近藤等則
非完全ディスコグラフィー
「空中浮遊」近藤等則&チベタン・ブルー・エアー・リキッド・バンド
近藤等則 ,Rodney Drummer,Cecil Monroe,豊住芳三郎,渡辺香津美
ニュー・ヨークを中心に活動した近藤が帰国し、結成した。即興演奏スタイルではなく、作曲と即興を繋ぐスタイルで、後のIMAの原型である。当時のスター・プレイヤーである渡辺が参加するも、後に近藤は「延々としゃべり続ける女が横にいたら嫌になる。そんなギター」と評した。
「大変」近藤等則IMA
近藤等則,Rodney Drummer,Cecil Monroe,寺前義則,酒井泰三,,藤本房子
,田中里花 ,Яeck (Friction),Bill Laswell,仙波清彦
チベタンが発展的解散し、IMA(InternationalMusicActivity)となる。ここで近藤は歌を歌い、即興演奏家という側面より、ミクスチャー音楽へと進む。まだ、世間にはミクスチャー・ロック、ワールド・ミュージックは登場していない頃だ。チンドン・リズムにファンク・ギター、突き抜けたトランペット。尚、この頃のライブを見た俵マチ(字知らん)がベスト・セラー「サラダ記念日」に「ジャズ・コンサートIMA」というタイトルで数編の短歌を載せるも、後に近藤にラジオで酷評される。
「METAL POSITION」近藤等則IMA
近藤等則,ЯECK (Friction),酒井泰三,富樫春生,Rodney
Drummer,山木秀夫
このアルバムが出た1985年。東京発、対世界という音楽をやっている日本のミュージシャンは皆無だった。ここで完全にIMAの音が確立される。今までの作品よりロック色が増し、メンバーも後の固定メンバーが中心である。硬質なメタリック・サウンド(インダストリアル・サウンド)のヒップホップ化。フリクションのレック以外のメンバーはスタジオ・ミュージシャンとして高名な人が多いが、近藤としては、今後の方向性として、そこに別の色のレックが必要になると思わせたと感じる。傑作。
「コントン」近藤等則IMA
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫 ,金徳洙,Bill Laswell,Nicky Skopelitis
ビル・ラズウェルがプロデュース。打ち込み主体で、かなり重量級な音。このころよりメディアへの露出が増え、東京のライブハウス・シーンでは有名になり、ファン層もジャズ系からロック系へ移る。韓国のパーカッション集団、サムルノリのメンバー金が参加しているが、サムルノリの初来日は近藤の招きによるもので、近藤は韓国に招かれた最初のポップ・フィールドの日本人アーティストとなった。
「337」近藤等則
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山内テツ,山木秀夫
近藤IMA時代に製作されたソロ作品。だがバックはIMAである。CM(資生堂)で使用された曲と映画「郷愁」に使用されたサントラを中心にしたポップな一枚。
「HUMAN MARKET」近藤等則IMA
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
タイトルは「不満マーケット」であると後に本人が語る。シーケンサーを基にした音造りであるのは「コントン」と同じであるが、このアルバムはそこに近藤特有の突き抜けたポップさがある。久々に歌も披露。
「LIVE AT INKSTICK SHIBAURA」近藤等則IMA(VTR)
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
上記、「HUMAN MARKET」発売記念のライブから3曲、通信販売のみで出されたビデオ。PILの「メタルボックス(近藤が川崎に所有するプライベート・スタジオの名前はメタル・ボックス)」のように、ビデオが鉛のケースに入っている。打ち込みが主体のアルバムと異なり、テクが物凄いメンバーによる壮絶な演奏を収めている。ちなみに俺も写っている。
「TOKYO GIRL」近藤等則IMA
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
アルバムよりシングル・カット。当時ハウス・サウンドを取り入れた日本人アーティストは殆どいなかったが、ここではタイトル曲をハウス・リミックスしている。
KAMIKAZE BLOW「近藤等則IMA」
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
オーストラリアでのライブを収めたもの。精力的に海外活動をしていた頃で、その模様はNHKでも放送された。代表曲を中心に収録している。ライブでは打ち込み色が薄いのだが、その分、生々しく、IMAの魅力でもある。
「TOKYO ROSE」近藤等則IMA
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
近藤IMAの代表作。このアルバムを製作中、中国で天安門大虐殺が発生する。近藤はそれに怒り、緊急ライブをインクスティック芝浦で開催し、抗議を表す。アルバムはベルリンの壁崩壊、天安門事件、美空ひばり死去などをモチーフにした曲を収録。ポップ度も高い。ライブ・バンドとして評価の高かったIMAがアルバムでも、今までに無く広く評価された。大傑作。
