作:トンベリクイーン
タイトル 『 ルナ・パン新喜劇 』

セルフィー「あ、いたいた!サイファー見ーっけ!!」
ゼル   「相変わらず高いところでえらそーにしてんな、あいつ。」
スコール (アホと煙は高いところが好きらしいからな。)
サイファー「お客さんらしいな。風神・雷神、相手して・・・ん?なんだぁ?後からついてきた『その他大勢』は・・・」
ラグナ  「お〜い!お前らちょっと早過ぎるぞ!!・・・のわぁっっっっっ!あ、足がつったーーーーーっっっっ!!!!!」
スコール 「・・・何であんたらまで来るんだよ・・・。」
ラグナ  「エルを迎えに来たに決まってんじゃねーか。それに、男3人でラグナロクにいてもヒマだろ?でよ、久しぶりにルナ・パン見学も悪くねーかと思って。」
キロス  「許してやってくれ、スコール君。大統領から「好奇心」と「行動力」を取ったら何も残らない・・・。」
ラグナ  「それにしても・・お前の通った後って、一目瞭然だな。道々でモンスターが死にまくってるぞ。」
スコール 「倒さなきゃ進めないんだ。仕方がないだろ?!」
ラグナ  「そりゃ、そーだけどよ。昔から言うだろ?『一寸の虫にも五分の消費税』って・・・。」
スコール 「それを言うなら『魂』だろ?!た・ま・し・い!!!一文字も合ってないぞ!!!」
キロス  「モンスターにそんなもんかけて、一体・何処の・誰から・どーやって徴収するつもりなんだ?ラグナ君。」
ラグナ  「うっ、そんなに一斉につっこまなくてもいーだろ?!ちくっと間違えただけじゃねーか!・・・エル、無事かあ?!」
エルオーネ「ラグナおじちゃ〜ん!こっちこっち〜♪♪♪」
ラグナ  「おぉ、元気そうだな。早くこっち来いよ!ウォード君特製弁当『バラムフィッシュの唐揚げ・トラビアだし醤油風味』が待ってんぞ!あ、お前らも良かったら食ってく?んまいんだな〜これが。」
一同   (ええっ?!このごっついおっちゃんの手作り?!!)
ラグナ  「あ、疑ってんな?心配しなくても、ウォード君はエスタの五つ星シェフに太鼓判貰うほどの腕なんだぜ。こう見えてもけっこう家庭的なんだ。」
キロス  「ラグナ君、男の友人を紹介するとき、『家庭的』何て言葉は使わないんじゃないか?普通は・・・。」
ラグナ  「そっか〜?ま、いいや。・・・おぉ、そいつは懐かしのガンブレード!」
スコール 「何するんだ?!これは俺の・・・!!!」
ラグナ  「んな、堅い事言うなって!昔、『魔女の騎士』やって以来だぜ。こう、左右にブンブン振り回して最後に真ん中でシャキーンって決めるんだよな。」
スコール 「あんたの昔話なんかこの際どーでもいいんだ。さっさとこっちに唐揚げよこせよな!」
ラグナ  「これでも大ヒットしたんだぞ。その年の主演男優賞!・・・はムリだったけどな。このラグナ様の甘いマスクと迫真の演技で、どれほどのファンが・・」
キロス  「『迫真の演技』?世界中の国語辞典の意味が激変しそうだな。」
ウォード 「・・・(大根役者だったくせに・・・)」
サイファー「・・ラグナ?!まさか本当に『魔女の騎士』のラグナ・レウァール?!」
ラグナ  「ん?もしかしてオレのこと知ってんのか?」
サイファー「知ってるもなにも・・俺、あんたに憧れて『魔女の騎士』になりたかったんだ!!!」
一同   「・・う・・うっそぉっっっっっっっっっ!!!」
スコール (そーか・・・この男が元凶だったのか・・・)

