ、越智がタックルを仕掛ける。わずかに遅れてファウルになるが、果敢な守備。そのFK、小原リスタート、野町→DF田村がタテに入れ、平田→黒瀬→増谷→黒瀬、黒瀬がPA内の平田に入れ、平田はすかさずヒール、そこへ右外から増谷が飛び込んでくる!が惜しくもオフサイド。

 サンフ、中央でつないで平田が左へ展開、浅香が突破してクロス、DFがクリアしてCK。右CK、砂川のキック!ファー浅香がダイレクトシュート、DFカット、そしてカウンター、DF藤が左サイドに展開、攻め上がるところへサンフの選手がタックル!笛が吹かれて愛媛のFK。それは森山監督の眼前でのプレイだったが、ここで監督が主審に対して激昂した。
 「どうして!サッカーは激しくやらなきゃ!」
 練習から激しいプレイを志向しているだけに、正当なのに激しいというだけでラフプレイを取られるのは納得できないということだろう。
 サンフ、中盤でFK。岡本が素早くセナに入れるが、オフサイドの判定。次いでセナから右の岡本へ、クロスにセナ飛び込む、DFクリア、こぼれを有真ヘッド、GKキャッチ。愛媛、右サイドへ展開しようとするが平田が見事な出足からタックル、クリアした。いいプレイ。愛媛、右サイド平田→曽根田とつなぐが、浅香がカバー、タッチライン外にボールを追い出してマイボールにする。さっきのゴリさんの怒りが乗り移ったか、集中した守備をみせる。


 サンフ、セナから左の有真へ。有真、ドリブルで仕掛ける。いったんは取られるも、粘って突っかけ、CKを奪取。いいファイトだ。左CK。前半45分経過。圭悟がセット。キック!GKパンチ、拾ってクロス、またパンチ、右タッチラインを割る。前半最後のプレイか?越智がボールを持つ。ロングスロー!クリア、浅香が拾って折り返す、クリア、なおもクリアを拾って押し込み、砂川が左からドリブルで中に切れ込み、DFのブロックが後ろにこぼれるところに有真が抜け出したが、オフサイドの判定。
 まだ終わらない。サンフ、自陣からのフィードに有真が飛び出すが、トラップのときに手に当たってしまいハンド。ここで前半終了の笛が鳴った。



 ハーフタイム。サンフレッチェの選手は全員二階に引き揚げ、愛媛の控え選手だけがピッチに残ってボールを蹴っている。
立ち上がりは押されていたが、砂川のFKの辺りから徐々にボールが回るようになり、平田を経由して軽快な攻めが出るようになった。2点目は、平田が左へ右へとボールを振り、そこから砂川の個人技と有真のボールへの反応、とチームと個のスキルがうまく出たゴールだった。今大会初めてリードで折り返すが、このまま守備は集中して、早めに3点目を取りたいところ。
 15時ちょっと前に審判団が出てきたが、両チームともまだ出てこない。珍しくサンフが先に出てきた。少し遅れて愛媛の選手が出てきて、スパイクの紐を結ぶ。こっちはきっちり15分の休みを取ってんだから急かすなや、というところか。
 愛媛から来訪の親御さんたちがサンフレッチェのベンチ外のユースの選手に、
 「もう淋しくない?」
 とか話しかけておられた。彼が越智くんの弟の大和くんか。まだ中3だが、もう愛媛から転校してきて三矢寮に入り、ユース生と一緒に練習している。先日のサテライトとガイナーレとの練習試合では人手不足で駆り出されて野人らを相手にプレイしたという、貴重なというか殺生なというか、早くもそんな体験をしている。がんばれー。
 それにしても最近の中学生とか「岡野ー!最後は、岡野―――!!」とかリアルタイムで見て覚えてるんだろうか。
 15時3分、後半スタート。

 先手は愛媛、左サイド野町から黒瀬、藤と繋いでドリブルで突破をはかるが、カット。サンフのカウンター、左サイドから浅香がドリブルで切り込み、戻したボールを岡本がキープ、折り返したところに走り込んできた砂川がシュート!DFに当たってCKに。右CK、砂川キック、クリアを岡本が拾って右に戻し、砂川がドリブル切り込みニアへ鋭いクロス、GKキャッチ。次いで宗近から砂川に開き、砂川から左サイドに飛び出す越智へ大きくサイドチェンジ!は合わず。砂川、ミスッたというように悔しがる。岡本が左サイド突破しセンタリング、PA内に二人飛び込むが合わない。後半は立ち上がりからさらに攻撃的にきている。「立ち上がり10分で点を獲るぞ!」のような指示が出てるんだろう。
 平田から岡本、岡本が浮き球でセナへ、セナ、DFにつかれながらも中央右から強引にシュート!上に外れる。圭悟から砂川、砂川クロスに有真競る、DFクリア。右サイド高い位置でボールの奪い合い、愛媛がクリアしようとするところへ平田がブロックに飛び込むとボールはその体に当たって跳ね返り、ゴールラインを割ってゴールキックに。いいファイト。岡本キープからスルーパス、有真が走り込むがGK飛び出してキャッチ。愛媛、右サイドからタテに入れるがオフサイド。サンフが高い位置で次々にチャンスを作っている。

 サンフのロングフィード、有真がDFと競りつつ追い、CK獲得。右CK、砂川のキックに脇本ヘッド!右に外れる。愛媛、圭悟からボールを奪ってカウンター、右サイドから切り込んでクロス、大野キャッチ。そこからのフィードをカットしてボールを繋ぎ波状攻撃、ちょっとヤバい、それでも何とか防いで、ボールはいったん愛媛の最終ラインに戻された。と、そこへセナが猛然とチェック、DFは左にいた味方にはたいたが、これがやや弱く、そこへ有真が猛然と突っ込んでチェック、ボールを奪ってそのまま右サイドを一気に突き破った。砂川が一気にゴール前に向かって走る、有真折り返し、砂川受ける、中へ切れ込みざまスルーパス、そこへ平田が飛び出した。ワンタッチでDFのプレッシャーをかわす、撃つか、いやもうワンフェイク、完全にGKの体勢を崩してからその逆、ゴール左スミに転がした。

ゲット!

 後半11分、サンフレッチェ3点目!FWが相手最終ラインにプレッシャーをかけてボールを奪い、最後はボランチの選手が決める、人数をかけた電光石火のカウンターだった。平田のゴール前の落ち着き、素晴らしい。愛媛にとってこの失点はショックだろう。もはやフィールド上にボールを落ち着けられる場所はなくなった。
有真がファウルをもらいFK、そこからダイレクトパス、狭いところを左サイドに展開しようとするがラインを割る。しかしサンフらしいパスワーク。愛媛のクリアボール、砂川拾ってスルーパス、有真ダイレクトシュート!・・・は当たりきらずにヘロヘロと左に外れ。平田の壁パスから有真が飛び込む、DFブロック。さらに愛媛のバックラインにプレッシャーをかけ、平田が粘ってボールを奪いスルーパス、セナが受け、落ち着いて左スミに流し込んだ。

ゴール!