「TIMELESS MAN」近藤等則IMA(VTR)
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
IMA二本目のビデオ。川崎チッタでのライブ。この日のチッタは近藤が主宰したイベントで、IMAのメンバーによるユニットが出演した。IMAバンドの絶頂期が見れる。
「FLY JACK」近藤等則IMA
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
アサヒ・ビールのCM曲。
「BRAIN WAR」近藤等則IMA
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
近藤はストーンズのライブを見て触発されたのか、このアルバムでは打ち込みが減少し、山木のドラムも手数が多くなる。肉体性を前面に出した一枚か。
「TOUCH STONE」近藤等則
近藤等則
近藤のソロ演奏というと、ライブでもシーケンサーをバックに演奏する事が多い。これはソロ作品であるが、トランペットだけではなく、もちろんシーケンサーを使用。NHKのドラマ「腕に憶えあり」で使用された曲などを収録。バラード集である。
「IMABARI MEETING」V.A
近藤等則IMA,BILL LASWELL−DROP ZONE,ランキン・タクシー,ネーネーズ,他。
近藤が主宰し、故郷今治で開催したイベントのライブ盤。様々な音楽を一堂に集めるという近藤らしいイベント。
「IMABARI MEETING」V.A(VTR)
近藤等則IMA,BILL LASWELL−DROP ZONE,ランキン・タクシー,ネーネーズ,他。
上記イベントのビデオ。
「THE MAP IS NOT THE TERRITORY」AUTONOMOUSZONE
Ginger Baker,Anton Fier,山木秀夫,Foday Musa
Suso,Bill Laswell,近藤等則,坂田明,一噌幸弘
Peter Brotzmann,富樫春生
今治ミーティングに参加したメンバーを中心にしたセッション。でも即興ではなく、打ち込みの音に各々があわせたもの。日米英ドラム合戦というメンバーか。
「腕に憶えあり」近藤等則IMA
近藤等則 ,富樫春生,ЯECK (Friction) ,酒井泰三
,山木秀夫
NHKで放送された時代劇(村上弘明主演)の主題歌。このドラマは好評だったらしくシリーズ化された。音楽は全て近藤。
「RED CITY SMOKE」近藤等則IMA
近藤等則,富樫春生,山木秀夫,酒井泰三,西園マリ,Takahiro
Watanabe
いつのまにかレックが脱退。正直言ってIMAの終焉を感じずにいられないアルバム。この後IMAは解散。近藤はアムステルダムへ移住。
ISRAEL
NHKの番組でイスラエルに渡った近藤。そこでかつてのファンを探す。彼の兄が中東戦争で死去。そして近藤の元へ追悼ライブをやってほしいと依頼するも連絡が付かず、十数年たって再会。そして追悼コンサートは開かれた。その時のイスラエルでの各地での演奏を収めたCDブック。さらに、念願の再会をはたした彼は、近藤が帰国後、この本を出版前に事故で死去したという。エレクトリック・トランペットのソロ演奏。
CLUB NEW NIGHT
アシッド・ジャズが流行ってた頃に出された一枚。モンド・グロッソなどと共演。ここで、ジャズのスタンダートというかセロニアス・モンクの傑作曲「ラウンド・ミッドナイト」を演奏。近藤のスタンダード演奏は極めて珍しい。
「東京SHADOW」近藤等則
ラジオ・ドラマのサントラ。
「神戸 17.01.95」近藤等則
阪神淡路大震災への被災者へのチャリティー・アルバム。ソロ演奏を収めている。赤十字の救援募金が末端の被災者に伝わっていない事を聞き、製作。近藤自ら、集まったお金を被災者住宅の人に手渡したという。
「記憶」近藤等則&DJクラッシュ
古くからの知り合いであったDJクラッシュとの共演作。久々に近藤が優れたパートナーを得て傑作を出した。ボブ・マーリーのカバーを含む。近藤のトランペットは控えめながらも、メロディーは相変わらず素晴らしい。
「神曲」近藤等則
近藤等則 ,高田宗紀,藤本シンジ,Rova El-Essawy
(Attica Blues),谷口江里也,Evizoo
ダンテの「神曲」を音楽化。ゲストにアティカ・ブルースの女性ヴォーカル、ロバが参加。ナレーションをどう捉えるか評価がわかれるところか。
「CHERGED」近藤等則、BILL LASWELL,ERALDO BERNOCCHI
ビル・ラズウェルと、正体不明のDJとの3人名義。これが国内盤では出ていないというのが不思議な傑作。ドラムン・ベースやアブストラクト色が強く、DJクラッシュとのアルバムより近藤のトランペットは堪能できる。
近藤等則 参加作品
「灯りともし頃」浅川マキ
浅川マキ,萩原信義,杉田順,吉田健,白井幹夫,つのだひろ,坂本龍一,向井滋春,近藤等則
インナーを見ると坊主頭の近藤と、長髪の坂本に笑う。浅川マキの初期の作品。ジャズ色強し。
「ONE」浅川マキ
浅川マキ,山内テツ,山下洋輔,川端民夫,近藤等則
近藤は山下のユニットに参加した際、スタンダード曲のソロ部分だけ即興をやるというスタイルに「精神が貧しい」と批判。結局、近藤は歌を歌ったが、周囲は近藤を批判。近藤と山下の音楽観の違いが明確になったという。以後自分はジャズではないと公言。これは両者の共演を収めた作品である。ジャズ色は強い。