ゼル   「なあ、マジかよ・・あれ。あのサイファーがすっげー幸せそうなツラしてんぜ。まるでスーパーの屋上か遊園地のヒーローShowに来てるお子さまみたいだな。目までウルウルさせちゃってよ。」
スコール 「あいつにとっては、そんなもんなんだろ?(あのラグナが・・・う〜ん・・・)」
ラグナ  「まさかこんな所で自分のファンに会えるなんて信じらんねーよな、うんうん。サイン?いいのか? こんな高そうなコートの背中に・・・。『サイファー君へ・・・愛と勇気のラグナ・レウァール』・・これでよし!っと・・・」
スコール (・・あんたも、なんでこんな時に、いきなりサイン会なんか始めるんだよ・・)
セルフィー「ねーねーラグナ様!私もサイン欲しいな〜っ♪」
ラグナ  「おぉ!こんな可愛い子に言われるなら、オジサン、いっくらでも書くぜ〜!!!」
スコール 「それにしても、キタナイ字だ。一国の元首とは思えんな。」
キロス  「これでも随分とマシになった方だな。以前のは・・・あれは文字とは言わないな。紙の上でのたうち回るモルボルの触手だ。『ティン・マニ』の編集者の苦悩が目に浮かぶな。」
ラグナ  「ひでー事言うなよぉ!これでも大統領の激務の合間を縫って、『日ペンの美子ちゃん』講座で頑張ってんだぞ!!」
スコール 「・・『日ペンの美子ちゃん』・・って・・あんた・・・(ふーん、努力はしてるんだな、一応。)」
セルフィー「私、ラグナ様のHP作ってるんだ〜♪だからガーデンにもラグナ様ファンって、いっぱいいるよ。・・・よぉし!この際だからファン代表としていろいろとインタビューしちゃおっと!」
ラグナ  「OK!何でも聞いてくれよ!あ、でも国家キミツとかゆーのはナシな。キロスに怒られっからな。」
キロス  「大丈夫。漏らされて困るキミツとやらは、あんたの耳には入れてない。」
スコール  (あんた本当に大統領か?んな所で『の』の字書いていじけてどーする・・・。)
セルフィー 「じゃ、しっつもーん!ラグナ様はトランクス派?それともブリーフ派?」
キスティス 「あのねえ・・・(変態のイタズラ電話じゃないのよ、セルフィー・。)」
ラグナ   「下着?もちろんトランクス!締め付けるのはヤなんだ。ちなみに、夜寝るときはな〜んもなし!」
セルフィー 「きゃーっ!そーゆー発言、10代の女の子には刺激強すぎっ!!!」
アーヴァイン「・・・セフィ〜 ・・・(泣)」
スコール  (なあ、セルフィー、四十過ぎた中年男の、しかも裸の寝姿のどこが刺激的なんだ?『気持ち悪い』の間違いじゃないのか?!)
サイファー 「そうか・・・じゃ、明日から俺もやってみよう・・・」
ゼル    「うぁぁっ、やめやめっ!気色悪過ぎ!!!」
サイファー 「チキン野郎に男のロマンはわからんな。」
ゼル    「たかが裸で寝るくらいで『男のロマン』を持ち出すなっ!」
雷神    「サイファー、裸はヤバイもんよ〜。腹こわすとツライもんよ〜。」
風神    「大変心配。腹巻必要。」
セルフィー 「ええっ?!もしかして風神って、腹巻きして寝てんの?!!」
風神    「我、冷え性。毛糸腹巻愛用。」
ラグナ   「そうそう、女の子は腰を冷やしちゃダメだぞ!で、男の場合は暖め過ぎるとかえって・・・いっ、痛ってぇーーーーっ!!!!!何もガンブレードの柄で思い切り殴るこたぁねーだろっ?!!!ハゲが出来ちゃったらどーしてくれるんだぁ〜〜っっ!!!(涙)」
スコール  「あんたがさっきから、つまらん事ばっかり言うからだろ!(怒)こんな所で保健体育の授業してどーするんだ!!!」
ゼル    「・・・で?・スッポンポンに毛糸の腹巻きか?・・・もうカンベンしてくれよぉ〜・・俺、マジで吐きそう・・・(涙)」
アーヴァイン「だったらさぁ〜、ゼル・・いちいち口に出さないでよ〜。うっかり聞いちゃったこっちまで気色悪いんだよ〜。」
サイファー 「(むかつくチキン野郎はほっといて、と)ところで、今日は何でこんな所に?しかもこんな連中と・・・」
ラグナ   「オレかぁ?最初から話すと長いんではしょるけどよ、オレ、今はエスタの大統領なんだ。」
サイファー 「・・・?!!・・・」
ラグナ   「17年前にアデル倒して、勢いでこーなっちまったんだけどな。今になって、アデルの封印が解けるわ、アルティミシアって別の魔女が出てくるわ、ルナ・パンのせいでモンスターは降ってくるわで世界中もう訳分かんねー状態だろ?でよ、でよ、このオレがバラムガーデンに依頼して腕利きSeedを連れてきたって訳だ。・・・幸いここには息子さんがいるしな。」
サイファー 「・・・息子・・さん・・・?」
スコール  「(・・なんか スゴイいや〜な予感・・・!)あんたは黙ってろ!!」
ラグナ  「なあ、もうそろそろ『あんた』っての、止めてくんないか?いろいろあって、手元で育てらんなかったのはほんっとに悪かったと思ってるんだぜ。けど、こんなんでも一応父親なんだし・・。「父ちゃん」とか「パパ」とか・・あ、「ダディ」も悪くねーな!・・そろそろこんな風に呼んでくれたって・・・。」
スコール 「な〜にが、「ダディ」だ・・このお気楽極楽無責任男がぁっ!!!確かに遺伝子上は親子かもしれないが、俺は認めてない!!!ずーっとほったらかしだったくせに。よその国の厚生省CMのキャッチコピー、知ってんのか?『育児をしない人を、父とは呼ばない』だぞっ!」
ラグナ  「・・しくしく・・息子が冷たいよぅ・・(泣)」
セルフィー「あ、それ知ってる!安室ちゃんの子供とダンナが出てるやつでしょ?でも、あの人よりもラグナ様のほうがずーっとかっこいいと思うよ。」
リノア  「スコール、言い過ぎ!おじさまだって、色々大変みたいだったし、可哀相だよ!」
ラグナ  「お、さすがスコールの彼女!こーゆー気だてのいい娘さんが息子の嫁さんだと、父親の未来は安泰だなっ!」
キロス  「こーゆーややこしい男を父親と呼ぶ羽目になる、彼女の未来が気の毒だな、私は・・・。」
ウォード 「・・・(確かに・・・)。」