 後半16分、4-0。またも最終ラインへの圧力からのゴールだった。
 ここで愛媛、右サイドバックの曽根田に代わってDF佐々木イン。左サイドバックに入り、藤が右サイドバックに回った。
 愛媛、アーリークロスに金村走り込むが、DFは落ち着いて大野にバックパス。そしてまたもサンフのカウンター、圭悟のクサビを岡本が右へはたき、有真が最終ラインを破ってゴール右スミに突き刺しゲット!後半18分、またも一瞬のカウンター炸裂。怒涛の三連発で5-0、完全に勝負を決めた。


 愛媛の右からのクロス、ゴール前こぼれる、詰めるがクリア。危ない。今度は左から近藤がえぐってクロス、クリア。集中して守っている。
 後半21分、サンフ選手交代。浅香と有真が下がり、野津田と末廣、二人の1年生がイン。野津田はトップ下、末廣はボランチに入って平田が左アウトサイドに回る。
 愛媛、右FK。小原がゴール前に上げる、ハイボール、大野飛び出してジャンプ一番キャッチ!いいぞ。サンフ、中盤でつないで平田が右サイドに振るが、砂川に通らず。
 愛媛選手交代、黒瀬に代わってFW林イン。
 愛媛右サイドからクロス、左で金村が受け、中央に切り込むところDFと競り合って倒れ、ファウルと思ってボールを抱えたが、主審はファウルを取らずに金村のハンドでサンフボールに。岡本、右から切り込んでシュートはGKキャッチ。
 サンフ、選手交代。圭悟に代わって藤井イン。トップ下に入り、岡本がボランチに下がる。
 カウンター、左へのスルーパスからセナが折り返すがクリア。フィード、こぼれを野津田が拾って藤井へパス、藤井飛び込むがGKギリギリでクリア。愛媛、右サイドからボールを入れ、小原がダイレクトでスルーパス、これを受けた金村がシュート!
 ゲット!後半27分、エースのケンシロウのゴールで愛媛が1点を返した。

 藤井→岡本→砂川とつないで砂川クロス、DFクリア。愛媛、小原から左サイドに展開し途中出場の佐々木、アーリークロス、宗近がその軌道に入ってカット。ちょっとハンドっぽかったぞ。その後、体を張ってファウルをもらう。愛媛、一矢を報いたことでまたゴール求めさまよう心が熱く燃え始めたようだ。そして右サイド高い位置でFKを獲得。近藤、小原、佐々木の三人がボールの周囲に立ってなにやら話し合う。なんかやってきそうだ。壁は四枚。さあキック、一人走る、蹴らずにそのままタテへ、二人目、ちょんと出してコースを変え、三人目は――ゴール前へスルーパス!は大野が飛び出してキャッチ。今度はサンフ、大きくフィード、これを藤井が拾って中央野津田へ、野津田が優しく右へ落としたところへ末廣が走り込んでミドルシュート!

ズドン

とキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!後半31分、目の覚めるような末廣の弾丸ミドルがゴール右上スミに突き刺さり6-1!
 ここでサンフの選手交代、セナと岡本に代わって野口・柳川イン。野口はボランチ、柳川は右アウトサイドに入り、砂川がワントップに上がった。


 愛媛、平田から右サイド上がってきた藤へ、藤クロス、DFクリアしてCK。右CK、近藤のキック、ニアに藤飛び込む、こぼれを近藤クロス、クリア。サンフ、藤井から野口、野口スルーパスに野津田抜け出す、がオフサイド。愛媛、小原から野町、近藤、金村、近藤とつなぎ、キープしてスルーパス、はオフサイド。
サンフ、左サイドに展開して平田が藤井に入れ、足をすくわれてFK。砂川がセットする。かなり遠い距離だが、砂川は長い助走距離をとる。え、狙うのか。勢いをつけてキック!直接狙ったが、大きく上に外れた。ゴールキック、小原に入る。小原、ワンツーでボールを受けるとすかさず前線にフィード、ヘッドで競ったボールがゴール前へ、これに飛び込んだFW林がヘッドで押し込み、ゴールネットを揺らした。後半37分、愛媛、一瞬のうちの執念のゴールで6-2とする。
 あとで聞いたが、横から見ていた人によれば「オフサイドだったけど副審が追いついてなかった(のでオフサイドが見えてなかった)」とのことだった。まあ、林くんは常石OBだし、大勢には影響ないので、大丈夫だ問題ない。

 「入れられた分返せよ!」
 と森山監督の檄が飛ぶ。
 サンフのカウンター、前線に一気に四人飛び出す、パスは左へ、砂川が裏に抜け出して受けシュート!GKキャッチ。次いでダイレクトパスをつないで左へ、平田クロス、DFクリアしCKに。後半39分。左CK、砂川ショートコーナー、野津田が返し砂川クロス、は少し大きく、脇本が何とか頭に当てたがラインを割った。さらに中盤からダイレクトパスのクサビ、砂川へクリア。拾って左に展開し野口のクロス、これにファー藤井が飛び込んでヘッド!右に外れる。4点リードだが、なおも攻撃の意欲を失っていない。
 愛媛選手交代、誰かに代わってMF7垂水がイン。
 愛媛、近藤から右に開く金村へ、クロス、大野キャッチ。藤井の激しいタックルで藤井にイエロー。愛媛右サイドからのFK、近藤がゴール前に上げる、クリア、垂水拾って近藤へ、近藤、ニアへ飛び込む増谷へ、増谷受けてシュート、大野キャッチ、左サイドにフィード、砂川から平田へ、キープ、スローイン。平田スロー、野津田、砂川とつないで平田→藤井→平田、愛媛カットして小原に、しかしサンフが奪い返して野津田が藤井に入れ、藤井キープも、愛媛カット。最終盤だが、両チームとも戦っている。
 宗近が中央をするすると攻め上がり、砂川へスルーパス、は通らず。愛媛が左に展開し佐々木クロス、は越智がブロックする。越智はこの試合もタックルに走力を活かしてのカバーリングにと活躍していた。サンフ、宗近がボールを奪って砂川へ入れ、落としたボールを野津田がスルーパス、砂川がDFと競りながら走り込むがGKキャッチ。今度は左サイドで末廣がボールを奪いカウンター、野津田に入れると野津田前を向きシュート!はGKセーブしキャッチ。いいシュートだった。
 アディショナルタイム、愛媛が左サイドつないでミドルシュートを放つが上に外れる。中盤の競り合い、サンフが取って藤井が右に開くが、飛び出した柳川オフサイド。最後、サンフがボールカットし野津田が藤井へ入れる、藤井が左に落とし、砂川が完全に抜け出してGKと一対一、シュート!GKの横を破るが、ボールはわずかにゴール右に外れた。ちょっと狙いすぎたか。
 ここで試合終了の笛が吹かれ、曇天の下の熱戦は終わった。

