Act.2 行き着けのゲ−セン

 地元でよく行っていたゲーセンが閉店しました。新作ゲームも多く、50円で、しかも駅前。僕にとっては立地条件が良かったのに……そんな矢先、その年の冬コミに5年振りで当選し、長い間延びていた個人誌の原稿を作成するために、家庭用ゲームを全て封印していました。でも"ゲームやりたい魂"が出ちゃうので、ゲーセンでちょこっとやって帰ろうとしていた時、会社の最寄り駅前のゲーセン…新作の稼働が早い為、今迄新作が入った時にしか行かなかったゲーセンで、"侍魂天草降臨"が稼働し始めたんです。よし、此処でちょこっとサム天やって帰ろう、という事で僕はその100円ゲーセンに通うようになりました。しかしこのゲーセン、どうやら女性ゲーマー客は極端に少なかったらしく、ほんの数日で常連に覚えられてしまいました。それにその常連さん達はいい人だった……初心者の僕に連続技や効果的なアドバイスをくれたし、何より「待たせてごめんねー!」と言いながら台を替ってくれた人なんて今迄いなかったよ。常連だけで新作台を占領する、なんて事はしないし(某ゲーセンで食らった…)以来、サム天台がなくなっても、僕の行き着けゲーセンと化したのでした。(リアスペとか、とっかえだまとかやってたなぁ)

 そんなある日、入口に『ストリートファイター3・入荷』の看板を見る。中に入れば予想通り、対戦台は大人気。僕はと言えば「よーやく3になったか…」としか認識していなかった(2の頃は色々符号が増えて混乱して、かと思えばZEROに逆流していい加減3にならないか…と思っていた)ので、どれ位隆が格好良くなったかしか興味がなかったのです(知る人は知る、僕は元々隆FANのケン使いである)予想通り隆・ケン使いは多かったけど、その時対戦をばりばり勝ち抜いていたのは何を隠そうショーンで、僕はショーンが最強キャラと信じていたのです(ロケテスト初日で決めるなよ…)そんな時、誰かがコインを入れてキャラセレをした時、画面に帽子を被ったおさげの少年のイラストが現れ、下に名前がアルファベットで表示された時…「何ぃ?!YUNだとぅ?!」

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