「CAT NAP」浅川マキ
浅川マキ ,近藤等則,本多俊之 ,向井滋春,杉本喜代志,飛田一男,川端民夫,つのだひろ
近藤が全曲の作曲を担当。完全なるロックで、当時共演していたラフ・トレード周辺アーティストからの影響からかポップ・グループを思わせる曲もある。近藤のトランペットで非エレクトリックの演奏としては最高の演奏が聴ける。
その頃のライブを収録。近藤だけが全く別世界からの音を出している。
「テンテレツク」山木秀夫
近藤等則,富樫春生
一曲のみ参加。
「SHADOW RUN」山木秀夫
山木秀夫,清水靖晃,近藤等則 ,劉宏軍,Foday
Musa Suso,Bernie Worrell,Bill Laswell,Ginger
Baker,Aiyb Dieng
第2回今治ミーティングの頃に収録。
「PHANTOM CITY LIVE UNLIVE」SHIVA RECOIL
Paul Schutze,Raoul Bjorkenheim,Toshinori
Kondo,Alex Buess,Bill Laswell,Dirk Wachtelaar
アンビエント系のアーティストとの共演。
「SPILIT WORLD」DAVID TOOP
ラフ・トレードで共にアルバムを出したデヴィッド・トゥープのアルバムに参加。これもアンビエント。
「NINO ROTA 1999」V・A
ニノ・ロータの曲を様々なアーティストが演奏したもの。一曲のみ参加。
「東京の空」エレファント・カシマシ
何故か共演。
「BON BOYAGE」UNITED FUTURE ORGANIZATION
一曲のみ参加。かなり良い。
「DUO & TRIO IMPROVISATION」DEREK BAILEY
Derek Bailey,近藤等則 ,阿部薫,高木元輝 ,吉沢元治,土取利行
完全即興演奏
「AIDA’S CALL」DEREK BAILEY、阿部 薫、近藤等則、吉沢元治
これほんとは海賊盤だ。
「Environment For Sextet」Bradfield,Centazzo,Chadbourne,Cora,Kondo,Zorn
Polly Bradfield,Andrea Centazzo,Eugene Chadbourne,Tom
Cora,Toshinori Kondo,John Zorn
豪華メンツだが完全即興。
「THIS, THAT AND THE OTHER」/Tristan Honsinger
featuring Toshinori Kondo
Tristan Honsinger,Sean Bergin,Toshinori Kondo,Michael
Moore,Tiziana Simona,Jean Jacques Avenel,Steve
Noble
これまた即興。
「FROM THE BROKEN WORLD」Tristan Honsinger
Tristan Honsinger,渋谷毅,近藤等則
これはメロディーがある。アムスのチェロ弾き。
「MEDITATION AMONG US」Milford Graves
Milford Graves,高木元輝,阿部薫,近藤等則,土取利行
即興。
「DIE LIKE A DOG FRAGMENTS OF MUSIC, LIFE
AND DEATH OF ALBERT AYLER」Brotzmann, Kondo,
Parker, Drake
Peter Brotzmann,Toshinori Kondo,William Parker,Hamid
Drake
アイラーの曲を演奏。
「THE MARZ COMBO」The Peter Brotzmann Tentet
Toshinori Kondo,Werner Ludi,Larry Stabbins,Peter
Brotzmann,Hannes Bauer,Paul Rutherford,Nicky
Scopelitis.Casper Brotzmann,William Parker,Anton
Fier
即興。
「 Little Birds Have Fast Hearts No 1」Die
Like a Dog Quartet -
Peter Brotzmann,Toshinori Kondo,William Parker,Hamid
Drake
即興。
「Fear no Fall」Shea,Wachtelaer,Parkins,Kondo,Low,O'Rourke
David Shea,Dirk Wachtelaer,Zeena Parkins,Toshinori
Kondo,DJ Low,Jim O' Rourke
即興
「 Little Birds Have Fast Hearts No 2」Die
Like a Dog Quartet
Peter Brotzmann,Toshinori Kondo,William Parker,Hamid
Drake
即興
「HOPE」長野パラリンピック・トリビュート
近藤等則
2曲参加。即興ではない。
近藤の即興時代は他にもたくさんのアルバムがありますが、それは今後UPするかも。
近藤等則著書
「悲しい恋の物語」
「ラッパ一本玉手箱」
「我かく戦えり」
「骨男」