 サンフレッチェは今大会初の快勝といっていい内容。立ち上がりの時間帯を我慢してボールをつなぎ続けて先制、優位に立つとボールを回しに回して主導権を握り追加点、後半立ち上がりからラッシュをかけて相手が混乱しているうちにあっという間に3点を奪い試合を決めた。途中からは左サイドに回ったが、1年・平田くんのゲームメイクは素晴らしかった。完全にチームの中心となりつつある。途中出場の同じく1年・末廣くんのゴールも今後に向けいい材料。すごいシュートだった。安定してこの戦いができれば問題ないだろうけど、なかなか気分屋が多そうなので、どうか。
 愛媛は5点リードされてからもあきらめずに2点を取り、最後まで戦い抜いた姿勢が素晴らしかった。ポストプレイヤー金村くんに機動力のある近藤くん・黒瀬くん、パスを出せるボランチ小原くんを中心に何度も連動した速攻を見せており、チームとしての形はしっかりしている。さすがは四国の雄。守備さえ我慢できれば、このままグループリーグ突破も問題ないのではと思う。

 両チームの選手が互いのベンチ、サポーター、観衆に挨拶し、引き揚げた。サンフのほうは、試合に出なかった選手たちがゴールを運んできて、ハーフコートの紅白戦を始める。狭い中でパスを回しガツガツと当たって、けっこうなガチバトルを繰り広げていた。
 この戦いぶりを続けられるならば、グループ突破はなんとかいけるだろう。決勝トーナメントには観に行けるだろうか。

10月11日 埼玉スタジアム2002 晴
高円宮杯全日本ユース(U−18)サッカー選手権 決勝
VSFC東京U−18

 5時に目が覚めたが、仕事疲れのためにはっきり目が覚めて起き上がったのは6時前だった。歩いてみると、心臓がちょっと重い。大丈夫かな、と思ったけど、行かないと後悔するような気がしたので、荷物をまとめて(というほどないけど)家を出、車で福山駅へ。
 今年はユースの試合を一試合も観ていないどころか、サッカーの試合を生で観たのは春の名古屋戦のみ。土日が忙しい仕事になったので、おいそれと観に行けなくなっている。今日行かねばいつ行く、という感じ。少し前にこの日に休みは取っていて、もしユースが決勝進出したら埼玉スタジアムに行こう、と決めていた。
 前日の夜に「やべっちFC」見たら、両チーム主将の宗近くんと松藤くんがハーイ!やべっちでダブル噛み、前哨戦はドロー判定。今日は白黒つける日だ。宗近くんも、松藤くん噛んだときに隣で爆笑しといて、自分も噛むなっちゅうねん。
 今年のユースを見るのは初めて。ようつべに上がっているゴールシーン等を見たくらい。あとは文章での知識しかない。それだけに楽しみ。ただ、相手のFC東京がおいそれとサンフのサッカーをやらせてくれるはずがない。1点を争うガチガチの試合になるだろう。
 新幹線で東へ。とてもいい天気。疲れているけど、気分が昂揚してきて眠れない。
 品川から京浜東北で王子へ、王子駅を出て地下にある東京メトロ王子駅へ。南北線〜埼玉高速鉄道連絡で浦和美園へ12時過ぎに着。快晴で、雲のかけらがぽつぽつと浮かんでいるだけ。秋晴れというにちょっと暑い。FC東京ユニを着たガスサポさんの姿も見える。この時間だし、椋原ユニなので、ユースサポさんだろうか。
 駅を出た人々はぞろぞろとジャスコへと向かってゆく。自分も腹が減ってるし飲み物補充しないといけないし、ジャスコへ。
 今年はレストランで食べてみよう


 しまったちょっと食べ過ぎた


 お茶二本買って駅へ引き返し、線路沿いの道をてくてくと埼玉スタジアムへ向かう。暑い。これまで二回、高円決勝で埼玉スタジアムに来たけど、ともに天気は悪く太陽は見えなかった。書いてないけど、流経柏との決勝の時も来ていた。でも走り負けて何もできずに負けてたので、書く気にならずにそのままになっていた。許してつかあさい。準決勝から中一日だし、後半スタミナ勝負になるかもしれない。
 サッカー少年たちが連れ立ってスタジアムへ向かっている。まだ一時間半前なので、それほど人は歩いていない。
 13時半ごろ、スタジアム着。青空の下の埼スタの屋根が白く輝いていて美しい。
 チケットを買ってゲートくぐって、隣で高円宮杯プログラムを売っていたので買って、スタンドへ。裏の通路をアウェイゴール裏からバックスタンドをぐるりと廻って、ホーム側ゴール裏へ向かう。ピッチではジュニア世代のちびっ子たちが集まって試合を行おうとしていた。メインスタンドの屋根の上に太陽がかかり、両ゴール裏とバックスタンドを燦燦と照らしている。こりゃ暑い。自由席で入ってきている人は、メインスタンド側の日陰に入っていた。といってもまだ人は少ない。
 ホームのゴール裏、オーロラビジョンの下の辺りにサンフレッチェのサポーターたちがビッグフラッグを広げている途中。開場は13時だったので、もうスタッフさんと話をつけて設置にかかっているようだ。前来た時はゴール裏には断幕だけで、応援はバックスタンドからだったけど、ゴール裏で応援してもよくなったのか。(去年、浦和ユースが決勝進出したんでそのはずみでよくなったらしい)
 と、スタンドに現新潟コーチのポイチさんが姿を現した。新潟からはるばる何の御用か。圭悟くんに会いにきたのか、はたまたスカウトかー?メインスタンドのほうへ歩いてゆかれた。
 サポーターたちも三々五々集まってきて、応援の場所を決定、そこに集まる。知り合いの方と話している間に、ピッチでは前座が終わり、14時20分ごろ、FC東京のGKたちが出てきてアップを始めた。次いでフィールドプレイヤーが出てくる、サンフのほうはまだ出てこない。携帯公式を見るが、まだメンバーは発表されない。まだなのかー。
 と、大野くんと有賀くんの二人のGKが加藤コーチといっしょに出てきた。拍手で出迎える。そして、二人のコールの後、宗近くんを筆頭に三年生全員を次々にコールしてゆく。ようつべではある程度見ていたけど、試合に出ていようがいまいが三年生全員に個人チャントがあるのにはすごいな、と思った。たとえば宗近くんはカズの「俺たちの宗近 俺たちのキャプテン」、越智くんは「オー翔太〜・・・」と服部公太のチャントの変形。今日は出場停止なので、特に念入りに歌う。メイン・バック両スタンドの屋根に反響して場内に響き渡った。そのうち、フィールドプレイヤーが出てきてアップを始める。しかしまだメンバーが出ないので、とりあえず主力選手のコール。
 アップが終わると、スタッフと選手たちがゴール裏に整列してサポたちに挨拶、こちらは“Grande Viola, Hiroshima!”のコールで鼓舞する。
 選手たちが引き上げ、ピッチ内がしばし静かになったので、この隙に急いでお手洗いに行き、戻ってきたところでちょうど両チームのメンバー発表が始まっていた。まずホーム側のサンフレッチェ広島F.Cユースから。ホームのヴィオラユニ。

