第3回実験報告
佃煮スープ
序
「じ〜っけん、じ〜っけん!」
「実験だ!」
人の期待には応えずにはいられない、と言うほど生真面目な性格ではないのだが、
やはり私は彼や彼女の期待に応えずにはいられない。こと、美食に関しては。
そう、私は魔界の海原雄山。至高のハイブリッド美食を目指すもの。私に引く事は許されない。
「じゃあ、今日は何にしましょうか」
「何があるんですか?」
「え〜と、海苔の佃煮、干し椎茸、インスタントラーメン、カップスープ…ぐらいかなあ」
「う〜ん…」
「佃煮とスープを混ぜてみますか…」
こうして、私はまたしても自ら進んで美食の修羅道を歩む…。
しかし、私はこの時、気付いてはいなかった。今回の実験には、食の悪魔が潜んでいる事に…。
本論
1.実験材料
今回の実験も前回、前々回と同様に、2つの食材によるハイブリッドで行われる。
以上の食材を使用し、実験を行う事とした。
2.実験方法
今回の実験方法も、いつもの通り、到って単純なものである。
以上の手順を追って今回の実験は行われた。
(注1)今回の実験においては、ティースプーンでひとすくいした量を適量とした。
(注2)この時、海苔がダマにならないように気を付ける事。
3.実験結果
今回の実験も、見た目、香り、味の3点で評価(5段階)する事とした。
以上の評価から総合的に判断すると、いや、そんな面倒臭い事をしなくても、明らかに不味い。実験は完全に失敗である。
まずいないとは思われるのだが、もしも、この実験を自分でも再現したいと言う特攻野郎が、これを御覧の諸氏の方々の中におられるのであれば、ひとこと忠告させていただく。命が惜しくば、やめなさい。今回、私がこの実験から生還できたのは、まさに奇跡である。しかし、奇跡はそう何度も起きるものではない。
重ねて言わせていただく。やめなさい。
これほどまで注意したにもかかわらず、実験を再現し、その結果、如何なる事態に陥ろうとも、当方は責任を負いかねるので、御注意のほどを。
結び
「おぶう!!!!」
言葉にならないほどの衝撃であった。
私は、今回の実験で食の悪魔と出会ってしまった。いつかは出会うだろうと覚悟はしていたのだが、よもやこれほど早く出会おうとは…。そして、私は完全に敗れ去ってしまったのだ…。
しかし!これしきの敗北で、私は挫折などしない!!至高の美食に到るまで、私は何度でも立ち上がる!!!
魔界の海原雄山の名に賭けて!!!!
ジーク・美食!!!!!