ゼル   「なあ、サイファーの奴・・・なんかヤバくねーか?」
セルフィー「あ、ほんとだ!俯いて肩震わせてるけど・・もしかして、怒ってるぅ?!」キスティス「まずいわ!ブチ切れて飛び出した挙げ句、ティンバーで大立ち回りやった時とおんなじ!!」 
アーヴァイン「大噴火寸前の活火山ってとこだね〜。」
キスティス「ま、当然よね。憧れの人も昔の恋人も、今は揃って敵だし・・おまけにあのスコールの関係者なんだから。」
ゼル   「オレ、ヤだぞ!あんなのと戦うのは。ブチ切れ寸前のアホにガンブレード・・・この世の最終兵器だぞ!!」
アーヴァイン「ん〜、確かにね。(ゼルにそこまで言われたら、サイファーも終わりだな〜。)」
セルフィー 「じゃ、みんなでバックレるぅ〜?」
ゼル    「そ、それはちょっと・・いくらなんでも、仲間を捨てて行くのは・・なあ?」 セルフィー 「捨てる?ち・が・う・の!・・いい?サイファーって、アルティミシアの騎士でしょ?で、スコールはリノアの騎士。こーなると、ここ一番の見せ場は『魔女の騎士二人・宿命の一騎打ち』!私達脇役が、邪魔しちゃ悪いよ〜。」
アーヴァイン「成る程ね〜。それで?」
セルフィー 「主人公に『宿命の対決』って、おいしい所を任せちゃおう!で、脇役の皆さんは次の準備に取りかかるわけ。」
ゼル    「何だよ、それ・・・。」
セルフィー 「アデル探しだよ〜ん!セルフィー様プロデュース『魔女の騎士』!どうかな?」
キスティス 「それ、賛成!(スコール、ごめんなさいね。)」
アーヴァイン「異議なし!!(さすが、セルフィー!)」
ゼル    「よし!そーと決まれば早いとこバックレよーぜ!!(悪いなスコール、これもお前の為だ。独りでがんばってくれ!!)」
       〜〜〜〜〜〜〜〜退場〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!


サイファー 「・・・スコール・・・」
スコール  (ん?な、何だこいつ・・目が据わってるぞ。もしかして酒入ってんのか?・・・なんか恐すぎるぞ!)
サイファー 「・・・覚悟しろよ、スコール!!」
スコール  「やるのか?仕方がない。・・・あぁっ!!!あいつら何処行ったんだ?!!」
エルオーネ 「あら、あの子達ならとっくにアデル探しに行っちゃったけど・・。」
スコール  (そーゆー事、何で早く言ってくれないんだよ・・・おねえちゃん!!)
サイファー 「許さねえ!!お前ばっかり『幸せ』しやがってーーーっ!!血祭りぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
スコール  「やかましい!!そっちこそ俺にばっかり八つ当たりしやがってーーーっ!!!エンド・オブ・ハートォォォォォォォォッ!!!!!!」


ラグナ   「んん〜?ケンカするほど仲がいいってやつかぁ?青春、青春♪♪」
キロス   「犬猿の仲とも言うな。・・・普通はそう言うな。」
リノア   「この唐揚げほんと美味しい!!おかわり!」
エルオーネ 「も、最高!!今度はセントラカレー風味で作ってねっ♪」
ウォード  「・・・(・・なあ、あの二人止めなくていいのか?・・・)」
   

END

Exit
作画:朔実アンジ