11川森
13野津田 5岡本
8浅香    10砂川
7平田 4早瀬
15柳川 18脇本 2越智
16大野

リザーブ:
GK21有賀 MF6野口 12藤井 14重行 23亀島 FW9井波 19石坂

川森ワントップで、トップ下に岡本洵と野津田が入る、トップチームと同じ3-6-1システム。準決勝は大学入試で欠場した越智・早瀬が復帰。そして準決勝でイエロー二枚退場の主将・宗近の代わりに脇本がスリーバックの中央に入り、左のセンターバックには柳川が入る。怪我上がりでまだ本調子でないセナはベンチスタート。準決勝前日に39度の発熱を起こして準決勝を欠場したた1年の野津田もスタメン。四日前のことだし90分はもたないだろうから、どこまで頑張れるか。ここまで6試合26得点、一試合平均4点以上という脅威の破壊力からプレビューで「最強の矛」と呼ばれてたけど、瓦斯相手に4点も取るのはまあほとんど無理なので、ここぞの爆発力が必要になるだろう。砂川は現在6得点で大会得点ランクトップ。この試合でも決められるか。準決勝の静学戦では後半途中からセナとともにFWに上がっていて決勝ではどうするのかと思っていたけど、この後、試合前にピッチに散らばったときには右サイドに入っていた。宗近の代わりに柳川が入って最終ラインがちょっと変わった以外、この大会の基本メンバーという顔ぶれ。柳川はサイドアタッカーだったけど、この起用法からすると越智ルートに入るのか。
あと、藤井くんの顔写真(なんとも珍妙な笑顔)はもうちょっとなんとかならなかったのか、と思った。


そしてFC東京U-18。アウェイの白ユニ。
9前岡 11秋岡
7武藤 23岩田
  
10佐々木 18江口
22村松 3松藤 5小林 4廣木
16三浦

リザーブ:
GK1石田 DF2永井 13石原 MF8奥村 17岩木 24野沢 28二瓶

岩田はFW登録だが右の攻撃的MFに入るので、4−4−2。伝統の走るサッカーに組織力が備わり最強に見える。ここまでわずか1失点(PKによる)という鉄壁の守備から「最強の盾」と呼ばれるが、毎試合2〜3点をコンスタントに奪っており、普通に攻撃力もある。攻守のバランスにきわめて優れた、隙のないチーム。ここへどう穴を開ければいいものか。

 瓦斯とは昨年のJユース杯決勝で対戦し、重松健太郎のスーパーFK(GKの眼前で鋭く曲がり落ちる)などによりサンフが敗れている。今年のクラセンではグループリーグで対戦してサンフが勝ってグループ突破、瓦斯はグループリーグ敗退の憂き目に遭った。互いにリベンジマッチであり、激しい試合になるだろう。戦前には「最強の矛VS最強の盾」とわかりやすく言われており、すなわち勝敗の帰趨は予測不能ということだが、この「矛盾」に対してこの試合はどのような結果をみせるのか。 


 オーロラビジョンに準決勝のダイジェストが流れる。川森の突破に砂川のゴール、素晴らしい。3点目のレーザーショットはゴラッソ。そして両チーム主将の抱負の映像が流れる。ちゃんと編集してあって、一見二人とも噛んでなかった(もちろんやべっちFCのとは別撮り)。
 と、ユースOB関東大学組がぞろぞろとやってきて、サポの横に位置。さらにユースのベンチ外選手もやってきて、サポの隣に並んだ。もちろん主将の宗近くんもいて、ちょっと冷やかされたり。大谷くんは松葉杖をついていた。早く治ってほしい。
 太陽がメインスタンドに隠れた。いよいよ選手入場。久しぶりに“Smoke on the Water”を歌う。やはり気分が盛り上がってくる。ビジョンには整列する両チームの選手が映し出され、そして選手たちがピッチに姿をあらわした。
 ピッチに整列後、JFA総裁・高円宮妃殿下が選手たちに激励の挨拶。そして写真撮影の後、ピッチに散らばってゆく。サンフレッチェコールの後、大野から順にスターティングイレブンのコール。キャプテンマークは早瀬が巻いている。
 キックオフはサンフ。サークル内でスタンバイするが、なお瓦斯イレブンが円陣を組んでいる。相当気合を入れているようだ。
 鋭い気合とともにFC東京イレブンがピッチに散らばる。いよいよキックオフ。

 まずは左サイドを駆け上がる浅香にロングボール、東京カット。スローインを得るとそこからスロー連発でじわじわ上がっていき、サンフがつなぐところに前岡がチェックをかけ、こぼれたところをボランチの江口がミドルシュート!左に外れる。1分、いきなりのファーストシュートは東京。さらに2分、フィードボールのこぼれを左MF武藤が拾い、中に切れ込みざまミドルシュート、右に外れる。続いてサンフがバックラインから早瀬に出したところへ二人ががりでプレッシャー、こぼれたところをボランチ佐々木が奪って持ち込みシュート、は脇本ブロック、はねかえりが越智に当たってこぼれるところを柳川がクリア。東京、立ち上がりからガンガンプレッシャーをかけてきた。サンフはなかなかビルドアップができない。東京、サンフのハンドで右サイドFKを得る。キッカーは佐々木、一気にゴール前に上げるがファー走り込む松藤には合わず、ゴールキックに。

 反撃のサンフ、右サイドスローインから越智クロス、東京クリア。こぼれを拾って野津田→浅香と左に展開、折り返して岡本、岡本キープから上がってきた早瀬へ、早瀬受けて岡本に預け一気にゴール前へダッシュ、岡本が浮き球のリターンパス、DFクリア。惜しい。こぼれを左にはたいて浅香クロス、クリア。これを拾う、越智→平田→野津田→柳川→岡本→野津田→平田→早瀬、チェックを受けて戻し、柳川がクリア気味に右サイドへ、これを砂川が拾い、背後からチェックを受けるがこぼれを越智がGK大野に返し、大野は平田へ、チェックを受けてまた大野へ、大野は越智にはたいて越智は左の柳川へ振り、野津田へ。チェックを受けて落ち着いてバックパス、脇本→越智→早瀬→脇本、野津田へ入れて落としたボールを平田→脇本→早瀬とつないで一気に左サイドを駆け上がる浅香へロングパス、トラップした浅香は一対一から折り返し、上がってきた平田が右サイドフリーの砂川へ出す!が戻ってきた武藤がそれをカット、しかしこぼれを中央平田が奪ってミドルシュート、はブロックされた。はね返りを取りに行った越智がファウルを受けFK、早瀬が素早く野津田に出し、野津田がドリブルから右足ミドルシュート!左に外れる。利き足は左なので、狙いがつかなかったか。しかし、前半5分過ぎからのこの二分間、サンフがボールをつなぎにつないでシュートまでもっていった。これで選手たちが落ち着き、押し返してくる。

