2002年、年明け早々にブラックがデビューすることになりました。タイキの馬がこの時期にデビューすることは珍しい出来事と言って良いと思うのですが、この世代の募集馬は例年より仕上がりが早く、非常に望ましいことです。が、問題なのは、ブラックのデビュー戦が平日の月曜日であること。年にほんの数回しかない平日開催にわざわざぶつけなくても...。仕事はじめの日から休むわけにもいかず、テレビで録画観戦するしかありません。
ブラックはタイキゆかりの活躍馬クロフネミステリーの肌に新進の種牡馬 Rahy をつけたという血統構成で、ダートの短距離からマイルが主な活躍の場となりそうです。爆発力のある配合というよりは、比較的堅実な配合といったイメージでしょうか。馬体も力強いタイプのように見受けられます。ところで、話はそれますが、Rahy の日本語表記って、「ラーイ」「ラーヒ」のどちらかかと思ったら、一馬ではなんと「ラフィ」。現地の発音に近いのはいったいどれなんでしょう。
| １馬 | △△△△▲△ |
| 東京スポーツ | △○○‥▲‥‥‥ |
| 競馬ブック | ‥×‥×◎○‥ |
デビュー前の調教の経過からは、少し仕上がり不足の気配があるか、と思っていましたが、新聞各紙の評では、仕上がりにはあまり問題がないようでした。対戦相手の人気は、ディンヒル産駒のコスモマースケイ、クラフティプロスペクター産駒のレディーシップの両外国産馬、ほとんど外国産のような血統の印象のダイイシス産駒ニシノムーンライト、そしてトウカイテイオー産駒のストロングブラッドなどが上位で、ブラックは最終的に５番人気でした。人気はそれほどありませんが、メジロライアン×メジロラモーヌ（奥平厩舎、横山典）というメジログリーンも気になる一頭です。
スタートは互角。ブラックは中段やや後方につけます。折り合いはあまり問題がないように見えます。ニシノムーンライトが平均的なペースで逃げる展開となりました。三角過ぎからブラックも徐々に進出、最終コーナー直前では良い位置取りのように見えましたが、直線これからというところで前がやや壁になり、スピードをロスしたようです。ほぼ同じ位置からストロングブラッドが非常に良い脚を繰り出して、あっという間に先頭に立ちます。更に外を回ってレディーシップが素晴らしい切れ味を発揮し、レースは完全にこの２頭の一騎うちに。ブラックはようやく逃げたニシノムーンライトに並びかけますが、残り200くらいで脚色が同じになり、結局４着での入線、逃げ馬を捕らえそこねました。
１回東京３日目７Ｒ 三歳新馬 混合 ダート1600
| 着順 | 馬名 | 騎手 | 走破タイム | 上がり | 位置取 | 人気 |
| 1 | ストロングブラッド | 江田照 | 1.40.6 | 37.2 | 8-5-5 | 1 |
| 2 | レディシップ | 小野 | 1.40.7 | 36.9 | 14-11-11 | 6 |
| 3 | ニシノムーンライト | 勝浦 | 1.41.8 | 38.8 | 1-1-1 | 4 |
| 4 | タイキブラック | 後藤 | 1.41.8 | 38.4 | 5-5-5 | 5 |
「競馬センスのある馬ですが、馬体にまだ余裕があったからね。その分伸びを欠いたが、次回は変わってくると思う。」（後藤騎手／競馬ブックより）
なんというか、レース振り、着順とも微妙な（中途半端な）結果に終わりました。１・２着馬とは現時点での能力差と４角での若干のロスということでやむを得ないと思うのですが、３着馬は正直差して欲しかった。器用なレース振りを見せてくれたけれど、勝負根性をもうちょっと...。後藤騎手のいうとおり、次走での変わり身があれば十分期待が持てるわけで、まずは及第点のデビュー戦といったところでした。