タイキアリエス 馬主の一言
[血統]
[戦績]
[収支]
[講釈]
ついにというか、やっとというか、アリエスのデビューの日がやってきました。4歳夏の牝馬のデビューは、極めて珍しい出来事だと思います。
アリエスは、半兄にタイキウルフ、半姉にタイキジュリケットという活力のある母系で、兄弟の走りっぷりから、芝の短距離での早い時期からの活躍を期待していました。また、父のコジーンは、アリエスを選択した直後にアドマイヤコジーンが大活躍をし、先見の明があったかな、とほくそえんでいたのですが、それも随分と昔のことになってしまいました。
脚元の不安と腰の甘さをたびたび指摘され、本格的な調教をつめないまま、2歳・3歳を経過。3歳の秋で未勝利戦がなくなった時点で私としては引退を覚悟したわけですが、あにはからんや、その後もデビューを目指して調教を続けられ、デビューの日を迎えることとなったわけです。
1馬 | ‥‥‥‥‥‥ |
東京スポーツ | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
日刊スポーツ | ‥‥‥‥‥‥ |
う〜ん、4歳秋にしてのデビュー戦で500万下条件に出走するのですから、人気があるはずがないのですが、さすがにがっくりです。それでも、14頭中11番人気になったのは、500万下で勝負付けの済んだ馬よりは、まあ初出走の馬に投票してあわよくば、というギャンブラー達に後押しされたというところでしょうか。
新潟競馬場への遠征はかなわず、TV観戦をしたわけですが、パドックを見て、さらにがっかりしてしまいました。
発表された馬体重が 520kg で、かなり重たいなあ、と感じていたわけですが、アリエスの立派過ぎる腹まわりを見ると、どうみても調教不足で、仕上がっているにはほど遠い状態に見受けられました。夏場の牝馬でこの状態ということは、やはり脚にかなりの不安があって、十分な調教が積めない状態だということがあらためて感じられました。
出走馬の人気順は、ミホシドニー、フライトソング、カシマコンドルの順でした。
さて、スタートです。スタートは無難にこなし、アリエスは後段にとりつきます。ヒカルチャンプの逃げで、比較的よどみのないペースで淡々と進みます。アリエスはなんとか後ろの集団に食いついた状態で、4角まではレースを進めることができました。直線を向いて、勝負に関係する位置にはいられなかったアリエスの状態はほとんど確認できませんでしたが、残念ながら大きく差をつけられての入線となりました。レースはほぼ人気どおりの決着となりました。
2回新潟4日目8R 三歳500万下四歳以上1000万下 混合 芝2000
着順 | 馬名 | 騎手 | 走破タイム | 上がり | 位置取 | 人気 |
1 | ミホシドニー | 小林淳 | 1.59.6 | 34.3 | 4-4-4 | 1 |
2 | カシマコンドル | 田中勝 | 1.59.7 | 34.0 | 9-9-10 | 3 |
3 | フライトソング | 嘉藤 | 1.59.9 | 34.5 | 5-4-4 | 6 |
| : | | | | | |
14 | タイキアリエス | 佐藤年 | 2.04.2 | 37.7 | 12-12-13 | 9 |
なかば予想されたことですが、結果は非常に残念なものとなってしまいました。
そして追い打ちをかけるようにレース後の脚元に不安がでたことが伝えられ、数日後に正式に引退が発表されました。
レースを見た印象からして、この引退はやむをえないと思いますし、アリエスも厩舎関係の方も一生懸命がんばった結果だと思います。ただ、4歳の夏まで調教を続け、そして不十分な状態で、故障の危険も伴うレースに参加させることが本当に意味のあることだったのか、疑問が残ります。アリエスには400人近くの馬主の仲間がいらっしゃるわけですが、一度でも走る姿を見られて良かったと思う方、もっと早く繁殖に上げてあげたほうが良かったと思う方、様々なのではないでしょうか。正解があるわけではないのですが、(クラブの規約のことを考え合わせると)後味の悪い結果であることは否めない気がします。
アリエスは優秀な血統背景から、繁殖牝馬になれることはまず大丈夫でしょう。競走馬としては残念な結果に終わりましたが、ぜひ良い仔を出して欲しいと思います。
[Home]
Last update 01.09.02