 東京、左からアーリークロス、クリア。今度は素早くつないで右サイドに展開しクロス、越智がクリア。今度はふわっとDFラインの裏に放り込んでくる、これは脇本がFWと競りつつ追走し、飛び出してきた大野がキャッチ。東京、手を変え品を変えさかんに裏を狙ってくる。サンフ、岡本から左サイドへ飛び出したワントップの(川森)有真へ入れ、落としたところへ走り込んだ浅香がミドルシュート!上に外れる。前半10分経過。
 東京、中央で素早くパス交換、右に開いて突破、タテパスを出すがオフサイド。サイドバックがさかんに上がってくる。サンフ、早瀬から砂川、砂川クロスはDFブロック、こぼれを砂川が拾うが東京が素早くチェック、東京スローインにする。そして左サイド素早いパス交換から崩してクロス、中央前岡が飛び込む!がオフサイド。
 16分、左へ展開して有真がキープ、それを追い越す浅香へパス、はオフサイド。今度は東京、右サイドに飛び出したFW秋岡がボールを受けてキープ、上がってきたサイドバック廣木が受けてMF岩田へ、折り返して佐々木が受けキープ、はたいてFW前岡がスルーパス、これに江口が飛び込みシュート!は江口オフサイド。しかしいいパス回しだった。セントラルMFの二人ともPA前まで進出してゴールを狙ってくる。またも秋岡が右サイドに開いて受け、前岡→江口とつないでクロス、越智カットして平田に出し、平田→早瀬→平田とつないで右に展開し砂川が中央へ折り返すが、カットされる。東京のフィード、クリアするが左サイドで武藤が拾いキープからクロス、クリアを東京拾って右へ出し佐々木がキープ、PAに侵入してかわしにかかるも滑って転んでしまう。しかしこれが絶妙のフェイントになってマークが外れ、起き上がった佐々木はそのままシュート!上に外れる。ふー。
 東京、単純に裏へ放り込む。足を出してクリアしようとしたが、クリアしきれずボールはゴール前に。大野が飛び出す、武藤が飛び込んでくる、大野、このボールがバックパスと判定される恐れがあるためキャッチせずにヘッドでクリア、しかしこれが小さく、武藤がカット。やば!武藤持ち込んでシュート!しかしDFがブロックしてCKに。危なー。左CK、佐々木のキック、は大野キャッチ。
 東京がセカンドボールを拾うようになってきた。サンフはいったん持ち直したものの、東京の圧力の前に再び押し込まれてくる。


 右サイド砂川から一気にサイドチェンジ、そこへ走り込んできた浅香が前へトラップするが、やや大きくDFクリア。うまく収まればシュートにいけた、惜しい。次いで左サイドでFK獲得、砂川がゴール前に上げるがニアでDFクリア、スローインに。左スローイン、越智のロングスロー!ニア競り合い、東京クリア、こぼれを東京がカットしてカウンター、いったんはカットするもこぼれを東京が拾って左へ展開、前岡→サイドバック村松とつないでクロス、脇本クリアをまた東京が拾って左に出し、村松クロス、ファーに飛ぶところを戻ってきた浅香がヘッドでクリアしCKに。右CK、佐々木のキック!ゴール前、逃げるように曲がり落ちるボールに大野飛び出すがさわれない、その向こうゴール正面、武藤がヘッドで合わせる!ワンバウンドしたボール、そこを砂川がクリア!あっぶねえええええ!砂川ナイス!
 しかしなおも東京、中盤パスカットから中央ダイレクトで回して右に展開、岩田→廣木とつないで中にクサビ、秋岡トラップして素早くターン、中へ切れ込んで左足一閃!

バー!!

バーに当たったボールが下にバウンドして大きく戻ってくる、そこを詰めていた武藤がヘッド、しかしオフサイド。秋岡のシュートの前、クサビのパスを入れた廣木が猛然とニアに走り込んでDF一人を引き付けていた。素晴らしい連動性。
 サンフ、右に展開してFK獲得。野津田が大きくファーサイドに上げ、ファーで競り勝ち落としたところを浅香がシュート!しかしGKキャッチ、大きく蹴り出す。ディフェンスがクリア、しかし東京が拾ってダイレクトで右に落とす。瞬間、佐々木が右手を挙げて猛然とダッシュ、同時にフィードが出た。
 完璧なタイミングで、一気に佐々木が最終ラインを置き去りにして独走する。PA手前でボールに追いつき、飛び出せない大野との間合いを冷静にはかり、きれいにゴール右スミに流し込んだ。
 ゴール!!押し込んでいた東京が29分、見事な一瞬のカウンターからゴールを陥れた。佐々木は一目散にベンチに走り、控え選手たちと抱き合う。やられた!しかし今の場面はGKがPAを飛び出してクリアするか、最悪でも一対一の場面でもっと間合いを詰めないといけなかった。大野、ちょっと金縛りにかかってしまった。ここらへんはまだ2年生だし、経験の問題か。
 しかししかし、東京に先に点をやってしまった。これは非っ常〜〜〜〜にマズイ。


先制されたサンフ、早瀬が猛然と前線に飛び出してゆく。そこへ出たフィードを優しく折り返し、そこへ飛び込んだ砂川がワントラップからシュート!はGK三浦セーブ、CKに。左CK、砂川キック、中央GKがパンチ、ファーへ落ちるところを浅香がダイレクトシュート!はヒットせず右に外れた。東京反撃、右サイドを岩田・廣木のコンビで崩して廣木クロス、DFクリアでスローイン。村松が入れて武藤が受け反転センタリングはDFブロック、CK。左CK、佐々木キック、ニア越智がクリア、CK。左CK、佐々木キック、ゴール正面、飛び込んでくるが大野がパンチでクリア!しかし東京が拾って村松クロス、クリア、東京拾って左へ、スローインを取る。左スローからのつなぎはゴールキックに。しかしなおも東京、左サイドでの混戦から武藤が突破しPA侵入、切り返してDFをかわすとふわりとセンタリング、そこへ走り込んできた岩田がヘッド!

バー!!

ボールは大きく跳ね返った。昨日のナビスコからバーさン大活躍じゃありませんこと?(前日は小野と大前などの決定的シュートがポストとかバー)まだツキがある!

