NEO G Episode 2nd〜EDEN〜 を終えて

 

 構想2ヶ月、執筆10ヶ月、約一年の期間を経てやっと完結しました、私のオリジナルゴジラ小説第2弾、「NEO G Episode 2nd〜EDEN〜」、いかがだったでしょうか?前作「Ultima」が84年ゴジラをバックグラウンドとしたのと違い、「EDEN」は私の完全オリジナルアイデアとしてストーリーを作ったために、かなり生みの苦しみを味わった作品でありました。最も苦労したのが、今回のストーリーの要であった、「ゴジラの出現によって疎遠になった二人の絆」。「Ultima」の教訓を踏まえ、差別化するため「EDEN」ではヒロインの登場と、よりヒューマニズムを感じさせる展開を考えたわけです。しかし、それは考えていた以上に難しいものでした。私の描くゴジラ像は、人間の脅威そのものであり、ゴジラと人間の戦いは熾烈を極め、それを描き出すために自衛隊の兵器や破壊シーンは私が出来うる限りのリアルさを追求しています。そんな中で、男女のドラマが浮いてしまわないか、が一番の問題だったのです。そこで、私はドラマ自体にも緊迫感を持たせられるように、出来る限り戦いの流れの中に二人のドラマを挿入しました。特にそれが現れているのは、情報士官という立場上それまでの活躍場所が防衛庁内に限られてしまった真田が建物を飛び出し、横浜でピンチに陥っている美咲を助け出す――17話から最終話にかけてのエピソードです。終盤、人間がどうしても傍観者になりがちなゴジラ映画の中であえて人間が戦いに近い場所でドラマを展開させられる事が出来て自分としては満足いく出来に仕上がったと思います。

 今回の強敵「エデン」が産まれた背景には、平成ガメラシリーズがありました。平成ガメラのチャッチフレーズに「THE GUARDIAN OF THE UNIVERSE」とあります。訳せば「地球の守護者」。これを見てゴジラとガメラがもし戦う事になれば、その理由は原発や原潜を破壊し放射能汚染を引き起こすゴジラが地球にとて危険な存在となった時、それを倒すためにガメラが現れるというものになるだろうな、と考えました。自分としてはゴジラvsガメラで小説を書く気は無かったのですが、このアイデアは面白いと思ったのです。しかし、地球の守護者は守護者でも平和の使者であるモスラと違い、バトラやGVガメラをイメージさせる破壊的守護者として産まれたのが「エデン」です。実はNGE 2nd〜EDEN〜は私の考える「ゴジラvsガメラ」だったのです。

 そして今回のラストシーンは唐突に、全てが終わっていないうちに訪れます。このことも作品を構想している段階で頭に描いていたものでした。ラストシーンで真田と美咲は語ります、ゴジラという脅威を呼び覚ましたのは人間自身である、ゴジラと戦わなくては行けないのは人間の運命であることを。そして、前作「Ultima」を読んでいただいた方は思い出してください。最終回で雨宮は人間が自らに課した”業”として、ゴジラとの戦いを見届ける決心をしました。言うまでもなくこの二つの作品は人間とゴジラの戦いに敗北であれ勝利であれ、ひとつの結論を求めているのです。それこそ、私がゴジラの小説を書くうちに持ち上がってきた願望。ゴジラと人間が真正面からぶつかった時日本は、世界はどうなるのか描きたいという願望です。もちろん、初代ゴジラや84年ゴジラと違った形で。私はこの話を書きたいがために「Ultima」と「EDEN」を書いたといっても過言ではない。次回作「NEO G Episode 3rd〜Versus〜」では対戦怪獣を出しません。タイトルの「Versus」の示す通り、ゴジラ対人間、そしてゴジラをめぐる日本対世界の戦いを中心に据え、ゴジラの巻き起こす社会的・国際的影響をシミュレートした作品となる予定で、私の考えるゴジラの”不滅”の理由を空想科学で盛り込んだ”完結編”的内容となるでしょう。

 私としては自分の総決算としての作品にしたいので、2001年内はしばらく構想に重点を起き、充電に当てるつもりですので、年後半には第一回を公開したいと思っています。Web最高のゴジラ小説を目指す「NGE 3rd〜Versus〜」、をお楽しみに!ではでは!!!

 

2000年 12月7日

文責 GTS(Great Tactical Service)