5.決戦 5−3
パンドラ上空
ナットクラッカーが発砲する
タカコの操縦するライズが辛うじてかわす

追跡をあきらめないナットクラッカー
正面にナットクラッカーが現れる

ミサイルを放つ
タカコがレーダーを見る

前と後からもミサイルが接近してくる


挟み撃ちにされた
操縦桿を握り

急制動、急上昇

ライズ急停止から急上昇

ミサイルは目標を失い通過するそして

挟み撃ちにしたのが仇となった

お互いに放ったミサイルに迎撃されてしまう

ナットクラッカー部隊
ライズコクピットでニッコリのタカコ

タカコ「……?」

ナットクラッカーが落ちて煙を上げている

煙の中に何かが動いているのが見える


煙が引けてくると……

グレイフォックスが鎮座している

グレイフォックスの羽が光り出す

慌てて操縦桿を握り直すタカコ

タカコ「!」

グレイフォックスの放つ光が背中を通り頭部へ集まる


グレイフォックスのプラズマ砲が放たれる

プラズマ砲の直撃は避けたものの

ライズの操縦系統に打撃を与える

タカコだめ!動いて!」

必死に操縦するタカコ

しかし、墜落する

タカコ「ああ〜〜!」



パンドラ内部 通路

ミシェル「ケイ、マルシア、聞こえる?」

ミシェル「タカコからの連絡が途絶えたの!」

ケイ「なんだって!?」


電脳空間

ジャンリュック「どうしたアリサ、何を緊張している」

アリサ「あなたは私を撃った……」

回想 
ゾンカーに撃たれるドルチェとアリサ


電脳空間

ジャンリュック「お前が向かってきたからだ。それに」「お前はまだ生きている」

アリサ「そう、あなたは私を撃った。でも、私を殺そうとはしなかった。プラズマを拡散させ威力を半減させた」

シナプスを避けながら進むアリサ

アリサ「何故?私はあなたに教え込まれた。銃を向けられたら、相手が肉親でもその場で殺せと」
回想 アリサ11歳……

必死に銃を撃つ

ジャンリュックを捕まえていた警官がアリサに撃たれる

ジャンリュックが震えるアリサを抱きしめる

アリサ初めての殺人……

震えが止まらない



電脳空間

アリサ「そう言っていたあなたが、何故私を生かしておいた?」

ジャンリュック「俺にはお前が必要だからさ」


アリサ「え?……」



パンドラ内部 武器弾薬庫

クムガンとノクトゥール武器弾薬庫に入るとグレイフォックスに遭遇する


タカコは乗っていたヘリを撃墜され皇城大尉の乗るグレイハウンドにとらわれていた

マルシア「タカコ……!」

ケイ「マルシア」「私が奴の気を引くから、その隙に、奴の内椀を狙撃して」

周囲は弾薬庫タカコを救うにはマルシアの狙撃能力に賭けるしかない


マルシア「そんなムチャよ!もしタカコに当たったら……」首を振りながら「ううん、」「タカコに当たらなかったにしても、ここは弾薬庫よ!」「奴によけられただけでも、生身のタカコは」

マルシア「助からないわ!」

ケイ「マルシア!考えている余裕はない、あなたなら出来る!」

ケイが力強く説得する

ケイ「タカコを救えるのはあなたしかいないのよ!」

マルシア「そんな……」


中央司令室

パソコンと格闘中のミシェルと子守のシルヴィア

コンピュータ「全ての隊員に告ぐ」「すみやかにレベル4の態勢に対処せよ」

コンピュータ「繰り返す、すみやかにレベル4の態勢に対処せよ」



シルヴィア「何や、ミシェル、どないしたんや?」

突然暗くなり警報が鳴り響く
シルヴィアが慌ててミシェルに振り返


ミシェル「コンピュータが止まったおかげで起爆装置が作動しちゃったみたい!……」

シルヴィア「起爆装置?……」

思わず聞き返すシルヴィアだったがすぐに気が付く

シルヴィア「!この要塞のかいな!」

電脳空間

アリサの進む先で無数の光が生まれる

ジャンリュック「……アリサ、よけろ」

アリサ「え!?」

三角形の物体がアリサに襲いかかる

左手が巻き込まれる

アリサ「うわっ!」

謎の物体はアリサの左手を食いちぎり後方で四散する

アリサの左腕に光が集まり再生される

アリサ「え?……」



ジャンリュック「腕だけで良かったな」「そいつに丸飲みされたら」

三角形の物体ワクチンが次々に生まれる

ジャンリュック「再生は不可能だ」
武器弾薬庫内

皇城「どうした腰抜けども!」「出た来い!まとめてぶっ潰してやる!」

ケイ、マルシアの存在に気づき挑発をかける皇城大尉

人質のタカコは未だ気を失ったまま


天井のフックを使い一気に距離を詰めるクムガン

機動性を生かした、奇襲作戦


ケイ「なめんなよ!」


クムガンの蹴りがグレイフォックスにヒット思わずのけぞる

グレイフォックスに馬乗りになるクムガン

ノクトゥールに向かせる

ケイ「マルシア!」

ノクトゥール構えるしかし、とらわれた人質と犯人の姿、忌まわしい過去が脳裏をかすめる

クムガンを振り落とそうとするグレイフォックス

ケイ「動くな!」

銃を構え至近距離から発砲


グレイフォックスの後頭部に着弾

弾みでクムガンが振り落とされる

タカコ気が付き顔を上げる

銃を構えたノクトゥールが見える

マルシア「タカコ、動か」

マルシア「ないで−!」

マルシアの行動を理解し慌てて頭を下げるタカコ

タカコ「!」

ノクトゥール撃つ

もう一発

タカコのすぐ上

グレイフォックスの両内腕に命中

皇城「うが−!」

マルシア「イエス!」

マルシアは見事グレイハウンドの内腕を打ち抜く


グレイフォックスの腕がだらりと下がる

タカコが床に放り出される

間合いを見ていたクムガンが素早くタカコを抱きかかえる

よろめくグレイフォックスにケイが飛びつき無事にタカコを救出

皇城「くっそ〜!」

プラズマ砲を発動させるがクムガンに打ち抜かれた後頭部のプラズマ砲基部が暴走を始める

皇城「な……何!?」

グレイハウンドの破損個所からのスパークが周囲の弾薬に次々と誘爆を始める

皇城大尉は炎に巻き込まれていく



シルヴィア「タカコ!ケイ!マルシア!大丈夫かァ〜」

無線からシルヴィアの声

タカコ「みんな無事よ」「化け物を一匹退治したわ。ミシェルそっちはどうなってる?」


中央司令室

ミシェル「それが、この基地全体が爆発するシステムが発動しちゃって……!」

タカコ「あと何分あるの?」

ミシェルPCをいじりながら泣きそうになって

ミシェル「10分切っちゃいましたぁ!」


通路

タカコ「止められそう?」

ミシェル「無理です!」泣きそうになりながら「10分なんかじゃ絶対に無理です−!」

ケイ「アリサを助けなきゃ」

タカコ「……」「ミシェル、落ち着いて。アリサがどこにいるかわかる?」

ミシェル「最上階です」

タカコ「いいこと、全員そこに集合よ。アリサをなんとしてでも助けるの!」


メインコンピュータの停止によって要塞の自爆機構が作動したパンドラ

タイムリミットまでわずか10分
エンジェル達はアリサを救出すべく最上階に走る

続く 決戦5−4     トップへ戻る