 サンフ、左から右に展開し、越智のフィードに有真が競るが、こぼれをGKキャッチ。続いて右に展開、砂川から野津田につないで野津田持ち込みDFと交錯しながらシュート!はGKキャッチ、主審は野津田のファウルをとり東京FKに。痛んだ選手はしばらく倒れていたが、大丈夫。
 40分、東京の右FK、中央にはたいて左につなぎ、武藤→村松と渡り、村松がファウルを受けFK。佐々木のキック、ファーを狙うがクリア、東京拾ってゴール前に入れるがオフサイド。またも左に展開、武藤が中央に切れ込みゴール右上スミを狙うコントロールシュート、は右に外れた。
 野津田へのクサビから野津田反転しドリブルで突っかけるがDFカット、そこへ有真がプレスをかけ、DF何とかクリアしてスローイン。左スロー、つないでクロス、はGKキャッチ。44分経過。GKフィード、これをクリアしてダイレクトパスで右サイドに展開、砂川がドリブルで持ち上がって岡本へ、さらに上がってきた越智につなぎ、いったんカットされるもこぼれをダイレクトでつないで岡本→砂川→岡本、突破はカットされるもこぼれを越智が拾って砂川に出し、砂川クロスに中央越智が飛び込む!合わない、しかしこぼれに野津田が猛然と詰め、DFクリアしてスローインに。前半アディショナルタイム1分の表示。今のはいいボール回しだった。最後の攻撃。浅香が入れてリターンを受け、再び預けて猛然とタテにダッシュ、そこへふわりとパスが出てきた。裏で受けた浅香、ちょっとトラップをミスってDFにつかれたが、ボディフェイントでDFを一瞬かわすと前を向いて左足クロス!ニア有真が飛び込むが合わない、中央岡本が飛び込むがDFに潰される、ボールがバウンドする、そこへ、紫の背番号2が飛び込んだ。
 ヘッド、
 ボールがワンバウンドする、
 入れ――――
 ボールはゴール裏へは転がらなかった。

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

 前半45+1分、サンフレッチェ同点!越智がコーナーフラッグへ駆け、チームメイトからの祝福を受ける。
 オーロラビジョンにゴールシーンリプレイ。越智、ファーへ反応してくるGKの逆を衝いてニアへのヘッド、見事なコントロール。ていうかセンターバックなのによくぞそこに居た!
 FC東京キックオフ、前線にフィードを送り抜け出しかけた武藤がダイレクトで狙ったが、大野が見送ってゴールラインを割り、ここで前半終了。サンフは前半最後、自分たちのサッカーを見せたわずかな時間で素晴らしい同点ゴールを奪ってみせた。最高の形で後半へ向かう。



 FC東京の「全員攻撃、全員守備」は見事に統率されていて、サンフもいったんペースを掴みかけたもののまた押し戻されてしまった。ボールへの寄せが速く、パスをつなぐことができない。それでも安易に蹴り出すことなくパスをつなごうとし続けたことが、前半の最後、いいパス回しができてわずかに来たよい流れを得点に結びつけることになった。先制されてからは早瀬と越智がさかんに前線へ飛び出していて、越智はゴールシーンの直前、砂川のクロスに中央飛び込んだままゴール前に残っていた。寄ってくるGKの逆を衝いたヘッドは冷静だった。センターバックにコンバートされたものの、元はアタッカーだった感覚のなせる業か。
 東京も、前半の最後の最後に流れの中から相手のセンターバックに決められて同点、となると精神的にもダメージあるだろうし守備の対応も難しくなるだろう。サンフは後半立て直すだけの力があるから、このままいけばいけるかもしれない。

 お、東京トップチームはリードか、おお、U-19先制したのかーとか思っていると選手たちが出てきた。両チームとも選手交代はなし。サンフは前半40分過ぎに誰か一人控え室へと下がってスタンバイっぽかったが、同点に追いついたのでこのままいくようだ。もちろん、病み上がりの野津田の体調面のこともあるだろうし、終盤のベンチワークは重要になる。
 FC東京のキックオフで後半開始。


 今度の先手はサンフ。立ち上がり早々に左サイドでFK獲得、砂川がクロスを上げる、曲がりながらゴールに向かうボールだったが、これは誰にもさわらずゴール右、ラインを割る。ちなみにセレッソ戦では同じようなキックが直接決まっていた。次いで左サイドでボールを回し、浅香がドリブル突破を図るがちょっとコントロールをミスってゴールラインを割る。でもいいチャレンジ。そしてGK大野のフィードに競り合い、こぼれを岡本がシュート!DFに当たってCKに。右CK、今度は野津田が蹴る。キック、左足から巻き落ちてくるボールにファー脇本がヘッドで折り返す、が大きすぎてゴールラインを割った。

 後半立ち上がりからサンフがセカンドボールを拾えるようになってきた。スペースも増え、パスが回るようになっている。サンフのリズムになってきた。
 左サイドからサイドチェンジ、右で砂川が受け、開いてきた有真にパス。有真は二人につかれるが粘り強くキープ、一度は膝をつくもののなおあきらめず、体勢を立て直すと一瞬のスピードでゴールラインとDF村松の間をすり抜けて一気に突破した、その足を背後から村松が刈って有真は転倒、ホイッスルが鳴って主審が駆け寄り、村松にイエローカードを提示した。有真、準決勝の静学戦に続き絶妙のライン際突破。あきらめない頑張りと柔軟なプレイ、有真の真骨頂といったところか。
 ゴールライン際、PAすぐ前。絶好の位置。キッカーは野津田。目の前の大チャンスに、サポーターのコールもいっそう熱がこもる。
 主審の笛が鳴る。野津田助走、しかし立ち止まった。PA内、早瀬が場所取りの中で転倒しており、それで止めたようだ。仕切り直し、キック!ゴール前に鋭く曲がり落ちる、DFヘッドでクリア!これを拾ってゴール前にフィード、受けようとした選手がPA内背後から突き倒されたが笛はなし、こぼれを東京が拾ってカウンター、自陣からドリブルで持ち上がるが、その背後から越智が追いついて体を入れて奪い返し、ファウルを受けてマイボールとした。ナイスプレイだ!FK、ゴール前に上げてこぼれたボールを砂川に開き、砂川ドリブルからクロスはDFがブロックしてCKに。右CK、これも野津田が蹴る。野津田キック、鋭く曲がり落ちるボールにGK三浦が飛び出すが届かない、落ちてくるボールをファーで浅香が合わせる、ボールは無人のゴールへ、しかしDFが身を倒しながらブロックする、でもそれ手だろ、ハンドだ!と思った瞬間、こぼれたボールを紫の選手が思い切りゴールに蹴り込んだ。
 ゴールネットが下から突き上げられる。

逆 転 ! !

背番号2がゴールを回り込み、先頭切ってゴール裏めがけ走ってきた。また越智か!!OBたちが、続いてサポーター、ユース生たちがスタンド最前列に駆け下り、走ってきた越智たちを祝福!すぐに主審が走ってきたので選手たちはすぐに自陣へ戻っていった。ちょっとくらいいいじゃん。戻っていく越智に、「オ〜翔太〜オオオオ〜♪」とチャントが歌われる。後半15分、自分たちのリズムのいい時間帯に逆転ゴールが決まり、サンフがリードを奪った。さあ、ここからだ!それにしても越智、準決勝を休んだぶんを取り返すに充分の2ゴール。守備でもいい働きをしているし、まさに大車輪の活躍。同じく準決勝を発熱で休んだ野津田も素晴らしいキック、浅香も同点ゴールアシストに続いて逆転を呼び込むシュートだった。浅香のシュートを防いだのは松藤だったが、明らかに開いた腕に当たっており、もし越智のゴールがなければ得点機会阻止で一発レッド、PKだっただろう。主審もゴールが決まったためにアドバンテージで流し、不問に付した、というところか。
 この場面、後方に残っていたゲームキャプテンの早瀬は「これからが勝負だ」ということで周りの選手に気合をかけなおしていたらしい。なんて冷静なのー。


 今大会初めてリードを奪われた東京、猛然と反撃に転じる。佐々木が左から切り込みCKゲット、キックのこぼれは平田がクリア。次いで右サイドでFKを獲、佐々木がゴール前に上げる、これは早瀬が競ってファウルをもらった。さらに東京、左サイドに展開、村松が受けてクロス、ファーでフリーの選手が!しかし合わず。ふー。今度はサンフのカウンター、左から岡本がPA前ドリブルで切れ込み、シュートに行こうとするのをDFがブロックするところ、オーバーラップしてきた早瀬がそれをさらってゴール前飛び出しシュート!はDFブロックし、ゴール左に外れる。惜しい!と、早瀬が倒れたまま立てない。げっ、足を痛めたのか。担架が出てきたが、早瀬は何とか立ち上がる。主審は担架を帰すと、早瀬にはいったんピッチ外で治療するよう命じ、早瀬はゴール裏でしばし治療に入った。左CK、早瀬がいないのでゴール前に人数は裂かない。砂川のキックに有真が競るが、東京クリア、カウンター、左サイドから切り込むが、PA前でクリア、CK。右CK、ニアを狙う、DFクリアしファウルをもらう。
 サンフのカウンター、有真がキープして右にはたき砂川ミドルシュート!DFに当たってCKに。右CK、野津田のキックはクリアされる。前半が嘘のようにサンフレッチェのパスは回っている。さすがに東京も中一日、ハイプレスももたなくなってきたようだ。
 後半27分、東京選手交代。岩田に代わってMF17岩木イン。
 東京、PA右カド付近で柳川のハンドによりFK獲得。うわヤバいところで・・・!ボールの周囲に三人が立つ。誰が蹴る・・・何でもいいから止めろー!
 岩木のキック!押し出すように蹴られた鋭いボールがゴール左上スミに飛ぶ――が外れ!ポストをかすめるように外れていった。助かった。

 東京、フィードを中央に当てて素早く左サイドに展開、とそこには二人がフリー。危ない!クロス、中央にはまた二人がフリー、ヘッドで合わせる!がオフサイド。今のは大ピンチだった。集中集中。
 左サイドから浅香がクロス、こぼれるところをつないで有真が抜け出しシュート!GKブロック。決定的だったが、GK三浦がよく詰めていた。
 両チーム選手交代。まず東京、FW前岡に代わってMF8奥村が入る。武藤をFWに上げたようだ。
 サンフは野津田に代えて、エースのセナがイン。野津田よくがんばった!この交代で砂川がトップに上がってセナとツートップを組み、有真が右サイドに回って3-5-2となった。
 東京、右から秋岡がドリブルで切り込みシュート!ブロックしてCKに。決定的だった。ここから東京が連続CK、これを越智中心に跳ね返しに跳ね返し何とかしのぐ。後半36分ごろ、スタンドで応援のユース生たちが戻ってゆく。あとはまかせとけー!


 東京の攻撃が続く、それを身体を張って守るサンフ。右サイドから佐々木がドリブルで切り込む、危ない、越智がクリア、CK。右CK、ショートコーナー、クロスを越智がクリア。CK、中央混戦も何とかクリア。
 東京選手交代、ボランチの江口を下げ長身のDF2永井を投入、前線に張り付かせてパワープレイにきた。
 今度はこっちのカウンター、右サイドフィードに競り勝ったセナがドリブルでライン際をぶち抜く。いけー!PAに入る、撃つか、いや中央飛び込む有真へマイナスの折り返し、これがDFに当たってゴール方向へボールが飛ぶ、GKとっさに身を翻してこれをセーブ、DFが大きくクリア。惜しい!CKはDFクリア。41分経過。もう東京の前線には四人が常駐してサイドからのクロスに競りまくる。サンフのCKでも前線に五人残す、まさに背水の陣。宗近不在で高さの足りないサンフは必死で体を寄せ体を預けて競り、大野もきっちりとパンチ、キャッチでピンチをしのぐ。パスとロングフィードをとにかくセナに集め、ボールを落ち着かせてキープしようとする。両チームとも死力を振り絞っての終盤戦、自分もコールに全力を注入して誰が何をしたかはほとんど覚えていない。サンフも右サイドでゆっくりとパスを回しキープ、しかし東京もプレッシャーをかけてスローインをとり素早く前へ前へ。アディショナルタイムは3分。東京の自陣FK、GK三浦が全員を上げさせてキック!これをヘッドでつないで松藤がヘッド!上に外れる。危なっ!!

 サンフは選手交代、途中からは足を攣らせていた早瀬に代わって野口イン。早瀬おつかれ!よくつないでた。
 3分経過しようとする頃、東京が左サイドでファウルを受けFK獲得。越智にイエロー。結構高い位置だが、ちょっと遠い。誰かに合わせてくるか。10番佐々木がセット。これがラストワンプレイだろう。集中!と東京、GK三浦が全力でゴール前に上がってきた。11対11の激突。こちらも全力でサンフレッチェコールを飛ばす。佐々木キック!中央、クリア!ファーにこぼれる、東京、岩木が拾ってクロス、これに東京GK三浦がヘッドで合わせる!がゴール左に外れた。三浦は全力で自陣ゴールに帰ってゆく。守った!
 時計はすでにアディショナルタイム4分に入っている。早瀬の交代時間を加えたとしても、このゴールキックで終わりだろう。大野がゆっくりとセットし助走距離を取る。スタンドのチャントは「大脱走」に変わった。大野キック!大きく左サイドに飛び、落下点に走り込んだ東京の選手が蹴り返そうとした瞬間、主審が大きく手を挙げ、ホイッスルを吹いた。


やったッ!!


サンフのベンチから選手たちが一斉に飛び出し(あとで見たらゴリさんが真っ先に飛び出してたw)、選手たちは両腕を突き上げたりしゃがんで両腕でガッツポーズと思い思いの歓喜。その間で東京の選手がばったりと倒れ込む。何度も見る決勝戦の明暗。サポーターたちもスタンド最前列に駆け下りて祝福のコールを送る。
 仰向けになっているGK三浦に紫の選手が歩み寄って声をかけ、立たせる。東京の選手たちは立ち上がり、先に整列した。サンフレッチェの選手たちもやや遅れて整列する。そこで、オーロラビジョンにゴリさんの姿が映し出された。優勝監督インタビューだ。
「優勝おめでとうございます!」
「アリガトーゴザイマース!!!」
インタビューへの答えはごっつ叫んでて何言ってるかわからない。優勝監督がこんなんでいいのか、とは毎回物議をかもすようだが、これがゴリさんだから仕方がない。この熱さにユース生たちがついてくるのだ。
 この間に選手たちが挨拶。スタンドから大きな拍手が湧き起こる。
 続いて、この試合のマンオブザマッチといっていい越智のインタビュー。最後、早瀬が交代したときにキャプテンマークを受け取って左腕に巻いていた。さわやかな受け答え。
 そして、通算6ゴールで大会得点王に輝いた砂川インタビュー。最後に抱負を訊かれ、
「W杯に出て・・・優勝します!!」
と怪気炎を上げた。頑張れ!w
得点王の副賞はスパイク、サムライブルーモデル。代表への励みになるかも。

 FC東京U-18の選手がメインスタンドに上がり、準優勝の表彰。大きな拍手。強かった。素晴らしいチーム。こちらから「FC東京!」コールを送る。
 そしてサンフレッチェ広島F.Cユースの表彰。メダルを受け、賞状授与、そして、高円宮妃殿下より高円宮杯の授与。レギュラー選手全員がプロ入りした2004年以来、6年ぶり2度目の栄冠。選手たちが高円宮杯を掲げて腕を突き上げる。おめでとう!
 再びピッチに下り、写真撮影。「カンピオーネ〜♪」のチャントを歌う。その後、選手たちはお互いに相手チームのゴール裏へ。サンフレッチェの選手たちは瓦斯サポさんたちから「サンフレッチェ」コールを受け、FC東京の選手は「FC東京!」のコールを受ける。FC東京の選手たちには一様に悔しそうな表情が残っていた。Jユース杯でまた勝負しよう。
 サンフの選手たちがやってきた。整列し、サポーターやOBたちとともに喜び合う。OBの面々大喜びで微笑ましかった。

 三度ほどサポーターのコールに合わせて飛び跳ねて喜んだ後、選手の塊の中から、
 「表彰状が割れたー!」
の声が飛んできた。

 やっ やったッ!!

 額にひびが入ったらしい。伝統を堅守するとはさすがサンフレッチェの一員、出来ておる喃・・・
 ちなみに高円宮杯は無事でした

 大事なものは丁重に扱いましょう。サンフレッチェなら「ま た か !」「おれたちにできないことを平然とやってのけるッそこに(ry」で済まされますが、他所ではなかなかそうはいきません。

 ゴリさんを中心にひとしきり盛り上がったあと、これまで17年間三矢寮でユース生たちを暖かく、そして厳しく見守り指導して来られ、今季で定年退職される稲田寮長ご夫妻もその輪に加わられた。サポーターたちから稲田寮長コール、そして寮母さんへのコールも起こり、なかなか終わらない。みんな寮長ご夫妻の素晴らしい仕事、そしてなにより人間性を尊敬しているし、ユース生たちの思いはその何倍も上だろう。寮長ご夫妻を胴上げする、という思いで彼らは勝ち進み、準決勝・決勝での劣勢をはね返して逆転、優勝した。テクニックでは静岡学園、組織力ではFC東京のほうが上だっただろう。しかし優勝したのはサンフレッチェ。テクニックやチームの強さ、それらの上にあるなにか、というかそれらの下にあって溶岩のように押し上げてくるもの、というのか、そういう力が働いた。「寮長ご夫妻のため」「準決勝、入試で出られない早瀬・越智のため」「決勝に出られないキャプテンのため」・・・「誰かのために」という思い、気持ちがこの結果を引き寄せた。ゴリさんの口癖で、横断幕にもなっている「気持ちには引力がある」、これを体現したような優勝劇だった。
 選手たちがメインスタンドに引き上げていき、メイン前でまた祝福に応える。そして寮長さんの胴上げが始まった。これをやるためにここまできた。寮長がしっかりと宙に舞う。続いて寮母さん。思いっきり放り上げるので、その情景を映していたオーロラビジョンの画面外へ消えてしまった。飛ばしすぎいいいい!
 最後にゴリさん。最後に落とすのはお約束どおり。
 選手たちがばらけて帰ろうとしたとき、サポーターたちから「藤井!藤井!」と藤井コール。すると、藤井くんと大野くんが走ってきた。お、なんかやるのか。
 藤井くん、ピッチに腹ばいになる。そして、アシカ芸のように全身をのたくらせてピッチ上を飛び跳ね始めた。ちょっwww何そのサンフレ劇場即戦力www
 続いて大野くん、サポの囃子に乗せて奇妙なダンス、最後にビシッと振り向きざまのポーズで締めた。ユースにも劇場があったとは・・・

“これをもちまして、高円宮杯、第21回全日本ユースU-18サッカー選手権大会は終了いたします”

 ここで場内アナウンス。今の劇場までが高円宮杯ということですね。
 あ、U-19逆転負けってなにしてんの。とはいえ、サンフ優勝で昂揚しているのでその結果については完全にどうでも良かった。サンフの選手いないし。
 すでに17時半をまわり、帰りの新幹線のことがあるので急いでスタジアムを出る。空はほとんど暗くなっていた。そろそろ秋も深くなってくるなあ。

 
 品川に戻って夕食を食べ、広島行きの新幹線で帰る。車内放送によると自由席は乗車率100パーセント越えらしい。三連休をネズミーランドで堪能した帰りか。
 翌日は喉が完全に壊れてました



 高円宮杯は優勝したが、まだJユース杯が残っている。今大会は負傷明けで(1ゴールは挙げたが)実力を発揮できなかったセナ、そして決勝戦に出場停止だった宗近くんは心に期するものがあるだろう。今年最後の大会も全力で戦い抜いてほしい。来年から高円宮杯も開催形式が変わるし、そのあおりを食らってJユース杯もどうなるかわからない。そういった二大会をサンフが取れば、そのニュースはユースサッカーの歴史に長く深く刻まれることになるだろう。がんばれ!